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マンションを購入したものの、収入減少や予期せぬ出費により、管理費や修繕積立金の支払いが困難になる場合があります。この記事では、マンションの管理費や修繕積立金が支払えなくなる原因や支払えない場合にどうなるのか、また、その対処法について解説します。 マンションの管理費と修繕積立金の滞納は増加している 管理費は、共用部分の清掃や設備点検、管理員の人件費など、日常的な運営に必要な費用です。一方、修繕積立金は、外壁や屋根、エレベーターなどの大規模修繕に備えて積み立てられる資金です。 国土交通省に調査によれば、滞納住戸の割合(3ヶ月以上の滞納)が0%超~10%以下の管理組合において、令和5年度は平成30年度と比較して4.8%増加しています。 出典)国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果から見たマンションの居住と管理の現状 p.19」 管理費や修繕積立金が支払えなくなる原因 マンションの管理費や修繕積立金が支払えなくなる原因の一つに、これらの費用の値上げがあります。近年、物価や人件費の上昇に伴い、マンションの維持管理にかかるコストも増加傾向にあります。 特に、管理会社の業務内容が多様化・高度化する中で、管理費は上昇傾向です。株式会社マーキュリーの調査によれば、新築マンションの2023年(令和5年)の月額管理費は、2014年(平成26年)と比較して約34%増加しています。 出典)株式会社マーキュリー「新築マンションの月額平均管理費(60㎡換算)の推移」 修繕積立金についても同様の傾向がみられます。国土交通省の調査によれば、修繕積立金の令和5年度の月額費用は、平成25年度と比較して約21%上昇しています。これらの結果から、管理費や修繕積立金の双方において、住民の経済的負担が一層重くなっている現状が浮き彫りとなっています。 出典)国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状 p.8」 また、修繕積立金の上昇は単なる物価の影響だけではありません。マンションの老朽化が進むにつれて、必要な修繕工事の内容も高度化・大型化しており、それに伴う工事費用も増加しています。実際、国土交通省は令和3年に「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を改訂しました。 この改訂により、実際に必要とされる修繕積立金の水準が見直されました。国土交通省が作成したグラフによれば、修繕積立金の2021年度の平均値は、2011年度と比較して約50%上昇しています。 出典)国土交通省「管理・修繕に関するテーマの検討p.22」 こうした費用の上昇は、収入や支出のバランスが崩れたときに支払い困難を招く要因となり、結果として滞納に陥るリスクを高めることになります。 マンションの管理費と修繕積立金が支払えないとどうなる マンションの管理費や修繕積立金の支払いを滞納し続けると、以下の流れで資産を差し押さえられる恐れがあります。 管理組合から督促状が届く 管理組合から裁判を提起される 物件が競売にかけられる 管理組合からまずは書面による督促が行われ、支払いを求められます。督促に応じず、滞納が続くと、管理組合は民事訴訟を起こすことがあります。裁判所からの支払い命令が出されると、法的拘束力を持つ債務となります。 裁判での判決後も支払いがなされない場合、管理組合は差し押さえの手続きを進め、最終的には物件が競売にかけられることになります。競売にかけられると、所有権を失うだけでなく、価格が市場評価よりも低く売却せざるを得なくなる場合もあるため、今後の生活に大きな影響を及ぼします。 関連記事はこちら競売とは?競売を回避すべき理由とその回避方法 出典)e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」第59条第1項 マンションの管理費と修繕積立金が支払えない場合の対処法 マンションの管理費と修繕積立金が支払えない場合、滞納が発生する前に以下の対処法を検討しましょう。 管理組合と相談する 管理費や修繕積立金の支払いが難しいと感じたときは、まずは一人で抱え込まずに、管理組合や管理会社へ相談してみましょう。事情を正直に伝えることで、今後の支払い方法やスケジュールについて、柔軟に対応してもらえることがあります。 管理会社がいる場合は、できるだけ早く連絡し、支払う意思があることを明確に伝えることが大切です。管理会社は通常、滞納者への対応も担っているため、支払いが難しくなった理由や、支払時期・方法を共有することで、分割払いや支払期限の延長について相談できる可能性があります。 リバースモーゲージを利用する マンションの管理費や修繕積立金の支払いが継続的に困難な場合は、リバースモーゲージの利用を検討するのも一つの選択肢です。リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受けられる高齢者向けのローン商品です。 リバースモーゲージを利用すれば、手元資金を確保しながら住み続けることができ、管理費や修繕積立金の支払いに充てることも可能です。ただし、マンションの場合は物件の評価額や築年数などによって利用できない場合もあるため、事前に金融機関へ相談することが重要です。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや仕組みを解説 リースバックを利用する 管理費や修繕積立金の支払いが根本的に難しい場合は、リースバックの利用も有効です。リースバックとは、自宅を売却して現金を得て、売却後は賃料を支払うことで、それまで住んでいた住宅に引き続き住むことができるサービスです。 リースバックでは、自宅を不動産会社に売却し、賃貸契約を結んで引き続き居住します。毎月家賃は発生するようになりますが、売却によりまとまった資金を確保できるうえに、管理費や修繕積立金の支払いは所有者となる運営会社に引き継がれます。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 まとめ この記事では、老後にマンションの管理費や修繕積立金が支払えなくなる原因や対処法について紹介しました。マンションの管理費や修繕積立金の支払いが困難になった場合は、一時的な収支の乱れであれば、管理組合との相談やリバースモーゲージなどの目先の対策を検討しましょう。 また、支払いの目途が立たないのであれば、物件の売却やリースバックを検討することで、滞納による差し押さえや競売にかけられるリスクを回避しましょう。
定年後、自由な時間が増える一方で「何をして過ごせばいいのか」「生活費は足りるのか」と不安を感じる人も多いのではないでしょうか。 この記事では、シニア世代の「現在の楽しみ」ランキングTOP5と、ゆとりある老後を送るために必要な生活費の目安をわかりやすく紹介します。自分らしい老後の生き方を見つけるヒントとして、ぜひ参考にしてください。 シニアの「現在の楽しみ」ランキングTOP5 ここでは、2024年にソニー生命株式会社が全国の50歳〜79歳の男女を対象に実施した「シニアの生活意識調査」の結果をご紹介します。下表は、シニア世代が「現在の楽しみ」として挙げた人気の過ごし方TOP5です。定年後の過ごし方を考えるうえでも参考になる内容です。 順位 現在の楽しみ 割合 1位 旅行 45.3% 2位 テレビ・ドラマ 39.9% 3位 グルメ 28.1% 4位 映画 25.9% 5位 読書 22.3% 出典)ソニー生命株式会社「シニアの生活意識調査2024」 シニアの実感と統計から読み解く余暇活動と生きがいの関係 シニア世代にとって、余暇活動の充実は「生きがい」につながる重要な要素です。 公益財団法人 長寿科学振興財団が60歳以上の男女618名を対象に行った調査では、「余暇活動を行っているときに生きがいを感じますか?」という問いに対し、男性の79.0%、女性の87.4%が「はい」と回答しています。 また、内閣府の「高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果」によると、シニア層が生きがいを感じる場面として、家族との団らんや食事、スポーツ、旅行などが挙げられています。 下表は、60歳以上の男女1,783名を対象にしたアンケート結果で、「生きがい(喜びや楽しみ)を感じる時」に関する回答をまとめたものです。 生きがいを感じる時 割合 孫など家族との団らんの時 55.3% おいしいものを食べている時 54.8% 趣味やスポーツに熱中している時 53.5% 友人や知人と食事・雑談をしている時 52.6% テレビをみたり、ラジオを聞いている時 43.2% 旅行に行っている時 39.8% 夫婦団らんの時 34.5% 他人から感謝された時 31.7% 仕事に打ち込んでいる時 30.9% 収入があった時 24.8% 勉強や教養などに身を入れている時 16.7% 社会奉仕や地域活動をしている時 12.5% 若い世代と交流している時 10.0% その他 1.2% 不明・無回答 0.7% このように、シニア層が生きがいを感じる場面は多岐にわたりますが、共通しているのは「人とのつながり」や「自分の好きなことに没頭する時間」が重要であるという点です。 定年後の生活を前向きに楽しむためには、こうした生きがいを意識しながら、余暇活動を積極的に取り入れることが大切です。出典)公益財団法人 長寿科学振興財団「余暇活動と生きがい感についての調査報告」 出典)内閣府「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果(8.世代間の交流・生きがい p.118)」 老後の生活費は足りる?ゆとりある暮らしに必要な金額とは 定年後は自由な時間が増える一方で、「収入が減るのでは?」「趣味や旅行を楽しめるだろうか」といった不安を感じる人も多いのではないでしょうか。 特に、ゆとりある老後を送りたいと考える場合、生活費の見通しと資金の準備は欠かせません。 ゆとりある老後の生活費の目安 公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、「老後の最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した“ゆとりある老後の生活費”は、月額で平均37.9万円が必要とされています。これは、基本的な生活に加えて、趣味や旅行、交際費などを含めた金額です。 また、同調査では「ゆとりのための上乗せ額の使い道」についても以下のような結果が出ています。 使い道 割合 旅行やレジャー 60.0% 日常生活費の充実 48.6% 趣味や教養 48.3% 身内とのつきあい 46.2% 耐久消費財の買い替え 31.7% 子どもや孫への資金援助 19.4% 隣人や友人との付き合い 12.5% とりあえず貯蓄 3.9% その他 0.3% わからない 0.5% この結果からも、老後の「楽しみ」には一定の支出が伴うことがわかります。特に、旅行やレジャーを継続的に楽しむには、計画的な資金準備が必要です。 出典)公益財団法人生命保険文化センター「令和4年度 生活保障に関する調査 p.113,115」 老後の収入の目安 一方、総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの世帯の実収入(月平均)は252,818円です。主な収入源は年金などの社会保障給付ですが、ゆとりある老後の生活費と比べると約12万円の差があります。 出典)統計局「家計調査報告(家計収支編2024年(令和6年)平均結果の概要p.18)」 この差額を埋めるためには、以下のような対策が考えられます。 退職前からの貯蓄や資産形成 定年後の再雇用やパート勤務 支出の見直しや固定費の削減 資産の活用(年金以外の収入源の確保) 老後の生活を安心して楽しむためには、「収入を増やす」「支出を抑える」「資産を活用する」の3つの視点から、バランスよく対策を講じることが重要です。 まとめ この記事では、シニア世代が現在楽しんでいる活動を紹介しながら、定年後の生き方や生活費の実態について解説しました。旅行や趣味、家族との時間など、生きがいにつながる活動は、老後の生活を豊かにする大切な要素です。 一方で、ゆとりある老後を送るには、年金だけでは生活費が不足する可能性があることも明らかになりました。趣味やレジャーを楽しむためには、経済的な備えが欠かせません。 老後の時間を充実させるためには、「生きがい」と「経済的な準備」の両立が重要です。自分にとって何が生きがいになるのかを見つめ直し、それに必要な支出を見積もることで、より安心して定年後の生活を楽しむことができます。 ぜひ、この記事をきっかけに「自分らしい老後の過ごし方」について考え、今からできる準備を始めてみてください。
定年を迎えるにあたり、貯蓄が十分でない場合は、年金だけで生活できるのか、急な医療費や介護費にどう備えるべきかなど、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、実際の収支データをもとに老後の生活費の現状を整理し、支出の見直しや収入の補填、公的制度の活用など、具体的な対処法をご紹介します。 シニア層の約3割が経済的な心配がある 令和6年の内閣府の高齢社会対策総合調査において、「現在の経済的な暮らし向きについてどのような考えを持っているか」という質問に対して、60歳以上の男女のうち、21.8%が「家計にゆとりがなく、心配である」、9.0%が「家計が苦しく、非常に心配である」と回答しており、全体の約3割が経済的な心配がある状態となっています。 出典)内閣府|令和6年度高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査) 年金だけで暮らすには?老後の生活費の実態 令和6年の総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は以下のとおりです。 出典)総務省統計局|家計調査報告(家計収支編2024年(令和6年)平均結果の概要) 関連記事はこちら老後の一人暮らしに生活費はいくら必要? 老後の実収入は約25.2万円 65歳以上の夫婦のみの世帯の実収入の合計は252,818円で、内訳は以下のとおりです。年金などの社会保障給付が、実収入の約9割を占めていることがわかります。 項目 金額 割合 社会保障給付 225,182円(月平均額) 89.1% その他(事業・内職収入、仕送り金など) 27,636円(月平均額) 10.9% 実収入合計 252,818円 100% 老後の消費支出は約28.6万円 65歳以上の夫婦のみの世帯の消費支出と非消費支出の合計は286,877円で、内訳は以下のとおりです。 項目 金額 消費支出に占める割合 食料 76,352円(月平均額) 29.8% 住居 16,432円(月平均額) 6.4% 光熱・水道 21,919円(月平均額) 8.5% 家具・家事用品 12,265円(月平均額) 4.8% 被服及び履物 5,590円(月平均額) 2.2% 保健医療 18,383円(月平均額) 7.2% 交通・通信 27,768円(月平均額) 10.8% 教養娯楽 25,377円(月平均額) % その他の消費支出(諸雑貨・交際費など) 52,433円(月平均額) 20.4% 非消費支出(直接税・社会保険料) 30,356円(月平均額) ー 支出合計 286,877円※ 100% ※数字は、表章単位未満を四捨五入しているため、内訳を足し上げても合計とは一致しません。 年金だけでは老後の生活費は6万円以上不足する? 上述したように実収入(252,818円)を、支出(286,877円)が上回っており、毎月3万円以上の赤字となります。さらに収入のうち、社会保障給付を年金と仮定すると、年金だけでは毎月225,182円となり、平均的な世帯の年金、支出の差額は約6万円にも及びます。 貯蓄が少ない老後にできる生活費の見直し方法 老後に貯蓄が少ない場合、年金だけでは生活費が足りないこともあります。そこで、収支のバランスを見直し、安定した生活を維持する方法を考えることが重要です。貯蓄が少ないときの対処法として、以下のようなものがあります。 固定費を見直して生活費を節約する 老後の支出を抑えるには、まず毎月発生する固定費の見直しが効果的です。通信費(電話・インターネット)、保険料(生命保険・医療保険)、サブスクリプション利用料(動画配信・音楽配信・新聞)などは、契約内容を確認し、不要なサービスの解約やプラン変更を検討しましょう。 さらに、電気・ガス・水道などの光熱費も節約の余地があります。契約会社の見直しや節電グッズの活用によって、月々の支出を抑えることができ、収入に見合った生活を維持する第一歩になります。 シニア向けの働き方で収入を補う 近年では、シニア世代を対象とした短時間勤務や在宅ワークなど、柔軟な働き方が増えています。地域のシルバー人材センターや自治体の支援窓口では、体力やスキルに応じた仕事を紹介してもらえることもあります。 週数日だけの勤務や、無理のない範囲での副業を通じて得られる収入は、生活費の不足分を補うだけでなく、社会とのつながりや生きがいにもつながります。自分に合った働き方を見つけることが、経済的・精神的な安定につながります。 家族との同居や支援で老後の生活費を補う 家族との支え合いも、老後の生活費を補う有効な手段です。同居による住居費や光熱費の分担や、生活費の一部を援助してもらうことで、経済的な負担を軽減できます。 また、収支の状況を家族と共有することで、将来の生活設計や支援の必要性について早めに話し合うことができ、安心感にもつながります。家族との協力は、老後の暮らしを支える大きな力になります。 老後の生活を支える制度やサービス 家計にゆとりがなく、一定の要件を満たす場合は、以下のような公的支援を利用できる場合があります。 年金生活者支援給付金制度 年金生活者支援給付金制度は、年金収入が一定額以下の人を対象に、国が支給する給付金制度です。支給額は対象者の収入や年金額に応じて決まり、老齢・障害・遺族基礎年金の受給者が条件を満たす場合に申請できます。 関連記事はこちら年金生活者支援給付金とは?給付対象や手続き方法を解説 高額療養費制度 医療費が高額になった場合でも、自己負担額が一定の上限を超えた分は払い戻される制度です。年齢や所得に応じて上限額が設定されており、急な入院や治療費がかさんだときの経済的な支えになります。 制度の対象や申請方法などの詳細は、厚生労働省の公式ページをご確認ください。 出典)厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 持ち家を活用した資金調達方法 貯蓄が少ない場合でも、持ち家がある場合は、以下のような商品やサービスを利用できる場合があります。 リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に老後資金の融資を受けられるシニア向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみとなり、債務者が亡くなった後に自宅を売却して元金を返済する仕組みです。老後の生活資金や医療費用、介護費用などに利用できます。 リースバック リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却すると同時に、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができる不動産取引です。高齢者や信用情報に不安がある人でも、売却予定のご自宅に一定の価値があれば利用できます。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 まとめ 定年後の生活に不安を感じている方は、決して少なくありません。特に、貯蓄が十分でない場合は、「年金だけで本当に暮らしていけるのか?」という疑問を持つのは自然なことです。 この記事で紹介したように、支出の見直しや働き方の工夫、公的支援制度や持ち家の活用など、老後の暮らしを支える選択肢は多くあります。大切なのは、早めに情報を集めて、今のうちから準備を始めること。制度の内容を確認したり、家族と話し合ったりすることで、安心できる老後への一歩を踏み出せます。 制度の詳細は各公式サイトで確認し、不安な方は専門家への相談も検討してみましょう。今できることから始めることで、安心できる老後に一歩近づけます。
人生の終盤をどう過ごすか、それは誰にとっても避けられないテーマです。近年では「終活」という言葉が広く知られるようになり、将来に備えて準備を始める人が増えています。とはいえ、「何から始めればいいか」「いつ始めるのがいいのか」と悩む人も多いのではないでしょうか。 この記事では、終活を始めるタイミングや進め方、準備すべきことについて、具体的なステップを解説します。 終活はいつから始めるべき?年代別の進め方 株式会社NEXERが行った調査によると、終活を始めるのにふさわしい年代として、「60代頃」と回答した人が31.2%、「70代頃」と回答した人が36.9%、「80代頃」と回答した人は10.3%でした。つまり、60代~70代が全体の約7割を占めています。 出典)株式会社NEXER、森正株式会社(SAIKAI&CO.)「【終活、何をする?】実際に終活を行っている78.7%が「不用品処分をしている」」 終活を始めるのにふさわしい年代として、60代~70代と答える人が多い一方で、早く始めると安心できる要素も多分にあるでしょう。あくまで目安ですが、年代別に以下のようなイメージで進めるといいでしょう。 50代:終活の情報収集とライフプランの見直し 将来に備えた準備期間として、情報を整理し始める時期です。まだ終活には早いと感じる方も多いですが、50代は「準備期間」として最適です。老後の生活設計や医療・介護の希望、資産の棚卸しなど、情報を整理し始めることで、60代以降の終活がスムーズになります。 ライフプランを見直す エンディングノートを下書きする 相続や保険を見直す 60代:終活を本格的に始める 生活が安定し始めるこの時期に、終活の基盤を整えましょう。多くの人が終活を始める年代であり、家族との話し合いや書類の整理を進めるのに適しています。 遺言書を作成する 医療や介護についての希望を伝える 不用品の整理や身辺整理をする 70代:終活の実行と確認 家族と共有する段階で、これまでの終活の準備を実際に形にしていく時期です。エンディングノートの完成や、家族への情報共有を行い、必要に応じて専門家のサポートを受けましょう。 エンディングノートを完成させる 家族へ情報を伝える 公正証書遺言を作成する 80代以降:終活の見直しと最終確認 終活の内容を定期的に見直し、家族と連携して安心を確保しましょう。体力的な負担を減らすためにも、家族や支援者と連携して進めることが大切です。 書類を再確認する デジタル遺品を整理する 家族と定期的に話し合う時間を持つ 終活の進め方 終活は、人生の最終章を安心して迎えるための準備です。以下のステップに沿って進めることで、無理なく取り組むことができます。 ステップ1:目的を決める まずは、終活を行う目的を明確にしましょう。代表的な例としては、以下のようなものがあります。 家族に迷惑をかけたくない 自分らしい最後を迎えたい 財産を整理したい 医療や介護の希望を伝えておきたい 目的がはっきりすると、何を準備すべきか見えてきます。 ステップ2:情報を整理する 次に、資産の内容や医療・介護に関する希望など、自身に関わることをリスト化しましょう。代表的な例としては、以下のようなものがあります。 資産(預貯金、不動産、保険など) 医療・介護に関する希望(延命治療の有無、施設の希望など) 家族や親族の連絡先 契約しているサービス(携帯、サブスクリプション、クレジットカードなど) 情報を整理することで、万が一の時にも家族がスムーズに対応することができます。 ステップ3:具体的な行動に移す 情報を整理したら、必要な手続きを進めましょう。 家族と話し合う 専門家へ相談する 遺言書・エンディングノートを作成する 特にエンディングノートは、自分の思いや希望を記録するのに適しており、終活を進めるうえで作成しておくといいでしょう。 終活の準備でやるべきこと 終活をスムーズに進めるためには、以下の分野での準備が重要です。 遺言書の作成 相続トラブルを防ぐうえで、遺言書を作成することは重要です。遺言書には法的効力があり、財産の分配方法や遺族へのメッセージを明確に残すことができます。 医療・介護の意思表示 将来、医療や介護が必要になったときに備えて、治療・介護の意思表示は事前に行いましょう。たとえば、延命治療を希望するかどうか、どのような介護施設を希望するかなどを明確にすることで、家族が判断に迷うことを防げます。 また、「事前指示書(リビング・ウイル)」や「尊厳死宣言公正証書」などの書類を活用することで、医療機関や介護施設に自分の意思を伝えることができます。 出典)公益財団法人 日本尊厳死協会「リビング・ウィルとは」 日本公証人連合会「尊厳死宣言公正証書」 資産の整理 相続の対象となる財産には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。そのため、正確な把握が必要です。 プラスの財産 マイナスの財産 現金 預貯金 株式等の有価証券 動産(車・貴金属・骨董品など) 不動産(土地・建物・駐車場など) 貸借権 特許権 著作権などの権利 など 借入金(ローン)などの債務 未払税金 未払費用 クレジットカードの利用残高 など 特に不動産や有価証券などは、評価額や名義の確認も必要になるため、早めに準備することが重要です。 身辺整理のコツと注意点 終活を進めるうえで、身の回りの整理は欠かせません。以下のポイントを押さえることで、家族の負担を減らすことができます。 モノの整理 思い出の品や長年使っていないものなどは、自分自身で整理するのが理想です。残すもの、譲るもの、処分するものの基準をあらかじめ決めると、作業がスムーズに進みます。 特に、写真や手紙などの思い出の品を残す場合は、家族にとっても大切なものになる可能性があるため、残す理由や背景をメモすると良いでしょう。 デジタル遺品 スマートフォンやパソコンなどのデジタル情報も忘れずに整理しましょう。これらの機器には、ネット上の資産を管理するアプリや、保険などの契約内容の確認メール等が集約されています。遺族がスマートフォンやパソコンのパスワードを知らない場合、ロックを解除することは非常に困難になり、デジタル遺品の確認を進めることも難しくなります。 信頼できる方法でパスワードやアカウント情報を記録・保管することが、家族の負担を減らす鍵となります。最近では、デジタル遺品専用の管理サービスやアプリも登場しており、活用することで安全かつ効率的に管理できます。 出典)独立行政法人 国民生活センター「今から考えておきたい「デジタル終活」 -スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-」 家族に伝える情報 終活で整理した情報は、家族にしっかり伝えることが重要です。重要な情報(前述した内容や処分してほしいデジタル遺品や家族へのメッセージなど)は、エンディングノートにまとめましょう。エンディングノートを活用すれば、医療・介護の希望、財産の概要、連絡先、メッセージなどを一冊にまとめることができます。 ただし、エンディングノートには法的効力がないため、財産分与などの重要事項は遺言書と併用することが望ましいです。 出典)法務省「エンディングノート」 まとめ 本記事では、終活を始めるタイミングや終活の進め方や準備すべきことを解説しました。終活は、人生の終わりを意識することで、今をより大切に生きるための活動です。 また、終活を早めに準備することで、自身の心の余裕と家族の安心につながります。まずはエンディングノートの1ページを書いてみることから始めてみましょう。小さな一歩が、安心につながります。
人生100年時代、定年後の働き方として“起業”が注目されています。経験や人脈を活かせるメリットがある一方で、資金や健康面などの課題もあります。この記事では、60代から起業する魅力や注意点、資金調達の方法について詳しく解説します。 50~60代の起業への関心が増加中!シニアが選ぶ第二のキャリアとは 定年後に新たな挑戦として“起業”に関心を持つ50~60代が増えています。長年の経験や人脈を活かし、「自分らしい働き方」を求めて起業に踏み出すシニア層が注目されています。 実際、フリー株式会社が行った調査によると、50歳〜69歳の約4人に1人が起業に関心を持っています。さらに、そのうち約3割が『3年以内に起業を実現したい』と回答しており、起業への意欲の高さがうかがえます。この結果は、定年後の働き方として“起業”が現実的な選択肢になってきていることを示しています。 出典)フリー株式会社「起業に関するアンケート調査」 60代で起業するメリットとは? 60代で起業することには、他の年代にはない強みがあります。ここでは、シニアの起業における代表的なメリットをご紹介します。 豊富な経験と専門知識を活かせる 長年の職業経験で培ったスキルや業界知識は、起業後の事業運営において大きな武器になります。さらに、築いてきた人脈や信頼関係は、ビジネスの立ち上げをスムーズに進めるうえで大きな支えとなります。 時間的余裕と働き方の自由がある 定年後はフルタイム勤務に縛られることなく、自分のペースで働けるのが大きな魅力です。趣味やライフスタイルに合わせた働き方を選べるため、心身の負担を抑えながら、充実した起業ライフを送ることができます。 新しい学びや刺激が得られる 起業は常に新しい課題や学びに直面するため、脳の活性化にもつながります。ITやマーケティングなど、これまで触れてこなかった分野に挑戦することで、自己成長を実感できるでしょう。 60代で起業する際の注意点 豊富な経験や人脈を活かせる60代の起業には多くの魅力がありますが、成功のためにはいくつかの注意点も押さえておく必要があります。 体力・健康面のリスクがある 自分のペースで働けても、起業には長時間労働やストレスが伴うこともあります。若い頃に比べて体力が低下しているシニア層にとっては、身体的な負担が大きくなることがあります。無理のない働き方と、日々の健康管理が重要です。 事業が失敗するリスクがある 起業しても必ず成功するわけではありません。収入が安定するまで時間がかかることもあり、働ける年数が限られている60代にとっては、失敗のリスクを取り戻すのが難しい場合もあります。多額の資金を一度に投入するのではなく、小さく始めて徐々に拡大するなど、慎重な事業計画が欠かせません。 自己資金の準備と融資の難しさがある 年齢を理由に、金融機関からの融資が受けにくいケースもあります。そのため、自己資金の範囲で事業を始めることを前提に、現実的な資金計画を立てることが重要です。公的支援制度や助成金の活用も視野に入れましょう。 60代で起業する際の資金調達方法 起業には初期費用や運転資金など多くの資金が必要です。自己資金が足りない場合は、公的融資や助成金の活用が有効です。 公的融資制度 公的機関が提供している融資には、以下のようなものがあります。 新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫) 対象 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方のうち、女性または35歳未満か55歳以上の方 融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円) 資金使途 運転資金・設備資金 出典)日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」 都創業融資(東京信用保証協会) 対象 次のいずれかに該当する方。 現在、事業を営んでいない方で、1か月以内に新たに個人で、または2か月以内に新たに会社を設立して東京都内で創業しようとする具体的計画をお持ちの方 創業した日から5年未満の中小企業者、組合 分社化をしようとする会社または分社化により設立された日から5年未満の会社 融資限度額 3,500万円 資金使途 運転資金・設備資金 出典)東京信用保証協会「都創業融資(略称:創業)」 地方自治体の起業支援制度(東京都) 東京都は、都内の開業率のアップを目的として、創業助成金の制度を提供しています。 対象 都内での創業を具体的に計画している個人、または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方 助成限度額 400万円 助成対象経費 事業費、人件費、委託費 出典)東京都「創業助成事業」 その他の資金調達 その他にも、以下のような資金調達方法があります。 家族や親戚からの借り入れ 開業資金を調達できない場合は、家族や親戚から借りるのも一つの方法です。ただし、親族からの借り入れは贈与とみなされ、贈与税がかかる場合があるので注意しましょう。 クラウドファンディング クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金調達する方法です。新規開業で実績がなくても、資金の使い道をアピールしたり、支援者への特典を用意したりすることで、開業資金を集められる可能性があります。 ビジネスローン(不動産担保ローン) ビジネスローンは、主にノンバンクが取り扱っている事業者向けのローンです。無担保・無保証で利用できるローンもある一方で、公的な融資に比べると金利は高い傾向にあります。 また、自宅などの不動産を所有している場合は、不動産担保ローンも選択肢となります。不動産担保ローンは、無担保ローンに比べてまとまったお金を低金利で借りることができます。 関連記事はこちら開業資金はいくら必要?実績がなくても資金調達できる7つの方法 まとめ 本記事では、60代で起業するメリットや資金調達方法、注意点について解説しました。定年後の人生をどう過ごすかは、人それぞれです。起業という選択肢は、これまでの経験や人脈を活かしながら、自分らしい働き方を実現できる可能性を秘めている一方で、体力や資金、家族との関係など、慎重に考えるべき点も少なくありません。 大切なのは、「起業=正解」ではなく、「自分にとって納得のいく選択かどうか」を見極めることです。まずは、起業に関する制度や支援情報をチェックし、自分に合ったスタートの形を見つけましょう。
親の介護が必要になったとき、経済的な負担が大きくのしかかることがあります。特に、収入が限られている家庭や突然の介護が必要になった場合、どのようにして介護費用を捻出するかは重要な問題です。本記事では、親の介護にお金がない場合に利用できる公的支援制度や補助金、介護費用を調達する方法について詳しく解説します。 介護費用の平均はいくら? 親の介護にかかる費用は、一時的な出費と毎月の継続的な費用の2つにわかれます。 出典)公益財団法人生命保険文化センター|生命保険に関する全国実態調査 まず、介護を始める際の一時的な費用の平均は、公益財団法人生命保険文化センターの調査によると平均47万円です。住宅の改修や介護用ベッドの購入などが主な出費です。ただし、「15万円未満」の世帯が24.0%と最も多く、初期費用の負担は家庭ごとの差があります。 出典)公益財団法人生命保険文化センター|生命保険に関する全国実態調査 次に、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)の毎月の平均9.0万円です。 最も大きい区分として「15万円以上」を支払っている世帯が19.3%にのぼり、経済的な負担が大きい世帯が多いことがわかります。介護には予想以上の費用がかかるため、早めに資金計画を立てる必要があるでしょう。 介護費用を抑える方法 介護費用は工夫次第で負担を軽減できます。まずは無理なく費用を削減できる方法がないかを検討してみましょう。 ここからは、介護費用を抑える具体的な方法を紹介します。 在宅介護を検討してみる 在宅介護は、高齢者が住み慣れた自宅で安心して介護を受けられる方法です。家族と一緒に過ごす時間が増え、精神的な安定にもつながります。 介護保険を利用すれば、訪問介護や訪問看護、訪問入浴介護、訪問リハビリテーションなど、必要なサービスを柔軟に組み合わせられます。SOMPOホールディングスの「介護費用に関する調査」によると、在宅介護にかかる月々の費用は平均で約7.5万円であることがわかりました。 しかし、家族の介護負担が大きくなることや、24時間体制の介護が難しいという課題もあります。介護する側の負担を軽減するために、家族内で役割分担やサポート体制について決める必要があります。 費用面だけでなく負担を考慮して、在宅介護のメリットとデメリットを十分に検討することが大切です。 ボランティアや地域コミュニティの活用 介護費用を抑える方法のひとつに、地域で行われているボランティア活動やコミュニティ支援の活用があります。例えば、新宿区では、住民ボランティアが高齢者の日常生活を支援する取り組みを実施しています。 たとえば、買い物や掃除の手伝い、話し相手になるといった活動を通じて、高齢者が安心して生活を続けられるように支えています。こうした活動は、無償または低料金で利用できることが多く、経済的な負担を軽減する助けになります。 さらに、地域包括支援センターでは、介護や生活に関する相談を受け付けており、地域の支援団体を紹介してもらうことも可能です。家族だけで介護を抱え込まず、地域の力を借りることで、介護の負担を減らしながら安心して介護を続けられます。 介護費用を賄う方法 介護には多くの費用がかかるため、経済的な負担を減らす方法を知っておくことが大切です。ここからは、介護費用を賄うための具体的な方法を紹介します。 公的支援制度を活用する 介護費用の負担を軽減するためには、公的支援制度を利用しましょう。以下の表は主な公的支援制度です。 制度名 内容 高額介護合算療養費制度 1年間(毎年8月〜翌年7月)の医療費と介護サービス費を合算し、一定の上限額を超えた分が払い戻される。 高額介護サービス費制度 介護サービスの自己負担額が月ごとの上限額を超えた分が払い戻される。 家族介護慰労金制度 要介護度が高い高齢者を在宅介護している同居家族に支給される。 上記の制度を上手に活用し、介護費用の負担を少しでも減らしていきましょう。 リースバックを検討する 介護費用を捻出する方法のひとつに、リースバックの活用があります。リースバックは、自宅を売却した後に賃貸借契約を結び、そのまま同じ家に住み続けられる仕組みです。 短期間でまとまった資金を得られるため、住宅ローンの完済や介護費用の確保にも役立ちます。リースバックは以下のような特徴があります。 引越し不要で生活環境が変わらない。 固定資産税などの維持費が不要になる。 売却価格が市場価格よりも低くなる。 契約内容によっては、突然の契約解除や家賃の値上げが発生し、退去を余儀なくされる恐れもあります。そのため、事前に専門家に相談してリースバックの内容を十分に確認し、リスクを正しく理解することが大切です。 まとめ 本記事では、親の介護にかかる費用の平均、費用を抑える方法、公的支援制度やリースバックなどの資金調達方法について解説しました。介護は経済的・精神的な負担が大きくなりやすいですが、制度やサービスを上手に活用すれば、その負担を軽減できます。家族と相談しながら、自分の状況に合った対策を講じて、無理のない介護生活を実現しましょう。
老後にお金が足りないことに不安を感じている方も多いかもしれません。年金だけで生活費を賄えない場合、どのように安心して暮らせるかが気になるところです。本記事では、老後の生活資金に不安を抱える方に向けて、支出と収入の見直し方や資金確保の方法など具体的な対策を紹介します。安心して過ごせる老後のために、今から行動を始めましょう。 まずは支出と収入を把握しよう 老後の生活資金が不足する原因は、多くの場合、支出が収入を上回っている状況で、貯蓄を切り崩さなければならない状況です。安心して暮らすためには、現在の支出と収入のバランスを正確に把握する必要があります。 具体的な方法として、日々の支出と収入を詳しく記録することが効果的です。家計簿や家計管理アプリを使い、食費や光熱費、医療費などの支出と、年金や副収入などの収入を項目ごとに分けて管理してみましょう。 こうした取り組みによって、無駄な出費を見直し、節約の工夫がしやすくなります。早めに家計の状況を整理し、計画的に資産を管理していきましょう。 ライフプランシミュレーターをしてみる 支出と収入の状況を把握したら、金融庁が提供する「ライフプランシミュレーター」などを活用して、将来の生活設計を具体的に考えていきましょう。このシミュレーションでは、収入や支出、貯蓄額などの情報を入力することで、将来必要となる資金を予測できます。 生活費や医療費、住宅費などの将来の出費を可視化することで、老後の資金不足を防ぐための具体的な対策を立てやすくなるでしょう。また、このシミュレーション結果は家計管理や資産運用の見直しにも活用できます。 60歳からでもできる貯蓄方法 老後に安定した生活を送るためには、計画的に貯蓄を増やしていくことが大切です。 貯蓄を増やす主な方法は以下のとおりです。 節約をする 定年後の再就職を検討する 節約をする まずは節約をして日々の支出を減らすとよいでしょう。 具体的な節約方法は以下のとおりです。 外食を控えて、自炊を増やす 家計簿をつけて支出を管理する 食材をまとめ買いして無駄なく使い切る 割引サービスやクーポンを利用してお得に買い物をする エアコンの設定温度を見直し、無駄な電力を使わないようにする 自分の生活スタイルに合った方法を実践して、日々の支出を見直しましょう。 定年後の再就職を検討する 節約だけで貯蓄を増やすことが難しい場合は、再就職を検討しましょう。 再就職には、パートタイムの仕事や契約社員、シニア向けの求人など、さまざまな選択肢があります。再就職をする際には、仕事の内容や勤務時間、待遇を慎重に検討することが大切です。体力的な負担が少ない仕事や、自分の経験やスキルを活かせる仕事を選ぶと、長期的に働きやすくなります。 自分の生活スタイルや目標に合わせて、無理のない範囲で働くことを検討しましょう。 まとまった資金が必要な時はリースバックを検討する 老後資金が数千万円不足している場合、60歳から貯蓄を始めたとしてもまとまったお金を手に入れるのは難しいでしょう。そのような場合には、現在の資産をどのように有効活用するかを考えてみるとよいでしょう。 例えば、資産を活用して老後の資金を確保する手段として、リースバックという商品があります。 リースバックとはサービス提供会社と不動産の売買契約および賃貸借契約を締結することで、自宅を売却した後も同じ家に住み続けることができる仕組みです。 ただし、リースバックは資産の有効活用として有効な手段ですが、売却価格が市場価格よりも安くなるなどのデメリットもあるので、利用の際には専門家と相談しながら検討するとよいでしょう。 投資で貯蓄を増やすには注意が必要 将来の生活に備えて、老後資金の確保は誰もが考える大切な課題です。2024年からは新NISAも始まり老後への備えとして、投資による資産形成が広がりをみせています。 しかし、投資には元本割れのリスクが伴うため、慎重な判断が必要です。資産運用を始める前に、自分の資金力や投資に対する考え方を見極めることが大切です。 投資が自分に向いていないと判断した場合は、運用方針の見直しも検討しましょう。 まとめ 本記事では、老後のお金が足りない場合の対策として、支出と収入の見直しから、具体的な資金確保の方法、投資の注意点まで幅広く解説しました。老後の生活に不安を感じている方は、まず現状を把握し、できることから行動を始めることが大切です。ご紹介したさまざまな方法を参考に、安心できる老後を送るための計画を立ててみてください。
老後破産は、誰にでも起こりえる問題です。年金だけでは生活が成り立たず、医療費や介護費の増加、住宅ローンの返済などが重なり、貯蓄が底をつくことがあります。老後破産に陥ると、生活水準の低下や住居の喪失、さらには精神的なストレスが増えることが考えられます。 しかし、適切な対策を講じることで、老後破産のリスクを軽減することが可能です。本記事では、老後破産の原因や影響、そしてそれを防ぐための具体的な方法について解説します。 老後破産とは 老後破産とは、高齢者が経済的に困窮し、生活費や医療費をまかなえなくなる状態を指します。具体的には、収入が必要な支出を下回り、日常生活や医療に必要な費用を賄うことが難しくなる状況です。 多くの場合、年金収入の不足や貯蓄の欠如が原因となります。この問題は、生活費や医療費が継続的に増加する一方で、現役時代に比べて収入が大きく減少する老後特有の経済環境によって引き起こされます。 老後破産するとどうなる? ここでは、老後破産によって生じる影響について解説します。 生活水準の低下 老後破産に陥ると、生活水準が大幅に低下します。十分な収入がないため、日々の食事や衣服など、最低限の生活を維持することが難しくなる場合があります。 例えば、公共料金や医療費の支払いが滞ると、電気や水道が止められるなど私生活に深刻な影響を及ぼします。また、趣味や娯楽に使う費用を削らざるを得なくなり、社会的なつながりが減少することもあります。 さらに、必要な医療や介護を受ける費用を確保できず、健康面にも悪影響が及ぶ可能性があります。 住居の喪失や引っ越しの必要性 老後破産により収入が減少すると、住居を維持するのが難しくなる場合があります。賃貸住宅では家賃の支払いが滞り、最悪の場合、退去を求められる可能性もあるでしょう。 持ち家でも、住宅ローンの返済が続けられなくなれば、自宅を売却する必要も出てくるでしょう。 老後破産の原因 老後破産の原因には、医療費の増加、物価上昇と年金の伸びが追いつかない現状が挙げられます。これらが高齢者の生活を圧迫し、家計を破綻させるリスクを高めています。ここでは、それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。 物価上昇率の上昇 ここ数年、物価の上昇に対して年金額の増加が追いついていない状況が続いています。厚生労働省のデータによると、令和7年度の年金額の改定率は1.9%ですが、総務省が発表した令和6年の消費者物価指数(CPI)上昇率は2.7%と、物価の伸びが年金を上回っています。 また、総務省の統計では、生鮮食品を除く総合指数は前年比2.5%上昇し、生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数も2.4%上昇しています。こうした日常生活に欠かせない費用の値上がりは、年金収入に頼る高齢者にとって大きな負担となります。 物価の上昇が続けば貯蓄を取り崩して生活費を賄う状況が増えるでしょう。貯蓄が底をつけば、生活の維持が困難となり、老後破産に陥るリスクが高まります。 このような事態を避けるためにも、日々の支出を見直し、計画的に管理することが求められます。 出典)厚生労働省|令和7年度の年金額改定について 出典)総務省|2020年基準消費者物価指数「全国2024年(令和6年)平均」 医療費の増加 厚生労働省保険局が公表したデータによると、65~69歳にかかる医療費の合計は47.0万、70~74歳にかかる医療費の合計は60.5万円と歳を重ねるごとに金額が増えています。 出典)厚生労働省保険局:「年齢階級別1人当たり医療費(令和3年度)(医療保険制度分)」 また、上記の医療費に加えて大きな病などにかかると手術代として1回50~100万円の費用が発生することもあります。 老後破産を防ぐための対策 ここからは、老後破産を防ぐために実践したい対策について紹介します。年金だけに頼る生活では、予想外の出費や物価の上昇に対応しきれないことがあります。老後の生活を安心して送るためにも、以下の対策を参考にしてみてください。 生活費の見直しと節約をする 老後の生活を安定させるためには、生活費を見直し、無駄な支出を減らす工夫が欠かせません。毎月の収支を確認し、固定費や日々の支出を整理すれば、節約できる部分が見えてきます。例えば、以下のような方法により生活費の見直しや節約を行うとよいでしょう。 近所のスーパーの特売日を活用する 外食を減らしてなるべく自炊を心がける 無駄な買い物を避けるために買い物リストを作る 電気や水道の使い方を工夫して負担を軽減する 不要な固定電話や使わないケーブルテレビを解約する 手書きの家計簿やノートで収支を記録する ファイナンシャルプランナーへの相談 毎日の生活費を少しずつ見直すことで、老後の家計には余裕が生まれます。無理のない節約を続け、安心できる老後の生活を目指しましょう。また、生活費の見直しが自分では難しいという場合には、FPなどの専門家に相談しましょう。 健康管理で医療費を抑える 健康を維持することは、医療費を抑える基本的な方法です。規則正しい生活習慣を意識すれば、病気を防ぎ、医療機関を利用する回数を減らせるでしょう。例えば、脂質や塩分を控えて、生活習慣病のリスクを減らす、ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすなどから始めましょう。 日頃から健康を意識した生活を心がければ、医療費の負担を軽減し、家計にゆとりを持たせることができます。無理なく続けられる方法を取り入れて、安心した老後生活を目指しましょう。 年金以外の収入を確保して老後の安心を得る 年金以外の収入を確保することは、老後の生活を安定させるために大切です。年金だけでは生活費が足りない場合もあり、追加の収入があれば経済的な不安を減らせるでしょう。具体的な方法として、副業や趣味を活かした仕事があります。たとえば、ライティングやハンドメイド製品の販売など、自宅で取り組める仕事は増えています。自分のペースで進められるため、負担を抑えながら収入を得る手段として適しています。 年金以外の収入をもつことで、生活の選択肢が広がり、老後の不安を軽減できます。早めの準備を心がけ、自分に合った方法で経済的にゆとりある暮らしを目指しましょう。 リースバックを利用して老後資金を確保する 老後資金を確保する方法の一つに、リースバックという方法があります。リースバックを活用することで、まとまった資金を手に入れつつ、生活の拠点を維持する手段です。 リースバックは、自宅を売却して得た資金で生活費を確保しつつ、賃貸借契約を結ぶことで自宅に住み続けられる仕組みです。引っ越しの必要がないため、住み慣れた環境で安心して暮らせます。ただし、売却後は家賃が発生するため、収支のバランスを事前に確認しておくことが大切です。 まとめ 本記事では、老後破産の原因や影響、防ぐための具体的な対策について解説しました。老後破産は誰にでも起こり得ますが、対策次第でリスクを減らせます。老後を安心して暮らすためには、早めに準備を始めることが大切です。 本記事で紹介した内容を参考に、自分に合った方法を見つけて実践してみましょう。経済的に安定した老後の実現に向けて、一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
不動産担保ローンには、「借入限度額が大きい」「無担保の個人ローン(カードローンなど)よりも低金利」など様々なメリットがあります。 一方で「返済不能になると不動産が売却される」というデメリットだけが紹介され、「不動産担保ローンは利用するとやばい」とネガティブ印象を持っている方が多くいるようです。 不動産担保ローンは、資金が必要なときに強力な助けとなりますが、使い方を誤ると大きなリスクを伴うことがあります。本記事では、不動産担保ローンの仕組みやメリット・デメリット・失敗しないためのポイントを解説します。 不動産担保ローンの仕組みとは? 不動産担保ローンは、自分の不動産を担保に差し出し、金融機関から融資を受けるローン商品です。不動産担保ローンでは、担保不動産と信用力、現在の収入などが総合的に加味されて融資金額が決まります。そのため、担保不動産を伴わない一般的な無担保ローンに比べて、借入限度額が高く借入金利も低く設定されます。 実際に日本貸金業協会「月次統計資料」によると消費者向け無担保貸付の借入金利が約15%に対して、消費者向け有担保貸付の借入金利は約3.7%となっています。 出典)日本貸金業協会「月次統計資料」(2024年8月時点) 不動産担保ローンの金利タイプは「固定金利」と「変動金利」 不動産担保ローンには「固定金利」と「変動金利」があります。それぞれの特性を理解することで、より適切な返済計画を立てやすくなるでしょう。 固定金利 変動金利 返済期間中の金利が変わらないため、返済額も変わらない。ただし、金利は変動金利よりも高い傾向がある。 借入期間中に適用される金利が変わる。金利が上昇すると返済額が増えるリスクが伴う。 借り入れを検討する際には、現在の金利状況や今後の金利動向を考慮し、どちらが自身の状況に適しているかを慎重に見極めましょう。 メリットは? 不動産担保ローンの主なメリットは、先述したものも含めると下記の3つとなります。 借入金利が低金利である 借入限度額が大きい 長期間借り入れられる 特に不動産担保ローンは借入期間を長く設定できるという点で大きなメリットがあるのではないでしょうか。借りた資金はビジネスや生活資金など幅広い用途に使用でき、事業の資金繰りに困った際には長期間の借入金として有力な選択肢となるでしょう。最長35年の返済期間を選べる不動産担保ローンもありますし、返済期間を長期にすることで、月々の返済額を抑えることもできます。 デメリットは? 不動産担保ローンの主なデメリットは、以下のとおりです。 融資が実行されるまでに時間がかかる 不動産の評価や審査に時間がかかり即日融資が難しい場合がある 事務手数料・不動産鑑定費用・印紙代などの手数料が負担となる 不動産の評価額が下がると追加の担保を求められるリスクもある 不動産担保ローンは、適切に利用すれば比較的低金利で大口の資金調達が可能になる選択肢の一つです。ただし、担保提供のリスクや返済計画の慎重な検討が必要です。 財務状況や将来の見通しを十分に考慮し、専門家のアドバイスも得ながら判断しましょう。 不動産担保ローン利用の際の注意点 不動産担保ローンを利用する際には、以下の点に注意しましょう。 詐欺や悪徳業者に注意する 返済不能になった場合に不動産を失うリスクがある ここからは、不動産担保ローンの注意点について解説します。注意点を理解した上で利用しましょう。 詐欺や悪徳業者に注意する 不動産担保ローンを利用する際には、詐欺や悪徳業者に十分な注意が必要です。中には、不当に高い手数料を請求する業者や、返済条件が非常に不利な契約を強引に進める業者も存在します。トラブルを避けるために、以下のような業者は避けた方がよいでしょう。 手数料が異常に高い 審査が極端にゆるいと公言している ホームページが怪しい 手続きにかかる費用が不透明 即日融資を謳ったり、通常の相場を大きく超える融資額を提示してくる不動産担保ローン業者は、信頼性に欠ける可能性があります。 返済不能時のリスク 返済不能になった場合、不動産担保ローンでは担保となった不動産を失うリスクがあります。たとえば、突然の失業や長期入院で収入が途絶えた場合、返済が滞ると金融機関は数か月後に不動産を差し押さえ、競売にかけます。 この結果、住まいや資産を失う可能性があるため、十分な返済計画を立てることが大切です。返済能力を超える融資は避けて、慎重な行動をとりましょう。 返済リスクを軽減する方法 リスク軽減のため、対策を2つ紹介します。 収入補償保険に加入しておく 無理のない計画を立て繰り上げ返済を行う 万が一の事態に備えて収入補償保険に加入しておくと、失業や病気で収入が途絶えた場合でも、保険金を返済に充てられます。収入補償保険は月額2,000~3,000円程度で加入できるため、健康状態に不安を抱えている方は加入を検討するとよいでしょう。 また、自身の将来的な経済状況を予想し、無理のない計画を立てておくと安心です。加えて、計画的に繰り上げ返済を行い、借入残高を減らせば、毎月の返済負担を抑えられるでしょう。 不動産担保ローン借り入れまでの流れ 不動産担保ローンの借り入れの流れは以下のとおりです。 仮審査申込 金融機関の担当者と面談する 申込書や必要書類を提出する 不動産の鑑定が行われて評価額が決定する 信用力を審査する 融資条件を提示される 契約 融資実行 契約が完了すれば、数日程度で融資が実行されます。この一連の流れを事前に理解し、必要な手続きを進めることで、スムーズに融資を受けられるでしょう。 まとめ 不動産担保ローンは、資金調達に有効な手段ですが、リスクも存在します。融資までの時間や手数料、返済不能時のリスクを理解し、慎重に計画を立てることが大切です。信頼できる業者を選ぶためには、複数の業者を比較し、評判を確認することが不可欠です。ポイントを押さえることで、不動産担保ローンは有効な資金調達方法となります。本記事を参考に、最適な選択をしましょう。
「不動産担保ローンを申し込んだけど、審査に通らなかった…」そんな経験はありませんか?不動産担保ローンは、事業資金や生活費など、まとまった資金の調達手段として有効です。担保となる不動産があることで、比較的高額な融資も可能になる一方で、他のローンと同様に厳格な審査が行われます。 「絶対に借りられる不動産担保ローン」を探している人もいるかもしれませんが、実際にはそのようなローンは存在しません。信用力や不動産の評価など、複数の要素が審査に影響するため、誰でも借りられるという保証はないのです。 この記事では、「絶対に借りられる不動産担保ローン」が存在しない理由を明らかにしながら、審査に通らない原因と、通過するための具体的な対策をわかりやすく解説します。 なぜ「絶対に借りられる」不動産担保ローンは存在しないのか 金融機関は融資に対してリスクを抑えるため、必ず審査を行います。不動産担保ローンの場合も例外ではなく、借り手の信用力や担保となる不動産の価値が重要な審査項目となります。 どんな債務者も返済不能に陥るリスクがある以上、どの金融機関も厳正な審査基準を設けています。つまり、「誰でも借りられる」「審査が甘い」といったローンは、現実には存在しないのです。安心して借り入れを検討するためには、こうした審査の仕組みを理解しておくことが重要です。 不動産担保ローンの種類 不動産担保ローンには、大きく分けて「ノンバンク系」と「銀行系」の2種類があります。どちらにも特徴があり、利用者の資金ニーズや信用状況に応じて適切な選択が求められます。 それぞれの違いやメリットについては、以下の関連記事でもさらに詳しくご紹介しています。 関連記事はこちら:「不動産担保ローンにおける銀行とノンバンクの違い」 ノンバンク系の特徴とメリット ノンバンク系とは、銀行以外の金融機関が提供する不動産担保ローンです。独自の審査基準を持ち、柔軟な対応が可能なため、創業間もない法人や個人事業主など、銀行では融資が難しいケースでも、将来性や事業内容を柔軟に評価して対応してくれる場合があります。 ただし、金利は銀行系より高めに設定される傾向があるため、返済計画には注意が必要です。 銀行系の特徴とメリット 銀行系の不動産担保ローンは、金利が低く、長期的な返済に向いています。信用力が高く、安定した収入がある方には有利な選択肢となります。 一方で、審査は厳格で時間がかかることが多いため、急ぎの資金調達には不向きな場合もあります。 不動産担保ローンの審査基準 不動産担保ローンの審査では、「信用力」と「不動産の価値」が重要な判断材料となります。これらの要素が融資の可否を左右するため、事前に自分の状況を把握し、適切な準備をしておくことが大切です。 それぞれの審査基準について簡潔にご紹介します。 関連記事はこちら:「不動産担保ローンの審査基準と審査通過のためのポイント」 信用力とは? 信用力とは、借り手の返済能力を示す指標です。金融機関は、過去の借入履歴や現在の収入・負債状況などをもとに、安定性や信頼性を評価します。 例えば、クレジットカードやローンの返済遅延があると、審査に悪影響を及ぼす場合があります。日頃から返済を滞りなく行うことが、信用力を維持するための基本です。 不動産の価値とは? 不動産の価値は、担保としての信頼性を示すもので、融資額にも大きく影響します。評価には、立地や築年数、建物の状態などが考慮されます。自分の不動産がどのように評価されるかを知っておくことで、融資額の見通しも立てやすくなります。 詳細な評価基準については、上記の関連記事で詳しく解説されていますので、あわせてご確認ください。 審査に通過するコツ 不動産担保ローンの審査に通過するためには、事前準備が欠かせません。個人申込と法人申込では、求められるポイントが異なるため、それぞれに応じた対策が必要です。 個人申込の場合は担当者への心証に気を付ける 個人申込では、担当者とのやり取りが審査に影響することがあります。誠実な対応や、必要書類の正確な提出は、信頼性を高める重要な要素です。 面談時には、丁寧な態度で臨み、不明点は率直に質問することで、良好な印象を与えましょう。 法人申込の場合は事業計画を入念に作る 法人申込では、事業計画書の完成度が審査通過の鍵となります。金融機関は、資金の使途や返済の見通しを事業計画から判断します。 売上予測や経費の見積もり、リスク管理の方法などを具体的に記載し、過去の実績や市場データを根拠として提示することが重要です。 不動産担保ローンの審査に通らない理由 不動産担保ローンの審査は、借入希望者にとって大きなハードルとなることがあります。審査に通過するには、信用力や不動産の価値、必要書類の正確さなど、複数の要素が揃っていることが求められます。 ここでは、審査に通らない主な理由を簡潔に解説します。 不動産の評価額が低い 担保となる不動産の評価額が低いと、希望する融資額に届かず、審査に通らない場合があります。評価額は以下のような要因によって左右されます。 築年数が古い建物 老朽化や修繕が必要な状態 需要の少ないエリアに立地している物件 このような物件は、担保としての価値が低く見積もられるため、融資額が制限されることがあります。 必要書類や申請内容の不備 申請時に提出する書類に不備があると、審査がスムーズに進まず、否決の原因になることがあります。主な注意点は以下のとおりです。 本人確認書類や収入証明書、不動産登記情報などの不足 記載ミスや証明書の期限切れ 書類要件の不一致 提出前には、書類の内容や有効期限をしっかり確認し、必要な書類がすべて揃っているかを確認しましょう。 まとめ 不動産担保ローンは、まとまった資金を調達する手段として有効ですが、「絶対に借りられる」ローンは存在しません。審査に通過するには、信用力や不動産の価値を高めるとともに、必要書類の準備や担当者との信頼関係の構築が欠かせません。 また、ノンバンク系と銀行系では審査基準や融資条件が異なるため、自身の状況に合った選択をすることが重要です。事前の準備を丁寧に行い、現実的な視点でローンを検討することで、審査通過の可能性を高めることができます。まずは、自分の不動産がどれくらい評価されるのかを確認して、資金計画の第一歩を踏み出してみましょう。
再雇用制度は、多くの企業で定年退職後の労働力確保の手段として導入されていますが、再雇用後の給与が下がることに不安を感じる方も少なくありません。 本記事では、再雇用後の給与が下がる理由と対策、給付金制度について解説します。また、同一労働同一賃金の観点から見た法的な背景についても紹介するので参考にしてください。 再雇用時に給与が下がる理由とは? 再雇用時に給与が下がる理由は、雇用形態の変更と契約の見直しが入るからです。多くの場合、正社員から契約社員やパートタイムに変更されるため、基本給が大幅に減少します。実際に株式会社パーソル研究所の調査では、再雇用後の給与が定年前に比べて約44.3%下がったことがわかります。職務内容や企業の方針によって異なりますが、多くの人が大幅な収入の減少を感じる結果となります。 また、正社員として継続した際にも、定年後再雇用制度では再雇用者の労働条件は、再雇用時に改めて取り決めてよいこととなっています。そのため、役職であっても仕事効率が落ちるなどを理由に給料が下げられてしまいます。 出典)株式会社パーソル総合研究所|シニア人材の就業実態や就業意識に関する調査結果 再雇用にも同一労働同一賃金は適用されるの? 同じ仕事をしているのに給与が下がる理由の一つには、法律的な背景があります。日本では「同一労働同一賃金」の原則が適用されつつありますが、再雇用の場合には必ずしも適用されないことが多いようです。 再雇用時には、労働契約法や高年齢者雇用安定法のもとで新たな契約が結ばれ、雇用形態の変更によって給与体系が変わることがあります。企業は再雇用者に対して異なる賃金体系を設定することが認められており、結果として、同じ業務内容であっても給与が下がることがあります。 給与が下がることを防ぐため対策方法 再雇用後に給与が下がる理由について不安を感じている方も多いでしょう。ここからは、給与が下がることを防ぐための方法を解説します。 スキルや資格を取得して交渉する 再雇用後に給与が下がる理由の一つとして、企業側が再雇用者の能力や経験を再評価する場合があります。そのため、スキルや資格を新たに取得して、自分の専門性を高めることが大切です。 例えば、業務に関連する資格を取得すると、その専門性が企業側に認められ、給与の見直し交渉の材料にできる可能性があります。これまでの職務経験や実績を整理し、再雇用後にどのような貢献ができるかを具体的に示すのも効果的です。スキルアップや資格取得に努めることで、給与の減額を防ぎ、再雇用後の待遇を改善するための交渉力を得られるでしょう。 法律事務所や労働組合に相談する 再雇用後に給与が下がる際には、法律事務所や労働組合に相談しましょう。同一労働同一賃金の原則が再雇用に適用されるかどうかを確認し、自分のケースに合った法的な対応策を検討することが大切です。 法律事務所では、具体的なアドバイスを受けながら、自分の権利を守るための適切な措置を考えられます。また、労働組合に相談することで、集団としての交渉力を活用し、より有利な条件を引き出せる可能性があります。再雇用後に給与が下がる理由について疑問や不安を感じた場合には、早めにこれらの専門機関に相談し、適切な対応を行うようにしましょう。 給付金制度の活用を検討する 再雇用により給与が下がった場合、給付金制度を活用することで、経済的な負担を軽減できます。再雇用で給料が下がった場合は、以下の給付金制度を活用しましょう。 高年齢雇用継続基本給付金 高年齢再就職給付金 給付金制度の詳細は以下のとおりです。 制度名 制度概要 給付されるタイミングと割合 高年齢雇用継続基本給付金 60歳になっても同じ職場で引き続き働く場合に支給される給付金 再雇用後の給与が60歳時点の賃金と比べて75%未満になった場合に支給され、月々の給与の15%程度が支給される※ 高年齢再就職給付金 60歳で一度退職し、その後再び就職した場合に支給される給付金 再雇用後の給与が60歳時点の賃金と比べて75%未満になった場合に支給され、月々の給与の15%程度が支給される ※2025年4月以降に給付率が10%に変更以降、段階的に廃止される予定。 給付金を申請する場所は、公共職業安定所(ハローワーク)です。各自の状況に合った制度を積極的に活用しましょう。 まとめ スキルや資格を取得して交渉を行ったり、法律事務所や労働組合に相談したりするなどの方法で、待遇の改善が期待できる場合もあります。また、給付金制度を活用して収入減を補うことも有効な対策です。再雇用に備えて情報を収集し、適切に対応することで、安心して働き続けられます。本記事を参考に、再雇用後の不安を改善しましょう。
年金が少ない高齢者にとって、老後の生活費をどうやって確保するかは深刻な問題です。年金だけでは生活費や医療費をまかなうのが難しい現実に直面している方もいるかもしれません。 生活費を補うには、例えば、副業やパートタイムの仕事、節約術、そして地域の支援制度の活用など、多岐にわたる選択肢があります。本記事では、年金が少ない人が老後の生活費を補うための具体的な方法を紹介します。 65歳以上の生活費 総務省統計局が発表した『家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯、単身者無職世帯の収入と支出額は下記のとおりです。 収入 消費支出 65歳以上の夫婦のみの無職世帯 244,580円 250,959円 65歳以上の単身者無職世帯 126,905円 145,430円 どちらの世帯でも消費支出が収入を上回り、それぞれ月額6,379円、月額18,525円の赤字となっています。つまり、赤字を補うには、収入を増やすか貯金を切り崩す必要があるということです。 出典)家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要 生活費以外にも急な出費が発生することも 高齢になると若い頃に比べて、怪我をしやすくなったり、病気になったりすることが増える傾向があります。したがって、入院費用や通院費用といった急な出費が生じる可能性も高まるため、それに備えて貯蓄しておくことも大切です。 生命保険文化センターの『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査』によると、入院時の自己負担額は平均198,000円(※1)。1回の入院で約20万円が必要です。また、厚生労働省によると65歳以上の1人当たり国民医療費は754,000円(※2)となっています。医療費に充てるお金を数十万円確保しておくのがよいでしょう。 ※1出典)生命保険文化センター『2022(令和4)年度生活保障に関する調査』 ※2出典)厚生労働省『令和3(2021)年度国民医療費の概況』 年金が足りない時の対処方法 年金の収入だけでは、生活費、医療費などを含めた支出をまかないきれない場合に、どのような対応をするべきかを紹介します。 生活費を節約して固定費を下げる まず、初めに日頃の生活におけるコストを見直して、支出を減らしましょう。特に、電話やインターネットなどの通信費、電気、ガスの光熱費といった固定費を減らすとより効果的です。料金の安いお得なプランに変更したり、買い替えのタイミングで省エネ機能のある電化製品を選んだりするとよいでしょう。固定費を月額3,000円削減できれば、年間で36,000円節約できます。 また、大きく固定費を下げたいのであれば、住み替えなども検討しましょう。賃貸物件に住んでいる方は、「地方の物件」や「現状よりもコンパクトな物件」に引っ越しをすれば、現状よりも家賃を安くできる場合があります。持ち家に住んでいる方は、家を売却することで固定資産税などの税額を下げることができます。ただし、持ち家を所有していた方が引っ越し先に賃貸を選んだ場合は、引っ越し後には家賃が発生するため、結果的に毎月の固定費は増加する傾向があります。 支援制度を利用する 公的年金の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の場合、年金生活者支援給付金を受給できます。給付金の支給要件と給付額は以下のとおりです。 【支給要件】 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。 同一世帯の全員が市町村民税非課税である。 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は889,300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は887,700円以下(※2)である。 ※1:障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。 ※2:昭和31年4月2日以後に生まれた方で789,300円を超え889,300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で787,700円を超え887,700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。 出典)厚生労働省『年金生活者支援給付金制度について』 【給付額】 月額5,310円を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出され、次の1、2の合計額が給付されます。 保険料納付済期間に基づく額(月額)=5,310円×保険料納付済期間/被保険者月数480月(※1) 保険料免除期間に基づく額(月額)=11,333円(※2)×保険料免除期間/被保険者月数480月(※1) ※1:昭和16年4月2日以降に生まれた方は被保険者月数が480月です。それ以前の生年月日の方は被保険者月数が異なります。詳しくは厚生労働省 公式HPを確認してください。 ※2:保険料免除期間に乗ずる金額は、毎年度の老齢基礎年金の額の改定に応じて変動します。詳しくは厚生労働省 公式HPを確認してください。 出典)厚生労働省『年金生活者支援給付金制度について』 例えば、支給要件を満たした昭和31年4月2日以後生まれの方で、被保険者月数480月のうち納付済月数が480か月、全額免除月数が0か月の場合、月額5,310円が支給されます。 再就職やアルバイトを検討する 年金だけでは収入が足りないのであれば、年金以外の収入を増やす必要があります。定年退職をしたあとも再就職したり、アルバイトを始めたりして、収入を得ることができれば生活費を補填できるでしょう。 また、60歳以降に失業保険(基本手当)を受給していた65歳未満の方が再就職して、雇用保険の一般被保険者となった場合、高年齢再就職給付金を受給できる場合があります。高年齢再就職給付金は、60歳以上65歳未満の方が、雇用保険の基本手当を受給したのちに再就職し、その上で給料が60歳時点に比べて75%未満に減っている場合に受けられる支援制度です。 受給資格に関して、上記で示した年齢のほかに下記の条件があります。 1年を超えて雇用されることが見込まれる安定した職業に就いた 60歳以上65歳未満の一般被保険者であること 再就職した時点で雇用保険の支給残日数が100日以上ある 直前の離職の時点で雇用保険に通算して5年以上加入していた その再就職について、再就職手当を受給していない 上記の受給資格を満たし、再就職時の給料が60歳時点の給料に比べて75%未満に減っている、かつ給料が365,114円未満であれば、高年齢再就職給付金を受け取れます。 ただし、支給対象月の全期間において、育児休業給付または介護休業給付の支給対象になっている場合には、高年齢再就職給付金を受け取れません。 出典)厚生労働省 公式HP 出典)厚生労働省 高年齢雇用継続給付について シニア世代におすすめのアルバイト シニア世代の方におすすめのアルバイトを紹介します。シニア世代におすすめなのは、警備員、清掃員、マンション管理など、年齢や経験を問わず求人募集をしているアルバイトです。また、長年料理をしてきた方であれば、社員食堂や給食センターの調理補助の仕事も経験を活かせるのでおすすめです。 シニア世代の仕事選びでは、無理なく自分のペースで働ける仕事を選ぶのがポイントです。求人サイトやアプリ、ハローワーク、シルバー人材センターを活用してアルバイトを探してみましょう。 収入を増やすと年金が減額される場合があるので注意 年金だけでは生活が苦しい場合に、再就職やアルバイトで収入を増やすと支給される在職老齢年金が減ってしまう場合があります。2024年度(令和6年度)の支給停止額の計算方法を確認しておきましょう。具体的には、年間の年金額を12で割った基本月額と総報酬月額相当額(※)の合計額が50万円を超えた場合、50万円を超えた額の1/2の年金額が支給停止の対象となります。 【支給停止額の計算例】 <基本月額(年金月額)15万円、総報酬月額相当額40万円の場合> ・支給停止額=(15万円+40万円-50万円)×1/2=2.5万円 ・在職老齢年金として受け取れる年金額は、15万円-2.5万円=12.5万円 ※毎月の賃金(標準報酬月額)+1年間の賞与(標準贈与額)を12で割った額 なお、老齢基礎年金は減額されず、収入を増やしても全額受け取れます。 出典)公益財団法人生命保険文化センター 公式HP まとめ 年金が少なく、老後の生活費を賄うのが難しいと感じているのであれば、生活費の見直しや支援制度の利用、年金以外の収入源の確保を検討しましょう。老後は、思わぬ怪我や病気で医療費が急に必要となるケースもあります。少しずつでもよいのでお金を貯めていくのがおすすめです。 年金が少なくても支給制度を活用したり、アルバイトを始めたりすることで、生活状況を改善する方法はあります。本記事で紹介した対処法をぜひ実践してみてください。
定年後は、長年の仕事から解放されて、これまでの人生とは違った新たな挑戦ができる機会です。趣味に没頭したり、旅行を楽しんだり、ボランティアで社会に貢献したりと、自分らしい時間を過ごせます。 本記事では、孤独を感じず、充実した定年後を過ごすための方法をお伝えします。新しい人生のステージを、より豊かで満足のいくものにするために準備をしましょう。 年金の受け取り時期を決める 定年後の生活設計を考える際、老後の収入である年金は重要な要素です。そのため、いくらの年金をいつからもらうかは早めに考えておくといいでしょう。 年金を早く受け取りたい場合は、繰り上げ受給することができます。年金の繰り上げ受給と繰り下げ受給のメリットとデメリットは以下のとおりです。 名称 メリット デメリット 繰り上げ受給 年金を早めに受け取れる 月々の受給額が減少する 繰り下げ受給 受給額が増加する 早く亡くなると恩恵が小さい 繰り上げ受給の場合、受け取り開始を1カ月早めるごとに年金額が0.4%減少します。一方、繰り下げ受給では、受け取り開始を1カ月遅らせるごとに年金額が0.7%増える仕組みです。通常の年金受給開始年齢を65歳とした場合の具体例は以下のとおりです。 繰り上げ受給の例 65歳での年金受給額が月額10万円の場合、受給開始を1カ月早めた場合と1年(12カ月)早めた場合、年金額は以下のように減額されます。 1カ月繰り上げ(64歳11カ月で開始):10万円×(1-0.004)=99,600円 12カ月繰り上げ(64歳で開始):10万円×(1-0.004×12)=10万円×0.952=95,200円 1年繰り上げて受給を開始すると、月額の年金は4,800円減り、95,200円となります。 繰り下げ受給の例 反対に受給開始を1年(12カ月)遅らせて66歳から受給を開始すると、年金額は以下のように増額されます。 1カ月繰り下げ(65歳1カ月で開始):10万円×(1+0.007)=100,700円 12カ月繰り下げ(66歳で開始):10万円×(1+0.007×12)=10万円×1.084=108,400円 1年繰り下げて受給を開始すると、月額の年金は8,400円増え、108,400円となります。 このように、受給開始時期を早めるか遅らせるかによって、月々の年金額が大きく変わることになります。それぞれの状況に応じて、最適な受給時期を選びましょう。 充実した定年後の生き方 以下のような生き方は充実した定年後を過ごせます。 趣味や旅行、ボランティア活動に時間を使う 再就職や再雇用を検討する 趣味や旅行、ボランティア活動に時間を使う 定年後は長年の仕事から解放され、自由な時間を手に入れられます。新たに得た時間をどう過ごすかは、人生をより豊かにする大きなカギとなります。 老後に楽しめる趣味として、例えば以下のようなものがあります。 料理やお菓子作り:調理の過程がストレス解消になる 音楽や楽器演奏:社交的な活動で交流の輪が広がる 読書や映画鑑賞:知識の習得やストレス解消になる ガーデニング:自然と触れ合いながら心身のリフレッシュを図れる ウォーキングやハイキング:心肺機能の向上や体重管理に役立つ 趣味や旅行、ボランティア活動に時間を使うことは、充実したシニアライフを送るための素晴らしい選択肢になるでしょう。 再就職や再雇用を検討する 定年後も再就職や再雇用を検討すれば、経済的な安心感を得られるだけでなく、社会とのつながりを維持し続けられます。働くことで新たなスキルや知識を習得し、自己成長を実感すれば、精神的な充実も得られるはずです。 自分に合った働き方を選び、無理のない範囲で社会貢献を続けてください。 シニア世代に人気の仕事 ここでは、シニア世代に人気の仕事を3つ紹介します。シニアに人気のある仕事は以下のとおりです。 飲食業 軽作業スタッフ 接客スタッフ 出典)タイミー:「タイミー、シニア・プレシニア世代のスポットワーク利用実態調査を実施」 飲食業 飲食業は、レストランや喫茶店において、調理の補助や材料の仕入れなどを行う仕事です。 【業務内容例】 簡単な調理 飲み物作り 食材の発注 料理の品質維持 店内の清掃や雰囲気づくり 簡単な調理だけではなく、食材の発注や店内の雰囲気作りなど様々な業務をこなす必要があります。基本的に立ち仕事が中心となるため、体力的な負担が大きく、体力を衰えさせたくないという方におすすめです。 軽作業スタッフ 軽作業スタッフは、未経験者でも始めやすい職種です。以下のような業務を工場や倉庫などで担当します。 【軽作業スタッフの業務内容例】 梱包 仕分け 商品管理 製品の検品 特別な資格や高度な技術は必要ないため、シニアでも取り組めます。ただし、体力が必要な作業もあるため注意は必要です。 接客スタッフ 接客スタッフは、オフィス、施設、レストランの場所などでお客様を案内する仕事です。 【接客スタッフの業務内容例】 備品の補充 ゴミの回収 床や窓の清掃 お客さまの案内 注文の聞き取り 電話対応 細やかな気配りと根気強さが求められる職種です。また、飲食店で接客スタッフの仕事に就いた場合には、上記以外にもテーブルセッティング、会計レジ業務、料理や飲み物の配膳などの業務を任せられます。 定年後の賢い働き方|再就職・再雇用を考える際の注意点 定年後の働き方を考える際には、在職老齢年金の仕組みも理解しておきましょう。在職老齢年金は、働きながら年金を受け取る場合の支給調整をする制度です。 給与(賞与を含む)と老齢厚生年金の月額が、一定の基準額を超える場合は超過分に応じて年金の一部が支給停止または全額が支給停止とされます。ただし、支給停止された額が年金として失われるわけではなく、将来的に再計算される場合があるため、長期的な視点が大切です。 老齢年金の受給要件の詳しい内容は「老齢年金とは?受給要件や年金額、請求手続きについて解説」も参考にしてください。 適度な運動で健康寿命を延ばそう 定年後に充実した生活を送るためには、健康が大切です。趣味や仕事を楽しむためにも、毎日の運動を習慣化しましょう。具体的には以下のような運動が継続しやすいでしょう。 ヨガ 水泳 ストレッチ ウォーキング 筋力トレーニング 1日4,000歩を目安に歩いたり、軽いストレッチを取り入れたりして、筋力を維持しましょう。適度な運動は健康寿命を延ばし、長く活動的な生活を送るための基盤となります。無理なく続けられる運動を見つけ、日常に取り入れていくことが大切です。 まとめ 本記事では、定年後の過ごし方や、仕事について解説しました。定年後の過ごし方は、年金の受け取り時期や働き方を含め、自分に合った選択肢を見つけることが大切です。趣味やボランティアで心を豊かにし、適度な運動で健康を維持しながら、孤独を感じないシニア生活を送りましょう。
リースバックは、家を売却してもそのまま住み続けられる仕組みとして注目されています。しかし、売却後に何年住み続けられるのか、具体的な期間について疑問を抱いているかたも多いのではないでしょうか。そこで、本記事では、リースバックの基本的な仕組みから、契約の種類や延長の可能性、長く住み続けるためのポイントについて詳しく解説します。 リースバックの仕組みとは リースバックは、自宅を売却した後もそのまま住み続けられる不動産取引の一種です。売却後は自宅を賃貸として借りる形となり、売却前と同じように暮らすことができます。 生活環境を変えずに住み続けることができるため、特に高齢者や退職後の生活を考える人にとって大きなメリットとなるでしょう。 リースバックのメリットとデメリットは以下のとおりです。 メリット デメリット 自宅を売却してもそのまま賃貸として住むことが可能 自宅の売却価格が市場価格よりも安くなる まとまった資金を手に入れられる リフォームや建て替えが自由にできない 家の所有リスクを回避し、安定した生活を維持可能 ずっと住み続けられる保証はない リースバックは不動産取引として、通常の不動産売却よりも短期間で現金化できるため、急な資金需要にも対応できます。 リースバックは何年住み続けられるか リースバックした自宅に、住み続けられる期間は契約内容によって異なります。基本的には契約期間内であれば、賃料を支払い続けることで長期間住むことが可能ですが、一定の期間で契約更新が必要な場合もあります。 リースバックの契約タイプは会社によって異なるため、提供される契約が定期借家契約か普通借家契約かを確認することが大切です。ここからは、定期借家契約と普通借家契約の違いについて解説します。 定期借家契約とは 定期借家契約は、契約期間が決められており、契約終了後は退去を求められる契約です。契約期間は一般的に2〜3年が多いですが、会社や地域によって異なる場合もあります。 引き続き住む場合には双方の合意に基づく再契約が必要なので、再契約が必ず保証されるわけではなく、その可否は貸主の判断に委ねられます。契約内容を十分に理解し、長期間住みたい場合は再契約について確認しておくことが大切です。 普通借家契約とは 普通借家契約は、借主が希望すれば原則として契約が自動更新される仕組みです。この契約方式を選べば、契約終了後も住み続けられる可能性が高くなります。 普通借家契約の場合、借主の意思により住み続けることができるため、長期間住むことを希望する場合には最適な選択となります。 定期借家契約と普通借家契約の主な違い リースバックを利用する際の契約方法には、「定期借家契約」と「普通借家契約」の2種類があります。選択する契約によって、住み続けられる期間や契約更新の条件が大きく異なります。 以下の表で、両者の主な違いを比較します。 定期借家契約 普通借家契約 契約方法 公正証書等の書面* 口頭、書面 更新の有無 期間満了により終了し、更新がない(ただし、再契約は可能) 正当事由がない限り更新 期間1年未満とする 賃貸借の効力 1年未満の契約も有効 期間の定めのない賃貸借とみなされる 賃料の増減請求 特約の定めに従う 特約にかかわらず、請求可能 賃借人の中途解約の可否 ・床面積200㎡未満の居住用建物でやむを得ない事情がある場合は、借主からの中途解約が可能・中途解約に関する特約があればその定めに従う 中途解約に関する特約があればその定めに従う ※賃貸人は「更新がなく、期間の満了により終了する」ことを契約書等とは別に、予め書面を交付して説明しなければならない 出典)国土交通省「定期借家制度」 定期借家契約は、契約期間が明確に定められており、更新が原則できません。一方、普通借家契約は、契約期間が終了しても借主が希望すれば更新されやすく、長期間住みたい方に適しています。 それぞれの契約内容をよく理解し、自身のライフスタイルに合った契約を選択しましょう。より詳しい違いについては、「定期借家契約と普通借家契約の違いとは?」をご覧ください。 長く住み続けるための方法 リースバックで長く住み続けるには、契約内容と会社選びが大切です。普通借家契約に対応しているリースバック会社を選ぶと自身の希望通り借りられるので安心です。 普通借家契約は、契約期間が終了しても借主が希望すれば契約を更新できるため、長期間住みたい方に適しています。契約更新時に条件が大きく変わる心配も少なく、安定した生活を維持しやすくなるでしょう。 また、再契約が可能な定期借家契約を提供する会社を選ぶ方法もあります。定期借家契約は契約期間が定められており、基本的に更新はできません。 しかし、再契約に柔軟な会社であれば、条件を確認したうえで再契約することで長く住み続けられます。再契約時に賃料や契約条件が変更される可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。 リースバック利用時の注意 リースバックは、契約内容や会社選びを誤ると予期しないトラブルが発生する可能性があります。安心してリースバックを利用するための主なポイントは以下のとおりです。 賃料の安い会社を選ぶ 信頼できる大手企業を選ぶ 契約内容や条件を十分に確認する 買戻しオプションの有無を確認する ここでは、リースバック利用時に押さえておくべき注意点を解説します。 賃料の安い会社を選ぶ リースバックでは、売却後も賃料を支払い続けなければなりません。賃料が高すぎると生活費が圧迫され、家計が苦しくなる恐れがあります。 普通借家契約であっても、賃料の滞納が続けば契約解除や退去を求められます。安定した生活を維持するためには、無理なく支払える賃料を設定している会社を選ぶことが大切です。 賃料の設定は会社ごとに異なり、物件の査定基準や利回りの計算方法によって差が生じます。賃料が高い場合には、売買金額が高く設定されていることがあるため、賃料を安くできないか交渉してみるといいでしょう。 複数のリースバック会社の条件を比較し、賃料だけでなく契約内容やサービス内容も総合的に判断しましょう。 信頼できる大手企業を選ぶ リースバックを利用する際は、信頼できる大手企業を選びましょう。大手企業は財務基盤が安定しており、長期間事業を継続する可能性が高いため、経営破綻や急なサービス終了のリスクが低く、安心して契約できます。 資金力があるため、迅速な資金調達や支払いにも対応可能です。契約プランも幅広く用意されており、利用者のニーズに合わせた柔軟な契約条件を提案してくれるでしょう。 企業を選ぶ際は、上場企業かどうか、コンプライアンスが徹底されているか、担当者が真摯に対応してくれているかなどを確認してください。信頼性の高い企業と契約することで、リースバックを安心して利用できる環境が整います。 契約内容や条件を十分に確認する リースバック契約を結ぶ際は、契約内容や条件を詳細に確認する必要があります。 特に、以下の項目を確認しておきましょう。 設備の修繕責任 契約期間と更新条件 売買価格と賃料の適正性 支払い方法と更新料の有無 設備の修繕費用は借主と貸主のどちらが負担するのかを明確にしておきましょう。責任の所在が曖昧だと、後々トラブルになる場合があります。 上記の内容を契約書に正確に反映させ、納得した上で契約することで、将来的なトラブルを防ぎ、安心してリースバックを利用できる環境が整います。 買戻しオプションの有無を確認する リースバックを利用する際は、買戻しオプションの有無を必ず確認しましょう。買戻しオプションとは、売却後に自宅を再び購入できる仕組みです。 将来的に経済状況が回復した場合や、家族の事情が変化した際に、自宅を再取得できるため、有利な選択肢のひとつです。 ただし、買戻しオプションがあっても、買戻し価格や条件は契約時にしっかり確認する必要があります。多くの場合、「売却後3年以内であれば買戻し可能」などの買戻しの期限設定されており、十分な資金計画を立てていなければ再取得は難しくなります。 将来、自宅を手放したことを後悔しないためにも、買戻しオプションの有無とその条件を十分に理解し、納得した上で契約を進めましょう。 まとめ 本記事では、リースバックの仕組みや契約の種類、長く住み続ける方法について解説しました。住み慣れた家に住み続けながら資金を確保できるリースバックは、急な資金需要や老後の生活資金の確保に役立ちます。ただし、契約内容や会社選びを誤るとトラブルが発生する恐れがあります。 安心して利用するためには、契約内容や条件の確認、信頼できる企業の選定、賃料負担の見直し、買戻しオプションの有無を確認することが大切です。資金確保と住環境の維持を両立させたい方は、リースバックの仕組みを正しく理解し、賢く活用してみましょう。
「急にまとまったお金が必要になったけれど、自宅は手放したくない…」そんな状況で頼りになるのがリースバックです。自宅を売却してもそのまま住み続けられる便利な仕組みです。しかし、インターネットで検索すると「リースバック やばい」というテーマの記事が存在します。 リースバックは安全な不動産事業で申し込みをして、正しく利用すれば安全な商品です。本記事では、リースバックの仕組みからリスク、よくあるトラブル事例とその対策、そして安全に利用するための注意点を詳しく解説します。この記事を読み終えれば、リースバックに対する不安が解消され、安心して賢い選択をしましょう。 リースバックとは リースバックとは、自宅を売却した後、賃貸契約を結びそのままの家に住み続けられる仕組みです。まとまった資金が必要なときや、老後の生活費を確保したいときに利用されることが多いです。 売却後も住み慣れた家で生活できるため、特に高齢者の方々に人気がある商品です。しかし、賃料が相場より高く設定されるケースもあるため、利用前に慎重な検討が求められるでしょう。 リースバックとリバースモーゲージの違い リースバックと共に比較検討される商品としてリバースモーゲージがあります。 2つの商品の違いはどこにあるのでしょうか。以下に大きく違う項目についてまとめました。 項目 リースバック リバースモーゲージ 賃料 自宅を売却し、賃貸契約を結んで住み続ける。 自宅を担保に資金を借り入れ、本人の死亡後に家を売却して返済する。 所有権 自宅を売却するため、所有権は手放すことになる。 自宅の所有権はそのまま保持する。 対象年齢 制限なし 60歳以上を対象にした商品が多い 毎月の支払い 賃料を支払う 利息を支払う リースバックは「自宅を売却して賃料を支払いながら住む」不動産取引の一種なので、リバースモーゲージとは異なります。 一方、リバースモーゲージは自宅を担保にして資金を借り入れ、本人が亡くなった後に返済する商品です。 リースバックのメリットとデメリット リースバックのメリットは、売却代金を得ながら自宅に住み続けられるという点です。リースバックの売却代金は一般的に物件評価額の6~8割程度と言われていますが、自宅を売却しても住み続けられるため、引っ越しの手間や生活環境の変化を避けられます。また、資金に余裕ができれば買い戻しも可能な場合があり、再び自宅を所有する選択肢を残せます。 一方で、デメリットは、賃料が相場より高めに設定されることがあり、家計に負担がかかる可能性があることです。また、リースバック業者によっては売却価格が期待より低くなる場合もあり、希望どおりの資金を調達できないリスクもあります。 リースバックの利用を検討する際は、契約内容をしっかり確認し、自分に合うかどうかを見極めましょう。 よくあるトラブル事例 リースバックの普及に伴い、トラブル事例も報告されています。国土交通省の「住宅のリースバックに関するガイドブック」にもあるように、契約内容の不明瞭さや賃料に関する問題が多発しています。ここではリースバックを安全に利用するため代表的な4つのトラブルとその対策を紹介します。 解約を申し出たら高額な違約金を請求された リースバック契約を解約する際、違約金が発生することがあります。通常の契約でも、契約内容に基づいて違約金が設定されている場合があるため、解約時に請求される可能性があることを認識しておきましょう。 また、強引な勧誘や不当な条件でリースバック契約を結ばれるケースも増えています。その場合、高額な違約金が設定されているケースもあるため注意が必要です。契約前には、違約金の詳細についても説明を受け、十分に確認しましょう。 対処方法:営業トークを鵜吞みにせず、家族に相談する 営業トークを鵜呑みにせず、家族や専門家に相談しましょう。契約時には、営業担当者の言葉をそのまま信じるのではなく、家族や信頼できる専門家に相談し、契約書の内容をきちんと確認してください。 支払賃料が相場よりも高い リースバック契約後、賃料が地域の相場より高いと感じるケースがあります。リースバックでは不動産の売却価格や期待利回りによって賃料が決まります。 しかし、一部には、地域相場よりも明らかに高い賃料を設定するリースバック業者もあります。 対処方法:資金計画を入念に立てる 賃料を抑えたい場合は、まず複数のリースバック業者に見積もりを依頼し、各社の賃料設定や期待利回りを比較しましょう。売却価格についても交渉し、無理のない賃料設定が可能か確認することが大切です。 また、専門家に相談することで、リースバックのメリットを最大限に活かせる資金計画を立てやすくなります。契約後の賃料がどのように推移するかを事前に計算したり確認したりして、長期的な資金計画を立てましょう。 持ち家を著しく安く売ってしまった リースバックで持ち家を売却後、同じ家に住み続けられるものの「相場よりかなり安く売却してしまった」と後悔することもあります。リースバックの売却代金は一般的に物件評価額の6~8割程度と言われていますが、これよりも低い3~4割を提示する業者も存在します。 そのため、売却前に周辺相場を確認しないと、不当に安く買い取られてしまう可能性があります。 対処方法:複数の業者に相談して相見積もりを取る リースバックの売却価格を適正に設定するためには、複数の業者に見積もりを依頼し、価格や条件を比較することが欠かせません。各社で物件評価や価格設定が異なるため、相見積もりを取ることで、より高い価格での売却が見込める場合もあります。 さらに、業者ごとのリースバック契約内容も確認することで、将来の賃料や契約条件を事前に把握し、リスクを軽減できるでしょう。 同じ家に住み続けられない リースバック契約後に「定期借家契約」とわかり、同じ家に住み続けられなくなる場合もあります。定期借家契約とは、契約期間が事前に決められている契約です。貸主と借主の双方合意がない限り、契約期間が終了すると退去しなければなりません。 一方、「普通借家契約」は契約期間が終わっても借主が希望すれば契約は更新されるため、貸主側の都合で家から追い出されることはありません。 対処方法:定期借家契約になっていないか確認する リースバック契約を結ぶ前に、契約形態が「定期借家契約」かどうかをしっかり確認しましょう。定期借家契約だと、契約期間が終了した際に更新ができず、退去しなければならない場合があります。 契約書の項目や説明を受け、長く住むことを希望する場合は「普通借家契約」を選ぶなど、自分の希望に合った契約内容にすることが大切です。 リースバックを利用する際の注意点 リースバックを利用する際には、以下のポイントをチェックしましょう。 信頼できる大手企業を選ぶ 契約内容をきちんと確認する 設備の修繕費用や原状回復費用について事前に確認しておく リースバックを利用する際には、今後の生活計画も大切です。賃料を支払いながらどれくらいの期間住み続けられるか、老後の資金計画に影響がないかなど、長期的な視点で判断しましょう。 信頼できる大手企業を選ぶ リースバックを安心して利用するためには、信頼できる大手の不動産会社を選びましょう。実績のある大手企業は、契約内容が明確で、トラブルが発生した場合でも適切に対応してくれるため、安心して任せられます。 また、事前に口コミや評判をチェックし、信頼性を確認しておくことも忘れないようにしましょう。信頼できる業者を選ぶことで、不透明な条件や不利な契約を避けられます。 契約内容をきちんと確認する リースバックの契約には、賃料や解約条件など重要な内容が多く含まれています。賃料の値上げや違約金については、事前にしっかりと確認しておく必要があります。 自分だけで判断するのが難しい場合は、子どもや信頼できる専門家に相談するのが賢明です。契約書に不明点があれば、遠慮せずに業者に質問し、納得した上で契約を進めましょう。慎重な確認作業が悪徳業者に騙されることを防ぐカギとなります。 設備の修繕費用や原状回復費用について事前に確認しておく リースバック後も、修繕費用や退去時の原状回復費用が発生することもあります。築年数の古い物件は修繕費が高額になる可能性があるため、事前に費用を確認しておくと安心です。 修繕費用や退去時の原状回復費用がどちらに負担されるのかを明確にし、予想外の出費を防ぐために、契約時に必ず確認しましょう。 まとめ リースバックは資金調達の有効な手段ですが、契約内容や仕組みを十分に理解していないと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。リースバックを検討する際は、信頼できる業者を選び、契約内容をしっかりチェックしてください。この記事で紹介したポイントを押さえて、安全で安心なリースバック利用を心がけましょう。
引っ越したいのに家を売りに出してから1年以上経っても売れないという状況に直面している方々にとって、原因や解決策を見つけることは大きな課題です。市場の動向や物件の状態、価格設定など、さまざまな要因が絡み合っているため、一筋縄ではいかないことが多いでしょう。 家の売却を成功させるためには、価格の見直しや不動産会社の変更など、さまざまな対策が必要となります。本記事では、1年以上売れない家の原因や売るための対策について解説します。 不動産価格はどのように決まる? 1年以上家が売れない原因の一つに、不動産価格の設定が適切でない場合が挙げられます。不動産価格は、戸建てとマンションで異なる要素に基づいて決定されます。ここでは、戸建てとマンションの価格の決まり方を具体的に解説します。 戸建て価格の決まり方 戸建て住宅の価格は、土地と建物の価値の組み合わせによって決まります。土地と建物の価値は、以下の主な要素で決まります。 土地の価値 建物の価値 ・生活環境 ・接道状況 ・地域の治安 ・形状と広さ ・駅からの距離 ・教育施設の近さ ・築年数 ・建築素材 ・設計の質 ・リフォーム歴 ・メンテナンス状態 最近では、郊外や自然豊かなエリアへの移住が注目され、そのような地域の戸建て価格が上昇しています。しかし、逆に需要が少ないエリアや、古い建物の場合は価格が低くなるケースもあります。 1年以上売れない戸建ての多くは、上記の要因を適切に考慮できていない可能性があります。市場動向や立地の特性を理解し、価格の見直しを検討しましょう。 マンション価格の決まり方 マンションの価格は、以下の主な要素で決まります。 階数 立地条件 部屋の位置(方位) 設備の充実度 修繕計画の状況 管理組合の運営状況 築浅マンションや高いセキュリティ設備を備えたマンションは、高値で取引されることが多い傾向があります。一方、築古マンションや管理状態が悪いマンションは価格が下がりがちです。売却を成功させるためには、物件の強みと弱みを明確に把握し、価格を再設定しましょう。 家が売れない理由 家が1年以上売れない場合、原因を特定し対策を考えることが大切です。ここでは、株式会社すむたすが行った「売れない・売れづらい不動産の理由」に関する調査を基に売却が進まない理由について解説します。 出典)株式会社すむたす|「売れない・売れづらい不動産の理由」に関する意識調査 相場よりも高い金額で売ろうとしている 売れない原因の一つは、設定した売却価格が相場よりも高すぎることです。価格が市場の適正水準を大幅に超えていると、買い手には割高に感じられ、物件への興味を失わせる可能性があります。 同じエリアで似たような物件が複数売り出されている場合、価格が高いと選ばれにくくなります。現在はオンラインでも相場情報を調べられるため、価格設定の目安を一般の人でも簡単に把握できます。そのため、不動産会社の査定どおりに価格を決めるのではなく、自分なりに価格が適切かどうかを判断するのも重要です。 共有部が汚い・室内・設備が劣化している 外観が綺麗であっても共有部が汚い、室内・設備が劣化していると家が売れない理由となります。多くの購入希望者は、インターネット上で物件の写真を見て、実際に内見を行い購入を検討します。そのため、写真のクオリティが良くても、内見を行った場合に、共有部分が暗くて汚い、設備が劣化していると物件の印象を悪くしてしまいます。 逆に、室内が綺麗で設備も新しいものを取り付けてある家であれば、物件の印象が良くなります。中古マンションの場合はリフォームしてから売却することも検討するとよいでしょう。 周辺にスーパーや病院などが少ない 前述した調査によると、新型コロナ後は家の周辺の利便性が求められるようになっているようです。周辺に医療施設・介護施設が少ない場合やスーパー・コンビニ等の商業施設が少ない場合は、家が売却しづらくなる可能性があります。 水害や地盤が緩い 地盤が緩い地域や浸水の想定される区域にある家だと、家が売れにくくなる可能性があります。例えば、東京都は大雨や台風による水害の可能性がどれぐらいあるのか区域に示した、洪水浸水想定区域図を公開しています。売却を想定している家が、水害被害の可能性が高い地域にあると、購入希望者への印象が悪くなり、売却しづらくなってしまうでしょう。 家が売れない時の対策 家を売却しようとして1年以上が経過しても売れない場合、原因を分析し適切な対策を講じることが大切です。ここからは、具体的な対策方法について解説します。 価格を見直す 1年以上家が売れない場合、見直すべきなのは価格設定です。多くの場合、売れない原因は物件が相場よりも高い価格で設定されていることにあります。 不動産市場は常に変動しており、特に過去1年間で周辺の物件価格が変わっている可能性があります。そのため、最新の市場データを基に価格を再評価しましょう。具体的には、近隣での最近の売却事例を調べることや、不動産エージェントに最新の査定を依頼する方法があります。また、SBIシニアの住まいとお金でも売却物件の査定を行っています。 不動産会社を変える 1年以上売れない家を売却するためには、不動産会社の変更も有効な手段です。不動産会社によって得意な地域や販売手法が異なるため、物件に最適な会社を選ぶことが大切です。 不動産会社が地域の市場動向に詳しくない、または効果的なマーケティングを行っていないと、売却が遅れる可能性があります。新しい不動産会社を選ぶ際は、過去の実績や口コミ、提案される販売戦略をチェックし、信頼できるパートナーを見つけましょう。 媒介契約の種類を変更する 不動産会社に自宅の売却を依頼する際には媒介契約を締結する必要があります。媒介契約には以下の3種類がありそれぞれ契約内容が異なります。 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約 一般媒介契約は複数の不動産会社に売却の仲介を依頼できる契約です。複数の不動産会社と連絡を取り合う必要があるため工数はかかりますが、多くの購入希望者にリーチできます。専任媒介契約は1社の不動産会社とのみ仲介を依頼する契約です。仮に自身で不動産の買い手を見つけられた場合は、自ら直接取引することも可能です。 一方で、専属専任媒介契約も1社の不動産会社とのみ仲介を依頼する契約ですが、自身で不動産の買い手を見つけられても直接取引することはできません。 媒介契約の種類については、「自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説」で詳しく解説しているので、詳細な内容とメリット・デメリットを知りたい方はぜひ参考にしてください。 まとめ 本記事では、1年以上家が売れない理由や対策について解説しました。1年以上家が売れない理由は、相場とかけ離れた高額な価格設定、物件の状態や立地条件の悪さです。 上記の要因を改善するためには、まず適正な価格に見直すことが大切です。価格が高すぎると、購入希望者の興味を引けず、市場での競争力が低下します。売却が長引いている場合、具体的な対策を講じることで、売れない状況を改善できる可能性があります。 また、不動産会社の選び直しや、販売戦略の見直しも有効です。家が売れない原因を理解し、適切な対応を取りながら売却に向けて行動しましょう。
マンションの売却は重要な決断ですが、誤った判断が大きな損失につながることもあるため注意が必要です。価格設定を間違ったり内覧準備を怠ったりすると、売却が進みづらくなります。 そのため、事前に売却時にやってはいけないことを知って、有利な条件での売却を実現しましょう。本記事では、マンションの売却で避けるべき「やってはいけないこと」について詳しく解説します。 マンション売却に満足している人はどれぐらい? マンションを売却した人々のうち、どれくらいの割合の人が満足しているのでしょうか。 出典)エンマネ|中古マンションの売却に関する経験者の実態調査 エンマネの調査結果によれば、マンション売却後に「満足している」と答えた人は全体の約72.4%を占めています。 出典)エンマネ|中古マンションの売却に関する経験者の実態調査 満足している理由としては、「売却で得た資金を有効に使えているため」「売却価格が期待していた通りだったため」などが挙げられている一方で、満足していない方も25%ほどいます。満足できた人とできなかった人の違いはどこから生まれるのでしょうか?上記の調査によるとマンションを売却してみて、“やっておけばよかった”こととして、「市場価格の調査を怠らない」「手数料など諸経費まで調べておく」など、事前の下調べに関する後悔が多く見られました。 このような回答を踏まえると、マンション売却でやってはいけないことは、「売却までの流れや資金の活用方法などを事前に確認せずに売却を進めること」ではないでしょうか。もしマンション売却の流れを把握せず、市場調査なども行わず売却を進めれば「市場の平均価格より大幅に安く売却してしまった」「必要な書類の準備が遅れ売却までの期間が長引いた」などの事態を招く可能性が高いです。このような事態にならないためには、しっかりとした準備をし、あらゆる事態を想定して売却を進めていくことが大切になります。 マンション売却の流れ マンション売却の手続きは主に以下の流れで進みます。 売却物件の相場を調べる 売却に必要な書類を整える 信頼できる不動産業者を選ぶ 選んだ業者に物件を査定してもらう 不動産業者と媒介契約を結ぶ 売却価格を決定して販売活動を始める 広告や内覧会を通じて買い手を探す 買い手が見つかったら売買契約を結ぶ 引き渡しの準備をする 物件を引き渡す 諸費用の支払いを終わらせる 売却したら確定申告をする 特に「売却価格を高く設定しすぎて買い手が見つからない」ということはマンション売却ではよくあることです。物件を売りに出す際には、売却予定のマンションの相場を調べて適正な価格設定をすることが大切です。また、不動産業者選びに失敗して売却が遅れるといった事例もあります。実績や評判、手数料などを比較してから信頼できる不動産業者を選ぶことが大切です。 マンション売却に失敗しないための対処法 売却プロセスでは、誤った判断が大きな損失を招くリスクがあります。ここでは、売却で避けるべきミスと、そのための対処法を解説します。 信頼できる不動産を選ぶ 不動産を売却する際は、信頼できる不動産業者を選びましょう。不動産業者の中には、経験が浅かったり売却の実績があまりない不動産業者もいたりするため、適切な不動産業者選びが大切です。 過去の実績や顧客評価、オンラインのレビューを確認し、その不動産業者が信頼できるか調べましょう。また、複数の不動産業者から見積もりを取得し、契約条件や手数料の透明性を比較することも必要です。信頼できる不動産業者を選ぶことで、適切なアドバイスを受けながら、売却プロセスを進められます。 売却価格を適切に設定する 売却価格の設定は、マンション売却の成否を大きく左右する大切なポイントです。高すぎる価格を設定すると、買い手が現れず、物件が長期間売れ残るリスクがあります。反対に、安すぎる価格設定では、本来得られる利益を失うことになります。適切な価格を設定するためには、市場動向を把握し、類似物件の売却事例を参考にすることが効果的です。 適切な価格を知るには複数の不動産業者に売却査定を依頼することが重要です。複数の不動産業者から意見をもらうことにより、客観的なデータに基づいた価格設定が可能になります。価格設定を適切に行うことで、早期に売却が成立し、最大限の利益を確保できるでしょう。 売却活動の適切なタイミングを見極める マンション売却を成功させるためには、売却活動を開始するタイミングも大切です。市場の状況や季節、経済の動向によって、買い手の需要が大きく変わるため、最適なタイミングを見極めることが求められます。例えば、マンション売却の適切な時期は、春や秋など新生活や転勤のシーズンです。 一方で、年末年始やお盆シーズンは、買い手の関心が低下する傾向があります。売却活動を最適な時期に開始することで、スムーズな取引を実現できるでしょう。 マンション売却時にかかる諸費用を把握する 例えば、マンションを売却する際の、代表的な諸費用は以下のとおりです。 仲介手数料 抵当権抹消費用 印紙税 譲渡所得にかかる税金 売却後の手取り額を正確に見積もることが大切です。予想外の出費を防ぎ、スムーズな売却を進めるためには、専門家に相談しましょう。 まとめ 本記事では、マンション売却で陥りがちなミスとその具体的な防止策を解説しました。マンションの売却は、人生の中でも重要な決断の一つです。 売却を成功させるためには、適切な価格設定、売却のタイミングの見極めることが大切です。本記事を参考に満足のいく売却を実現してください。
高齢化社会が進む中、多くの家庭で実家じまいが問題となっています。親が高齢になると、介護が必要になったり、施設に入所したりすることが増えます。その結果、実家が空き家となり、管理や維持が難しくなります。ただ、思い出が詰まった家を手放すことは、心に大きな負担を伴うものです。 そのため、実家じまいは、物理的な整理だけでなく、心の整理も必要です。この記事では、実家じまいのプロセスや心の整理の方法、そして実際に行う際の費用とポイントについて詳しく解説します。 実家じまいとは? 実家じまいとは、親が住んでいた家を処分する一連の手続きを指します。多くの人にとって、実家は思い出が詰まった特別な場所です。しかし、親の介護や自身の生活環境の変化に伴い、実家を手放す決断を迫られることがあります。 実家じまいを行う場合、親の意向を尊重しつつ、残された兄弟姉妹間で話し合いをして、行うタイミングや役割分担をすることが大切です。 実家を維持する際にかかる費用 実家じまいをせずに実家を維持するためにはどのぐらいの費用がかかるのでしょうか?株式会社すむたすの調査(※)によると実家の維持・処分費用は「50〜100万円」が多いようです。 【実家を維持する際にかかる費用例】 修繕費用 固定資産税 都市計画税 火災保険料 光熱費と水道代など ただし、屋根や床などの大規模修繕工事などが発生した場合、修繕費用は100万円以上になる場合があるので注意しましょう。 また、固定資産税と都市計画税は、土地や建物の価値を基に計算される税金です。この税金の金額は、その土地や建物の固定資産税評価額(課税標準額)に対して定率を掛け合わせて決められます。具体的には、固定資産税は課税標準額の1.4%で、都市計画税は課税標準額の0.3%が適用されることが多いです。課税標準額にこの範囲の税率をかけた金額が、毎年支払う必要がある税金になると理解しておきましょう。 ※出典)株式会社すむたす|半数以上が「後悔」。実家じまい経験者調査、事前にしておくべきだったことトップ3は①処分費の確認②親と一緒に片付け③売却価格の確認 特定空き家に認定されると税金が上がる 実家が「特定空き家」に認定されると、固定資産税が大幅に増加する可能性があります。 通常、「小規模住宅用地の特例」という制度があり、住宅が建っている土地の固定資産税や都市計画税は大幅に軽減されます。 【通常の場合】(固定資産税) 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税評価額の1/6に軽減 一般住宅用地(200㎡を超える部分):固定資産税評価額の1/3に軽減、上記の内容を踏まえて計算した、土地の固定資産税評価額1,000万円の場合の具体例は以下のとおりです。 土地の固定資産税評価額:1,000万円(土地面積150㎡を想定) 小規模住宅用地の特例適用後の課税標準額:1,000万円×1/6=166.7万円 固定資産税:166.7万円×1.4%=約2.3万円 しかし、特定空き家に認定されると特例措置の適用がなく、土地の固定資産税課税標準額そのものに1.4%をかけて固定資産税を算出します。特定空き家とは、適切な管理が行われておらず、倒壊や衛生上のリスクが高いと判断された空き家を指します。 特定空き家の固定資産税は住宅用地の特例適用時から最大6倍に上がるため、約2.3万円の固定資産税は、約14万円になります。実家は放置せず、定期的に管理するか、早めの売却や処分を進めた方がよいでしょう。 【特定空き家に認定された場合】 土地の固定資産税評価額(課税標準額):1,000万円(特例措置解除) 固定資産税:1,000万円×1.4%=14万円 実家を片付ける流れ 実家じまいは心身ともに大きな負担がかかる作業です。計画を立てて着実に進めることが大切ですが、心の整理がつかない場合は、無理をせずに時間をかけて整理しましょう。実家を片付けて売却する際の流れは、以下のとおりです。 片付けの計画を立てる 片付ける日や捨てる日を決める 必要なものと捨てるものをわける 必要な物や財産はよけておく 部屋中の掃除をする 不動産会社に査定を依頼する 土地や建物を売ると税金がかかる 実家の土地や建物を売却する際には、所得税や住民税などの税金がかかります。 土地と建物の取得費が2,000万円の家を売却した場合は、以下のような金額になります。 土地と建物の取得費が2,000万円の家を売却した場合の例 譲渡所得は、売却価格から購入費用や売却にかかった費用、減価償却費を差し引いて計算します。 土地と建物の取得費:2,000万円 売却にかかる費用(仲介手数料):96万円※1 売却価格:3,000万円 ※1:仲介会社により変動する可能性があります。 【譲渡所得の計算】 譲渡所得=3,000万円−(2,000万円+96万円)=904万円 譲渡所得は904万円となります。 【譲渡所得税の計算】 ここでは、所有期間が5年を超える長期譲渡所得として計算します。 所有期間が5年超の場合、長期譲渡所得として税率が適用され、以下のような税額になります。 【長期譲渡所得】 所得税:904万円×15.315%=138万4,476円 住民税:904万円×5%=45.2万円 所得税・住民税・復興特別所得税を合わせた税額は、約183万円です。 ただし、マイホームであれば「3,000万円の特別控除」が適用され、譲渡所得904万円が控除されるため、税金は0円になります。売却によって得られた利益(譲渡所得)に対しても課税されるため、事前に税額を把握し、資金計画を立てたほうが良いでしょう。 特定の条件を満たせば、税金の軽減措置を受けられるケースもあるので、税金に関する詳細は、税理士などの専門家に相談しましょう。不動産の売却時の税金について知りたい方は「不動産の購入・売却にかかる税金をそれぞれ解説」を参考にしてください。 遺品整理は10か月以内に必要 遺品整理は、相続税の申告期限である被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に作業しましょう。遺品整理を放置すると、相続手続きが進まず、相続税の申告が遅れてしまう可能性があります。相続税の対象になる可能性がある財産は以下のとおりです。 自動車やオートバイ 株や債券などの投資商品 土地や建物などの不動産資産 銀行口座の残高や手元の現金 生命保険や各種保険の受取金 知的財産権(著作権や商標など) 貴重な宝石や美術品、アンティーク品 上記の資産は、相続や贈与で税金がかかる可能性があるため、事前に把握しておくことが大切です。また、仕事で忙しい方や、気持ちの整理がつかなくて自分で片付けられないなどの場合は、専門業者に相談しましょう。実家じまいや遺品整理をする前に「【知らないと大損?】遺品整理は○○か月以内にすべき!?」も参考にしてください。 形見分けをする場合の注意点 形見分けとは、故人が生前愛用していた品々を親族や親しい友人に分け与えることです。故人との思い出を共有し、その記憶を物として形に残すという目的があります。形見分けでは、故人が大切にしていた以下のような品を選ぶのが一般的です。 本や写真 衣類やアクセサリー 日常的に使用していた道具 ただし、高額のものを形見分けするときは、贈与税が発生してしまう可能性があるため、注意が必要です。贈与税がかかる可能性があるものは、以下のとおりです。 価値が高い美術品や骨董品 ダイヤモンド・金・プラチナなどの高価な宝石や貴金属 形見分けは、故人を偲び、残された者同士が共に故人を思い出しながら心の整理をする大切な機会です。形見分けを行う際は、贈る相手の気持ちや故人との関係を考慮し、適切な品を選びましょう。 遺品整理は業者に頼むこともできる 遺品整理を家族だけでするのが難しい場合、専門の業者に依頼することもできます。遺品整理業者は、短期間で効率的に整理できて、処分が難しい品物も適切に対応してくれます。遺品の整理を業者に依頼する場合の費用相場は以下のとおりです。 1LDK:7〜20万円 4LDK以上:22〜60万円 ※SBIシニアの住まいとお金ch調べ 遺品整理のプロによる作業は、感情的な負担を軽減するだけでなく、法律に則った適切な処理を行います。費用は発生しますが、安心して任せられるため、利用する価値はあるでしょう。 まとめ 本記事では、実家じまいの流れや、遺品整理について解説しました。実家じまいは、感情的な負担とともに、手続きや費用の面でも多くの課題を伴います。実家を維持するための費用や、片付けの流れ、税金に関する注意点を理解した上で、計画的に進めてください。
老後の生活を安心して過ごすためには、十分な資金が必要です。しかし、年金や貯蓄だけでは不安を感じる高齢者も少なくありません。そんな中、自宅を売却して資金を調達するという選択肢が注目されています。自宅を売却することで得られる大きな資金は、医療費や生活費、旅行や趣味など、さまざまな用途に活用できます。 本記事では、自宅売却のメリットとデメリットを詳しく解説します。自宅売却が本当に最善の選択肢なのか考えてみましょう。 約6人に1人が不動産売却で失敗がある 不動産を売却する際には、失敗が生じるケースがあります。日本トレンドリサーチとTAQSIE|タクシエ(※)の調査によると、17.8%の方が不動産売却で失敗したというデータがあります。 不動産売却における失敗は以下のとおりです。 安く売り急いでしまった 地域の相場を理解せずに売却した 高額すぎる価格設定をして売れ残った 売却のタイミングを見誤ってしまい、想定以上に時間がかかり、その後の生活設計に悪影響を及ぼす恐れもあります。こうした失敗を避けるためには、専門家のアドバ イスを受け、事前の準備を怠らないようにすることが大切です。 出典)日本トレンドリサーチとタクシエ(TAQSIE)調査(※) 自宅売却の第一歩は家の価値を知ること 自宅を売却する際は、まず自宅の市場価値を正確に把握しましょう。自分の家が市場でどの程度の価値があるのかを知ることで、適切な売却価格を設定できます。 自宅の価値は、地価公示価格や実勢価格、固定資産評価額など様々な指標が絡み合って決まります。そのため、不動産の知識がない一般の方には、自分の家にどのぐらいの価値があるのか計算することは困難でしょう。 そこで、自身の自宅の価値を知りたい時には、オンライン査定を活用したり、不動産会社に査定を依頼したりして、客観的な評価を得ましょう。そうすることで、自宅の価格を知れるだけではなく、売却後の資金計画や次の住まい探しにも役立てられます。 自宅の価値については「我が家の価値は○○で決まる!【住まいとお金の失敗談】」の動画も参考にしてください。 自宅売却の注意点 60代になると相続や贈与を考え自宅の売却を検討する人も増えてきます。しかし、贈与や相続に関する税務の問題は複雑なので、軽い気持ちで自宅売却を進めるのではなく事前に相続にかかる税率や控除を理解しておくことが大切です。税理士などの専門家に相談し、タイミングと手続きを踏めば、予期せぬ税負担を避けられるでしょう。 贈与の場合の税率 贈与により財産を取得した場合、土地と建物の評価額に応じて贈与税が課されます。贈与税の税率は贈与金額によって異なり、基礎控除額(110万円)を超える部分に対して10~55%の税率が適用されます。具体的には、「兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者」の場合、以下のような税率が適用されます。 【一般贈与財産用】 出典)国税庁|贈与税の計算と税率(暦年課税) 贈与金額が1,300万円の場合の贈与税の計算は以下のようになります。 課税価格を求める(基礎控除110万円を引いた後の金額) 1,300万円-110万円=1,190万円 税率を適用し、控除額を差し引く 1,190万円×40%-125万円=351万円 したがって、この場合の贈与税は351万円となります。ただし、18歳(贈与を受ける年の1月1日時点の年齢)以上の者が直系尊属(父母や祖父母など)から贈与を受けた場合には控除額が異なりますので、詳しくは「国税庁| 贈与税の計算と税率(暦年課税)」でご確認ください。 贈与の際に活用したい控除と特例措置一覧 贈与を計画する際は、以下の控除や特例措置も活用しましょう。控除や特例措置を使って、可能な限り贈与税の負担軽減を考えてみてください。 配偶者控除 婚姻期間が20年以上の夫婦間(内縁関係は除く)で使えて、基礎控除の110万円と、最大2,000万円までが非課税 住宅取得等資金の非課税制度 子や孫に対して住宅購入資金を贈与する場合に省エネ住宅で1,000万円、それ以外は500万円まで非課税 教育資金の一括贈与の非課税措置 子や孫に教育資金を一括して贈与する場合、1,500万円までの金額が非課税となる制度 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置 子や孫に結婚や子育てにかかる資金を一括して贈与する場合、1,000 万円 までが非課税となる特例 相続の場合の税率 相続により財産を取得した場合、相続税が発生するので注意しましょう。相続税の税率は遺産総額に応じて決まり、最大で55%の税率が適用されます。 出典)国税庁|相続税の税率 相続財産の評価額が7,000万円で、法定相続人が2人いる場合の相続税を計算すると以下のような式と答えになります。 課税価格の計算:7,000万円(相続財産)−4,200万円(基礎控除)=2,800万円 相続税の税率適用:1,400万円(一人当たり※)×15%-50万円=160万円 ※相続分はそれぞれ2分の1ずつとする 一人当たりの相続税額は160万円で二人合わせると320万円となります。相続税は贈与税に比べて、税負担が軽くなる場合もあるので、相続税の申告に際しては、税理士に相談し適切な手続きをしましょう。 相続の際に活用したい控除と特例措置一覧 相続の際に活用したい控除と特別処置は以下のとおりです。 基礎控除 贈与税額控除 相次相続控除 配偶者の税額軽減 障害者の税額控除 未成年者の税額控除 控除と特別処置の詳細は以下の表にまとめています。 基礎控除 遺産の総額から一定の金額を差し引いて、相続税の課税対象となる金額を減少させられる 相次相続控除 短期間に複数回の相続が発生した場合に負担を軽減できる制度です。短期間に相続が続く場合、前回の相続税を考慮して次の相続税を軽減します。 配偶者の税額軽減 配偶者が遺産を相続する際に、「法定相続分」または「1億6,000万円」のどちらか大きい方の金額までは相続税がかからない制度 障害者の税額控除 相続人が85歳未満の障害者である場合に適用される特別な控除 未成年者の税額控除 相続人が18歳未満の未成年者である場合に適用される控除 相続時には、さまざまな控除や特別措置を活用することで、相続税の負担を大幅に軽減できます。詳しくは「相続税の計算|国税庁」も参考にしてください。 自宅売却から賃貸への住み替えは難しい? 高齢者が賃貸物件を借りにくい理由は、以下のポイントです。 家賃滞納のリスク 孤立死や健康リスクへの懸念 家主は高齢者が病気や室内で孤立死するリスクを懸念しています。事故物件としての評価下落のリスクが増大するのを避けるため、入居を拒否するケースが多いです。また、「単身であること」や「緊急連絡先がいないこと」も大きな要因です。緊急時に対応できる保証人がいないことや、家賃の支払い能力に対する不安を感じています。 高齢者が賃貸物件を借りやすくするためには、家主の不安を解消する対策が必要です。入居のハードルを下げる対策として以下のサービスを利用しましょう。 家賃債務保証 高齢者向け住宅 高齢者向け住宅の選択肢も増えており、必要なケアを受けつつ自立した生活ができる環境が整備されつつあります。上記の対策を講じることで、高齢者でも賃貸物件に入居しやすくなるでしょう。老後の住まいを詳しく知りたい方は「老後に賃貸物件は借りにくい?その理由や対策を紹介」を参考にしてください。 資金調達のための売却であれば、リースバックなども検討する 老後の資金調達を目的に自宅を売却する場合、リースバックという選択肢も検討しましょう。 リースバックとは、一般的にリースバック運営会社とリースバックを利用したい個人間で、不動産の売買契約および賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができるサービスです。不動産をリースバック運営会社に売却し、賃貸借契約を結びます。 リースバックのメリットは以下のとおりです。 住み慣れた家に住み続けられる 固定資産税や維持管理費などの負担がなくなる 売却資金は老後の生活資金やローンの返済に利用できる 家賃という形で毎月の支出が固定化されるため予算管理がしやすくなる リースバックのデメリットは以下のとおりです。 売却価格が市場価格よりも低くなる リフォームや建て替えの制限がある 死ぬまで住み続けられるとは限らない リースバック運営会社にもよりますが、最終的には「引っ越しによる明け渡しか買い戻し」を選択できます。ただし、売却価格が低くなったり、長期的に住み続ける保証がなかったりするリスクもあるため、契約前にしっかりとメリットとデメリットを理解したほうが安心です。 まとめ 本記事では、自宅の売却や税率について紹介しました。老後に自宅の売却を考える際、慎重な判断が求められますが、適切な準備と情報収集をすれば、自宅売却をスムーズに進められるでしょう。 また、リースバックなどの選択肢を活用すれば、住み慣れた家に住み続けながら資金を得られるため、老後の生活にゆとりを持たせられるでしょう。もし、自宅売却で悩んでいることがあれば、専門家へのアドバイスを求めましょう。資金計画や自宅売却の手順を丁寧にプロの視点で説明してくれます。
定年後に住宅ローンの返済が厳しくなったとき、どうすればよいか悩んでしまうでしょう。特に定年後は収入減や予期しない支出の増加などが起きやすく、住宅ローンの返済が苦しくなる傾向があります。そのため、返済が難しくなる前に返済計画を立てるなどの準備が大切です。本記事では、住宅ローンが払えなくなる原因と防ぐために実行すべき対処方法を紹介します。 定年後に住宅ローンが払えなくなってしまう理由 定年後に住宅ローンが払えなくなる主な原因は以下の理由です。 収入の減少 予期しない支出の増加 特に定年後は収入が大きく落ちるので注意 定年退職後は、現役時代と比べて収入が減少する傾向があります。収入源が年金となるため、現役時代と同じペースで住宅ローンを返済するのは難しくなるかもしれません。 出典)パーソル総合研究所|シニア従業員とその同僚の就労意識に関する定量調査 パーソル総合研究所の調査によれば、再雇用者の年収は平均で約44.3%減少しています。さらに、再雇用者の約5割は年収が半分以下になっていることが明らかになっています。 定年後の収入が大幅に減少する一方で、医療費や介護費用、住宅の修繕費など、老後特有の支出は増えていきます。 予期しない支出の増加が家計を圧迫する 医療費や介護費用、自宅の修繕費など、予期しない出費が発生すると住宅ローンの返済が難しくなる場合があります。高齢になると病気やけがのリスクが高まり、医療費や介護費用の負担が増えやすいです。予期しない支出として以下のような費用が挙げられます。 医療費 介護費用 自宅の修繕費 冠婚葬祭費用 保険料の支払い さらに、自宅の修繕やリフォームにかかる費用も予想外の支出として家計を圧迫します。支出が増え続けると、家計の余裕がなくなり、住宅ローンの返済にも影響が出てきます。 返済困難にならないための対処方法 住宅ローンは返済期間が長く、家計への影響も大きいため、将来のリスクに備えた早めの準備が大切です。収入が減った場合や予期しない出費が発生した場合でも、適切な対策を講じることで返済の負担を抑えられる可能性があります。 ここからは、住宅ローンの返済が難しくなる前に取り組める対策を紹介します。 専門家に相談して収益シミュレーションを作る 住宅ローンの返済が困難になるのを防ぐためには、専門家に相談して収益シミュレーションを作成しましょう。専門家の助言を受けることで、将来の収入や支出を具体的に予測し、無理のない返済計画を立てられます。 多くの金融機関や専門サイトでは、住宅ローンのシミュレーションツールを提供しています。住宅金融支援機構の「住宅ローンシミュレーション」では、借入金額や返済期間、金利などを入力することで、毎月の返済額や総返済額を簡単に試算できます。 ツールを活用し、早めに返済計画を見直すことで、将来の返済リスクを抑えましょう。 金融機関に相談する 住宅ローンの返済が厳しくなりそうな場合は、早めに金融機関へ相談しましょう。収入の減少や予期しない出費があっても、金融機関に相談すれば返済条件の見直しや柔軟な対応を受けられる可能性があります。 たとえば、フラット35には返済負担を一時的に軽減する返済特例制度(返済方法変更メニュー)があります。この制度は、病気や収入の減少などで返済が難しくなった場合に、一時的に返済額を減額できる制度です。 こうした制度を利用すれば、返済の負担を軽くできるかもしれません。金融機関への相談は早ければ早いほど選択肢が広がります。 支払いが滞る前に、返済期間の延長や一部繰り上げ返済の見直しなど、負担を軽減する方法を一緒に検討してもらいましょう。 住宅ローンの借り換えを検討する 住宅ローンの返済負担を軽減するためには、金利の低いローンへの借り換えも検討してみましょう。借り換えによって金利が下がれば、毎月の返済額や総返済額が減少します。 金利の低いローンに借り換えすることにより、家計の負担が軽くなり、将来の返済リスクも抑えられるでしょう。 ただし、借り換えには手数料や保証料などの諸費用がかかります。手続きも複雑なため、事前に総費用と効果をしっかり比較・検討しましょう。 返済が困難な場合はリースバックを検討する 万が一住宅ローンの返済が厳しくなってしまった場合は、家を売却して資金を確保するリースバックという方法があります。 リースバックは、自宅を売却した後、賃貸借契約を結び、そのまま住み続ける仕組みです。 売却で得た資金は住宅ローンの残債の返済や生活資金の確保に充てられ、経済的な負担を軽減しつつ、住み慣れた家での生活を維持できます。 リースバックの特徴 内容 売却後も居住継続 自宅を売却しても、賃貸借契約を結ぶことでそのまま住み続けられる。 売却価格 通常の売却よりも売却価格が低くなる傾向がある。 資金確保 自宅を売却することで、まとまった資金を確保できる。 固定費の安定化 固定資産税や修繕費などの負担がなくなり、家計管理がしやすくなる。 リースバックは、住宅ローンの返済に悩んでいる方や資金が必要な方にとって、住み慣れた家に住み続けながら資金を確保できる有効な方法です。ただし、家賃の設定や契約内容の確認が不可欠であり、再購入の可否や賃貸条件の変更などにも注意が必要です。 住宅ローンのよくある質問 ここからは、住宅ローンの返済や借り換えに関するよくある疑問について解説します。 住宅ローンが払えないと強制退去させられるの? 住宅ローンの返済が長期間滞ると、強制退去となる場合があります。返済が遅れると、まず金融機関から督促状や催告書が届きます。 それでも返済が行われない場合、金融機関は通常、競売の申立てを行います。競売が成立すると、所有者は強制的に退去しなければなりません。返済が厳しくなったと感じたら、早めに金融機関や法律の専門家に相談しましょう。 団信などは適用されないの? 団信(団体信用生命保険)は、住宅ローン契約者が亡くなったり、高度障害状態になった場合に、ローン残高を全額返済する保障を提供します。 団信の主な保障内容は以下のとおりです。 契約者が亡くなった場合 所定の高度障害状態に該当した場合 「住宅ローンが返済困難になった際に団信は利用できないか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、上記のように、収入減少や失業、生活困窮などの場合には団信は適用されません。 住宅ローンは最長何歳まで借り換えできますか? 多くの金融機関では、住宅ローンの申込年齢を65歳以下か70歳未満に設定しています。そのため、70歳を超えると住宅ローンの借り換えは難しくなってくるでしょう。 ただし、一部の金融機関では「リ・バース60」という商品を提供しているため、70歳以上の方でも住宅ローンの借り換えをすることができます。リ・バース60は、原則満60歳以上の方を対象としたシニア向けの住宅ローンの一種です。毎月の返済は利息のみで、月々の返済負担を抑えられるメリットがあります。 まとめ 本記事では、住宅ローンの返済に関するリスクとその解決策について説明しました。収入の減少や予期しない支出の増加が原因で返済が困難になることはあります。そのような事態を避けるためには、早めに収益シミュレーションを作成し、金融機関に相談することで、返済負担を軽減できる可能性があります。返済が厳しくなったと感じた場合は、早めに行動し、適切な対策をとりましょう。
住宅ローンの審査は収入の安定性や信用情報の問題など、さまざまな要因が影響します。本記事では、意外と知らない住宅ローン審査で見られる項目やシニアが住宅ローン審査に通らない時の対処方法について解説します。「年収が高い」、「信用情報も問題ない」にもかかわらず過去に審査に落ちた経験がある方は、これから紹介する住宅ローンの審査項目のせいかもしれません。 意外と知らない住宅ローン審査で見られる項目 一般的に、住宅ローンの審査項目として「完済時の年齢」「健康状態」「年収」などが住宅ローンの審査項目として見られます。そのほかにも、金融機関によっては「所有資産」や「家族構成」などを審査項目に取り入れているところも存在します。 ここでは、余り知られていない審査項目を国土交通省の行った、「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」から紹介します。 業種 家族構成 所有資産 雇用先の規模 出典)国土交通省「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」 業種 住宅ローン審査では、勤務先の業種が判断材料となるようです。「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、約40%の金融機関が審査項目として取り入れています。 一般的には、官公庁・公社は安定した収入が期待されるため、審査で有利になるとされています。また農業、林業、漁業でも安定した収入があり、過去数年間の安定した売上を上げていれば審査で不利になることはないでしょう。 家族構成 家族構成も住宅ローン審査に影響を与える要素のひとつです。「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、約35%の金融機関が審査項目として取り入れています。家族構成を審査する理由は、例えば、申込者以外に働いている家族がいると、返済を支援してくれる可能性があると考えられるためです。 所有資産 所有する資産も住宅ローン審査の重要な評価項目です。「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、約30%の金融機関が審査項目として取り入れています。貯金、不動産、株式などの資産が多いと、住宅ローンの返済が困難になりづらいとみられるでしょう。 雇用先の規模 雇用先の規模も審査の重要な判断基準です。「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、約30%の金融機関が審査項目として取り入れています。大企業や安定した経営基盤を持つ企業に勤務している場合、収入の継続性が高いと評価される傾向があります。 審査がどうしても通らない時の対処方法 住宅ローンの審査に通らない理由は、収入や雇用状況、年齢などさまざまです。特に収入の安定性や完済時の年齢は、審査基準に大きく影響します。もし、「収入の安定性」や「完済時の年齢」が原因でどうしても審査が通らないという場合は、収入合算や親子リレーローンを検討しましょう。 夫婦の方の場合は収入合算やペアローンを検討 60歳以上のシニアは親子リレーを検討 夫婦の方の場合は収入合算やペアローンを検討 住宅ローンの審査で収入が原因で通らない場合は、収入合算やペアローンの活用が有効です。収入合算は、夫婦の収入を合計して審査を受ける仕組みで、一方が主債務者、もう一方が連帯保証人になります。 この仕組みを利用すれば、金融機関によって収入の見方は異なるものの、借入可能額が増え、希望する物件の購入が実現しやすくなります。収入合算とペアローンの特徴を理解して、選択肢を持っておくといいでしょう。 60歳以上のシニアは親子リレーを検討 60歳以上の方が住宅ローンを組む際は、完済時の年齢や収入源が年金であることが原因で審査に通らない場合があります。年齢が高くなると返済期間が短くなり、毎月の返済額が増えるため、審査が厳しくなる傾向があります。 このような場合には、親子リレーローンの利用を検討しましょう。親子リレーローンは、親子で1つの住宅ローンを組み、2世代にわたって返済する仕組みです。 最初は親が返済を担当し、一定期間後に子が返済を引き継ぐことで、長期間にわたる返済が可能になります。さらに、親子の収入を合算して審査が行われるため、借入可能額が増え、高額な物件の購入も視野に入ります。 まとめ 本記事では、住宅ローン審査に通らない意外な理由や、審査で重視される項目について詳しく解説しました。さらに、審査に不安を感じている方に向けて、収入合算・ペアローン、親子リレーローンといった具体的な対策も紹介しました。住宅購入は人生の大きな決断ですが、自分に合った方法を選べば、夢のマイホーム実現に一歩近づきます。
住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローン。しかし、高齢になると「何歳まで住宅ローンを組めるのか?」という疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。特に60代・70代の方々にとっては、年齢が進むにつれてローンの審査が厳しくなるのではないかという不安がありますよね。本記事では、住宅ローンを組む際の年齢制限や、年齢に応じた住宅ローンを解説します。年齢に関する制約を理解し、最適なローンを選び、マイホームを手に入れましょう。 住宅ローンの年齢制限 住宅ローンを利用する際には、申し込みに年齢制限が設けられている点に注意しましょう。多くの銀行では、住宅ローンの申込年齢を65歳未満に設定しています。これは、定年退職後の収入の変化や老後の返済能力を踏まえて銀行が独自に設定している基準です。 そのため、銀行以外の金融機関、例えば、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」のような長期固定金利型の住宅ローンでは、申し込み可能な年齢が70歳未満に設定されています。 シニア世代が自分に適したローンを選ぶには、年齢制限を確認しながら、将来の返済計画を慎重に考える必要があります。利用可能な商品を比較し、自分に最適な選択肢を見つけましょう。 「フラット35」の親子リレー返済は70歳以上でも申し込み可能 70歳を超えると、高齢者が単独で住宅ローンを契約するのは難しいことが多くなります。そのような場合には、「フラット35」を利用した親子リレー返済を検討してみましょう。 親子リレー返済は、親と子が共同で契約し、子が返済を引き継ぐ仕組みです。この方法を利用すれば、70歳を超えた方でも「フラット35」に申し込むことが可能です。 ただし、審査では親の年齢だけでなく、子の収入や返済能力も考慮されるため、利用を検討する際には、家族全員で話し合いをすることが大切です。 高齢でも団体信用生命保険に入れるの? 住宅ローンを契約する際、多くの金融機関では団体信用生命保険(団信)への加入が必要とされているものがあります。この保険は、借りた人が返済中に亡くなったり高度障害を負ったりした場合にローン残高を補償する商品です。 高齢者になると年齢や健康状態によっては団信に加入できない場合がありますが、新機構団信であれば、満70歳の誕生日の前日まで申し込みが可能です。 新機構団信とは「フラット35」の融資を受ける場合に申し込みできる団信で以下の2つの条件を満たせば、申し込みが出来ます。 (1)「新機構団体信用生命保険制度申込書兼告知書」の記入・入力日現在、満15歳以上満70歳未満の方 (2)幹事生命保険会社の加入承諾がある方 出典)住宅金融支援機構|「新機構団信の加入要件・保障内容」 80歳以上でもリ・バース60なら申し込み可能 「リ・バース60」は、主に60歳以上の方を対象とした住宅ローンの一種で、毎月の返済は利息のみという特徴がある商品です。元金の返済は契約者が亡くなった後、相続人が残った債務を返済する方法や担保となる住宅の売却によって返済する方法が選べます。 この仕組みにより、収入の減少が懸念される老後でも、住宅ローンの返済負担を軽減しながら住まいを確保できます。さらに、契約者の年齢上限がないため、80歳以上でも申し込みが可能です。 ただし、融資限度額は、担保評価額(住宅および土地)の50%または60%で、8,000万円以下で、所要資金以内となっています。利用を検討する際は、まず住宅の担保評価額を確認し、利息の支払いが収入内に収まるか計算してみましょう。また、具体的な返済プランや家族の意向を事前に話し合っておくことが重要です。 シニア世代が住宅ローンを組む時の注意点 ここからは、シニア世代が住宅ローンを組む際の注意点を紹介します。年齢や健康状態、将来の収入の変化など、シニア世代ならではの課題を考慮しながら、無理のない返済計画を立てましょう。 返済計画をきちんと作ろう シニア世代が住宅ローンを利用する場合、収入や生活費を見直し、無理のない返済計画を立てることが求められます。定年後は収入の多くが年金に頼る形となり、現役時代よりも大幅に減少するケースが多いです。 また、収入だけでなく、将来的に必要となる医療費や介護費用なども考慮した計画が必要です。返済期間が長期にわたる場合には、予期しない支出が発生する可能性も考えられます。 そうした事態に備えるためにも、返済計画を作る際には、金融機関の担当者やファイナンシャルプランナーに相談してみるのもおすすめです。専門家のアドバイスを受けながら、現実的で持続可能な返済プランを検討することで、老後を安心して過ごせる基盤を築けるでしょう。 家族への説明をきちんとしよう 住宅ローンを利用する際には、家族にしっかり説明することが求められます。特にシニア世代では、老後の生活や資金計画に家族が関わる場面が多いため、配偶者や子供に返済計画を共有しておくと後の家族間トラブルを防ぐことができます。 家族へ説明する際は、返済期間や毎月の返済額、利息の合計額などを具体的に伝えましょう。さらに、収入や貯蓄の状況、将来必要となる支出についても話しておくと良いです。 これらの情報を共有することで、計画の現実性について理解を得やすくなります。 自身の健康状態に気を付けよう 住宅ローンを利用する際、健康状態が審査に影響を与えることがあります。銀行などの金融機関では、団体信用生命保険(団信)への加入を必須条件としていることが多く、契約者の健康状態が基準を満たしているか確認されます。 そのため、健康状態に不安がある場合は審査に通らないことも考えられます。 まとめ 本記事では、住宅ローンの年齢制限や、シニア世代でも利用できる住宅ローンについて解説しました。 シニア世代が住宅ローンを検討する際には、自分のライフスタイルや将来の変化を見据えた選択が欠かせません。記事内で紹介した「リ・バース60」や「親子リレー返済」などの選択肢を活用しながら、無理のない資金計画を立てていきましょう。 安心して理想の住まいを手に入れるために、まずは金融機関や専門家に相談しながら、最適な住宅ローンを見つけてください。
住宅ローンには一般的な働き世代を対象としたもの、シニア世代を対象としたものなど様々な商品が存在します。 例えば、シニア向けの商品で代表的なものには年金収入のみでも組める「フラット35」や「リ・バース60」などがあります。本記事では、シニア世代のために年金収入でも組める住宅ローンを中心に利用方法や注意点を解説します。借入額を増やすための工夫や活用できる制度を知り、老後の住まいについて考えましょう。 年金収入のみで組める住宅ローン 年金収入だけでも申し込める住宅ローンは存在しますが、借入期間が短く設定されやすく、取り扱っている金融機関も限られていることが多いです。シニア世代の方は事前に申込条件を確認して、自分に合った住宅ローンを選びましょう。 「フラット35」と「リ・バース60」は年金収入でも組める 年金収入でも組める住宅ローンには、「フラット35」と「リ・バース60」があります。 項目 フラット35 リ・バース60 対象者 申込時の年齢が満70歳未満の方 申込時の年齢が満60歳以上の方 金利 固定金利 変動金利or固定金利 借入期間 最長35年(80歳まで) ※申し込み時の年齢に応じて借入期間が決まります。 終身 年収条件 年収400万円未満:返済額30%以下 年収400万円以上:返済額35%以下 年収400万円未満:返済額30%以下 年収400万円以上:返済額35%以下 特徴 住宅購入やリフォーム資金に利用可能 住宅購入やリフォーム資金向け 「フラット35」は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の商品で公的年金の収入でも申し込みが可能です。申し込む際は、公的収入証明書を提出して収入を確認します。借入期間は最長35年ですが、80歳までが最長となるため、60歳で申し込んだ場合の借入期間の最長は19年となります。 一方、「リ・バース60」は60歳以上のシニア向けに設計された住宅ローンです。原則満60歳以上の方を対象としており、年金収入があれば70歳以上の方でも申込可能です。 銀行が提供する変動金利商品への申し込みは難しい 年金収入のみで住宅ローンを利用する場合、銀行が提供する変動金利住宅ローンへの申し込みが難しいとされています。年金収入のみで難しい理由としては、収入が限られることによる年収倍率や返済比率の点、審査基準を満たさないためです。 銀行によっては、年金収入だけでは申込不可の場合もあり、仮に申込可能であっても「年金収入で無理なく返済できるお客さまに限る」という条件が付きます。そのため、年金の受給額が基準より少ない場合、返済能力が足りないと判断され、申し込みが認められないことが多いです。 年金収入で住宅ローンを利用する際の必要書類とは? 住宅ローンを申し込むには、年金収入を証明する書類が必要です。提出を求められる書類は金融機関により異なりますが、以下のような書類が求められることが多いです。 年金証書:公的年金や私的年金の受給内容を証明する書類 年金振込通知書:直近の年金の振り込み金額を確認する書類 納税証明書:税金の納付状況や所得金額を証明する書類 確定申告書類:事業収入や不動産収入がある場合に追加で必要 住民税課税証明書:年金収入に応じた税額や所得を証明する書類 上記の書類を事前に準備しておくと、審査をスムーズに進めやすくなりますので、申し込み前に確認しておきましょう。 年金の受給額が少ない場合は収入合算を検討する 年金の受給額少ない場合は収入合算を検討しましょう。収入合算とは、申込者本人の収入に加えて、配偶者や家族の収入を合計して審査を行うことで、住宅ローンの借入額を増やす方法です。 収入合算には「連帯債務」と「連帯保証」の2つの種類があります。連帯債務では、主債務者と連帯債務者となる方が、それぞれが借り入れた金額すべてに対して返済の責任を負います。 一方、連帯保証は、主たる債務者が返済を行い、万が一返済が滞った場合に連帯保証人が支払う仕組みです。収入合算を利用すると、借入可能額を増やすことができます。ただし、合算する相手にも安定した収入が求められるため、相手の収入証明や雇用状況を事前に確認しておきましょう。 年金の受給額少ない場合は親子リレーも検討する 年金の受給額が少ない場合には、親子リレーローンも検討しましょう。親子リレーローンとは、親と子で1つの住宅ローンを借り入れ、二世代で返済を引き継ぐ仕組みです。 親が借り入れを始め、途中から子が返済を引き継ぐため、借入期間を長く設定しやすい特徴があります。また、親の年金収入だけでなく、子の収入を合算することで借入可能額を増やせる点が魅力です。 ただし、親子リレーローンは、金融機関によって親子が同居することや、子に安定した収入があることを求められます。利用する場合は専門家などに相談し親子リレーローンの仕組みを理解し、自分たちに合うかどうか見極めましょう。 専門家に相談してみよう 自身にあった住宅ローンがわからない場合は、住宅ローンの専門家に相談してみましょう。専門家に相談すれば住宅ローンを紹介だけではなく、借り入れシミュレーションも依頼できます。年金収入のみで住宅ローンを申し込む場合、事前に借入額や返済計画を確認しておくと老後破産に陥る可能性が低くなるので、事前に借り入れシミュレーションを行うことが大切です。 SBIシニアでは、シニア世代を対象に住宅ローンの相談や借り入れシミュレーションを無料で行っています。専門家が収入や返済能力を考慮し、無理のない借入額を具体的に試算してくれるため、自分に合った返済プランが見つかりやすくなります。電話相談にも対応しており、自宅にいながら気軽に専門家のアドバイスを受けることができます。 まとめ 年金収入のみでも利用できる住宅ローンには「フラット35」や「リ・バース60」があります。ただし、申し込みには年齢や借入期間に制限があるため、事前に条件を確認しておく必要があります。 また、専門家にシミュレーションに相談すれば、無理のない返済計画を立てやすくなります。老後の住まいについて悩んでいる方は、自分に合った方法を選び、安心して利用できる住宅ローンを検討しましょう。
「リ・バース60ってやばいの?」 そんな不安を感じている人も少なくありません。SNSや口コミでは、制度の仕組みが誤解され、「怖い」「危険」といった声が見られることもあります。 しかし、そもそもリ・バース60は、高齢者の住まいや資金計画を支えるために、住宅金融支援機構が提供する安心して利用できる住宅ローン制度です。 この記事では、リ・バース60に対する誤解の背景や制度の安全性、他のローン商品やサービスとの違い、契約前に知っておきたいポイントなどを、わかりやすく解説します。 なお、リ・バース60の基本的な仕組みや特徴について詳しく知りたい人は、以下の関連記事をご覧ください。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 「リ・バース60はやばい」と言われる理由とは? ネガティブな印象を持たれる背景 リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供する高齢者向けの住宅ローンです。契約者が亡くなった後に元金を一括返済する仕組みを採用しているため、一般的な住宅ローンとは異なる点が多く、「契約内容が複雑」「返済方法がわかりにくい」といった印象を持たれることがあります。 特に、「亡くなった後に家を失い、負債が残るのでは?」という懸念は、リ・バース60の仕組みを十分に理解していないことから生じる誤解です。実際には、ノンリコース型を選択すれば、自宅の売却代金で残債が完済されなかったとしても、相続人に追加の返済義務は発生しません。 よくある誤解とその発信源 リ・バース60に対する誤解は、以下のような情報源から広がる傾向があります。 SNSや口コミでの断片的な情報 本来の仕組みを無視した一部の情報が拡散され、「家を失う」「借金が残る」といった不安を煽る表現が、商品への誤解を生んでいます。 過去のリバースモーゲージ制度との混同 民間金融機関が提供するリバースモーゲージと、住宅金融支援機構の「リ・バース60」は制度設計が異なります。過去に報道された返済トラブルなどと混同されることで、商品全体に対する不安が広がることがあります。 相続に関する不安の拡大 「相続人が借金を背負うのでは?」という懸念は、リコース型とノンリコース型の違いを理解していないことに起因します。商品設計上、ノンリコース型を選択すれば、相続人に返済義務は生じません。 このような誤解は、リ・バース60の仕組みを正しく理解することで解消できます。次のセクションでは、リ・バース60の実際のリスクと安全性について詳しく解説します。 リ・バース60のリスクと仕組みの安全性 元金一括返済のタイミングと仕組み リ・バース60では、契約者が亡くなった後に元金の一括返済が行われます。返済方法は、相続人が自己資金で支払うか、自宅を売却して返済するかを選択できます。 この仕組みは、契約者の生存中は利息のみを支払うことで月々の負担を軽減し、亡くなった後に元金を精算するという設計になっています。 ノンリコース型の安心設計 リ・バース60には「ノンリコース型」と「リコース型」の2種類があり、契約時に選択します。ノンリコース型では、担保不動産の売却代金で借入残高を返済し、それでも残債がある場合は、相続人に追加の返済義務は発生しません。 つまり、売却代金が不足しても、相続人が債務を引き継ぐことはありません。この設計により、相続人の経済的な負担を避けたいと考える契約者にとって、安心して利用できる商品となっています。 担保不動産の扱いと相続人の責任 一方、リコース型を選択した場合は、担保不動産の売却代金で借入残高を返済しきれないと、相続人が不足分を返済する義務を負うことになります。 リコース型は、ノンリコース型よりも金利が低く設定される傾向がありますが、相続人にとってはリスクがあるため、契約前に家族と十分に話し合い、商品の内容を理解したうえで選択することが重要です。 リ・バース60が向いている人・向いていない人 リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供する高齢者向けの住宅ローンであり、資金使途が住宅関連に限定されている点や、契約者の死亡後に元金を一括返済する仕組みなど、一般的な住宅ローンとは異なる特徴があります。 ここでは、商品設計上、リ・バース60が向いている人と、注意が必要な人を整理します。 リ・バース60が向いている人 以下のような人は、商品の目的や仕組みに合致しており、利用を検討する価値があります。 年金生活者で持ち家がある人 リ・バース60は、自宅を担保に住宅関連資金を借り入れる制度であり、月々の支払いが利息のみで済むため、年金収入など限られた収入でも利用しやすい設計です。 また、持ち家があることは制度の利用条件の一つであり、担保評価額に応じて融資額が決まるため、資金調達の選択肢として検討しやすいと言えます。 住み替えやリフォームを検討している人 リ・バース60は、住宅購入・建設・リフォーム・借り換えなど、住宅関連の資金使途に限定された制度です。そのため、老朽化した住まいの改修や、ライフスタイルの変化に伴う住み替えを検討している高齢者にとって、目的に合った資金調達手段として活用しやすい設計になっています。 特に、自己資金の負担を抑えながら住宅環境を整えたい人にとって、有力な選択肢となり得ます。 相続人と事前に話し合いができている人 リ・バース60は、契約者の死亡後に元金を一括返済する仕組みであるため、相続人の理解と協力が不可欠です。ノンリコース型を選択すれば、売却代金で残債が返済しきれない場合でも、相続人に追加の返済義務は発生しません。 とはいえ、契約内容や返済方法について事前に家族と共有しておくことで、将来的なトラブルや誤解を防ぎ、安心して制度を利用することができます。 注意が必要なケース 以下のような人は、制度の仕組みと目的に照らして、慎重な検討が必要です。 不動産を相続したい人 リ・バース60では、契約者の死亡後に元金を一括返済する必要があるため、担保となる自宅を売却して返済するケースも想定されます。そのため、自宅を相続財産として残したいと考えている人にとっては、制度の利用が相続計画に影響を及ぼす場合があります。 相続人との合意形成を図りつつ、資産全体の構成を踏まえた上で、制度の利用可否を慎重に見極めることが重要です。 自宅の評価額が低い人 リ・バース60の融資限度額は、自宅の担保評価額に基づいて決定されます。評価額が低い場合、希望する資金が借りられないことがあるため、商品の利用が制限されることがあります。 特に、評価額が下がる可能性がある物件については、仮審査を通じて事前に金融機関の判断を確認しておくと安心です。 生活資金としての利用を考えている人 リ・バース60は住宅ローンの一種であり、資金使途は住宅関連に限定されています。生活費や医療費、日常的な支出などには利用できないため、これらの目的で資金調達を検討している人には適していません。 住宅購入やリフォーム、借り換えなど、融資の対象となる資金使途を十分に理解したうえで、目的に合った商品を選ぶ必要があります。 リ・バース60とほかの商品・サービスとの比較 リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供する住宅ローンであり、民間金融機関が提供するリバースモーゲージや、不動産取引に該当するリースバックとは、仕組みや目的が異なります。 ここでは、それぞれの商品・サービスの違いを整理し、利用目的に応じた選択の参考になるよう比較します。 リバースモーゲージとの違い リバースモーゲージは、主に民間金融機関が提供する商品で、生活費や医療費など幅広い資金使途に対応しています。一方、リ・バース60は住宅ローンの一種であり、資金使途が住宅関連に限定されている点が大きな違いです。 リ・バース60とリバースモーゲージの比較表 項目 リ・バース60 リバースモーゲージ 資金用途 住宅購入・リフォーム・借り換えなど住宅関連 生活費・医療費・旅行など 提供元 住宅金融支援機構と提携する金融機関 民間金融機関 所有権 維持 毎月の支払い 利息 リースバックとの違い リースバックは、自宅を不動産会社などに売却し、その後も賃貸契約を結んで住み続けられるサービスです。資金調達の手段としては共通点がありますが、契約形態や所有権の扱いが大きく異なります。 リ・バース60とリースバックの比較表 項目 リ・バース60 リースバック 所有権 維持 売却により手放す 契約形態 金銭消費貸借契約 売買契約+賃貸契約 毎月の支払い 利息 家賃 リ・バース60を検討する前に知っておきたいこと リ・バース60は、一般的な住宅ローンとは異なる仕組みを持つ商品です。契約前に確認しておきたいポイントを、よくある質問形式で整理しました。商品の基本的な特徴や注意点を理解することで、安心して検討することができます。 Q. リ・バース60を利用すると、自宅を手放すことになりますか? A.いいえ。 リ・バース60では、自宅を担保に資金を借り入れますが、契約者の生存中は所有権を維持したまま住み続けることができます。亡くなった後に元金を一括返済する際、自宅を売却するかどうかは相続人の判断によります。 Q. 生活費や医療費など、住宅以外の目的に使えますか? A. 使えません。 リ・バース60は住宅ローンの一種であり、資金使途は住宅関連に限定されています。具体的には、住宅の購入・建設・リフォーム・借り換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金などが対象です。 Q. 相続人に返済義務はありますか? A. 契約の種類によって異なります。 ノンリコース型を選択した場合、自宅の売却代金で借入残高を返済しきれなくても、相続人に追加の返済義務は発生しません。一方、リコース型では、売却代金で不足が生じた場合、相続人がその差額を返済する必要があります。 Q. 金利はどのように決まりますか? A. 金利は金融機関ごとに異なります。 固定金利型と変動金利型があり、選択するタイプによって返済額が変わります。また、ノンリコース型とリコース型でも金利設定に差があるため、契約前に金融機関の条件を比較することが大切です。 まとめ リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供する高齢者向けの住宅ローン制度であり、住宅関連資金に特化した設計となっています。「やばい」「怖い」といった印象は、制度の仕組みや契約内容に対する誤解から生じることが多く、正しく理解することで不安は解消できます。 この記事では、制度に対する誤解の背景、実際のリスクと安全性、他制度との違い、そして契約前に確認すべきポイントを整理しました。特に、ノンリコース型を選択することで相続人の返済義務が発生しない仕組みや、資金使途が住宅関連に限定されている点など、制度の特徴を理解することが重要です。 リ・バース60は、住まいに関する課題を抱える高齢者にとって、有効な選択肢となり得ます。検討にあたっては、金融機関ごとの条件を比較し、家族と十分に話し合ったうえで、専門家への相談を活用することをおすすめします。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [ { "@type": "Question", "name": "リ・バース60を利用すると、自宅を手放すことになりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "いいえ。リ・バース60では、自宅を担保に資金を借り入れますが、契約者の生存中は所有権を維持したまま住み続けることができます。亡くなった後に元金を一括返済する際、自宅を売却するかどうかは相続人の判断によります。" } }, { "@type": "Question", "name": "生活費や医療費など、住宅以外の目的に使えますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "使えません。リ・バース60は住宅ローンの一種であり、資金使途は住宅関連に限定されています。具体的には、住宅の購入・建設・リフォーム・借り換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金などが対象です。" } }, { "@type": "Question", "name": "相続人に返済義務はありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "契約の種類によって異なります。ノンリコース型を選択した場合、自宅の売却代金で借入残高を返済しきれなくても、相続人に追加の返済義務は発生しません。一方、リコース型では、売却代金で不足が生じた場合、相続人がその差額を返済する必要があります。" } }, { "@type": "Question", "name": "金利はどのように決まりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "金利は金融機関ごとに異なります。固定金利型と変動金利型があり、選択するタイプによって返済額が変わります。また、ノンリコース型とリコース型でも金利設定に差があるため、契約前に金融機関の条件を比較することが大切です。" } } ] }
老後の住まいに関する不安は、多くの人が抱える深刻な問題です。定年退職後、経済的な理由や健康状態の変化により、現在の住まいを維持することが難しくなるケースが増えています。この記事では、公的支援や補助金の利用方法、住み替え先の選び方などを紹介し老後の生活を安心して送るための方法を解説します。 老後に賃貸に住む人の不安とは? 老後に賃貸住宅で暮らす場合、家計や契約に関する不安を抱える方は多くいるのではないでしょうか。 出典)株式会社AlbaLink|老後の住まいに関する意識調査 株式会社AlbaLink|老後の住まいに関する意識調査によると、持ち家で暮らす人よりも賃貸で暮らす人の方が老後の住まいに「かなり不安がある」と回答していることがわかります。年金生活に入ると収入が限られる中で、賃料や生活費を支払い続けられるかを心配する声も上がっています。 また、賃貸借契約を結ぶ際に、高齢であるという理由で審査が厳しくなるケースも見られます。そのため、住む場所を確保すること自体が難しくなります。老後の住まいに関する不安を軽減するためには、早めに情報を収集し、自分の生活に合った住まいを検討することが必要です。準備を進めることで、安心して老後を迎えるための基盤を整えられるでしょう。 賃料を払い続けられるか 老後に直面する大きな課題の一つが、賃料を支払い続けられるかどうかです。特に、年金生活に移行すると収入が限られるため、賃料の負担が家計を圧迫する可能性があります。 出典)LIFULL|LIFULL HOME'Sマーケットレポート 日本では、賃料が緩やかに上昇している傾向があります。都市部ではこの傾向がより顕著で、LIFULLの調査(LIFULL HOME'Sマーケットレポート)でも賃料の値上がりが確認されています。 年金受給額も少しは増加しているものの、その伸びが物価や賃料の上昇に追いつくとは限りません。このような状況を踏まえると、老後の収支バランスを慎重に考え、安定した生活を送るための対策が必要でしょう。 賃貸に住み続けられるか 高齢になると賃貸物件を借りにくくなります。仮に借りられたとしても不動産会社や家主の中には、リスクを懸念して高齢者に保証人や保証金を求めることが増えています。また、年齢が上がるほど、入居可能な物件が限られるケースも多くなります。こうした状況を考慮すると、老後の住まいについて早期に計画を立てることが大切です。 関連記事:老後に賃貸物件は借りにくい?その理由や対策を紹介 老後の住まいを確保するための方法 老後の住まいを検討する際には、生活費や健康状態、将来の家族構成などを踏まえた計画が重要です。住まいに関する選択肢を早い段階で考えることで、予期せぬ事態にも柔軟に対応できる準備が整います。ここからは老後の住まいを確保する方法について解説します。 高齢者向け支援を活用する 多くの自治体では、高齢者向けに住まいに関する支援があります。厚生労働省が公表した「高齢者に対する居住支援施策について」によると空き家や民間賃貸住宅を活用した居住支援が行われています。 また、高齢者専用の賃貸住宅や、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の紹介窓口が設けられている場合もあります。こうした制度を利用することで、経済的な負担を軽減し、安心して暮らせる住まいを見つけやすくなるでしょう。詳細は自治体のホームページや窓口で確認してみてください。 出典)地方公共団体ごとの問い合わせ先 賃料の負担を軽くする方法 老後の賃料負担を減らすには、賃料の安い地域への移住や地方の空き家を活用する方法があります。地方では都市部に比べて賃料が安く、生活費全体の負担を抑えやすい傾向です。 移住を検討する際は、医療機関や交通の利便性、日常生活に必要な施設が近くにあるかを確認することが大切です。地方自治体やNPOが運営する空き家バンクを利用すれば、条件の良い物件を見つけやすくなるかもしれません。 持ち家の購入を検討する 住宅ローンを利用して持ち家を購入した場合、変動金利の上昇によって将来的な返済が大きな負担となる恐れがあります。 しかし、フラット35のような固定金利の商品を利用すれば、完済まで月々返済額が変わることはありません。そのため、賃貸物件の賃料が上昇傾向にある現代においては、固定金利で住宅ローンを組んで老後の住まいを確保することは、早い段階で資金計画を立てることができ、老後の不安を解消するのに役立ちます。 老後に持ち家を購入する手順 老後に住まいを購入する際には、以下の3つの段階を踏むと計画が進めやすくなります。 老後に必要な生活費を知る どのぐらい融資を受けられるかを知る 欲しい物件を探す ここからは、詳しい手順について解説していきます。 老後の実収入を知り生活費を考える 生活費は、家族構成やライフスタイルによって異なります。統計局の「2023年家計調査報告」によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は244,580円でした。また、65歳以上の単身無職世帯の実収入は126,905円でした。 住住宅を購入すると生活費に住宅ローンの返済が加わるので、上記の将来的な収入を考慮しつつ今後の生活費の見直しをすることから始めましょう。 どのぐらい融資を受けられるかを知る 60歳以降に住宅ローンを組む場合、事前に自身がどのぐらいの金額を借りられるのかを調べておくことが重要です。 例えば、毎月10万円の返済を想定し、年利1.5%、返済期間20年とすると、借入可能な金額は約2,100万円です。金利が上がったり返済期間が短くなったりすると融資額が減るため、最新の条件を調べた上で計算すると安心です。 なお、借入可能額を知るためには、金融機関の審査でどれくらいの返済比率や年収倍率が設定されているかを知る必要があります。詳細は専門家に相談するなどして、どのくらい融資を受けられるかを判断するといいでしょう。 出典) SBIアルヒ| 毎月の返済額からシミュレーション 欲しい物件を探す 自身が借りられる金額がわかったら、物件探しに移行しましょう。老後の生活に適した物件を選ぶには、将来の身体的な変化を見据えた視点が求められます。段差の少ない設計やバリアフリー仕様の住宅は、身体的負担を減らす点で有効です。 また、買い物や医療機関へのアクセスが良い立地は、日常生活を快適にしてくれます。さらに、管理が簡単で家事の手間が少ない物件を選ぶと、暮らしの負担を軽減できるでしょう。 まとめ 本記事では老後の住む家がない場合の不安について解説しました。老後に住む家がない場合の不安を解消するには、生活費を見直し、現実的な資金計画を立てることが大切です。日常の支出だけでなく、医療費や趣味、旅行費用も考慮し、将来に備えましょう。 また、住宅ローンを利用する際は、借入可能額を計算し、無理のない返済計画を立てることがおすすめです。60歳以降は返済期間が短くなるため、月々の返済額や金利をしっかりシミュレーションしてください。住まい選びではバリアフリー設計や段差の少ない物件を優先し、病院やスーパーへのアクセスも確認するとよいでしょう。維持管理が簡単な物件を選ぶことで家事の負担も軽減できます。 計画的に準備を進め、家族や専門家の意見を参考にすることで、安心して暮らせる住まいを手に入れましょう。
住宅購入は人生の大きな決断の一つです。しかし、多くの人がその一歩を踏み出すことに不安を感じています。「本当にこの家でいいのか?」「ローンを組んで大丈夫か?」「将来の資産価値はどうなるのか?」など、さまざまな疑問や不安が頭をよぎります。この記事では、住宅購入における決断の難しさに焦点を当て、その原因や解決策を紹介します。不安を解消し、理想の住まいを手に入れるための第一歩を踏み出しましょう。 住宅購入を決断できない理由とは? 株式会社AlbaLinkが実施した調査によれば、住宅購入に対して不安を抱えている人は全体の96%に達しています。一方「不安はない」と回答した人はわずか4.0%でした。 この結果から、ほとんどの人が住宅購入を検討する際、何かしらの不安があることが読み取れます。ここからは、住宅を購入するうえで代表的な不安になる要素を紹介していきます。 出典)株式会社AlbaLink|【マイホーム購入の際に不安になることランキング】男女500人アンケート調査 ローン返済・維持費を捻出できるか 住宅購入が慎重になる理由の一つとして、住宅ローンの返済負担が挙げられます。国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によれば、2023年の住宅ローン年間返済額の平均は以下のとおりです。 住宅のタイプ 年間返済額(万円) 返済負担率(%) 注文住宅 155.2 19.4 分譲戸建住宅 125.0 17.6 分譲集合住宅 123.6 15.5 既存(中古)戸建住宅 108.3 16.1 既存(中古)集合住宅 110.6 15.7 リフォーム住宅 60.1 8.4 返済負担率は、年間収入に対する住宅ローン返済額の割合を示す指標です。一般的に返済負担率は20~25%以内が適正とされます。 住宅ローンの返済は家計に大きな影響を与えるため、収入や生活費との調整が必要です。さらに、住宅購入後は固定資産税や修繕費といった追加の維持費も発生します。追加の維持費は見落とされがちですが、長期的な視点で予算に組み込むことが大切です。 収入が不安定な場合は、支払いが難しくなるリスクも考えられるため、きちんとした返済計画を立てるようにしましょう。 出典)国土交通省|令和5年度住宅市場動向調査報告書 近所付き合いがうまくいくか 住宅購入を考える上で、近所付き合いに対する不安も無視できません。株式会社ドリームプランニングが2024年に行った「ご近所トラブルに遭遇したことはある?【アンケート結果発表】」によると、約4割の方がご近所トラブルに遭遇したこと回答しています。マンションや住宅が密集した地域では、以下のような問題が発生しやすい環境です。 騒音トラブル ・子どもの足音 ・生活音が原因で発生する問題 ・隣人の楽器演奏や大音量の音楽 ペットトラブル ・飼い犬や猫の鳴き声 ・ペットの排泄物の放置 ・しつけ不足による迷惑行為 共用部トラブル ・無断使用や私物の放置 ・喫煙やゴミの放置 ・共有部分の利用マナーに関する問題 隣人との関係が悪化すると、ストレスが増し、住み心地が悪くなる可能性があります。長く住む場所を選ぶ際は、事前の情報収集が欠かせません。 出典)URUHOME|ご近所トラブルに遭遇したことはある?【アンケート結果発表】 生活環境が良いまたは生活環境の変化に対応できるか 現在の生活環境が満足できるか、また将来の変化に対応できるかも大切な検討ポイントです。転職や子どもの誕生といった出来事は、生活スタイルに大きな影響を与えます。通勤や通学が不便になる場合、住み替えや売却を迫られることも考えられます。このようなリスクを避けるためには、購入時に将来の可能性を見据えた選択を意識することが求められます。交通アクセスや周辺施設の充実度、子育て支援などを確認して、長期的に満足できる住環境を選びましょう。 シニア世代が住宅購入の決断をできない理由とは 不動産流通経営協会が公表した「シニアの住宅に関する実態調査」によると、賃貸住まいの方が住宅購入する際の障壁として述べている理由は「希望の物件が見つかったら」「購入しても、自分の老後の生活費が確保できるなら」が多いです。 病院やスーパーが近い、バリアフリーに対応しているなど、希望の物件が見つからないことはもちろんのこと、シニア世代に関しても住宅ローンの返済などを加味して将来における経済的な不安が購入の障壁となっていることがわかります。 出典)不動産流通経営協会「シニアの住宅に関する実態調査」 住宅購入の不安を取り除く方法 住宅を購入する際、多くの人が将来の返済や住環境に対する不安を抱きます。しかし、事前に適切な準備を進めることで、こうした不安を軽減できます。 ここでは、安心して住宅購入を進めるための具体的な方法を3つご紹介します。それぞれを参考にして、納得のいく住まい選びを目指しましょう。 専門家などに相談して住宅ローンの返済シミュレーションを作る 住宅ローンを無理なく返済するためには、返済計画をしっかり立てておくと安心です。収入や生活費、将来のイベントを考慮したシミュレーションを作成するため、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者に相談してみましょう。 月々の返済額やボーナス払いの有無、金利の変動が家計に与える影響など、具体的な数字が分かると安心感が得られます。適切な計画を持てば、将来の負担への不安を軽減し、より前向きに住宅購入を進められるでしょう。 隣人・近隣トラブル予防調査会社などを利用する 住宅購入後のトラブルを避けるために、隣人や近隣環境の調査を行う会社を活用する方法があります。 トラブル予防調査会社で受けられるサービス例 家屋調査、騒音・振動調査、土壌汚染調査など、環境に関する各種調査。隣人の人柄、地域の雰囲気、自治会のルールなどを調査。 こうしたサービスでは、検討中の物件周辺の住民に関する評判や地域の特徴、過去の騒音問題や治安状況などを調べられます。住環境に対する不安が少なくなれば、新生活を快適にスタートできるでしょう。隣人トラブルが不安な方は、購入前に調査を行うことをおすすめします。 住み替えや売却も想定して購入する物件を選ぶ 住まいは長期的に生活する場でありながら、ライフスタイルの変化によって住み替えや売却が必要になる可能性もあります。そのため、将来の資産価値を意識した物件選びが大切です。 資産価値の高い物件には、駅近の立地、商業施設や学校の充実度、築年数の浅さなどが共通点として挙げられます。また、再開発エリアや成長が期待される地域も選択肢に入れるとよいでしょう。購入時には、今の快適さだけでなく、将来を見据えた視点で選択を進めましょう。 賃貸から持ち家に住み替えるメリットとは? 賃貸から持ち家に住み替える際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。住宅を購入すべきか迷っている方のために、以下に、持ち家に住み替えるメリットを紹介します。 経済的なメリット 賃貸ではいくら家賃を支払っても自分の資産になりません。持ち家を購入した場合も、月々の住宅ローン返済額が賃貸物件の家賃と同等かそれ以上になる場合が多いです。しかし、持ち家の場合はローンを完済すれば「資産」として土地建物を所有できる点が魅力的です。 精神的な安定感 持ち家には、自身の資産を所有しているという安心感があり、定年後の生活における不安が軽減されます。一方で賃貸は、家賃の値上げや契約更新が将来の懸念材料となる可能性があります。また、60歳以降になると、新たに賃貸契約を結ぶのが難しくなると言われています。老後の住居を気にしなくよいという点は持ち家のメリットと言えるでしょう。 まとめ 本記事では、住宅購入を決断できない理由について解説しました。住宅購入に関する不安を解消するには、計画的な準備と情報収集が欠かせません。 返済シミュレーションを活用した計画の作成や、近隣環境の調査を行うことで、リスクを減らせます。また、将来の資産価値を考慮した物件を選べば、ライフスタイルの変化にも対応しやすくなるでしょう。安心できる住まいの選択を進めるために、冷静かつ丁寧な準備を心がけてみてください。
70歳まで住宅ローンを返済し続けることは、多くの人にとって大きな負担となります。定年退職後の収入減少や予期せぬ出費が重なる中、毎月のローン返済が家計を圧迫し、精神的なストレスも増大します。この記事では、住宅ローンの返済がきつくなる前に行うべき対策や実際に返済が不可能になった場合の対処方法を解説します。老後の不安を解消して、より充実した生活を送りましょう。 シニア世代の平均給料は60歳から大幅に下がる 国税庁が発表した令和5年の民間給与実態統計調査のデータによるとデータを参照すると、59歳まで上昇傾向にあった平均給与額が、60歳以降になると大幅に下がることがわかります。 【年齢階層別の平均給与】 年代 平均給料額 45~49歳 521万円 50~54歳 540万円 55~59歳 545万円 60~64歳 445万円 65~69歳 354万円 70歳以上 293万円 出典) 国税庁|令和5年の民間給与実態統計調査 この給与減少の原因は、多くの企業が60歳を定年とし、その後の雇用形態が嘱託やパートタイムなどに変わるためです。大幅に収入が減少すると、住宅ローンの返済負担が増加します。 現役時代の収入を基にローンを組んでいた場合、計画どおりの返済が難しくなるケースもあるでしょう。そのため、60・70歳以降の生活を安定させるためには、早めに収入減少を想定した資金計画を立てることが大切です。 定年後に返済不可能にならないための対処方法 住宅ローンを返済し続けるためには、定年後の収入減少を見越した計画が必要です。定年後に住宅ローンの返済不可能にならないための対処方法を2つ紹介します。 専門家に相談して無理のない返済計画を立てる 親子リレーローンを含めた金利の低い住宅ローンへの借り換えを検討する 専門家に相談して無理のない返済計画を立てる 住宅ローンの返済が難しくなる前に、収入と支出のバランスを考えた現実的な返済計画を立てることが大切です。現役時代より収入が減るにもかかわらず、毎月の返済額が変わらない場合、家計が圧迫される恐れがあります。 一人で対応が難しい場合は、専門家への相談を検討しましょう。ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーに相談することで、具体的な返済計画を立てやすくなります。 専門家に相談すると、返済期間を延ばして月々の負担を減らす方法や、条件に合ったローンへの借り換えなどが提案される場合があります。こうした専門家の支援を受けることで、無理なく返済を続けられる計画を立てられるでしょう。 金利の安い住宅ローンに借り換える 住宅ローンの負担を減らす方法の一つとして、金利が低い住宅ローンへの借り換えが挙げられます。現在利用しているローンの金利が高い場合、借り換えによって毎月の返済額を抑え、家計への負担を軽減できる可能性があります。金利が低いローンに変更すると、次のような効果が期待されます。 毎月の返済額が減り、生活費に余裕をもたせやすくなる 総返済額を抑え、長期的なコストを削減できる 収入や生活環境の変化に合わせた返済計画の見直しが可能になる 借り換えを検討する際には、固定金利と変動金利など住宅ローンの特徴を十分に理解し、自分のライフプランに適した選択をすることが大切です。また、借り換えには手数料や諸費用が発生するため、支払う費用を含めてメリットがあるのかを試算し、慎重に比較してから判断するようにしましょう。金利が低いローンへの切り替えは、家計を守るための有効な手段です。選択を迷った場合は、金融機関や専門家に相談しながら進めると安心です。 返済がきつくなった場合はリースバックの利用を検討する リースバックとは、所有している自宅を第三者に売却し現金を得て、売却後は不動産賃貸借契約を締結することで、住んでいた自宅をそのまま利用し続けることができる商品です。特に、住宅ローンの返済がきつくなってしまった場合に活用しやすいです。売却で得た資金を住宅ローンの返済に充てることで、家計全体の負担を減らせる可能性があります。 さらに、引っ越しの費用や新しい住居を探す時間を省ける点もメリットです。ただし、売買金額が相場より低くなる点や賃料を支払う必要があるなどデメリットもあるため、利用の際には専門家に相談するとよいでしょう。 まとめ 住宅ローンの返済が困難になりそうな場合は、早めに行動することが大切です。専門家に相談して計画を見直したり、住宅ローンの借り換えを検討したりすることが、解決の第一歩となります。リースバックのように柔軟な方法を取り入れると、住まいを維持しながら資金の問題を解消しやすくなるでしょう。
60歳で2,000万円の住宅ローンを組むには、老後の生活を見据えた慎重な資金計画が重要です。年金や退職金の活用方法、返済期間や金利の選択など、事前に確認すべきポイントが多くあります。そこで、この記事ではシニア向けのローン商品や、無理のない返済計画を立てる際の注意点を解説します。これからの生活をより豊かで安心できるものにしたい方は参考にしてみてください。 60歳からでも申し込める住宅ローン 60歳でも住宅ローンに申し込むことは可能ですが、完済年齢に制限があるため、返済期間が短くなる傾向があります。ここでは、代表的な住宅ローンである「フラット35」の申し込み条件を紹介します。 フラット35の申込条件 フラット35の申込条件は下記の2つです。 申込時の年齢が満70歳未満の方※ 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方 ※親子リレー返済をご利用の場合は、満70歳以上の方も申込可能 ※2024年11月時点の申込条件 フラット35は全期間固定金利で、金利が変わらず返済期間を長期に設定できるのが特徴です。ただし、親子リレー返済の場合を除き、完済時の年齢は80歳までと定められています。そのため、60歳で申し込むと返済期間は20年以内に設定する必要があるので注意しましょう。 60歳から住宅ローンで借りられる金額 60歳で住宅ローンを組む場合、完済時の年齢が80歳までに設定されることが一般的です。そのため、返済期間は最長でも20年となり、借入額も制限される可能性があります。 たとえば、年収380万円、返済期間20年、金利1,5%、元利均等の返済方法、他の借り入れ0円の場合、住宅金融支援機構の「フラット35」の商品では約2,000万円の借入が目安です。 出典)住宅金融支援機構:「年収から借入可能額を計算」2024年11月時点 60歳以上の方でも年金収入などがあれば、上記のように2,000万円の住宅ローンを組める可能性がありますが、借り入れ金額は各金融機関により大きく異なるケースもあるため、事前の各金融機関のシミュレーションで確認すること大切です。 60歳から住宅ローンを組む際の注意点 60歳から住宅ローンを組むと、返済期間が短くなるため、借入可能額が低くなったり、月々の返済額が増えたりする可能性があります。返済期間を適切に設定するには、年金や退職後の生活費を考慮し、長期的な視点で計画することが求められます。 また、年金収入だけでは銀行の変動金利型ローンに申し込めないケースが多いため注意が必要です。 SBIシニアでは、シニア世代を対象とした住宅ローン相談サービスを提供しています。「どの住宅ローンに申し込みをして良いかわからない」「住宅ローンの返済プラン作りたい」などのお悩みを持っている方は、一度、SBIシニアにお問い合わせください。 返済計画を立てる際の注意点 60歳を過ぎると、医療や介護にかかる費用が生活に大きな影響を与えてしまいます。急な支出にも対応できるよう、住宅ローン返済と並行して老後資金を確保しておきましょう。特に、医療や介護にかかる費用は予測が難しいため、計画的な資金管理が求められます。 また、返済計画を立てる時には退職金の有無も入れ込みましょう。例えば、退職金を頭金として活用すれば、借入額を抑え、低い金利で借り入れできる可能性が高まり、将来の返済負担を軽減しやすくなります。退職金も含めて計画的に資金を活用することで、老後の生活費を確保しながら安心して返済を続けられるでしょう。 70歳以上の方でも申し込める住宅ローン 一般的な銀行の住宅ローンやフラット35では、申込年齢が65~69歳未満までとされています。そのため、70歳以上の方は住宅ローンを利用するのが難しいことがあります。 しかし「リ・バース60」を使えば、70歳からでも住宅ローンを申し込むことが可能です。「リ・バース60」は、満60歳以上の方を対象としたリバースモーゲージ型住宅ローンです。申込条件は下記の3つとなっており、年齢の上限設定がありません。そのため、70・80代のシニアの方でも利用可能です。 借入申込日現在で満60歳以上 借入申込みにあたり取扱金融機関からカウンセリングを受けたお客さま 年収に占める全ての借入れ(【リ・バース60】を含みます。)に関する年間返済額および年間支払額の合計額の割合が次の基準を満たしているお客さま 申込者の年収 年間返済額および年間支払額の合計額の割合 年収400万円未満 30%以下 年収400万円以上 35%以下 リ・バース60の特徴 リ・バース60は、毎月の支払いが利息分のみで、元金の返済は契約者が亡くなった際に行われる仕組みです。返済方法には、相続人が一括で支払う方法と、担保となる住宅や土地を売却して返済する方法があります。 融資の上限額は、住宅や土地の評価額の50%または60%までとなり、担保価値に応じて借りられる額が決まります。※担保とする住宅が長期優良住宅の場合で、お客さまの年齢が満60歳以上のときは「担保評価額の55%または65%」となります。 そのため、毎月の支払い負担を抑えつつ、老後の生活資金に充てやすい仕組みとなっています。 リ・バース60の注意点 契約後に住宅の大規模修繕やリフォームが必要になる場合があり、その際の資金を別途確保しておく必要があるので注意が必要です。 リ・バース60では住宅が担保に設定されるため、他の資金需要が生じた場合に住宅を別の担保としての活用はできません。利用条件や担保評価についても十分に確認してください。 利用する前には、家族としっかり話し合い、長期的な資金計画を立てましょう。 まとめ 60歳から住宅ローンを組む際は、返済期間や金利など、複数の要素を考慮し、慎重な資金計画を立てることが大切です。特に、60代後半や70代になると医療費や介護費が増える可能性があるため、無理のない返済計画を心がけましょう。 老後も安心して住まいを確保するために、本記事で紹介したポイントを参考に、現在の生活状況や将来の支出を見据えた最適な住宅ローンを選んでください。
住宅ローンの返済額が生活費に影響を与えている家庭は多く存在します。住宅ローンの返済が家計に重くのしかかり、将来への不安を感じている方も多いのではないでしょうか? そこで、この記事では、住宅ローンの返済が苦しいと感じたときに役立つ具体的な方法を紹介します。節約術や家計管理、副業や投資による収入アップのアイデアを、専門家の意見や成功事例とともに解説。住宅ローンの負担を軽減し、安心した生活を送りたい方は参考にしてみてください。 約10%の人が住宅ローンの支払いに1日でも遅れたことがある 一般社団法人住宅ローン問題解決支援機構の調査データによると、住宅ローンを利用している約10%の人が支払いを1日でも遅れた経験があると報告されています。 住宅ローンは一定の期間、返済が遅れると信用情報機関に延滞の記録が残ります。延滞の記録が残ると、個人信用情報に傷がある状態となり、今後クレジットカードや自動車ローンの審査に通りづらくなります。 さらに、遅延を長期的に続けると、延滞金などが発生しさらなる経済的負担を招く恐れがあるため、住宅ローンの返済でギリギリの生活にならないように事前に資金計画を作成しておきましょう! 出典)住宅ローンの支払い遅延に関する調査(2022年) 住宅ローンを長期滞納するとどうなるの? 住宅ローンを長期滞納すると、まず金融機関から督促状が送られてきます。これを無視すると、約6ヶ月後には保証会社や債権回収会社が介入し、より厳しい条件での返済を求められてしまいます。最悪の場合、住宅が競売にかけられ、住む場所を失うリスクも生じるでしょう。このような事態を避けるためには、早めに専門家に相談し、適切な対策を講じることが大切です。 金融機関から督促状や催告書が届くようになる 通常、支払いの遅延が発生してから1~2か月以内に、契約者本人宛に金融機関から郵便で催促状が送られてきます。催促状は、まず通知書や督促状として郵送され、さらに遅延が続くと、より厳しい内容の催告書が送付されることがあります。 この通知が繰り返されると、遅延損害金が加算され、返済総額が増えるため、迅速な対応が求められます。遅れた返済を早めに完了させることが、さらなる負担を避けるための適切な方法です。 6ヶ月ほど経過すると、交渉相手が保証会社や債権回収会社に代わる 金融機関により多少異なりますが概ね6ヶ月以上滞納すると、住宅ローンの返済交渉が金融機関から保証会社や債権回収会社に引き継がれます。金融機関から債権が保証会社や回収会社に引き継がれる際には、通常、債務者本人に通知があります。通知内容には、新しい交渉相手の連絡先や今後の返済に関する詳細が記載されています。 連帯債務者がいる場合はどうなるのか? 住宅ローンに連帯債務者がいると、主債務者が返済を滞納した際、その責任が連帯債務者にも及びます。返済が遅れると、金融機関や保証会社から連帯債務者にも支払いを求める通知が届くのが一般的です。連帯債務者は主債務者と同じ返済義務を負うため、滞納によって発生する利息や債権回収手続きの対象となる可能性もあります。さらに、6か月以上の滞納が続いて債権が保証会社や回収会社に引き継がれても、連帯債務者への請求は継続されます。 そのため、連帯債務者は主債務者と協力して早期に対応することが大切です。滞納が長期化すると、両者の信用情報にも悪影響が及ぶため、問題が生じた場合は早めに金融機関へ相談し、返済計画の見直しを含めた対策を検討しましょう。 住宅ローンの返済がきつい時の対処法 住宅ローンの返済が難しくなったとき、焦らずに正しい対策を取りましょう。早めに住宅ローン会社へ相談し、返済条件の見直しを検討することで、負担を軽減できる可能性があります。ここからは、具体的な対処法について紹介します。 住宅ローン会社に相談する 住宅ローンの返済に困った際には、ローン会社に相談することが最優先です。一般的な変動金利型住宅ローンでも返済条件の変更制度が用意されています。 収入が減少したり、予期しない支出が発生したりした場合には、返済額の調整や返済期間の見直しができる場合があります。具体的な対応内容は金融機関によって異なるため、まずは利用中のローン会社に相談してみましょう。 また、フラット35では、返済条件の変更を検討できる制度があります。フラット35には「返済方法変更メニュー」があり、経済的に厳しい状況にある人に向けて、返済期間の延長や返済額の一時的な減額などの支援が行われます。これは長期固定金利のフラット35独自の制度で、収入減などの状況に応じて利用可能です。この制度を活用することで、返済計画を安定させ、生活への影響を抑えやすくなります。 親族から借り入れをする 親族からの借り入れは、金融機関に比べて低金利や無利子であることが多く、返済に苦しんでいるときには有力な選択肢となります。ただし、親族間での借金がトラブルの原因とならないよう、注意しましょう。親族間の借金によるトラブルには、以下のようなものがあります。 返済期限に関する不一致 金銭面での依存関係の悪化 金利や返済額の取り決め不足 返済が滞った場合の不満や不安 親族間の借金では返済の期限が曖昧になりやすく「いつまでに返すか」の認識が異なることで、信頼関係に亀裂が入る可能性があります。予定どおりに返済が進まない場合、借りた側も貸した側も不安や不満を抱えがちです。親族だからこそ催促しにくく、気まずさが残る状況が生まれやすいのが特徴です。こうしたトラブルを防ぐためには、親族間でも借用書を交わし、返済期限や金額、条件を明確にしておきましょう。 家計管理や節約を行い住宅ローン返済に充てる費用を捻出する 食費や光熱費などの生活費を見直し、無駄な支出を削減することで、返済に回せる資金を増やしましょう。具体的な見直し方法は以下のとおりです。 まとめ買いや自炊を増やして無駄な外食を減らす スマートフォンやインターネット契約のプランを見直す エアコンの設定温度を調整するなどして電気代を減らす サブスクリプションは本当に必要なものだけにする 加入している保険内容が現状に合っているか見直す 上記の工夫を積み重ねることで、毎月の住宅ローン返済に充てる資金を確保しやすくなるでしょう。 副業をして収入を増やす 副業は、住宅ローンの返済資金を増やすための有効な方法です。副業を通じて安定した収入源を得られると、返済がラクになるでしょう。副業を始める際は以下の方法で始めるとよいでしょう。 自分のスキルや経験を活かす 空いた時間にできる仕事を選ぶ 配達や接客など、地域密着型の副業を始める ライティング、デザイン、プログラミングなど、既に持っているスキルを活かした仕事は始めやすく、案件募集のWEBサイトを使って探してみるとよいでしょう。時間の制約がある場合も、自分のペースで進められる副業がおすすめです。アンケートへの回答やポイントサイトでの簡単なタスク、または在宅でできるデータ入力など、短時間でできる副業から始めると取り組みやすいです。 体力に自信があれば、デリバリーサービスや短時間の接客業など、時間の融通が利きやすい仕事もあります。日払いのアルバイトも気軽に収入を得られるため、空いた時間に利用する方法のひとつです。 返済がきつい時に生活費を工面する方法 住宅ローンの返済が難しくなった場合、リースバックという選択肢があります。 リースバックは、自宅などの不動産を売却して現金化した後、売却先の企業や個人と賃貸契約を結び、引き続きその不動産に住み続ける仕組みです。住宅ローンの返済が厳しい場合やまとまった資金が必要な場合に、売却して住む場所を失うことなく資金を確保できる方法として注目されています。リースバックの特徴は以下のとおりです。 自宅に住み続けられる 相続や税金対策になる まとまった資金を確保できる リースバックの最大のメリットは、自宅を売却しても引っ越さずに済む点です。これにより、引っ越し費用や新たな住居探しの手間を省きながら、資金を得ることが可能です。特に家族がいる場合、環境を変えずに生活を維持できるため、家族への影響も最小限に抑えられます。 まとめ 住宅ローンの返済が家計を圧迫している場合、早めに対策を講じることが大切です。支払い遅延や滞納が続くと、競売などの深刻な結果を招く可能性があります。 住宅ローン会社への相談や、家計管理の見直し、副業などの収入増加策を積極的に検討しましょう。また、リースバックなどの方法で生活費を工面することも、生活の安定に役立ちます。本記事を参考に、住宅ローンの支払いの負担を軽減していきましょう。
老後の生活を見据えた「ダウンサイジング」は、近年注目を集めています。退職後の収入減少や健康状態の変化に備え、生活の質を維持しながらも無駄を省くことは老後資金を蓄えるうえで非常に重要です。 本記事では、老後におけるダウンサイジングのメリットや具体的な方法、成功のポイントについて詳しく解説します。これからの人生をより豊かに過ごすためのヒントを提供しますので、ぜひ参考にしてください。 ダウンサイジングとは? 一般社団法人不動産流通経営協会の調査によると、住み替え意向者のうち65歳以上のシニア層におけるダウンサイジングの意向は80%を超えていることがわかりました。その背景には、住居費や維持管理にかかる費用を減らし、より効率的な生活を目指すシニア層が増えていると考えられます。 出典)一般社団法人 不動産流通経営協会|シニアの住宅に関する実態調査 加えて、子どもの独立によって家族構成が変わり、広い住宅が必要なくなったことも要因のひとつです。生活しやすいコンパクトな住宅への関心が高まっています。また、高齢化の進展により、バリアフリー設計の住宅や交通・医療アクセスが整った場所への住み替えを望む人も多くなっています。こうした変化から、経済面や生活環境を考慮し、ダウンサイジングを選ぶ動きが広がっているといえるでしょう。 ダウンサイジングのメリット ダウンサイジングは、住まいを小さくすることで生活全体に多くの利点をもたらします。経済的な負担を軽減できるだけでなく、日々の暮らしやすさや効率を高める効果も期待されています。 ここでは、具体的なメリットについて詳しく説明します。 固定費の削減につながる 住まいを小さくすると、固定費の負担が減ります。賃貸住宅では家賃や管理費が安くなり、持ち家の場合は固定資産税が軽くなるでしょう。 また、住宅がコンパクトになることで冷暖房の効率が良くなり、光熱費の節約にもつながります。広い住宅は維持や管理に手間や費用がかかりますが、小規模な住まいではその負担が少なくなります。 そのため、経済的なゆとりが生まれ、老後の生活にも安定感が加わります。固定費の削減によって負担が減るため、将来への不安も軽減されるでしょう。 利便性が向上する 住まいが小さくなると、掃除にかかる時間や手間が減ります。部屋数が少なくなることで、清掃する範囲も限られるため、日常の負担が軽くなるでしょう。 住宅がコンパクトになることで冷暖房の効率も良くなり、短時間で部屋全体が快適な温度になります。これにより光熱費の節約も期待でき、経済的な負担も抑えられるでしょう。 また、トイレやキッチンなどの設備が近くなることで生活動線が短くなります。移動が少なくなるため、日常生活の利便性が高まるのもメリットです。 不要な物を減らすきっかけとなる 住まいを小さくする過程では、持ち物を見直す機会が自然と増えます。広い家では使わない物や不要な物がそのまま残りやすく、気づかないうちに物が増えがちです。 住み替えを機に、何が本当に必要なのかを考え、整理を進めると、生活空間がすっきりとしたものになります。不要な物を手放すと、限られたスペースに必要な物だけを置けるため、日常の暮らしが快適になります。 また、物の管理がしやすくなり、探し物に時間を取られることも減るでしょう。シンプルな生活空間は心の余裕も生みます。 ダウンサイジングのデメリット 住まいを小さくすることで得られるメリットがある一方で、デメリットも考えられます。ここでは、ダウンサイジングを進める際のデメリットについて解説します。 費用がかかる ダウンサイジングを行う際には、引っ越し費用や新居の準備費用が必要です。特に、住まいの広さや間取りが変わることで、家具や家電を新しい環境に合わせて買い替える場合、出費が増える場合があります。持ち家を売却して住み替える場合も注意が必要です。築年数が経過している住宅は売却価格が下がりやすく、売却代金が新居の購入費用を下回ることもあります。 住み替え先が都市部や利便性の高い場所であれば、物件価格が高くなり、経済的な負担が増えるケースも考えられるでしょう。 住み心地が変わる 住まいが小さくなると、部屋数が減り、家族との距離が自然と近くなります。一方で、ひとりで過ごす空間が限られ、今までの生活スタイルを見直さなければならない場面も出てくるでしょう。 特に、趣味や作業のための専用スペースが確保しにくくなるため、工夫が必要になります。 また、収納スペースが少なくなると、持ち物を整理しなければなりません。不要な物を減らし、効率的な生活を意識するきっかけにはなるものの、愛着のある物を手放す際には悩むこともあるでしょう。 慣れ親しんだ住まいやご近所さんとの別れ 長年暮らした住まいを手放す際には、思い出や愛着から心理的な負担を感じやすくなります。特に、子育てを終えた後の住み替えでは、家族との思い出を整理することが気持ちの面で大きな影響を与えるでしょう。 また、付き合いの長いご近所さんがいれば、そういった方と離れることになります。もしご近所さんとの付き合いを継続したいのであれば、現在の家の近くのマンションに引っ越すかあるいは、家を建てるなどしてダウンサイジングをすることが選択肢となります。 ダウンサイジングをする際の注意点 住まいを小さくする際には、部屋の広さだけを基準にせず、将来の生活にも目を向ける必要があります。特に高齢になると身体の動きが制限されることがあるため、段差の少ないバリアフリー設計の住まいを検討するとよいでしょう。 また、日常生活の利便性も忘れてはいけません。例えば、歩いて通える距離に病院やスーパーがあると、健康管理や買い物がしやすくなります。 さらに、交通手段が限られている地域では、移動方法も事前に確認しておくと安心です。ダウンサイジングは、今の生活だけでなく将来の暮らしを考えることが大切です。 環境や設備をしっかりと確認し、快適で負担の少ない住まいを選びましょう。 まとめ 本記事では、老後の生活を見据えたダウンサイジングについて、メリット・デメリットや注意すべきポイントを解説しました。ダウンサイジングは、経済的な負担を軽くし、日常生活を効率的にする一方で、収納スペースの減少や住み替え費用がかかるなどの課題もあります。 また、将来の身体の変化を考え、段差の少ないバリアフリー設計や生活利便性の高い住まいを選ぶことが大切です。健康面や移動のしやすさにも配慮することで、老後の暮らしをより快適なものにできるでしょう。 ダウンサイジングを検討している方は、本記事を参考に、無理のない計画を立てながら、自分に合った住まいを見つけてください。
「住宅ローンが残っている家を売却して、新居を購入することはできるのか」と悩んでいる人もいるかもしれません。住宅ローンの残債があると「売却が大変」「住み替えの手続きは複雑そう」と感じる方も多いでしょう。 しかし、実際にはローンが残っていても家を売り、新しい住まいへ移ることは可能です。本記事では、住宅ローン返済中の家を売却する方法や、資金が不足する場合の対処法をわかりやすく解説します。住宅ローンを完済して新居を買いたい方は参考にしてみてください。 住宅ローン返済中の家を売ることはできるの? 住宅ローン返済中の家でも売却は可能です。ただし、売却前にローンを完済し、不動産に設定されている抵当権を抹消する必要があります。抵当権が残っていると売却手続きが進められないため、売却代金や自己資金で完済することで新居の購入へ進めます。 住み替えの選択肢「売り先行・買い先行・同時並行」の違いと特徴 住み替えには「売り先行型」「買い先行型」「同時並行型」の3つの方法があります。これらの方法はきちんとした資金計画や進行管理が重要なので、専門家と連携しながら進めるとよいでしょう。 進め方 特徴 メリット 注意点 売り先行 現在の住宅を売却後、新居を購入する方法 ・売却価格が確定した後に新居を選べる ・仮住まいが必要になる 買い先行 新居を購入後、現在の住宅を売却する方法 ・新居をじっくり選べる ・仮住まいを準備しなくてよい ・既に住宅ローンを借りていれば売却が長引くと二重ローンのリスク ・返済比率等の理由で借り入れが難しくなる 同時並行 現在の住宅の売却と新居の購入を同時に進める方法 ・引っ越しが1回で済む ・売却価格と購入費用を同時に調整可能 ・取引のタイミング調整が難しい ・売りのタイミングを合わせるのが難しく、売却価格が安くなりやすい 住み替えにかかる費用 住み替えを検討する際、住宅ローン以外にもさまざまな費用が発生します。 これらを事前に把握しておくことで、予算オーバーを防ぎ、スムーズな住み替えを進めやすくなります。 【住み替えにかかる費用の例】 自宅の売却にかかる費用 ・印紙税 ・仲介手数料 ・抵当権抹消費用 ・住宅ローン繰り上げ返済手数料 ・譲渡所得税 新居の購入にかかる費用 ・仲介手数料 ・印紙税 ・不動産登記費用(登録免許税など ) ・不動産取得税 仮住まいにかかる費用 ・仮住まいを用意する初期費用 ・仮住まいへの引っ越し費用 ・仮住まい中の家賃(家賃×期間) 住宅ローン返済中の家を売る流れ 住宅ローン返済中の家を売る流れは以下のとおりです。 住宅ローンの残高を確認する 家の売却価格の見込みを調べる 住宅ローンが完済できるか調べる 1つずつ解説していきます。それぞれの流れを詳しく見ていきましょう。 住宅ローンの残高を確認する 住宅ローン返済中の家を売却する際は現在の住宅ローンの残高を知っておく必要があります。金融機関から発行されるローン残高証明書やインターネットバンキングで正確な残高を把握できます。 住宅ローンの残高を明確にすることで、売却時に必要な資金や追加の資金調達方法を見極める基準が作れます。また、住宅ローンの利息や返済条件を再確認することで、今後の返済計画を効率的に見直すきっかけにもなるでしょう。 家の売却価格の見込みを調べる 次に、家の売却価格の見込みを調べる必要があります。不動産会社に査定を依頼する方法が一般的で、立地や築年数、物件の状態、地域の市場動向などを基に価格が算出されます。 また、インターネット上の不動産情報サイトで近隣物件の売却価格を参考にすることで、おおよその相場を把握できます。査定結果や市場調査の情報を活用することで、資金計画を現実的に立てやすくなるでしょう。 住宅ローンが完済できるか調べる 売却価格が明らかになったら、住宅ローンを完済できるかを確認します。住宅ローンを完済するには、売却価格から仲介手数料や引っ越し費用、税金などの諸経費を差し引いた金額が住宅ローンを上回る必要があります。売却価格が住宅ローン残高を上回る場合は、無理なく売却を進められます。 しかし、住宅ローン残高を下回る場合は、資金不足分をどう補うか検討する必要があります。この段階で住み替えローンの利用や自己資金の活用を含めた具体的な対策を立てることが大切です。 売却益で既存の住宅ローンを返済できない時の対処法 住宅ローンを完済できない場合、追加の資金を用意する方法を考える必要があります。方法としては、自己資金を利用する方法や住み替えローンを活用する方法があります。以下でそれぞれを詳しく解説します。 自己資金を利用する 自己資金を使って不足分を補う方法は、売却後の不足額が少ない場合に有効です。たとえば、貯蓄や親族からの援助を利用して、売却益に追加の資金を加えれば住宅ローンを完済できる可能性があります。 この方法では、新たな借り入れが不要なため、金利の負担が増えない点がメリットです。ただし、不足額が多い場合は必要な資金を準備するのが難しいかもしれません。 住み替えローンを利用する 住み替えローンは、現在の家のローン残高と新居購入費用をひとつにまとめて借りられる仕組みです。この制度は、売却と購入を同時に進めたいときに便利です。 たとえば、売却益だけではローン残高を完済できない場合でも、住み替えローンを使うことで、新居購入に必要な資金を確保できます。このローンを利用する際には、金融機関ごとの金利や条件を比較し、無理のない返済計画を立てることが大切です。住み替えローンの詳しい内容は住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説も参考にしてみてください。 シニア世代が住み替えをする際の注意点 65歳以上のシニア世代が住み替えをする場合は、新規の住宅ローンが組めるのか事前に確認しておきましょう。一般的な銀行が提供する変動型の住宅ローンは申し込み年齢を65歳未満としているところが多く、この年齢を超えると利用できる住宅ローンの種類が減ります。 持ち家が高値で売却できても住宅ローンなしで新しい家を購入することはなかなか難しいでしょう。そのため、シニア世代は自宅を売却する前に、自身が申し込める住宅ローンとそのローンを利用した時にいくら借り入れが出来るのか把握しておきましょう。もし、自身調べられない場合は、住宅ローンの専門家に相談してアドバイスをもらいましょう。 まとめ 本記事では、住宅ローンの残った家を売却する方法や流れについて解説しました。住宅ローンを完済できない場合の対処法として、自己資金の利用や住み替えローンの活用があります。 住み替えを成功させるためには、事前にしっかりと準備を行い、専門家と相談しながら計画を進めましょう。適切な方法を選び、新しい生活への一歩を踏み出してみてください。
定年後に新しい生活をより快適にするため、老後に住み替えを行う人が増えています。しかし、きちんとした計画や準備が不足していると、住み替えをして後悔することもあります。この記事では、老後の住み替えを検討している方が直面する問題や、避けるべき落とし穴について具体的な事例を交えながら紹介します。 賃貸に住み替える際に注意すべきこと 自宅を売却して、賃貸物件に住み替える場合には高齢者特有の「落とし穴」がいくつかあります。たとえば、年齢を理由に契約が難しい状況や、希望の物件が見つからない問題が挙げられます。賃貸物件に住み替える際の注意点を詳しく解説します。 高齢になると賃貸が借りづらい 高齢者が賃貸物件を借りるのは簡単ではありません。貸主は、高齢になると健康面のリスクや家賃の支払い能力に不安を感じやすいため、入居を断ることがあります。特に保証人がいない場合には、契約が難しくなるでしょう。また、高齢者専用ではない物件では、年齢を理由に入居を拒否される場合もあり、選べる物件が限られてしまいます。 賃貸物件への住み替えの際には、事前に条件を確認したり、連帯保証人を確保したりする準備が必要です。さらに、自治体や支援団体が行う高齢者向けのサービスを利用する方法も検討するとよいでしょう。 関連記事:老後に賃貸物件は借りにくい?その理由や対策を紹介 希望の物件が見つかりづらい シニア人口の増加に伴い、希望の条件に合う物件を見つけるのが難しくなっています。立地条件が良く介護サービスも受けられる「サービス付き高齢者向け住宅」は、需要が高いため、すぐに満室となることが多いです。そのため、入居待ちが長引き、計画した時期に住み替えができないケースもあります。 また、サービス付き高齢者向け住宅は地域ごとに数が限られているため、候補地を広げたり条件を柔軟にしたりする必要があるでしょう。あらかじめ情報を集め、長期的な視点で住み替えを計画することが成功への鍵となります。 持ち家へ住み替え際に注意すべきこと 持ち家への住み替えは、賃貸と比べ、資産として所有できる点や、家賃支払いから解放される点がメリットと言えます。しかし、持ち家には購入費用だけでなく、維持管理費用が必要になるほか、住宅ローンが組みづらいなど高齢者にとって特有の問題もあります。 持ち家でもランニングコストがかかる 持ち家に住み替える場合でも、維持するための費用が毎年かかります。固定資産税や都市計画税などの税金が定期的に必要です。さらにマンションの場合、修繕積立費や管理費が追加で発生します。こうした費用は物件の場所や規模によって異なるため、購入前に具体的な金額を確認しましょう。 一方、戸建てでは、外壁や屋根などの修理費用が自己負担になります。住み替えを検討する際には、これらのランニングコストを考慮し、無理のない資金計画を立てましょう。 高齢になると住宅ローンが組みづらくなる 高齢者が住宅ローンを組むのは、若い世代と比べてハードルが高くなります。多くの金融機関では完済年齢を制限しており、借入期間が短くなる傾向があります。その結果、毎月の返済額が増え、返済負担が重くなりやすいです。また、年齢が上がるほど収入が減ることもあり、審査に通りにくくなることが一般的です。 リ・バース60であれば70歳以上でも申し込み可能 高齢者が住宅ローンを利用する方法の一つに「リ・バース60」があります。この商品は、70歳以上の方でも申し込み可能で、元金の返済方法は契約者が亡くなった際に「相続人の方が一括返済する」か「担保物件の売却代金で返済する」のか選択できます。 毎月の支払いは利息のみに抑えられるため、老後の資金を圧迫せずに住宅を購入できます。ただし、借入金額は原則住宅及び土地の担保評価額の50%、または60%になります。 住み替えのメリットとデメリット 住み替えを計画する際には、タイミングを見極めることが大切です。高齢になってからの引っ越しは、体力的な負担が増えるだけでなく、条件に合った物件が見つかりにくくなる場合もあります。健康状態が良く、家族のサポートが得られる段階で住み替えを検討することで、スムーズな住み替えが期待できるでしょう。 一方で、急な病気や介護が必要になった場合には、選択肢が限られることがあります。将来の変化を考慮し、余裕を持った計画を進めることが成功の鍵と言えます。 住み替えのメリット 住み替えの利点は、新たな住環境で快適な暮らしを得られる点です。特に住んでいる家に対する不満を解消できる点が大きいです。高齢者向けの設備が整った住宅や利便性の高いエリアへの移動により、日々の生活が便利になります。実際に株式会社LIFULLが2023年に行った「住み替えに関する意識調査」でも、住み替えを検討した理由の1位は「住んでいる家に対する不満」となっています。 また、賃貸から持ち家に移る場合、資産を所有する安心感があります。一方、持ち家から賃貸へ移れば、修繕や維持管理の手間や費用が減るため、身軽な生活を送れる場合もあるでしょう。 住み替えのデメリット 一方で、住み替えのデメリットには費用と手間がかかることが挙げられます。新居の購入費用や賃貸の初期費用に加え、引っ越し費用や場合によっては仮住まい費用も発生します。さらに、新しい環境に慣れるには時間がかかることもあります。特に高齢者の場合、新しい場所に適応するのが難しく、ストレスになることも考えられます。 住み替えを考えるにはチェックリストを作成しよう 住み替えを進める際、以下のようなチェックリストを作ることで、計画の抜けや漏れを防ぎやすくなります。 【チェックリストの例】 現在の住まいの価値を調べる 新しい住まいの条件を整理する 住み替えの予算を見積もる 適切なタイミングを見つける 専門家に相談する 売却を予定している場合は、査定を依頼して自宅の市場価値を把握しましょう。賃貸として運用する選択肢も検討すれば、幅広い可能性が見えてきます。住み替え先では、立地や間取り、バリアフリーなどの条件をリストアップし、具体的に整理すると効率的です。 また、購入費用や引っ越し費用、家具購入費などを含めた資金計画も必要です。このようなチェックリストを活用して準備を進めれば、住み替えの進行をスムーズに行えるでしょう。 住み替えする前に家族との話し合いが大切 老後の住み替えを進める際は、家族との話し合いが大切です。住み替え先の場所や予算を決めるだけでなく、将来の介護や医療の計画についても家族で共有しておくと満足のいく住み替えができるでしょう。 たとえば、近くに住む家族がいる場合は、緊急時の対応がしやすくなります。そのため、住み替え先を選ぶ際には、親族の住居との距離や交通アクセスも慎重に検討しましょう。 住み替えを行うときは一度、専門家に相談しよう 住み替えを成功させるには、不動産や資金計画に詳しい専門家の助けを借りましょう。賃貸でも持ち家でも、住み替えには物件探しや契約手続き、資金調達など複雑な工程が含まれます。専門家に相談すれば、効率的に進めるための方法や、利用できる補助金や制度についての情報が得られるでしょう。 また、高齢者特有の課題にも適切なアドバイスが受けられるため、計画の漏れを防ぐことができます。一人で進めるよりも、専門家の知識を活用してスムーズに住み替えを進めましょう。 まとめ 本記事では老後の住み替えの注意点、メリットとデメリットについて解説しました。老後の住み替えには、持ち家でも賃貸でも、それぞれ注意すべきポイントがあります。 持ち家の場合、ランニングコストやローンの制限に気をつけながら、資金計画を立てる必要があるでしょう。また、リ・バース60のような制度を活用することで、高齢者でも住み替えがしやすくなる可能性があります。どの選択肢を取るにしても、専門家に相談して計画を立てたほうが、安定した老後の生活につながる可能性があるでしょう。準備を怠らず、住み替えを通じて快適な暮らしを実現してください。
定年後の新たな生活を迎えるにあたり、多くの人が「家を買う」という選択肢を考えます。長年の仕事を終え、自由な時間が増える中で、自分たちの理想の住まいを手に入れることは、大きな喜びですよね。 しかし、定年後の住宅購入には、経済的な側面やライフスタイルの変化、将来の健康状態など、さまざまな要素を考慮する必要があります。本記事では、定年後に家を買う際のメリットとデメリット、資金計画の立て方、理想の住まいを見つけるためのポイントなどを詳しく解説します。 住み替えタイミングと理由 不動産流通経営協会の「シニアの住宅に関する実態調査」によると、住み替えた理由については、「より便利なところに住みたかったから(16.8%)」「老後を見据えた家に住み替えたかったから(16.8%)」と最も多くなっています。 確かに、高齢になると階段やちょっとした段差が不便になり、バリアフリー対応の住宅や医療施設が近かったらと思うことも多いのではないでしょうか。こうした状況を踏まえるとシニア層が住み替えを考える際には、現状の家に対する不満を洗い出すだけではなく、70歳・80歳になった時にどのような不自由が発生するかを考えた家の購入が必要になるでしょう。 老後の住まいは持ち家か賃貸か? 持ち家と賃貸には、以下のようなメリットとデメリットがあります。 【持ち家と賃貸のメリット・デメリット】 持ち家 賃貸 メリット 相続税対策 住環境の安定 転居の柔軟度の高さ デメリット 維持費用や修繕費の負担 長期的な費用負担 持ち家と賃貸には、それぞれメリットとデメリットがあります。持ち家のメリットは、相続税対策になることや、安定した住環境が得られる点が挙げられます。しかし、家の維持費や修繕費の負担が生じるため、計画的な資金管理が必要です。 一方、賃貸のメリットは、家のメンテナンスに悩む必要がなく、ライフスタイルや健康状態に応じて柔軟に住まいを変えられます。ただし、賃料の支払いが生涯続くため、最終的な費用負担が多くなる場合もあるので注意しましょう。何よりも未来の生活を見据え、自分にあった選択をすることが大切です。 持ち家が相続税対策になる理由 持ち家は相続税対策として有効な主な理由は以下のとおりです。 現金よりも評価額が低く見積もられるから 小規模宅地等の特例が適用されれば評価額を最大で80%軽減するから 被相続人が住んでいた家に関しては「小規模宅地等の特例」が適用されれば、最大で80%もの評価額を軽減できます。小規模宅地等の特例や相続税に関しては「相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説」も参考にしてください。 高齢者が賃貸を借りづらい理由 高齢者が賃貸物件を借りるのが難しいのは、以下の要因が関係しています。 高齢者の健康リスクの不安 賃料の支払い能力に対する不安 また、高齢者が単身である場合、孤独死のリスクが大きな問題となり、貸主にとって契約を避けたい要因となるでしょう。このような状況を改善するためには、連帯保証人を立てる、家賃保証会社を利用するなどの対策をしましょう。 老後の賃貸物件についての詳しい内容は「老後に賃貸物件は借りにくい?その理由や対策を紹介」も参考にしてください。 住宅ローンは70歳以上でも利用可能 高齢になると住宅ローン組めないと思いがちですが、60歳以上の方でも借りられる住宅ローンは存在します。例えば、住宅ローンの【フラット35】は「申込時の年齢が満70歳未満の方」かつ「日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方」であれば借り入れ可能です。 【フラット35】には以下のような特徴があります。 繰り上げ返済手数料が無料 最大融資額が8,000万円 長期の返済期間を選択できる 長期固定金利で将来的な金利上昇のリスクを避けられる また、【フラット35】は、親子リレー返済を利用する場合、満70歳以上の方も申込可能です。将来の金利変動を避け、返済計画を安定させたい方におすすめで、定年後も安定した返済計画を立てられるので、必要に応じて活用しましょう。 【フラット35】について詳しく知りたい方は「60歳以上のフラット35利用者が増加傾向!最新の実績調査を考察」も参考にしてください。 住宅ローンのリ・バース60とは リ・バース60は、民間金融機関が提供する住宅ローンの1つです。リ・バース60の特徴は以下のとおりです。 満60歳以上の方を対象にした住宅ローン 毎月の元本返済が不要で亡くなるまでの毎月の支払いは利息のみに限定される 債務者が死亡した際に住宅を売却してローンを返済するか現金でローンを返済 リ・バース60は、住宅の建設、購入、リフォームなどに加え、住宅ローンの借り換えにも利用できます。リ・バース60について詳しく知りたい方は「リ・バース60とは?メリット・デメリットを解説|住まいとお金の知恵袋」も参考にしてください。 移住する際の注意点 株式会社フージャースコーポレーションが行った「移住に関するアンケート」によると住まい・暮らしに関心のある人が地方移住をはじめたいタイミングは、51.3%が定年退職するタイミングと回答しました。しかし、定年後に移住する際には、以下の3つの点に注意しましょう。 生活環境の変化 医療施設や買い物場所の充実度 地域コミュニティとの関わり方 この3つの中で特に注意しておきたいのは、医療機関や買い物場所の充実度です。都会とは違い地方では、自宅から病院までの距離、スーパーまでの距離が遠くなりがちです。また、電車が通っていない地域も多く、車での移動が必須になるケースも多いです。そのため、自宅から歩いて行ける距離にスーパーや病院があると、70歳・80歳になった時も安心して暮らすことができるでしょう。 まとめ 本記事では定年後に家を買うメリットやデメリット、活用できる住宅ローンについて紹介しました。定年後に家を買う際は、住み替えのタイミングや今後起きうるリスクについても考慮しましょう。住宅ローンや移住の注意点も理解して、暮らせる住まい探してください。
老後の生活に向けて、住まいを見直すことは大切です。子供たちが独立し、広すぎる家が負担に感じることもあるでしょう。あるいは、もっと便利な場所や自然豊かな環境での生活を夢見ているかもしれません。この記事では、老後の住み替えのメリットや注意点、そして具体的なステップについて詳しくご紹介します。新しい住まいで、より充実したセカンドライフを始めましょう。 住み替えのメリット・デメリット ここでは住み替えのメリットとデメリットについて紹介します。 賃貸に住み替えた時のメリット・デメリット 賃貸に住み替える時のメリットは以下のとおりです。 修繕や管理の手間を心配せずに済む ライフスタイルの変化に応じて柔軟に住まいを変えられる 賃貸に住み替えた時のデメリットは以下のとおりです。 契約更新や退去手続きが大変 自由なリフォームや改築ができない 契約解除のリスクがある 特に注意しておきたいデメリットは「高齢者は賃貸物件を借りにくい」という点です。 賃貸は住む場所を自由に選べるというメリットがありますが、高齢になるほど新たな賃貸契約は結びにくくなります。70代を超えると息子・娘の名義で契約が必要になるなど、自身の子供に負担をかけてしまう場合があります。また、子供がいない独り身の場合はそもそも、新しい賃貸契約をするのが難しい恐れもあります。 詳しくは「老後に賃貸物件は借りにくい?その理由や対策を紹介」をご覧ください。 持ち家に住み替えた時のメリット・デメリット 持ち家に住み替えるメリットは以下のとおりです。 資産として所有することができる 注文住宅の場合、自分好みにカスタマイズできる自由度がある 持ち家に住み替えるデメリットは以下のとおりです。 初期費用が高くなる 住宅ローンの返済が負担になる 税金や維持費が負担になる 簡単に住み替えができなくなる 持ち家は資産として所有することができ最終的には売却できるというメリットある一方で、上記のような維持費もかかるというデメリットも考慮することが大切です。住み替えを検討する際には、経済的な負担や長期的な視点でのリスクを冷静に見つめることが必要です。 それ以上に大切なのは、自分や家族がどのような暮らしを望んでいるかをじっくり考えることです。新しい家での生活が、心地よく安心できるものであることが人生を豊かにする鍵ともいえるので、住み替えは時間をかけて検討し、必要に応じて専門家に相談するなど、自身にとって最適な選択ができるようにしましょう。 マンションに住み替えた時のメリット・デメリット マンションに住み替える場合のメリットは以下のとおりです。 交通の便が比較的良い場所にある セキュリティが充実している メリットとしては管理が比較的容易であることや、セキュリティがしっかりしている点が挙げられます。 一方でマンションに住み替える場合のデメリットは以下のとおりです。 毎月管理費や修繕積立金を支払う必要がある 管理組合の理事が回ってくることがある 特にマンションに住み替える際には、マンション価格に注意しましょう。不動産経済研究所の「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2024年8月」によると首都圏の新築マンションの平均価格は9,532万円と一億円に近い金額になっています。 確かに、購入価格が高ければ売却時の金額も高くなる傾向にありますが、収入が1000万円に満たない方はそもそも1億円を住宅ローンで借りることは非常に難しいです。そのため、都心で新築マンションを購入するには、収入合算やペアローンなど利用をする必要があります。 マンションに住み替える際の注意点 マンションの住み替えの注意点は以下のとおりです。 資金計画をしっかり立てる 住環境の変化について考える 管理費や修繕積立金を確認する マンションの資産価値を確認する 売却と購入のタイミングを見極める 契約条件や管理規約をしっかり確認する 近隣住民やコミュニティの雰囲気を知る 住み替えには、購入費用に加えて売却時の費用、引越し費用、場合によっては住宅ローンの完済費用などがかかります。新たな住宅ローンを組む場合、その返済計画も含めて、無理のない資金計画を立てましょう。 また、都心の場合マンション価格が高いため、資金繰りに時間がかかる場合があります。そのため、マンションの購入だけではなく、住宅ローンの申請もサポートしてくれる不動産会社などを選ぶことが重要です。ポイントをしっかりと押さえて、計画的に住み替えを進めることで、後悔のない新しい暮らしを実現させましょう。 戸建てに住み替えた時のメリット・デメリット 戸建ての住み替えのメリットは、以下のとおりです。 マンションよりも広い家を安価に手に入れられる 自由にリフォームや庭の手入れができる 戸建てに住み替えするデメリットは、以下のとおりです。 セキュリティ面の不安がある 外壁や庭の維持管理の手間と費用がかかる マンションよりも売却時に売却値段が低くなる 戸建ては建売住宅の場合、マンションより安価で家を購入できることが多いです。「マンション・一戸建て住宅データ白書 2023」によると、新築に限るとマンションと一戸建てで約3,000万の価格差があります。また、専有面積も戸建ての方が広いため、安くて広い家に住みたい場合は、戸建て物件の購入を検討してみましょう。 【首都圏のマンション価格】 種別 平均価格 平均専有面積 新築マンション 8,094万円 62.64 m2 中古マンション 4,270万円 59.85 m2 【首都圏の一戸建て価格】 種別 平均価格 平均建物面積 新築一戸建て 4,769万円 98.4 m2 中古一戸建て 4,016万円 99.9 m2 参照元:株式会社東京カンテイ「マンション・一戸建て住宅データ白書 2023」 新居探しでは、物件の見学やローンの申し込み、契約書の確認が必要です。引っ越しやリフォーム、家具の購入などにかかる費用の見積もりをしましょう。 シニア世代が住み替えを成功させるコツ シニア世代が住み替えを成功させるコツは以下のとおりです。 家族とよく話し合う 現状の家の売却をスムーズに進める 新居の選択肢を広げる 資金計画をしっかり立てる 1.家族とよく話し合う シニア世代の住み替えは、家族全員にとって大きな決断です。住み替えを成功させるためには、家族との十分な話し合いをしましょう。 新しい生活環境や家計への影響について、全員が納得できる形で意見を共有し、理解を深めましょう。家族の意見を尊重することは、将来的なトラブルを避けるためにも大切です。 まずは、家族とのコミュニケーションを重視し、全員が納得できる形で住み替えを進めましょう。 2.現状の家の売却をスムーズに進める シニア世代が住み替えを成功させるためには、現在の住居をスムーズに売却する必要があります。売却する際は、信頼できる不動産会社を選びましょう。 不動産会社の選び方については「不動産買取のメリット・デメリットとは?不動産業者の選び方も解説」も参考にしてください。 不動産会社の選定時には、実績や口コミを参考にし、ニーズに合ったサービスを提供しているかをチェックしてみてください。 3.新居の選択肢を広げる 新居探しでは、未来の健康状態も考えた上で、物件を選んだほうが後悔がないでしょう。希望条件をすべて満たす物件を見つけるのは難しいため、優先順位を明確にし、妥協できる点も考えておくと探しやすいです。 物件選びの際には、周辺環境や生活の利便性も大切です。公共交通機関へのアクセスや医療施設、買い物のしやすさなど、日常生活を快適に過ごせる環境かどうかを確認しましょう。また、将来的な家族構成の変化やライフスタイルの変化も考慮に入れておきましょう。例えば、70代を迎えると少しの段差で躓くようになったり、階段の上り下りが難しくなったりします。 4.資金計画をしっかり立てる 住み替えには、多くの費用がかかるため、事前に資金計画を立てることが大切です。住み替えには以下のような費用が発生します。 内容 費用名 自宅売却にかかる費用 不動産会社への売却仲介手数料や抵当権抹消費用 新居の購入にかかる費用 新居所得にかかる税金や各種仲介手数料など 登記費用 登録免許税及び司法書士報酬 これらの費用は引越し時期や新築マンションを購入するか、戸建てを購入するかによっても大きく異なります。そのため、事前に住み替えのプロに相談をして、資金計画や住み替えの進め方を相談しておくとよいでしょう。 まとめ 本記事では老後の住み替えについて解説しました。老後の住み替えを成功させるためには、計画的な準備と慎重な選択が必要です。この記事の内容や上記動画などを参考にして、住み替えのメリットとデメリットを理解しましょう。適切なタイミングで住み替えの決断をすれば、新しく充実した生活を送ることができるでしょう。
老後のリフォームを考える方は多いですが、リフォームの計画が不十分だったり、業者選びに失敗したりすることで、期待していた結果が得られないことがあります。 本記事では、老後のリフォームにおける失敗例や、その原因と対策について詳しく解説します。リフォームを成功させるために注意すべき点や、具体的なアドバイスも紹介するので、これからリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。 老後のリフォーム失敗例 リフォームの失敗の主な原因は、業者選びや業者との打ち合わせが不足していることです。 ▼リフォームの主な失敗例 業者選びを間違えてしまった 業者との打ち合わせが不足していた バリアフリーや階段の手すりなど老後のことを考えて行えばよかった また、近年ではバリアフリーや階段の手すりなど老後を考えてリフォームをしておけばよかったなどの声も上がっています。高齢になるとちょっとした段差に躓くことや階段の上り下りが難しくなります。リフォームを依頼するには現状の不満点だけではなく、将来どのような生活スタイルになるのかイメージすることが大切です。 リフォームで失敗しないための対策 老後のリフォームで失敗しないためには、事前の計画が大切です。金銭面や時間面など、リフォームの際に気を付けるべき点を解説します。 計画の立て方 老後のリフォームで失敗しないためには、早めに計画を立てましょう。定年退職してからではなく、50代のうちに計画を立て始めるのがおすすめです。子どもが手を離れて経済的に余裕があったり、まだ会社に在籍しているうちに計画を進めることで、ローンが組みやすくなる可能性があります。 また、実際にリフォームを依頼するまでに十分な時間があるため、業者選びや内装にこだわることができます。 信頼できる業者の選び方 リフォーム業者の種類は、主に以下になります。 リフォーム専門会社 ハウスメーカー 工務店 ハウスメーカーは、住宅を一から設計・施工するため、大規模工事を得意としています。大掛かりなリフォームを依頼したい場合には、ハウスメーカーに相談するのがおすすめです。 リフォーム専門会社は、名前の通りリフォームを専門としているので、ノウハウや技術力の高さが特徴的です。しかし、会社によっては依頼したい内容と得意分野が異なる場合があるので、リフォームの内容と会社の得意分野が合っているかを事前に確認してから頼むと良いでしょう。工務店の魅力の一つは地域密着型であることです。リフォームに関する技術力はもちろん、円滑なコミュニケーションや細かな要望への対応も期待できます。 上記を踏まえたうえで、株式会社ローカルワークスの調査(※)によると業者の選び方のポイントとして以下が挙げられます。 多くの相見積もりを取る 要件定義を事前にきちんと行う 丁寧なコミュニケーションをしてくれる アフターフォローをしっかり行ってくれる 老後のリフォームの失敗例として多いのが、丁寧な施工がされずに不備があったというものです。実績のある工務店やハウスメーカー・リフォーム専門会社でも、いつも丁寧な仕事をしているかはわからないので、ホームページやインターネット上に悪い口コミがないか探してみるとよいでしょう。 また、業者のなかには「見積りが雑だった」、「支払いを異常に急かされた」などといった施工以外の部分でも不満があったという声もあるので、相談する際には実際に対面で打ち合わせして担当の人柄を確かめることをおすすめします。 ※出典)株式会社ローカルワークス|全国のリフォーム経験者1,000人に聞いた「リフォーム業者選び」に関する調査 予算管理の方法 老後のリフォームの失敗には、金銭面的なものもあります。退職金をすべてリフォーム費用に充ててしまい、その後の生活が苦しくなってしまったという人も少なくありません。リフォームを計画する際には、リフォーム後の生活費や、その後の修理費用も考えたうえで、予算を設定しましょう。突発的な出費があっても対応できるよう、リフォームの計画段階から細かい項目の予算も管理しておくことが大切です。 複数の業者から見積もりを取る リフォーム時に金銭面で失敗しないためには、複数の業者から見積りを取ることも大切です。1社だけでは相場が分からず、損してしまう場合があるほか、安いからと安易に決めてしまうと、出来上がりに満足できないこともあります。 相場を知ることで値段の交渉もしやすくなるので、まずはいくつかの業者に見積りを出してもらい、最終的にどこの業者に依頼するのかを決めると良いでしょう。 リフォームは将来の生活イメージを考えて行おう SBIシニアの住まいとお金が行った「住まいのアンケート」(※)によると、リフォームを依頼する際に老後の生活を考慮した人は47%、考慮していない人は53%でした。約半数以上の人がリフォームを依頼する際に老後の生活をイメージしていないことがわかります。しかし、年齢を重ねると、段差や手すりのない階段は、生活をするうえで不便になってくるでしょう。 また、将来、介護を受けることがある可能性を考慮すると、トイレや浴槽も通常よりも広めに作っておいた方が良いでしょう。 ※出典)老後のためのリフォーム考えていますか?ちょっとした段差も致命的【住まいとお金の失敗談】 子供の実家帰りも考慮しておく 子供が将来、実家に戻ってくる可能性がある方は、2世帯住宅へのリフォームも考えましょう。2世帯住宅には完全分離型や部分共有型など様々な種類があります。部分共有型であれば、例えば、キッチンやお風呂を共有設備することでリフォームの費用を抑えることができます。 また、2世帯住宅にすれば「体調が悪い時に世話をしてもらえる」「いざという時に身内がいる安心感を得られる」などのメリットもあります。今は予定がなくても、一度将来のことについて家族で話しあっておくと良いでしょう。 まとめ 老後のリフォームを失敗しないためには、早めの計画が重要です。定年退職した後は、収入が減ったり、健康リスクも高まることを考えて、余裕を持った資金計画をする必要があります。時間をかけて、老後の生活を充実させるためのリフォームをしましょう。
プロレスラーの藤波辰爾氏(70)(以下「藤波氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「藤波辰爾~将来はここに住むと決めています~【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 藤波辰爾氏が現在の住まいに求めること 家が大好きと語る藤波氏ですが、藤波氏が住まいに求めることについて、『自分の住む場所は、駅に近い、高速のインターチェンジが近い、病院とかの施設が近くになる、それはポイントですよね。』とアクセスの良さを大切にしていることを明かしました。 現在の住まいは、本宅のマンションもセカンドハウスも物件選びの際に、アクセスが良いことを押さえていたため、これからも不自由なく住み続けられると考えているそうです。 そして何より、『家族が自然体で楽しくいられるように』という願いが根底にあるからこそ、それを叶えてくれる家が大好きになったそうです。その願いを叶えるためにも、「こういう部屋を作りたい」と思ったら、積極的にリフォームしたいと語りました。 藤波辰爾氏が語る「息子のプロレスデビュー」 ある大会の終わり際、サプライズで息子がプロレスデビューを宣言しました。藤波氏は当時のことを振り返り、『何事が起きたのかと思った』と固まってしまったといいます。 息子のプロレスデビューについて、最初は藤波氏も奥さんも反対していたそうです。しかしその後、『最初に自分がやりたいってものをそこで断ち切ってしまったら、(今後)考えることすら諦めてしまう』と考え、最終的には息子のためを思い、デビューを認めることにしました。 なお、息子がデビューしてからあっという間に10年が経ちましたが、『妻は今でも賛成はしてません』と、息子が奥さんの反対を押し切ってデビューした側面もあることを明かしました。 藤波辰爾氏が「生涯現役」を掲げる理由 70歳を超えた今でも現役の藤波氏は、『息絶えるまでが現役ですね』と語りました。『人間は弱いからちょっと弱気になるとすぐそちらに引っ張られてしまうんです。現役でいるからこそ楽しく、前向きでいられる』と、生涯現役を掲げる理由を明かしました。 これからの目標については『これからの一試合一試合、自分ではまだ現役という気持ちで常にリングに立ち、これからも思い出に残るように、自分でプロレスを楽しみたいですね。』と語りました。 そして、『プロレスファンの皆さんがどうすれば楽しめるかを、演出等も含めて考えて、より良くしていきたい』とも語りました。一連のお話から藤波氏が本当にプロレス界を盛り上げようとたくさんのことを考えられていることが伝わってきました。 藤波辰爾氏の現在の夢 本編動画の最後に、藤波氏に現在の夢についても伺ったところ、「藤波城を築城すること」とご回答いただきました。『本来の天守閣の使い方とは違うんですけど、天守閣の天守に住んでみたいんですよ』と笑顔で語りました。 このお話だけを聞くと冗談に思われた方もいるかもしれませんが、なんと藤波氏は既にしっかりとした工務店に見積もりを依頼されていました。本編動画では衝撃の見積もり結果とそれを受けての藤波氏の今後の戦略を語っていただいています。藤波氏から視聴者のみなさんへのメッセージも必見です。ぜひご視聴ください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 前編はこちら
プロレスラーの藤波辰爾氏(70)(以下「藤波氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「アントニオ猪木の一番弟子!プロレス界を牽引するスターが語る「住まいとお金」【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 アントニオ猪木の一番弟子!藤波辰爾氏の経歴 藤波氏は、1953年12月に大分で生まれた、身長183cm、体重105kgのプロレスラーです。1971年にプロレスデビューを果たし、「ドラゴン」や「炎の飛龍」などのニックネームで親しまれています。 過去には腰痛によって欠場したこともありましたが、リハビリをしてプロレス界に復帰し、年齢が70歳となった今でも現役です。プロレスラーとして活躍する息子やプロゴルファーとして活躍する娘にも負けず、生涯現役を掲げて闘い続けています。 こうした活躍が認められ、アントニオ猪木氏、天龍源一郎氏、ジャイアント馬場氏、ジャンボ鶴田氏、長州力氏と共に、2021年に日本プロレス殿堂会の殿堂入りを果たしました。 藤波辰爾氏の若い頃 藤波氏は若い頃、アントニオ猪木氏の付き人をしていました。藤波氏にとってアントニオ猪木氏は小学生からの憧れでしたが、当時のアントニオ猪木氏は、面と向かって話せないほど怖かったといいます。 ただ、やはり間近で見ていてアントニオ猪木氏のカリスマ性は凄かったといいます。実際にアントニオ猪木氏が新日本プロレスを立ち上げると言い出した時、自分は何が起こっているのかよく分かっていなかったそうです。一方で、アントニオ猪木氏に付いていけば間違いないという確信が当時からあり、アントニオ猪木氏と共に新日本プロレスを興す道を選んだそうです。 藤波氏は当時を振り返り『今思うと狂いはなかったという感じがしますね。』と、笑顔で語りました。 藤波辰爾氏の自宅購入エピソード 藤波氏が初めて自宅を購入したのは、結婚してすぐだったそうです。その自宅を選んだ決め手となったのは「富士山が見えること」でした。藤波氏は、『色々な建物が建ってきているものの、まだ富士山が見えるもんだから、引っ越す理由はない』と自宅について語りました。 一方で、藤波氏はセカンドハウスを購入されています。このセカンドハウスはたまたま自宅の金魚鉢の水を変えるときに敷いた新聞紙に書いてあった広告で見つけた物件だそうです。最初は実際話のネタにしようと思って内見に行ったところ、一目惚れしてしまい、購入に至ったそうです。 藤波氏の自宅(セカンドハウス)外観 >ルームツアー動画も公開しています。詳細はこちらをご覧ください。 藤波氏はどちらも気に入っていて、利便性も良いので住み替えは考えていないものの、リフォームはしたいと考えており、よく奥さんとリフォームについてお話をされるそうです。 藤波辰爾氏にとって「住まい」とは 本編動画の最後に、藤波氏にとって「住まい」とは何かを伺いました。今もなお現役で闘い続けるプロレスラーであり、家が大好きと語る藤波氏ならではの回答でした。正解は漢字3文字です。ぜひ予想してから本編動画で確認してみてください。 本編動画では、若い頃のエピソードやお住まいについてのこだわりなど、様々なお話を伺っています。ぜひご覧ください。 本編動画はこちら こちらの記事は前編と後編に分かれています。 気になる後編はこちら
元マラソン選手の瀬古利彦氏(67)(以下「瀬古氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「元オリンピアン・瀬古利彦~もう十分幸せだもん、やっぱり人のために生きたいよね~【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 現役時代から現在も変わらないこと・変わったこと 瀬古氏の現在の生活について伺ったところ、1日の生活スケジュールは現役時代から変わっていないことを明かしました。 現役時代と違って毎朝走るようなことはなくなっても、朝起きる時間やご飯を食べる時間は変わらないそうです。『ご飯(の時間)が決まらないと生活が決まらない』と、ご飯の時間を一定にして生活リズムを整えることの大切さを語りました。 一方で、「自分を出すようになったこと」が変化した点だといいます。現在の楽しみは「講演会でおばちゃま達を笑わせること」と語る瀬古氏は、人を笑わせることが大好きなのに、現役時代はその本性を隠し通していたそうです。 その理由は、中村清監督に『不気味な存在になれ(中略)本性を見せるな』と言われたからだそうで、「何を考えているか分からない不気味な奴」を演じるため、あまり喋らないようにしていた、と当時を振り返りました。 現在では自分を出すようになり、現役時代の瀬古氏を知る方からすると、驚かれる人もいるかもしれません。当時のライバル宗兄弟は、本性を見せた瀬古氏に対して『昔お前の本性を知っていたら負けなかった』と話したそうです。 瀬古利彦氏が語る練習を長く続ける秘訣 瀬古氏は11年という長い間マラソン界のトップとして活躍し続けました。そんな瀬古氏に「長く続ける秘訣」について伺いました。 瀬古氏は、長く続ける秘訣について『強制されてやるのが一番ダメ、長く続かない』と、自分の意志でやることが大切だと語りました。実際に現役時代も、監督にどんな練習をしたいか自らの希望を伝え、話し合いながら練習内容を決めていたといいます。 瀬古利彦氏が語るこれからの夢 瀬古氏が語るこれからの夢『2028年のロサンゼルスオリンピックまで、マラソンの強化に携わって選手たちを応援したい』と語りました。 実は現役時代に瀬古氏も1984年のロサンゼルスオリンピックに選手として出場しており、優勝候補として期待が高まる中、メダルを獲得できなかったという苦い思い出があります。偶然にも同じ場所で行われるオリンピックに、今度は指導者としての立場で臨むことになりました。 『自分ができなかった夢を、メダルを取らせてあげたい』と語る瀬古氏は、来たる2028年に向けて選手達と共に一生懸命夢を追いかけ続けています。 瀬古利彦氏からシニアの方へメッセージ 最後に同世代の皆さま向けて瀬古氏にメッセージをいただきました。メッセージの中で『笑いが大事!』と語った瀬古氏でしたが、生活に「笑い」を取り入れるためのある方法を教えてくれました。 瀬古氏が『免疫力が上がりますよ!』とまで言った衝撃的な方法は、ぜひ本編動画でご確認ください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 前編はこちら
元マラソン選手の瀬古利彦氏(67)(以下「瀬古氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「元オリンピアン・瀬古利彦~3世代は良い!間仕切りのない部屋!意外な住まいへのこだわり~【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 マラソン界の大スター!瀬古利彦氏のプロフィール 1956年7月に三重県桑名市で生まれた瀬古氏が本格的に陸上競技を始めたのは、高校生になってからのことでした。高校時代からインターハイで800m走と1500m走2冠を達成し、早稲田大学に進学後も箱根駅伝「花の2区」で区間新記録を打ち立てるなど、ものすごい強さを見せつけます。 大学卒業後はマラソン選手として国内外の様々な大会に出場し、通算15戦10勝という輝かしい記録を打ち立てました。瀬古氏のラストスパートの強さは国内外問わず多くのファンを魅了します。激しい競り合いの末ラスト100mでイカンガー選手を抜いて優勝を果たした1983年の福岡国際マラソンは、瀬古氏のラストスパートの強さを象徴する名場面のひとつです。 現役引退後は指導者として後進を育成するだけに留まらず、マラソン解説等のメディア出演や講演会の開催など、価値道の幅を広げてマラソン界の発展に尽力しています。 瀬古利彦氏の自宅購入エピソード 瀬古氏は現在、20年前に建てた千駄ヶ谷の自宅で暮らしています。実は瀬古氏は大学生のときに千駄ヶ谷に下宿して以降、ずっと千駄ヶ谷に住んでいるそうです。 最初に千駄ヶ谷に下宿したきっかけは、早稲田大学競走部の監督だった中村清監督に『国立競技場も近いし、神宮外苑もあるし、代々木公園もあるし、走るところがいっぱいあるからここ(千駄ヶ谷)に住みなさい』と言われたことだったといいます。 その後も家族構成の変化に合わせて何度か住む物件こそ変えたものの、全て千駄ヶ谷から出ることはなかったそうです。現在住んでいる自宅も『絶対に千駄ヶ谷に住むぞ!』と千駄ヶ谷以外で建てることは考えず、そのために奥さんとふたりで協力し、頑張ってお金を貯めて建てた自宅だと明かしました。 瀬古利彦氏が妻との思い出を語る 続いて、瀬古氏に奥さんとの思い出についても語っていただきました。瀬古氏と奥さんはお見合いで知り合ってご結婚されたそうです。 若い頃は奥さんのメニューを瀬古氏が考えて、一緒に神宮外苑を走ったりしていたそうです。『(一緒に走ったら奥さんが)グッと締まって、また一段と美しくなった』と当時のことを思い出しながら語りました。 『やっぱり運動は大事』と語る瀬古氏は、60歳の時に奥さんと二人で社交ダンスをはじめたそうです。実際に発表会に参加した時の写真(ご担当の先生とのダンスショット)がこちらです。 社交ダンスは楽しかっただけでなく、歩く姿勢も良くなり、二人でやってよかったと思ったそうですが、残念ながら現在はやめてしまったそうです。『最近はちょっと頭と足がついてこなくなって…』と残念そうに語りました。 瀬古利彦氏にとって「住まい」とは 最後に「瀬古さんにとって住まいとは?」と質問し、スケッチブックに答えを書いてもらいました。 答えはいたってシンプルですが、マラソン選手としてストイックに自己管理を徹底してきた瀬古氏ならではの答えでした。 実際の動画では、瀬古氏の自宅に関するお話だけでなく、現役当時の1日の過ごし方や今後のお金の使い方など、色々なお話を公開しています。 本編動画はこちら こちらの記事は前編と後編に分かれています。 気になる後編はこちら
落語家の林家正蔵氏(60)(以下「正蔵師匠」)の自宅にお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「林家正蔵さんが抱く住まいの夢とは?師匠から視聴者へ仰天メッセージ!【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 息子と弟子の線引き 正蔵師匠の息子は、林家たま平(以下「たま平氏」)として落語家の道を選んでいます。たま平氏が二ツ目に昇進した頃、正蔵師匠はたま平氏を実家から出したといいます。 『自分の収入にあった自分の家を持て』という語りぶりから、落語家であり、弟子となったたま平氏に対し、「父親」ではなく「師匠」として接していることが伝わってきました。 正蔵師匠は、楽屋で落語家親子が家の会話をしているのを見るのが嫌いだったといいます。『親子だからそんな話をしているのかもしれないけれども、弟子師匠だったら許されない。』と、息子と弟子の線引きについて自身の考え方を明かしました。こうした考え方から、『一人前、幕内に上がるまではもう絶対(家の会話を楽屋で)しない』と語りました。 林家正蔵師匠の落語との向き合い方 前名の林家こぶ平時代は、多くても年100高座くらいだったのに対し、現在は多いときで年800高座にもなっているそうです。高座数が増えたことにより、落語のことがこの歳になって色々分かってきたといいます。 正蔵師匠は、高座のセッティングを考えているとき、『(落語は)孤独な芸能だなあ』と思うそうです。 国立演芸場の高座と客席 出典)文化庁広報誌buncal(ぶんかる)「こころ安らぐ“寄席”という空間」 『(高座の上では)ごまかしがきかないですね。(中略)身の丈以上にはできないし、それ以下のものもお出しできない』といいます。そんな高座の上で「自身の喜怒哀楽をどう登場人物に乗せるのか」、「どんな落語をするのか」と、日々考えながら過ごしているそうです。 落語に関する初出しエピソード 『日々落語のことばかり考えているかなあ』と語る正蔵師匠ですが、今回のインタビューで「落語に関する初出しエピソード」を紹介してくれました。これまで落語家仲間にも内緒にしていたエピソードだといいます。 落語家仲間には『YouTube見ないでください』とまで語った衝撃のエピソードは、本編動画でぜひご確認ください。正蔵師匠から視聴者の皆様への「仰天メッセージ」も必見です。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 前編はこちら
落語家の林家正蔵氏(60)(以下「正蔵師匠 」)の自宅にお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「【第3弾】名門一家の風格漂うお宅を訪問!お父様は昭和の爆笑王【八木亜希子のスターお宅訪問】」と、「林家正蔵~祖父の代から受け継がれる我が家、僕には守っていく責任がある~【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 「林家こぶ平」から「9代林家正蔵」へ 本編に入る前に、正蔵師匠の経歴についてご紹介します。 1962年12月1日に東京都台東区根岸で生まれた正蔵師匠は、1978年4月に父である林家三平師匠に弟子入りし、「林家こぶ平」として落語家デビューを果たします。1981年に二ツ目、1987年には真打に昇進し、落語家として活躍する一方で、テレビドラマやバラエティ番組などにも多数出演し、タレントとしても活躍しました。 2005年に9代「林家正蔵」を襲名した後は、落語家として、より精力的に活動しています。2014年には落語協会の副会長に就任し、現在も多数の寄席に出演しながら、落語の発展に尽力しています。 自宅はねぎし三平堂 正蔵師匠の自宅は、資料館「ねぎし三平堂」として開放されています。(※2023年11月1日時点では改装のため閉堂中)名門一家の風格漂う、とても立派な外観でした。 建物に入ってすぐの階段を上る途中で、昭和の爆笑王「初代林家三平師匠」の写真を発見しました。『どうもすいません』と今にも聞こえてきそうです。 階段を上った先には林家一門にまつわるたくさんの資料が展示されていました。右端に移っている高座では、実際に落語会が開かれるそうです。(※2023年11月1日時点では休止中) ▼実際に展示されていた資料の一部 本編動画では、実際に展示されている写真や実際の仕事机や仕事道具など、この記事で紹介しきれなかった資料をたくさん紹介しています。ぜひご覧ください。 本編動画はこちら 林家正蔵師匠にとって自宅とは? 最後に「正蔵師匠にとって自宅とは?」と質問し、スケッチブックに答えを書いてもらいました。 本編動画では、「正蔵師匠にとって自宅とは?」の答えはもちろん、自宅改装の失敗談やYouTube初出しエピソードなど、色々なお話を公開しています。 本編動画はこちら こちらの記事は前編と後編に分かれています。 気になる後編はこちら
俳優で歌手の中村雅俊氏(72)(以下「中村氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「中村雅俊氏が語る「現在」と「これからの姿」【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 70歳を超えても住居に夢を持つ 中村氏は今の自宅を大変気に入っているとのことでしたが、それでも今後は住まいを変えようという気持ちを持っているそうです。 まず、もし新しく家を建てるとしたら、平屋で屋根が庭になっている家を建てたいそうです。『屋上で寝そべったりバーベキューをやったり(中略)そういうのって楽しそうだな。』と笑顔で語ってくれました。 続いて、もし今の自宅をリフォームするとしたら、離れのガレージをスタジオにしたいそうです。『(今の自宅にあるスタジオルームは狭いので)音楽をやっているものとしては、変えてみたい。』とのことでした。 『夢を持ったり夢を実現させるっていうのは楽しい作業じゃないですか』と語る中村氏は、70歳を超えた今でも住居に夢を持ち、とても楽しそうに見えました。一方で、『分からない未来に対して事を成すということへの不安は感じます。』と、年齢に対する不安とも戦っていることを明かしました。 娘や妻と話す相続の話 中村氏に「相続」についてどう考えているか伺ったところ、『もう今本当に(真剣に)考えています。』とはっきりと答えました。次女である娘が『パパが死んだらさ~、どうするの⁉』と遠慮なく聞いてくるらしく、むしろそういう話題を面と向かって話してくれることを嬉しく思っているそうです。 そういった背景から「相続」について話す機会は結構あるそうですが、自分が家のどこに何があるか何も分からないことに気づき、危機感を覚えたといいます。これまでは家のことを妻に任せきりだったので、そういった状況をなんとかするために、現在は妻に色々教わっている最中だそうです。 これからの中村雅俊氏 「これからどのように生きていきたいか」という質問に対し、中村氏は『自分がこれしたい、あれしたいということをまずやる。(中略)年取ってもういいよ、じゃなくどんどん好奇心を持って首を突っ込む。』と答えました。 さて、最後に問題です。 中村氏がこれから具体的にやりたいと語ったこととは、次のどちらでしょうか。 歌手として歌を歌い続けたい 俳優としてアメリカの映画に出たい 中村氏は歌手としても俳優としても活躍してきた方なので、どちらも正解のように思えます。気になる正解は本編動画で探してみてください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 前編はこちら
俳優で歌手の中村雅俊氏(72)(以下「中村氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「中村雅俊~築22年の我が家、何年経っても渋さをましていいなって思える~【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 72歳になって今なおモテる一流芸能人!中村雅俊氏 本編に入る前に、中村氏の経歴についてご紹介します。 1951年2月1日宮城県女川町で生まれた中村氏は、1973年大学在学中に文学座附属演劇研究所に入所しました。翌1974年4月に日本テレビ「われら青春!」の主役に抜擢され、役者としてデビューを果たすと、同年7月に挿入歌「ふれあい」で歌手としてもデビューを果たし、100万枚を超える大ヒットとなりました。 その後も役者として多数の映画やドラマ、CMなどに出演し、執筆時点の2023年9月現在、これまでのTV連続ドラマ主演は34本にものぼります。一方で歌手としての活動も継続し、これまでシングル55枚、アルバム41枚をリリースしています。 72歳となった今でも、テレビ番組への出演や全国でのコンサートなど、精力的に活動されています。 「自宅を持つこと」への憧れ 中村氏が初めて自宅を購入したのは30歳のときでした。中村氏は、幼少期に周りが皆貸家に住んでいたことから、「自宅を持つこと」に強い憧れがあったそうです。 自宅購入の決め手となったのは、中村氏の15枚目のシングルである「心の色」が大ヒットしたことだったといいます。『(心の色がヒットした)勢いで、作っちゃおう!みたいな気持ちになって作ったんですよ。』と当時を振り返って笑顔で語ってくれました。 中村雅俊氏がローンを組んだ理由とは CDのヒットがきっかけで自宅を購入したと語る中村氏ですが、その売り上げで一括購入したわけではなく、あくまでローンを組んで購入したそうです。 『ヒットって人が思うほどお金が入るわけじゃないんですよ。』と語る中村氏は、CDが1枚売れても、手元に入ってくるお金は「数円程度」であることを明かしました。当時購入の決め手となった「心の色」の売り上げだけでは、自宅を一括購入するほどのお金にはならなかったそうです。 主演を務め、ミリオンセラー歌手と言えば、「年収〇億円」などと、一般の人はイメージするかもしれませんが、実際はギャップがあるのかもしれません。 中村雅俊氏の住まいへのこだわり 今回お邪魔した建物は、主に仕事場として使用されているそうです。この建物は、中村氏が意のままに作ったといいます。『ムダと思える空間というのも(中略)生活の中では必要なんです。』と語る中村氏は、外階段にある謎の空間を紹介してくれました。 中村氏も『はっきり言ってムダ!』と断言した空間ですが、こういった生活に必要のない空間を遊びで作ることが好きだそうです。 中村雅俊氏の考える「住まい」とは…? 最後に「中村さんにとって住まいとは?」と質問し、スケッチブックに答えを書いてもらいました。 答えは漢字2文字でしたが、その理由に中村氏の温和な人柄が表れており、とても素敵な答えでした。 実際の動画では、中村氏の自宅に関するお話だけでなく、還暦後の支出をどう考えているのかなど、「住まい」と「お金」について色々なお話を公開しています。 本編動画はこちら こちらの記事は前編と後編に分かれています。 気になる後編はこちら
プロ野球解説者の江本孟紀氏(75)(以下「江本氏」)のご自宅にお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「突然の胃癌宣告!江本孟紀さんが経験した人生観の変化とは?【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。) 江本孟紀氏の現在 江本氏は現在、野球解説者として活躍されている一方で、本の執筆活動も行っている、非常に活動的な方です。 この記事では江本氏に住まいやお金についてお伺いしていきますが、江本氏は幼少期から何度も住み替えを経験している、住み替え経験豊富な方でもあります。 そんな江本氏のプロフィールの詳細や住み替え遍歴は、以下の記事で詳しくご紹介しています。こちらの記事も併せてぜひご覧ください。 >江本氏のプロフィールや住み替え遍歴は前編でご紹介しています シニア世代の老後の不安 江本氏に、持ち家がある50歳以上の男女200名を対象とした、「老後の暮らしにどのような不安を感じていますか?」というアンケート結果を見ていただきました。 ※2021年12月にSBIエステートファイナンス(株)が実施 1位が健康面、2位が老後の生活資金、3位が介護という結果を見て、江本氏はご自身も大病を患ったことを思い起こします。60代後半になって突然「スキルス進行の胃がん」と診断された江本氏は、『人生もうここで終わりか、と一瞬諦めました。』と当時を振り返りました。 それから5年以上の月日が流れ、すっかり元気になった江本氏ですが、この闘病生活を経てご自身の人生観にある「変化」があったといいます。 がんをきっかけに起きた人生観の変化 江本氏が胃がんを患った当時、一番考えたのは「相続はどうするか」だったといいます。遺言を遺すことや空き家のままにしていた江本氏のご両親の実家を処分することなど、健康なうちにやっておけばよかったことが多かったそうです。 近年では「終活」という言葉が浸透しつつあり、人生の最期を迎えるにあたり、自分の資産をどうするかについて考えることが重要視されています。江本氏自身も終活について、『他人事じゃなくて(中略)身近に色々考えた方がいい。』と語っています。 もうひとつ江本氏が胃がんを患って変わったのは、住まいに対する思いでした。江本氏は今のお住まいについて、『健康のことも考えたり、色々考えると、好きなことをして好きな場所でいようと考えた結果、ここが見つかった。』と明かしました。 75歳になった今、描く住まいの夢 『旅をするじゃないですか。そこにすぐに住みたくなる。』と笑顔で語る江本氏は、いつも国内外問わずご自身が住むイメージを膨らませることを楽しんでいるそうです。 最後に問題です。 江本氏は75歳からの住まいについて、『●●●●のデカい家に住みたい。』と語ってくれました。その驚きの場所とは、以下の5つのうちどこでしょうか。 アッパーイーストサイド(アメリカ) ビバリーヒルズ(アメリカ) 披露山(日本) セントーサコーブ(シンガポール) メイフェア(イギリス) 高級住宅街として有名な地名が並んでいますが、江本氏はいったいどの場所に住みたいと思っているのでしょうか。気になる正解は本編動画で探してみてください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 前編はこちら
プロ野球解説者の江本孟紀氏(75)(以下「江本氏」)のご自宅にお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「江本孟紀さんのご自宅で「住まいとお金」の話を伺いました!【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 多才な経歴を持つ江本孟紀氏 本編に入る前に、江本氏の経歴についてご紹介します。 1947年7月22日に高知県で生まれた江本氏は、高知商業高、法政大、熊谷組を経て、東映フライヤーズ(現北海道日本ハムファイターズ)に入団しました。その後、南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)、阪神タイガースに移籍し、1971年から1981年までの10年間をプロ野球選手として過ごしました。 プロ野球を引退した後は、参議院議員としても活動し、1992年に参議院議員初当選を果たすと、2001年1月には参議院初代内閣委員長にも就任しました。 2004年に参議院議員を離職した後は、アメリカ独立リーグ初の日本人チーム「サムライベアーズ」に協力し、クラブチーム「京都ファイアーバーズ」を立ち上げ、2007年にはタイ王国ナショナルベースボールチーム総監督を努め北京五輪アジア予選に出場するなど、野球界の底辺拡大と発展に努めました。 現在はプロ野球解説者と活躍されている一方で、本の執筆活動も行っており、ベストセラーとなった「プロ野球を10倍楽しく見る方法」をはじめ、70冊を超える著書を執筆、今もなお執筆活動を続けています。 幼少期から身近だった住み替え 江本氏は、転勤族だった父親の影響で幼少期から「住み替え」が身近なものだったそうです。当時のことを『小学校で4つ、幼稚園で2つ、中学生では2つ、家も十何回ぐらい変わっている。』と振り返りました。 江本氏は、引退間際の33歳で初めてマンションを購入して以降、都内のマンションへ住み替え、さらにアメリカでも家を購入、その後また日本の住まいに戻ってきており、住み替え経験が豊富な方でもあります。 お話の中でも時折笑顔を交えながらこう語っています。『1か所にいるのが生まれつきダメなんですよね。しばらくいるとムズムズしてくる。違うところがいいんじゃないかと、(思ってしまう。)それは今も変わりません。』と、住み替えを何度も行う理由は、ご自身の生い立ちによるものであると明かしました。 大切なのは「住環境」 これからの理想の暮らしについて江本氏は、『とにかく毎日楽しい思いをする。それが一番の目標になってくる。』と語りました。そう思うきっかけとなったのは、アメリカに住んでいた際に見かけた、自由気ままに過ごしていた老夫婦だったといいます。 江本氏は、その目標を達成することについて、『そのためには環境がいる。自分の居心地のいい環境とかね。』と、大切なのは「住環境」であると断言しています。 理想の住まいを求めて何度も住み替えを行ってきた江本氏は、今の場所はぴったりの環境だと言いますが、『ここもいいけど、条件が整えばまた違うところに行きたい。』と、頬を緩めながら語りました。 そんな江本孟紀氏の考える「住まい」とは…? 最後に「江本さんにとって住まいとは?」と質問し、スケッチブックに答えを書いてもらいました。 その答えは漢字2文字でシンプルでしたが、その理由を聞けば納得の答えでした。 実際の動画では、江本氏の現役時代から還暦までのお話をもっと詳しく公開しています。「江本さんにとって住まいとは?」の答えも動画の後半で登場するので、答えを予想しながら楽しく視聴してください。 本編動画はこちら こちらの記事は前編と後編に分かれています。 気になる後編はこちら
俳優・勝野洋さん(以下、勝野さん)の妻であり、タレント、キルト作家としても活躍するキャシー中島さん(73)(以下、キャシーさん)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、YouTubeチャンネル「SBIシニアの住まいとお金ch」で公開されている、キャシーさんご出演のインタビュー動画に基づいて作成しています。動画の詳細はこちら(第4回・第5回)からご覧ください。 導かれるようにして見つけた御殿場の土地 当時勝野さんのとあるコマーシャル撮影の送り迎えのために御殿場に訪れたキャシーさんは、たまたま迷子になって訪れた東山湖の美しさに心を奪われます。 『こんなところに住んでいたら幸せになりそう。』と娘さんと語り合ったその帰り道に、ふと「売地」の看板を見つけます。電話番号を控え、翌日には勝野さんを連れて現地へ。その土地に立った瞬間、『ここがいい!』と直感したそうです。 じゃんけんで決まった300坪の土地購入 最初は100坪の購入予定だったものの、地主の希望は300坪。資金面で悩みながらも、『じゃんけんで決めよう。』と勝野さんと勝負。じゃんけんに勝ったキャシーさんが『じゃあ買います。』と即決。その後、マンションを売却し、事務所の保証も得て、夢の住まいづくりが始まりました。 キルトと暮らす、理想の空間づくり この御殿場の家は、キルト教室やカフェとしても活用できるよう設計されました。『母に言われたの。家を建てるなら、一部でいいから仕事ができる場所を作りなさいって。それをずっと守ってきたの。』と語るキャシーさん。住まいは、生活と仕事が交差する舞台でもあります。 三軒茶屋の自宅はまだ完成形ではない 『70歳の入り口って、まだ60代なのよね。だから、すっごいやる気満々なんですよ。』と語るキャシーさん。自分で決めた道を信じて歩んできた人生は、まさに「夢を形にする」連続でした。 現在の住まいはただの生活拠点ではなく、1階がショップ、2階がキルトスクール、3階がフラスクール、4階がアトリエという構成の、仕事ができるビルが併設されています。 ▼Kathy MOM Cafe(三軒茶屋) 『これが完成形かと言われると、まだまだ。』とこれからの夢について語るその姿勢には、キャシーさんの夢を追い続ける力強さが感じられます。そんなキャシーさんの語り口に、八木さんも『夢じゃなくて、計画を聞いているみたい』 キャシー中島さんがこれからやりたいこと 八木さんの『これからの人生で絶対にやりたいことは何ですか?』という質問に対し、キャシーさんは『ノープラン!』と笑いながらも、『今できること、今欲しいものをやっていく。』と語ります。 『80歳になったら大変かも。でもその時考えればいい。今は銀行とも交渉できる元気があるから、やりたいことをやってみましょう。』と、前向きな姿勢が印象的でした。 視聴者のみなさんに向けたメッセージ 最後に、視聴者のみなさんへ住み替えマスターの顔も持つキャシーさんからメッセージ。ずばり『土地を買うときのポイントは、①周りをよく見る、②シチュエーションを考える、③朝昼晩その土地に立ってみる』。そして、『縁とつながりを大事にして。』と締めくくりました。 『家を買う、建てるって楽しいこと。自分で考えていいんだから。』と語るキャシーさんのお話は、何歳であってもこれからの人生を豊かにできる、そんなヒントに満ちていました。本編動画では、もっと詳しく、キャシーさんのお話を沢山お聴きいただけます。ぜひご視聴ください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 前編はこちら
俳優・勝野洋さん(以下、勝野さん)の妻であり、タレント、キルト作家としても活躍するキャシー中島さん(73)(以下、キャシーさん)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、YouTubeチャンネル「SBIシニアの住まいとお金ch」で公開されている、キャシーさんご出演のインタビュー動画に基づいて作成しています。動画の詳細はこちら(第2回・第3回)からご覧ください。 「住まい」への価値観とお母様との思い出の住まい モデルとして活動をしていたある日、先輩モデルが見せてくれた高価なダイヤの指輪に対し、『そんなの舐めても美味しくないし、石じゃん。』と一蹴したといいます。『それなら、横浜で建売の50坪が500万で出てるから、そっち買った方がいい。』と語るキャシーさんの価値観は、若い頃から「住まい」に向いていました。 お母様と過ごした思い出の住まい 19歳で引っ越した小江戸川の一戸建ては、縁側や池、ハーブを育てる裏庭など、趣のある造りだったそうです。お母様が亡くなられた後に手放したものの、『持っていても良かったな。』と振り返るほど、思い出深い住まいでした。 『家は、家族が住む場所。あったかい空間が大事なの。』と語るその言葉には、人生を通じて住まいを大切にしてきた想いが込められていました。 勝野さんとの出会い、プロポーズ、そして新婚生活 キャシーさんが勝野さんに惹かれたきっかけは、テレビで見た育児シーン。『この人、真面目そうでいいな。こういう人と結婚したら幸せになれるかも。』と思い、なんと『この人と結婚しよう!』と決意します。 その後、親友の紹介で勝野さんがよく訪れるお店を知り、偶然を装って出会いを重ねていきます。初めは警戒されていたものの、ある日『うちに可愛い子猫がいるんだけど、見に来る?』と誘い、距離が縮まっていきました。 ▼キャシーさん宅の猫のお写真 ハワイでのプロポーズ 交際が始まった年の年末、勝野さんから石原裕次郎さんの別荘があるハワイへ行く予定であることを聞きます。それを聞いたキャシーさんはその場で『偶然、私もハワイに行くのよ。』と言いながらも、実はその後急いでハワイ行きの航空券を手配したそう。 こうして一緒に行ったハワイの海岸で、勝野さんが『君と結婚することになるみたいだ」とプロポーズを受け、結婚することとなりました。その時勝野さんは「君といつまでも」を歌ってくれたそうで、『ベタだけど感動した。』と語るキャシーさんの表情には、幸せがにじみ出ていました。 新婚生活の舞台となったマンション 勝野さんと結婚してからは、東京都渋谷区の2LDKマンションで新婚生活を始めます。レンガ色のマンションで、庭付きの1階で、お風呂は深めの「寝バス」を特注し、将来の子ども部屋も見据えた間取りにしたそうです。 『玄関から見た瞬間に「素敵なお家ね」と思ってもらえるように。』と、廊下の広さや花台の配置にもこだわり、自分らしい空間を丁寧に作り上げていきました。 家族を想う気持ちと芸能界引退の決断 その後、妊娠を機に芸能界を一度引退します。『中途半端では無理。やるなら徹底的に。』と語るキャシーさんは、子どもが学校に通うようになるまでは、なるべく一緒に過ごしたいという強い思いを持っていました。 『家族というものにすごく思いがあった。』と語る姿からは、何よりも家族との時間を大切にされていたことが伝わってきました。 住まいは、人生の節目を彩る場所 結婚、新生活、家族との時間——キャシーさんの人生の節目には、いつも「住まい」がありました。自分らしく整えた空間で、大切な人と過ごす時間を育む。その姿は、住まいが人生の舞台であることを改めて教えてくれます。 本編動画では、さらに詳しいエピソードや当時の住まいの様子もご覧いただけます。ぜひご視聴ください。 本編動画はこちら こちらの記事は前編と後編に分かれています。 気になる後編はこちら
俳優の勝野 洋氏(74)(以下「勝野氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている全5回の「俳優・勝野 洋氏」のインタビューに基づき作成しています。動画の詳細はこちら(第3回・第4回・第5回)からご覧ください。 住まい遍歴①:御殿場の大豪邸 勝野氏は33歳の時に静岡県御殿場市の300坪の家を購入し、現在も所有しています。 当初は100坪(1区画)だけの購入予定が、売主から300坪(3区画)まとめてでないと売らないと言われてしまい、悩んだ末、キャシーさんとジャンケンをして勝野氏が勝ったら購入することにしたそうです。 いつも勝負事はキャシーさんの方が強いそうですが、その時はめずらしく勝野氏が勝ち、購入することになりました。現在はさらに周辺の土地を買い足して550坪の大豪邸となっています。広大な敷地と美しいガーデニングが広がるお家は、こちらのルームツアー動画をご覧ください。 ルームツアー 住まい遍歴②:ハワイ マウイ島のコンドミニアム 勝野氏が37歳の時、結婚前に訪れたハワイのマウイ島でクジラを見たことをきっかけに、コンドミニアム(分譲マンション)を購入しました。購入時は非常に喜んでいたそうですが、ハリケーンで家が壊れてしまったため、オアフ島の物件に買い替えた経緯があります。 最終的には管理費がかかることや、ホテルに泊まった方が便利だと感じたため、51歳でコンドミニアムを手放したことを明かしました。ハワイのエピソードについては、こちらからご覧ください。 住まい遍歴③:鎌倉の一戸建て 41歳の時に、勝野氏初の主演作であるテレビドラマ「俺たちの朝」の舞台であった鎌倉の極楽寺に一戸建てを購入し、キャシーさんのハワイアンキルトのお店もオープンしました。 「俺たちの朝」が大ヒットしたことで鎌倉に観光客が殺到し、当時廃線の危機だった江ノ電はこのドラマのおかげで救われたそうです。 住まい遍歴④:三軒茶屋の一戸建て 勝野氏は48歳の時に渋谷区三軒茶屋の一戸建て(45坪)を購入しました。その後、土地を買い足したので現在は110坪となっているそうです。自宅の他に4階建ての店舗兼アトリエも併設されています。 三軒茶屋の家を購入した際は、キャシーさんから「すごい良いおばあちゃんがいるから会いに行かない?」と言われ、会った人がその家の地主さんだったというエピソードがあります。他の人もその土地を狙っていたそうですが、夫婦で挨拶に行くことで購入できたので、妻は策略家だと笑いながら明かしてくれました。 キャシーさんは家の買い替えスピードが早く、「次、何建てる?どこ行こう」と勝野氏に提案するそうで、本当は移動するのは嫌だけれども、自分の思いを汲んで探してくれているので最終的には承諾するのだそうです。 今までの住まい遍歴の中で、買ってよかったのは御殿場の家だそうです。また、後悔して買わなければよかったと思う家はなく、みんなそれぞれに思い出があると明かしてくれました。 勝野氏のこれから夢とアクティブに生きる為の極意 最後に勝野氏にこれからの人生でやりたいことを2点伺いました。さらに、「人生100年時代をアクティブに生きる為に極意とは?」と質問し、色紙に答えを書いてもらいました。 勝野氏の周囲への思いやりや感謝が伝わる言葉の意味については、本編で紹介していますのでぜひこちらからご覧ください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 前編はこちら
俳優の勝野 洋氏(74)(以下「勝野氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている全5回の「俳優・勝野 洋氏」のインタビューに基づき作成しています。動画の詳細はこちら(第2回・第3回)からご覧ください。 テキサス刑事で一躍有名に!勝野 洋氏の経歴 1949年7月27日に熊本県阿蘇郡に生まれた勝野氏は、大ヒットドラマ「太陽にほえろ!」のテキサス刑事役でデビューし、一躍トップスターになった俳優です。代表作は「俺たちの朝」、「姿三四郎」などで、現在もドラマや映画、舞台などで活躍されています。 プライベートではタレント業と並行してハワイアンキルト作家としても活動するキャシー中島氏(以下、キャシーさん)と結婚し、2024年で結婚45周年を迎えたおしどり夫婦としても知られています。 「太陽にほえろ!」デビューまでの軌跡 勝野氏の幼少期は熊本県阿蘇郡の祖母が営む旅館で育ちました。父親が戦争から帰ってきた後に自衛隊に入所し全国を回っていたため、祖母の家に預けられていたそうです。中学・高校では実家を離れ、熊本市内で下宿し、3畳一間の部屋で過ごしました。 その後、青山学院大学へ進学し、当初は寮に入っていたものの1年留年したことによって寮に住むことができなくなり、渋谷区初台の4畳半一間のアパートに男友達と2人で住むことになったそうです。その家賃を稼ぐためにエキストラのアルバイトをしていたところ、ある俳優から役者の道を勧められ、劇団現代演劇協会の試験に合格。 その後、「太陽にほえろ!」のオーディションとは知らずに受験したところ、迫真の演技が認められ見事3代目の刑事役に抜擢されました。ところが当初劇団の在籍を1年間と決めていた勝野氏は、大学に戻るため一度は断ったそうです。 勝野氏が俳優の道を歩むことになった石原裕次郎氏との秘話や、「太陽にほえろ!」の撮影エピソードについては、こちらからご覧ください。 初めての自宅購入とキャシー中島さんとの馴れ初め 「太陽にほえろ!」のテキサス刑事役でお茶の間の人気を博した後、プライベートではタレントのキャシーさんと結婚しました。2人の馴れ初めはキャシーさんが偶然テレビに出ている勝野氏を見て、一目惚れし猛アタックをしたそうです。 勝野氏は当初騙されているのではないかと思って避けていたそうですが、キャシーさんから「猫を見に来ない?」という誘いがあり、「猫好きだから見に行くよ」と遊びに行ったことがきっかけでそのまま一緒にいるようになったと明かしてくれました。 キャシーさんとの結婚を機に、渋谷区西参道の2LDKのマンションを購入したのが最初の自宅購入でした。勝野氏はそこまで住まいにこだわりはなかったそうで、キャシーさんが見つけた物件だったそうです。後に、このマンションは購入価格よりも高値で売却できたことを明かしてくれました。 本編動画はこちら こちらの記事は前編と後編に分かれています。 気になる後編はこちら
インドネシアのスカルノ元大統領の妻で日本のバラエティ番組でも大活躍のデヴィ・スカルノ夫人(83)(以下「デヴィ夫人」)のお住まいにお邪魔して、ご自宅の紹介や楽しく生きる秘訣についてフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「デヴィ夫人が授ける「住まいとお金」の金言【八木亜希子のスターお宅訪問】特別編」を元に作成しています。動画はこちらからご覧ください。(第1回・第2回・第3回) 国際的な慈善活動家!デヴィ夫人のプロフィール ここで改めて、デヴィ夫人の経歴についてご紹介します。 1940年に東京都で生まれたデヴィ夫人は、1962年にインドネシアの初代大統領であるスカルノ大統領と結婚されました。 日本に帰国後は、バラエティ番組などで活躍されるとともに、2005年にはNPO法人アースエイド ソサエティ(EARTH AID SOCIETY)を設立しました。日本赤十字社をはじめとするさまざまな団体に多額の寄付を行うなどボランティア活動、チャリティ活動にも注力されています。 2023年1月には、ウクライナへと直接赴き支援物資を届けたことも話題になりました。 意外にも⁉悩みの種は終活 断捨離について デヴィ夫人は美術品などを1,000点近く保有していることで、将来の断捨離について悩んでいると明かしてくれました。集めた品でミュージアムを作りたい気持ちがあるようですが、30年後どうなるかを考えるとなかなか踏み切れない心中のようです。 贈与税について 贈与税については、以前イブラ音楽財団への慈善事業で寄付金として1,500万円の支援をされたそうです。しかし、営利を目的としない慈善事業(チャリティー)は趣味・贅沢とみなされ、贈与税の対象とされてしまったと怒りを露わにしていました。 グローバルに活躍するデヴィ夫人だからできる贈与税対策や税務署とのエピソードについては、ぜひ第2回の動画をご覧ください。 激情が力を生み出す デヴィ夫人は小学生の頃に、富裕層の同級生に忖度する教師の態度を目の当たりにし、この世の中には社会正義がなければならないと考えるようになったそうです。その体験から「怒り」という気持ちを原動力に、数々の難民救済支援を25年間も続けているそうです。 デヴィ夫人は、「人間が地球上に存在した時から強者が弱者を襲い、略奪し、領地を広げ支配するという戦争の歴史が繰り広げられている。世界から紛争、戦争、平和なんか絶対来ないのではないか」と悲観的な思いを吐露しました。 しかし、だからこそ世界の国際秩序だけは守っていくべきであり、それを破ったロシアのプーチン大統領には大変な怒りを感じていると述べていました。 このマグマのような怒りが、2023年1月のウクライナ支援につながったといえるでしょう。 若々しさの秘訣は仕事 デヴィ夫人が幸せに生きるコツは仕事を続けることだと明かしてくれました。仕事以外にも何か活動を継続することで、脳が活性化され幸福度が上がるといいます。また、少しでも時間が空くと何か予定を入れないと気が済まないそうで、日頃からエネルギッシュに過ごしているデヴィ夫人だからこそのアドバイスでした。 デヴィ夫人から皆さまへのアドバイス 最後に同世代の皆さま向けてデヴィ夫人からメッセージをいただきました。メッセージの中で「1分1秒を生き生きと楽しく生きることがとても大事」と語ったデヴィ夫人。本編動画では、日常生活で楽しく生きる方法について詳しく語っています。ぜひ第3回の動画からご確認ください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 前編はこちら
インドネシアのスカルノ元大統領の妻で日本のバラエティ番組でも大活躍のデヴィ・スカルノ夫人(83)(以下「デヴィ夫人」)のお住まいにお邪魔して、ご自宅の紹介や楽しく生きる秘訣についてフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「デヴィ夫人が授ける「住まいとお金」の金言【八木亜希子のスターお宅訪問】特別編」を元に作成しています。動画はこちらからご覧ください。(第1回・第2回・第3回) デヴィ夫人のご自宅を紹介 デヴィ夫人のご自宅は重厚感のあるレンガの外観がとても素敵でした。今回八木さんがインタビューにお伺いした場所は別宅になりますが、本宅は別宅から20秒ほどの近い場所にあるそうです。 ご自宅に伺うと、デヴィ夫人が立派な胡蝶蘭とともにお出迎えしてくださいました。お誕生日にご友人から頂いたそうで、大変華やかな玄関でした。リビングルームにもたくさんのお花が飾ってあり、お花と芸術品に囲まれて生活したいと明かしてくれました。 本編動画では、ご家族との思い出の写真や貴重な陶芸品の数々をたくさん紹介しています。ぜひ第2回の動画をご覧ください。 デヴィ夫人が考える「家」とは? デヴィ夫人にとって家はおもてなしの場所と教えてくれました。 デヴィ夫人は19歳から大統領官邸で大使や大使夫人、外国からのお客様にレセプションやディナーパーティーを開催していたそうです。 お客様をおもてなしする時は、お客様に与える「印象」が大切だと語っていました。おもてなしをする際は、「驚き」と「感動」を与えられるように、お客様一人一人に合わせた演出を毎回考えているそうです。 家の立地が自分の価値につながる デヴィ夫人はスイス、フランス、ニューヨークに住んでいた経験から、家は必ず一等地が良いと語ります。フランスのパリではアベニュー・モンテーニュというプラザホテルの正面のマンションを購入したそうで、一等地に住むことで人々の尊敬を集めることができると教えてくれました。 また、一等地の家はもし手放したい時に売りやすいことも勧めるポイントのようです。 ニューヨークの高級マンション購入エピソード デヴィ夫人が住んでいたのは、ニューヨークのマンションの中でも「コープ」と呼ばれる住居です。コープに住むためには、日本とは異なり株式を購入します。そのため、銀行などの厳しい審査を通過する必要があります。 また、購入者の交友関係の調査、ニューヨークに住む著名人の推薦状が必要ということも教えてくれました。当時コープを東洋人で買ったのはデヴィ夫人ただ一人だったようです。 八木さんの、「一等地でも浮き沈みがあったり、何か変わっていくところもあるかと思うのですが、その価値は変わらないものですか?」という質問に対して、デヴィ夫人は「一等地は絶対値段が下がらない」という考えも語ってくれました。 本編では、海外での住み替え遍歴や住宅事情について詳しく語っています。ぜひ第1回の動画をご確認ください。 本編動画はこちら こちらの記事は前編と後編に分かれています。 気になる後編はこちら
「夢芝居」「神田川」「俺たちの旅」──これらの楽曲はいずれも昭和を代表する名曲ですが、その誕生の裏には、意外なエピソードや人との縁が隠されていました。 作詞、作曲を手掛けた小椋佳さん、南こうせつさん、中村雅俊さん(以下、小椋さん、南さん、中村さん)が語る、名曲の「舞台ウラ」。その言葉に耳を傾けると、あの頃の歌が、少しだけ近くに感じられるかもしれません。 この記事について この記事は、YouTubeチャンネル「SBIシニアの住まいとお金ch」で公開されている、小椋さん、南さん、中村さんのご出演動画に基づいて作成しています。動画の詳細はこちら(第1回・第2回・第4回)からご覧ください。 プロフィール 小椋さん、南さん、中村さんのプロフィールを簡単にご紹介します。 小椋佳(おぐら けい) 東京大学卒の元銀行員という異色の経歴を持つシンガーソングライター。「夢芝居」「シクラメンのかほり」「さらば青春」「愛燦燦」など、文学的な歌詞と繊細なメロディで多くの名曲を生み出してきた。 南こうせつ(みなみ こうせつ) フォークグループ「かぐや姫」のリーダーとして「神田川」「赤ちょうちん」「妹」などをヒットさせ、ソロでも「夢一夜」「満点の星」「夏の少女」などの名曲を発表。温かみのある歌声で昭和の青春を彩った。 中村雅俊(なかむら まさとし) 俳優としての活躍と並行して歌手活動を続け、「ふれあい」「俺たちの旅」「恋人も濡れる街角」などのヒット曲を持つ。ドラマとともに記憶に残る歌声で、今もなお世代を超えて愛される存在。 「夢芝居」は、偶然から生まれた名曲 小椋さんが作詞、作曲を手がけた「夢芝居」について、当時は『(作るのが)めんどくさいなと思ってた』と語っています。 雨でゴルフの予定が流れたある日曜に、自身も傑作だったと振り返る童謡を仕上げた勢いで、乗り気ではなかった梅沢さんの曲にも取りかかりました。ただ、気持ちはどこか投げやりだったようで、直前に仕上げた童謡のメロディを、メジャー調からマイナー調に変えただけの曲を『これでいいや』と渡してしまいます。 こうして生まれた「夢芝居」がまさかの大ヒット。『まさかヒットになるとは思わなかった』と語る小椋さんの言葉には、驚きと照れがにじんでいました。 「神田川」が描いた、昭和の暮らしと心情 「神田川」は、昭和の若者たちの暮らしと心情を、静かに、しかし深く描いた名曲です。南さんはこの曲について、作詞を手がけた喜多條忠さんが、自身の暮らしをそのまま歌詞にした作品であることを明かしています。 喜多條さんは、もともとラジオ番組の構成をしていた人物で、学生運動にも参加していました。そんな彼が、実体験をもとに綴った歌詞には、四畳半の部屋や銭湯の帰り道、赤い毛布といった、当時の若者たちの生活がリアルに描かれています。 「神田川」は、誰かの特別な物語ではなく、あの時代を生きた多くの人々の記憶に寄り添う一曲だからこそ、今もなお、静かに心の奥に残り続けているのかもしれません。 「俺たちの旅」がくれた、ジョージ・ハリスンとの出会い 「俺たちの旅」が大ヒットしたことで、レコード会社からフランスとイギリスへの旅行をプレゼントされた中村さんは、イギリス滞在中に思いがけない出会いを果たします。 当時、ビートルズのジョージ・ハリスンが社長を務めていたレコード会社の関係者と縁があり、なんとご本人の自宅を訪問することになったのです。『2時間も話したんですよ。大学時代に英会話クラブにいたのが、ここで役に立ちました』と笑顔で語る中村さんの姿からは、音楽がつないだ奇跡のような出会いに対する喜びが伝わってきました。 名曲の裏側にあった、等身大の物語 「夢芝居」「神田川」「俺たちの旅」──これらの曲の裏側には、作り手たちの素直な思いやエピソードがありました。名曲の裏側にある物語を知ることで、あの頃の歌が、少しだけ近くに感じられるようになります。 ここまで、「夢芝居」「神田川」「俺たちの旅」の3曲のエピソードに絞って紹介してきましたが、本編動画では、さらに詳しいエピソードや、違った議題でのトークもご覧いただけます。ぜひご視聴ください。 本編動画はこちら
この動画はこのようなお悩みをお持ちの方におすすめです ・60歳以上で住宅ローンの借り入れを検討している方 ・リ・バース60、親子リレーローンの違いを知りたい方 60歳以上でも住宅ローンを借りることはできる? 60歳以上の方で、住宅ローンを借り入れすることを検討している方は多いのではないでしょうか。近年、60歳以上の方向けの住宅ローンの選択肢が増えています。代表的なものとしては、毎月の支払いが利息のみになるリバースモーゲージ型住宅ローン「リ・バース60」や、自身の子どもと一緒に借入をする「フラット35(親子リレーローン)」があります。一般的な住宅ローンに比べて、商品性が複雑なため、内容が分からない方も多いのではないでしょうか。今回は、リ・バース60と親子リレーローンの仕組み、それぞれの違い、どんな人におすすめかを解説します。 リ・バース60とは リ・バース60とは、満60歳以上の方を対象とした、リバースモーゲージ型住宅ローンです。毎月の支払いは利息のみで、元金は債務者が亡くなった時に一括返済する仕組みです。一括返済する元金は、相続人が「担保不動産を売却して返済する」か「現金で返済する」かを選択できます。借入の際には、原則として法定相続人の同意が必要になります。毎月の支払いが利息のみのため、一般的な住宅ローンに比べると、毎月の支払額を抑えることができるのが特徴です。 親子リレーローンとは 親子リレーローンとは、主に親子で一つの住宅ローンを契約し、親子2代にわたって返済する住宅ローンです。契約時に定めた期間を親が返済し、その期間終了後に子に返済をバトンタッチする仕組みです。親が高齢でも、子を返済の後継者にすることで返済期間を長く設定できるのが特徴です。 どちらが自分に合っている? この動画では、どちらが自分に合っているかを詳しく解説しています。ぜひご覧ください。 SBIシニアの住まいとお金に相談 SBIシニアの住まいとお金では、住宅ローンのお悩みを経験豊富な住宅ローンのプロに直接相談できます。相談料等は全て無料です。セミナーや相談事例に関する質問や相談も受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください。 60歳からの住宅ローン相談はこちら
リースバックで損したくない方必見!リースバックの適正価格の計算方法とは? リースバック会社の見積もりは会社により様々な金額が提示されます。売買金額が高い会社や、賃料が安い会社など。複数社に見積もりを依頼するとどの会社とリースバック取引をするべきかどうか悩む方も多いのではないでしょうか。 本セミナーでは、リースバック利用後の最終的な手元に残る金額で比較する方法でと、何年住めるかという二つの指標で計算を行い、リースバック会社を選ぶ方法をお伝えします。また、リースバック契約前の最後のチェックポイントについて解説します。
リースバックの利用を検討している方必見!リースバックの見積もりを徹底解説 リースバックの利用を具体的に検討している方は、リースバック運営会社に仮査定(見積もり)の依頼をするのではないでしょうか。リースバックの見積もりでは、もちろん、売買金額や賃料は重要ですが、これら以外にも注意して確認すべきポイントがあります。今回のセミナーでは、リースバックの見積もりの注意点を徹底解説します。
専門家が解説する「リースバック」今さら聞けないリースバックを専門家が分かりやすく解説します。 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができるサービスです。リースバックを利用すれば、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。しかし、リースバックにはデメリットもあるので、特徴を理解したうえで利用することが大切です。今回は、リースバックの仕組みやメリット・デメリット、活用事例を紹介します。