「レポート」の記事一覧

  • 持ち家派が減少?

    持ち家派が減少?アンケート結果から住まいの実態を探る

    住まい選びは、暮らしに大きな影響を与えます。また、自宅は一度購入すると、そう簡単には売却や住み替えができなくなります。今後の住まいを検討する際に、他の人の考え方や動向が参考になるかもしれません。 この記事では、全国宅地建物取引業協会連合会の「2023年 住宅居住白書(全国の20歳以上の男女が調査対象)」から、住まいに関する実態と読み取れることを紹介します。 出典)全国宅地建物取引業協会連合会「2023年 住宅居住白書」 不動産は買い時か否か 「いま、不動産は買い時だと思いますか」に対する回答結果は下表のとおりです。 回答 2022年 2023年 買い時だと思う 6.4% 15.8% 買い時だと思わない 26.4% 37.0% わからない 67.2% 47.2% わからないと答えた人が20%減少し、買い時だと思う人、思わない人ともに、前年比で10%程度上昇しています。この結果から、「わからない」を除いた時に、買い時だと思う人の比率が増加していることがわかります。 まず、買い時だと思う理由として多く挙がったのは、以下の理由です。 今後住宅ローン金利が上昇しそうだから(今の金利が低いから):44.0% 不動産価値(価格)が安定または上昇しそうだから:24.9% 住宅ローン減税など住宅取得のための支援制度が充実しているから:24.6% 続いて、買い時だと思わない理由として多く挙がったのは、以下の理由です。 不動産価値(価格)が下落しそうだから:29.7% 自分の収入が不安定または減少しているから:25.4% 住宅ローン減税など税制優遇が見直されそうだから:12.5% これらの結果から、不動産価格の面では、上昇するよりも下落すると考える人が多数のようです。一方で、金利の面では、米国をはじめとする諸外国の政策金利が上昇していることもあり、「日本でも将来金利が上昇する」と予測し、金利が低い今のうちに住宅ローンを組んでおきたいと考えている人が多いようです。 収入の面については、「収入が安定しているから(買い時だと思う)」に対して、「収入が安定していないから(買い時だと思わない)」と回答する人が多くなっています。この結果から、収入への不安から不動産の購入に踏み切れない人が多いことが読み取れます。 持ち家派は賃貸派の約4倍 「あなたは「持ち家派」「賃貸派」どちらですか(現在の住まいは関係なし)」の回答結果は、持ち家派67.5%、賃貸派17.4%となりました。 <持ち家派の理由> 家賃を払い続けることが無駄に思えるから(56.8%) 落ち着きたいから(37.4%) 老後の住まいが心配だから(35.3%) 持ち家を選ぶ人は、自分のものではない賃貸住宅に家賃を払い続けることに抵抗があるようです。また、家に対して心理的、経済的な安心感を求める傾向があります。 <賃貸派の理由> 住宅ローンに縛られたくないから(45.3%) 税金や維持管理にコストがかかるから(34.3%) 不動産を所有しない身軽さがいいから(29.4%) 一方、賃貸を選ぶ人は、自由や身軽さを重視する傾向が見られます。また、固定資産税や火災保険料、修繕費などの維持管理コストにも敏感です。収入に対する不安から、多額のローンを組むことに抵抗がある人も多いと考えられます。 持ち家派は初の60%台となり、過去8年の調査で最低となりました。ただし、賃貸派も前年より減少しており、今回(2023年)から回答に「どちらともいえない」という選択肢が追加されています。それを考慮すると、全体的に大きな変化はないとも考えられます。 災害に対する意識が高まっている 災害に対する住まいの意識として、「あてはまる」と回答した結果は以下のとおりです。 築年数や構造(免震、耐震)について考えるようになった(35.2%) 緊急避難場所や防災マップ・ハザードマップを意識するようになった(35.2%) 地盤などの状況を意識するようになった(30.3%) 災害に対する意識は全体的に高く、3人に1人は免震やハザードマップ、地盤などを意識しています。 ハザードマップについて「知っている」と回答した人は83.8%で、認知度は高いようです。住んでいる地域のハザードマップを見たことがある人は、60代の75.1%に対し、20代は36.4%でした。関心度は年齢と比例して高く、若年層ほど無関心な傾向にあります。 全体的に災害への意識が高いのは、地球温暖化の影響で台風や洪水などの被害が増えていることや、日本は地震大国であり、過去に「東日本大震災」などの大地震も発生していることが理由だと考えられます。 また、宅建業法施行規則の改正により、不動産取引の重要事項説明においてハザードマップの確認が追加(2020年8月28日から施行)されたことも、意識の高まりにつながっている可能性があります。 関連記事はこちらハザードマップとは?使い方や活用ポイントを解説 介護を意識した住まい方が重視されている 「今後求めている住まい方」については、以下の回答が上位となりました。 介護が必要になっても年金の範囲内で安心して暮らし続けられる住まいの整備(26.5%) 中心市街地など利便性の高い都心居住の推進(21.2%) 職場の近くで住まう職住近接の推進(18.8%) 長寿命化の影響で、年代が上がるにつれて介護や金銭面を強く意識しており、老後を見据えて住まいを選ぶ傾向が見られます。一方で、年代が若いほど職住近接を求めており、住まい選びで通勤しやすさを重視しているようです。 関連記事はこちら老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説 空き家問題に対する意識は受動的である 少子高齢化の影響により、今後は空き家の急増が見込まれています。 空き家に関する現状調査では、「自身や家族の家が空き家になっている、または将来空き家になる可能性がある」と回答した人は35.0%です。そのうち、「話し合いをしていない」「放置、何も考えていない」と回答した人は6割を超えています。 空き家問題への対策については、補助金や税制優遇、行政からの働きかけが有効と考える人が多数を占めています。 多くの人が、空き家問題を認識しているものの、緊急性を感じておらず、問題を先送りしている人が多いのが現状です。また、「国や自治体が利用者に働きかけることで解決が見込める」と考えており、全体的に受け身の姿勢が見られます。 関連記事はこちら空き家を相続したらどうするべき?対処方法や税制特例について解説 まとめ 「持ち家か賃貸か」「住まいに何を求めるか」といったテーマは正解がなく、考え方は人それぞれです。ただし、一般消費者の動向は、自身の住まい選びの参考資料として活用できます。住まい選びで何を重視すべきか分からない場合は、本アンケートの調査結果を参考にしてみてはいかがでしょうか。 出典)全国宅地建物取引業協会連合会「2023年 住宅居住白書」 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!? 不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増や...記事を読む

  • フラット35利用者調査

    60歳以上のフラット35利用者が増加傾向!最新の実績調査を考察

    フラット35とは、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供している全期間固定金利型の住宅ローンです。借入時に返済終了までの金利と返済額が確定するため、長期にわたる返済計画を立てやすいのが特長です。 この記事では、住宅金融支援機構の「2022年度 フラット35利用者調査」の結果から、利用実績や読み取れることを紹介します。 フラット35の利用者は減少している フラット35の融資区分別(建て方別)の利用実績は下表のとおりです。 融資区分(建て方) 2021年度 2022年度(前年比) 注文住宅 8,200件 7,355件(-10.3%) 土地付注文住宅 20,429件 16,026件(-21.6%) 建売住宅 15,574件 11,128件(-28.5%) マンション 5,397件 4,278件(-20.7%) 中古戸建 8,363件 6,559件(-21.6%) 中古マンション 7,914件 5,796件(-30.7%) 合計 65,877件 51,142件(-22.4%) 出典)住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」 表からわかるとおり、すべての融資区分で利用者は減少しています。2022年度の全体利用実績は、前年と比較して-22.4%の減少となりました。 フラット35の利用者が減少したのは、借入時の金利が低い「変動金利型の住宅ローン」の人気が高まっていることが理由のひとつだと考えられます。国土交通省の調査によれば、住宅ローンの新規貸出額における金利タイプ別割合の推移は下図のとおりです。 〇新規貸出額における金利タイプ別割合の推移 出典)国土交通省「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」 変動金利型の新規貸出額は上昇が続いており、令和3年(2021年)度の割合は全体の76.2%となっています。一方で、令和2年度と令和3年度の全期間固定金利型の変動を見ると、+0.4%となっており、フラット35の利用者が減少する要因の説明にはなりません。 次に、下図は民間金融機関の住宅ローン金利の推移です。 〇民間金融機関の住宅ローン金利の推移 出典)住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」 変動金利型は、固定金利型に比べて借入時の金利が低く設定されています。近年、固定金利型の住宅ローン金利は上昇傾向にありますが、変動金利型に大きな変動は見られません。 これらの結果から、金利負担の軽減を重視して、変動金利型の住宅ローンを選ぶ人が増えていると考えられます。一方で、フラット35は年間5万件を超える利用実績があるのも事実です。 変動金利型は、市場金利が上昇すると返済額が増える「金利変動リスク」があります。借入時の金利は高くても、将来の利上げの可能性を考慮し、金利や返済額が変わらないフラット35を選択する人が一定数いることが考えられます。 フラット35の主な利用者は中間層 フラット35利用者の世帯年収を確認すると、2022年度の世帯年収別の利用割合は下表のとおりです。 世帯年収 利用割合 400万円未満 19.9% 600万円未満 39.2% 800万円未満 21.5% 1,000万円未満 9.5% 1,200万円未満 4.3% 1,200万円以上 5.6% 出典)住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」 2022年度のフラット35利用者は、世帯年収400~800万円が全体の約6割を占めています。平均世帯年収は634万円で、前年比+26万円となりました。一部のメディアでは「フラット35は審査に通りやすい」と説明されることもありますが、実際は一定以上の世帯年収がある中間層の利用が多いことが分かります。 一方で、住宅金融支援機構による「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】 」によると、住宅ローン利用者の800万円超の割合が40.3%となっています。このことから、住宅ローン利用者の中では、「相対的に年収の低い層」に利用されているとも言えます。 また、2022年度のフラット35利用者は、世帯年収400万円未満の割合も約20%あります。フラット35は、総返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)などの申込要件が明確に示されています。年収が400万円未満であっても、申込要件を満たせば利用できる可能性もあることが読み取れます。 出典)住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】」 フラット35の融資金額は依然上昇傾向 フラット35の融資金額の推移は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」 2022年度のフラット35の融資金額は、全ての融資区分において上昇しています。また、ここ10年は全体的に右肩上がりの傾向が見られます。 日本では、日銀の金融緩和政策により低金利が続いています。少ない金利負担で融資を受けられることが不動産価格の上昇を招いており、フラット35の融資金額の増加にもつながっていると考えられます。 年収倍率や総返済負担率も上昇している 融資金額が以前上昇している状況下で、フラット35の年収倍率と総返済負担率はどのように推移しているのでしょうか。まず、フラット35の融資区分別の年収倍率の推移は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」 2022年度のフラット35の年収倍率は、5.7~7.7倍となりました。この10年は、全体として右肩上がりで推移しています。また、フラット35利用者の2022年度の総返済負担率の割合は下表のとおりです。 総返済負担率 割合(前年比) 10%未満 4.5%(±0.0%) 15%未満 10.6%(-0.3%) 20%未満 18.4%(-0.8%) 25%未満 22.4%(-0.9%) 30%未満 27.5%(-0.7%) 30%以上 16.6%(+2.7%) 出典)住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」 2022年度の平均は23.1%(前年比+0.4%)です。総返済負担率が25%以上の割合は44.1%で、ここ10年で最大となりました。 融資金額の上昇に伴い、年収倍率や総返済負担率も上昇していることが分かります。この状況から、全体的にフラット35における取扱金融機関の積極的な融資姿勢も見て取れます。 40歳以上の利用者が増加傾向 今回の実績調査で最も着目すべき点は、フラット35利用者の年齢層が大幅に変化しつつある点です。フラット35の年齢別利用者割合の推移は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」 2022年度のフラット35利用者の平均年齢は42.8歳(前年度比+1.3歳)です。2020年以降、顕著に40歳代以上の利用者割合が上昇しています。利用者の高齢化が進んでいる要因には、持ち家から持ち家の住み替えの際に、フラット35を利用する人が増えていることが挙げられるかもしれません。 まとめ 調査結果を見ると、依然としてフラット35の利用者が減っており、住宅価格が上昇し、返済負担率も上昇している状況が続いていることが分かりました。一方で、今回の調査結果で特筆すべき点は、フラット35の利用者が高齢化している点です。フラット35が50代以上の住宅ローンの選択肢の一つとして台頭していることが分かりました。 住み替えたいのに住宅ローンを組む目途が立たない人は、フラット35を検討してみるのもいいかもしれません。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 シニアが住み替える際の4つのポイント シニア世代は、子どもの独立や退職などをきっかけに生活環境が大きく変化します。今住んでいる家がライフスタイルに合わなくなると、将来を見据えて住み替えを検討することもあるでしょう。 この記事では...記事を読む

  • 新築志向の日本で中古物件市場はどうなっている?国土交通省の調査から分析

    【分析】新築志向の日本で中古物件市場はどうなっている?

    住宅を購入する際、新築と中古のどちらにするかで悩む人も多いかもしれません。この記事では、国土交通省の調査から、日本国内の中古住宅市場について分析したうえで、どのような理由で新築と中古を選んでいるのかを紹介します。 日本は国際的に見ても新築志向 日本は国際的に見ても中古住宅より新築住宅を好む国民性であることが、国土交通省の「平成30年住宅・土地統計調査の集計結果」から分かっています。調査結果は以下のとおりです。 図:中古住宅流通シェアの国際比較 ※調査結果から著者が作成 市場規模は国によって異なりますが、日本は中古住宅が占める流通戸数の割合が、海外と比較して圧倒的に大きくなっています。この結果から日本は国際的に見ても新築志向であることが分かります。 出典)国土交通省「平成30年住宅・土地統計調査の集計結果」 中古住宅を選ばない理由は"新築が良いから" 国土交通省が実施した「令和4年度住宅市場動向調査」では、新築の戸建(分譲)と集合住宅(分譲)に住み替えた人が、なぜ中古住宅を選ばなかったのかを集計しています。それぞれの結果から、日本で中古住宅が選ばれない理由を見ていきましょう。 分譲住宅に住み替えた人の回答 まず、分譲住宅(戸建)に住み替えた人の回答は以下のとおりです。 図:分譲住宅(戸建)に住み替えた人の回答結果 ※調査結果から著者が作成 続いて、分譲住宅(集合住宅)に住み替えた人の回答は以下のとおりです。 図:分譲住宅(集合住宅)に住み替えた人の回答結果 ※調査結果から著者が作成 戸建と集合住宅に共通して、「せっかくのマイホームは新築にしたい」がかなり多いことが分かります。特に戸建の方が顕著で、戸建を検討する人は特に、中古より新築と考えている人が多いことが分かります。 一方集合住宅では、戸建と比べて「給排水管などの老朽化が懸念されたから」がやや多くなっています。集合住宅の場合、大規模な給排水管工事を行うのは困難なため、不安に感じてしまう人が多いと推測されます。 出典)国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」 中古住宅を選ばない理由 戸建と集合住宅の2つに分けて結果を確認しましたが、ここでも「せっかくのマイホームは新築にしたい」という理由が多くを占めることが分かりました。 それ以外の理由として多いのは、隠れた不具合があるのではないか、その後のリフォーム費用やメンテナンス費用が結局かなりかかるのではないか、といった理由でした。こうした中古住宅に対する不安が、日本の新築志向にも繋がっているのではないでしょうか。 日本の中古住宅取引数の推移 ここまでの結果を踏まえると、日本国内の中古住宅取引は需要があまりなく、衰退しているかのように思えますが、実態は異なります。国土交通省の「平成30年住宅・土地統計調査の集計結果」によると、日本国内の新築住宅と中古住宅の取引戸数は以下のように推移しています。 図:日本の中古住宅取引数の推移(万戸) ※調査結果から著者が作成 このように、新築住宅が多数を占めますが、中古住宅の取引戸数はずっと横ばいとなっています。このように、日本は新築志向である一方で、中古住宅にも常に一定の需要があることが分かります。 出典)国土交通省「平成30年住宅・土地統計調査の集計結果」 中古住宅を選んだ理由は"手頃感" 国土交通省が実施した「令和4年度住宅市場動向調査」では、中古住宅に住み替えた人が、なぜ中古住宅を選んだのかについても集計しています。集計結果から、中古住宅が常に一定の需要がある理由について分析します。 中古住宅を選んだ人の回答 まず、中古住宅(戸建)に住み替えた人の回答は以下のとおりです。 図:中古住宅(戸建)に住み替えた人の回答結果 ※調査結果から著者が作成 続いて、中古住宅(集合住宅)に住み替えた人の回答は以下のとおりです。 図:中古住宅(集合住宅)に住み替えた人の回答結果 ※調査結果から著者が作成 戸建と集合住宅に共通して、「予算的に見て中古住宅が手頃だったから」が多数を占めています。新築の値上がりが激しく、予算の都合で中古住宅を選ぶ人が多いことが推測されます。 また、そういった現状の中で、リフォームを前提に購入した人や、リフォーム済みの中古住宅を購入した人が多数を占めており、中古住宅に対する不安や不満をリフォームによって解消している人が多いことも分かります。 出典)国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」 中古住宅を選んだ理由 中古住宅を選んだ理由で最も多いのは、「予算的に見て中古住宅が手頃だったから」でした。「令和4年度住宅市場動向調査」によると、各住宅の全国平均取得金額は以下のとおり推移しています。 図:各住宅の全国平均取得金額(万円) ※調査結果から著者が作成 出典)国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」 見てのとおり、中古と新築では金額にかなりの差が生まれていることが分かります。令和4年度の結果で比較すると、戸建では1,622万円、集合住宅では2,414万円もの差があります。ここまで金額の差が生まれている以上、予算面で中古を選ばざるを得ない状況も十分に考えられます。 まとめ 日本は新築志向である一方で、予算面の都合から中古住宅も一定の取引戸数を保っていることが分かりました。新築志向は未だ根強いですが、中古住宅を選んで予算を抑えつつ、リフォーム等を行うことで不安を解消し、理想の住まいを実現するのも一つの選択肢ではないでしょうか。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 建物状況調査とは?メリット・デメリットと手続きの流れを解説 中古住宅は新築より割安な価格で購入できるのが魅力です。しかし、元の所有者の維持管理や築年数などによって、品質に差が生じるため、購入する際には、性能や品質に問題がないか不安を感じるのではないで...記事を読む

  • 住宅ローンの借り換えは効果がほとんどない?実態調査から見えたこと

    住宅ローンの借り換えはなぜ行った?実態調査から見えたこと

    住宅ローンの返済を続けていると、毎月の返済を軽減できないかを考えることもあるでしょう。住宅ローンの借り換えを行うことで返済負担を減らせる可能性もありますが、タイミングを見誤ると、思ったより効果が得られないこともあります。 この記事では、実際に住宅ローンの借り換えを行った人を対象として住宅金融支援機構が行った、「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」の結果をご紹介します。直近住宅ローンの借り換えを行った人の実態を掴み、住宅ローンの借り換えは本当に効果が得られるのかについて考えてみましょう。 住宅ローン借り換えの実態調査の概要 住宅ローン借り換えの実態調査とは、住宅金融支援機構が毎年行っているインターネットによるアンケート調査です。2023年5月時点で最新の2021年度調査は、2021年4月から2022年3月に居住用の住宅ローンの借り換えを行った人(学生、無職の人を除く)を対象に調査が行われ、998人からの有効回答を得ました。 調査結果①:借り換え後の金利タイプ 借り換え後の金利タイプについて、回答結果は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」 借り換え後の金利タイプは、変動型が半分を占め比較的安定している一方で、固定期間選択型が増加傾向にあり、全期間固定型が減少傾向にあります。 続いて、借り換え前の金利タイプにも着目します。借り換え後にどの金利タイプを選択したかを、借り換え前の金利タイプ毎に分けると以下のとおりです。 (調査結果から著者が作成) 借り換え前の金利タイプが変動型もしくは固定期間選択型の人は、金利タイプを変えずに借り換える場合が最も多く、全期間固定型へ借り換える人が最も少ないことが分かります。一方で、全期間固定型は他2つとは異なり、借り換え前と違う金利タイプを選択している割合が大きいことが分かります。 以上のことから、借り換え前の金利タイプを変えずにより条件の良いローンで借り換えようと考える人が多数派である一方、全期間固定型は約半数が違う金利タイプに変更することが伺えます。また、借り換え前の金利タイプを変える場合は、変更先として変動型、固定期間選択型、全期間固定型の順番で多く選択されていることも分かります。 調査結果②:借り換えた理由 金利タイプごとの借り換えた理由の回答結果は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」 借り換えの理由として金利タイプ問わず多い理由は、「金利が低くなる」「返済額が少なくなる」と、月々の返済額を減らすためでした。一方で、今後変動型で借り続けることに対して不安に思い、一定数固定期間選択型や全期間固定型に借り換えていることも分かります。 調査結果③:毎月の返済額の増減 金利タイプごとの毎月の返済額の増減に関する回答結果は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」 どの金利タイプであっても大多数は月々の負担軽減に成功している一方で、かえって返済額が増加してしまった人も一定数いることが分かります。 変動型について 変動型に変更した人の月々の返済額の増減を見ると、返済額が結局変わらなかった、もしくは増加してしまった人が約3割を占めることが分かります。さらに返済額が減少した人の中でも、その7割近くは10,000円未満の減少に留まっています。 前述の調査結果より、変動型に変える人は月々の返済額を減らすことを目的として借り換える人がほとんどです。その割には十分な効果が得られなかった人や、目的を達成できなかった人が多い実態がこの調査結果から読み取れます。 固定期間選択型について 固定期間選択型に変更した人の月々の返済額の増減を見ると、返済額が結局変わらなかった人から20,000円以上減少した人まで満遍なく存在していることが分かります。また、返済額が増加してしまった人の割合が、他の金利タイプよりも少ないことも特徴です。 実態として、固定期間選択型を選択した人は、他の金利タイプを選択した人と比較して効果的に借り換えできていると言えるでしょう。ただし、固定期間選択型を選択すれば成功確率が高い、とは言い切れないので注意してください。 全期間固定型について 全期間固定型に変更した人の月々の返済額の増減を見ると、形状が変動型と類似していることが分かります。ただ、変動型と大きく異なるのは、返済額が増加した人がかなり多い点です。 なお、全期間固定型で返済額が増加した人の中には、返済額の増加を許容したうえで変動型への不安を理由に借り換えた人が含まれます。そのため、全期間固定型は変動型以上に「返済額を減らすつもりがかえって増えてしまった人が多い」とは言い切れません。一方で、全期間固定型に借り換えてすぐに返済額を減少させるのは、他の金利タイプと比較すると難しいと言えるでしょう。 住宅ローンの借り換えをなぜ行ったのか ここまでの調査結果を振り返ると、住宅ローンを借り換える理由として返済額の減少を目的としていた人が多いのに対し、毎月の返済額が変わらない、増加したという人が20%前後いることが分かりました。 毎月の返済額の減少額が変わらない、増加したと回答した人が借り換える理由は、金利が低い住宅ローンに借り換える際に、併せて返済期間を短くした結果、毎月の返済額減少という意味ではメリットがなくなったと考えられます。 そのほか、今回の調査結果では読み取ることができませんが、住宅ローンを借り換える理由として「金利タイプを変更したい」「団信の内容を拡充したい」という目的を持つ人も一定数いることが推察されます。 また、住宅ローンの借り換えの際には、以下のような費用がかかることには注意が必要です。 完済にかかる費用:繰り上げ返済手数料、抵当権抹消登記費用など 借入にかかる費用:保証料、事務手数料、抵当権設定費用、印紙税など 借り換え時には必ず上記費用が発生するので、目先の金利減少や毎月の返済額減少だけで判断するのではなく、総合的に判断することが重要となります。 また、費用以外でも、借り換えのための手続きには一定の労力がかかります。「労力に見合った借り換え効果を得られるか」という視点で考えることも大切です。 まとめ 住宅ローンの借り換えを適切なタイミングで行うことによって、月々の返済額を減らすことができる可能性があります。しかし、「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」から、住宅ローンの借り換えた人の多くが十分な効果を得られていないと推測されます。 こうした実態を踏まえると、住宅ローンの借り換えは必ずしも効果的であるとは言えないため、借り換えを検討する際には「本当に効果があるのか」を考慮する必要があります。費用や労力に見合った効果が得られるか、しっかりと試算したうえで判断しましょう。 出典)住宅金融支援機構「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ロー...記事を読む

  • 年金のみで生活できるのは5人に1人

    年金のみで生活できるのは5人に1人

    近年、「老後破産」という言葉は様々なメディアなどで取り上げられています。公的年金の財源や年金支給年齢引き上げの問題など、老後の生活に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、現在持ち家所有者である60歳~65歳の男女395名を対象に、SBIエステートファイナンスが老後破産に関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 年金のみで生活できるのは5人に1人 Q1.老後破産への不安はありますか? 老後破産への不安については、「不安がある」(36.7%)と「どちらともいえない」(34.2%)の回答が全体の70.9%となり、多くの人が老後破産について「不安はない」と言えないことが分かります。 【考察】 出典)内閣府『令和2年版高齢社会白書(全体版)』 内閣府が2019年に実施した「高齢者の経済生活に関する調査」によると、60~64歳の高齢者は25.6%の人が「家計にゆとりがなく、多少心配である」、もしくは「家計が苦しく、非常に心配である」と回答しています。 SBIエステートファイナンスの調査は、内閣府による調査と集計方法や対象が異なるものの、老後破産について「不安がある」と回答した人が多い結果となりました。 次回の内閣府の調査では、新型コロナウイルスの影響や近年の物価上昇などを受けて、家計にゆとりがないと回答する人が増加するかもしれません。 Q2.将来、年金(厚生年金と国民年金)のみで家計収支はプラスになる予定ですか? 年金のみで家計収支がプラスになるのは19.5%で、80.5%の人は年金だけでは老後の生活費を賄えないと認識していることが分かります。 【考察】 厚生労働省の2021年度の調査によると、老齢年金の平均年金月額は145,665円であると分かります。また、家計年報によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均支出は225,550円です。これらの調査は、あくまでも収入と支出のそれぞれの平均値であり、家計収支がプラスである人がどれくらいいるのかは不明でした。 一方で、SBIエステートファイナンスの調査では80.5%の人の家計収支がマイナスであるということが分かり、平均年金月額と平均支出の約80,000円の差からも納得できる結果となりました。 出典) ・厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金令和4年12事業の概況』 ・令和2年度家計年報 Q3. 年金(厚生年金と国民年金)と将来想定される年金以外の収入(株や不動産収入等)で家計収支はプラスになりますか? 年金以外に想定される収入を含めたとしても、家計収支がプラスになる人は20.5%しか増えず、「いいえ」が60.0%を占め、老後の家計収支をプラスに出来ない人が大半であることが分かります。 年金以外に収入があっても、4人に1人は老後破産が不安 Q4.将来想定される年金(厚生年金と国民年金)と将来想定される年金以外の収入をすべてお答えください(複数回答可) 「個人年金保険」が39.2%ともっとも多く、次に「株式などの配当収入」が37.0%、「確定拠出年金」が25.3%とのことです。年金以外の収入を準備されていない人は15.9%となっています。 年金以外の収入源を持つ人の老後破産への意識の違い 年金以外の収入源が「無し」と回答した15.9%の人のうち、58.7%が老後破産について「不安がある」と回答しており、年金以外の収入源がある人と比較すると、老後破産への不安が高いことが分かります。 【考察】 「株式などの配当収入」や「民間の個人年金保険」の収入がある人は、約40%近くが「不安はない」と回答しています。一方で、「確定拠出年金」の収入がある人では、28.0%しか「不安はない」と回答していません。 確定拠出年金の制度が始まったのは2001年からのため、現在60~65歳の人は確定拠出年金だけでは、十分な収入になっていない可能性があります。また、「株式などの配当収入」や「不動産収入」がある人でも、4人に1人以上は老後破産について「不安がある」と回答しており、たとえある程度の資産を所有している人でも、老後破産は他人ごとではないのかもしれません。 まとめ 5人に1人しか年金のみでは家計収支はプラスにならず、安心した老後の生活を送るためには、年金以外の収入を早くから準備しておく必要があることが分かりました。まずは現時点での老後の収入金額の把握と、現時点での支出も踏まえ、節約できる費用なども考慮し、将来家計収支をプラスに出来るかどうかを確認しましょう。もし難しい場合は、収入を補填するための資産形成や住まいの資産価値の有効利用も含め、早めの対策をすることが大切です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後破産とは?その原因と事前の準備・対策を解説 「老後破産」は、日本人の高齢化などにより、取り上げられるようになったテーマの一つです。様々なメディアなどで目にする機会も増え、老後の生活を不安に感じる人もいるでしょう。 この記事では、老後破...記事を読む

  • 終活の認知は高いが、実際に行っている人は約1割

    終活の認知は高いが、実際に行っている人は約1割

    近年、「終活」という言葉は様々なメディアなどで取り上げられています。一方で、終活に実際に取り組んでいる人がどれくらいいるのか、わからない人も多いでしょう。 そこでこの記事では、現在持ち家所有者である20歳以上の男女321名を対象に、SBIエステートファイナンスが終活と住まいの終活に関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 終活は認知度が高いが実際には行われていない Q1.終活という言葉を知っていますか? 終活という言葉は2009年に雑誌連載から生まれた言葉とされ、比較的新しい言葉にもかかわらず、認知度は93%と浸透していることがわかります。なお、表は省略していますが、すべて年代でほとんど違いはなく、90%程度の認知度となりました。 Q2.ご自身の終活は行っていますか? もしくは今後行いたいと思いますか? すべての年代で「今後行いたい」が最も多く、「すでに行っている」と答えた割合は約10%と大変少ないことがわかります。60代以上の人でも少ないことから、60歳を超えても自分事にできていないことがわかりました。 高齢になるほど終活を専門家に相談しない Q3. 終活について誰かに相談したことはありますか? 相談したことがないと回答した割合が約80%となっています。 Q4. 終活の相談をしたことがあると答えた人にお伺いします。実際に誰に相談しましたか?(複数回答可) 年代が下がるにつれて「親しい友人・知人」が多く、反対に年代が上がるにつれて「子ども」と答えた人が多くなり、60代以上では過半数を占めることがわかります。 Q5. 終活の相談をしたことがないと答えた人にお伺いします。今後、もしも相談するとしたら誰にしますか?(複数回答可) 40代以下と50代については「専門家」へ相談するとの回答が多く、60代以上では「子ども」が多いことがわかります。 【考察】 終活の相談をしたことがある人もない人も、年代が上がるにつれて「子ども」に相談する割合が増えています。これは自身や子どもの年齢が上がるにつれて、終活がより自分事になってくることや、子どもが相談相手として適任になってくるからと考えられます。 一方で、終活の相談をしたことがある人は年代が上がるにつれて「専門家」に相談する割合が増えていますが、相談をしたことがない人は年代が上がるにつれて割合が下がっています。この結果は、年代が上の人は親族への相談で解消できると考えていたが、実際は相談内容がより専門的な内容になることで親族や子どもでは問題を解消できずに、結果として専門家に相談せざるを得ない状況になったのではないでしょうか。 終活のきっかけは年を取ったと感じたとき Q7. 何がきっかけで終活に取り組むと思いますか?すでに取り組んでいる人は取り組んだきっかけを選んでください(複数回答可) 終活に取り組むきっかけはすべての年代で「自分が年を取ったと感じたとき」が最も多い結果となりました。終活と関連したイベントに「遺言書の作成」がありますが、遺言書に関する調査によると、「遺言書の作成」に取り組むきっかけは「自身の体調不良」が最も多いとされています※。遺言書は死に直面した際に行うもの、終活は健康なうちに行うものといった、意識の違いがあるのではないかと考えられます。 ※出典)公益財団法人日本財団「遺言書に関する調査」 Q8. ご自身が相続をする際、ご自宅をどのように相続させたいですか? 「不動産として相続させたい」がすべての年代で最も多いことがわかります。 Q9.ご両親の家の相続方法はどのように考えていますか? 大きな特徴は見られませんでしたが、高齢になるにつれて「相続することは考えていない」人が多くなることがわかりました。 【考察】 2世代にわたる家の相続方法を確認したところ、自分の家は「不動産として相続させたい」がすべての年代で1番多いことがわかりました。一方で、両親の家の相続については、年代が上がるにつれて「相続することは考えていない」が増えていくことがわかりました。 「不動産として相続させたい」が1番多い要因は、いずれの年代も子どもと過ごした持ち家には愛着があり、そのまま子どもに住んでほしいという想いがあるのではないでしょうか。 一方で、年代が上がるにつれて「相続をすることは考えていない」が多くなる要因は、自身も自立した生活を送っており相続を受ける必要がないため、両親が築いた資産は本人達が好きに利用すればよいという想いがあるからかもしれません。 まとめ 「終活」を認知しているものの、実際に行っている人は約1割ということがわかりました。また、相続をする側とされる側の認識の違いがあることも示唆される結果となりました。「終活」と聞くと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、親子間で財産をどうするか話すだけでも立派な「終活」です。争続にならないためにも、親子で話し合う「終活」を行ってみてはいかがでしょうか。 参考)SBIエステートファイナンス 終活の認知度は9割、終活を行っているのは約1割、重い腰を上げるのは加齢への自覚~SBIエステートファイナンスが「終活と住まいの相続」に関するアンケート調査を実施~ 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 終活とは?終活では何を準備すればいい? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際...記事を読む

  • シニアが自宅売却と物件購入を同時に実現する難しさ

    シニアが自宅売却と物件購入を同時に実現する難しさ

    定年退職や子どもの自立などによって、現役世代とはライフスタイルが大きく変化する高齢者世帯は多いのではないでしょうか。ライフスタイルが変化すると、より快適な家を求めて住み替えを検討するかもしれません。 そこでこの記事では、現在持ち家所有者である60歳以上の男女104名を対象に、住み替えに関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 住み替えたい理由はリフォームでは対応できないから Q1. 住み替えたい理由を教えてください(複数回答可) 「建物の老朽化」と「間取りへの不満(広すぎる、狭すぎる)」がともに38%と、簡易なリフォームでは解決しにくい建物への不満であることがわかりました。これらの不満を解決するには建て替えや間取り変更を伴うリフォームが必要であるため、そういった手間や費用をかけるのであれば、自宅を住み替える選択をするのかもしれません。 住み替えで最も重視する点は利便性、最大の不安は資金面 Q2. 住み替えにあたって不安に感じることはありますか?(複数回答可) やはり「資金面」に不安を抱える方が最も多く、38%が不安を感じていました。次点は「荷物の整理・処分」で35%、「生活環境の変化」が30%と続いています。 Q3.住み替えで最も重要視するのはどこですか? 最も重視するのは「買い物、交通、病院などの利便性」の41%で他の選択肢を大きく引き離した結果となりました。シニア世代が普段の生活のしやすさを重視していることが分かります。一方で、住み替え先を選ぶ基準として、「家族との同居・近居」や「物件の資産価値」、「バリアフリー整備の充実」などの優先順位は低いようです。 約半数が住み替えの予定が立っていない、最大の理由は資金面 Q4. 実際に住み替える予定はいつですか? 「住み替え意向がある」にもかかわらず、「実際に住み替える予定は立っていない」人が45%となりました。「10年以内」というやや住み替えへの意識が低い方も含めれば、半数以上の人が住み替えへの目途が立っていないようです。 Q5. 住み替える予定が立っていないのはなぜですか? 住み替える予定が立っていない理由を見てみると、「希望に合う住み替え先がないから」が約半数という結果となりました。続いて、「住み替え費用が用意できないから」が36%となりました。 多くは住み替え先が見つからないためですが、資金不足が原因で積極的に情報収集に取り掛かれていないのかもしれません。なお、Q3でシニアが重視するのは圧倒的に利便性の高い物件でしたが、希望の利便性と購入可能予算内で物件を探すのは、シニアにとって非常に難しいことかもしれません。 住み替え資金を自宅の売却で考えるとハードルが高い Q6. 住み替えの費用をどのように捻出する予定ですか? 「自宅の売却」で住み替え費用を捻出しようとしている割合は約半数にのぼりました。 その一方、「住宅ローン」を利用しようとしている人はたった5%にとどまっています。 【考察】 一連のアンケートから、住み替え意向がある60歳以上の方の多くが、実際には”住み変えられない”という結果が得られました。約半数は希望に合う物件がないという理由でしたが、次いで資金面の課題が多いことがわかりました。 住み替え資金が用意できないという理由には、住み替え予算に自宅の売却資金を見込んでいることが原因でしょう。新居に自宅の売却資金を使うためには、新居の購入前に自宅を売却するか、購入と同時に自宅を売却することが一般的です。 上記のような一般的な売却を行うと、仮住まいが必要になってしまうこと、新居の選定か自宅の売却価格に妥協せざるを得ない場合があること、購入と売却のスケジュール調整が難しいことなど、いくつかの課題が発生します。これらがシニアの住み替えを難しくしている要因ではないでしょうか。 まとめ 住み替え意向がある60歳以上の人の約半数が、「実際に住み替える予定がない」という結果となりました。さらに、利便性を求めることで希望に合う住み替え先が見つからないほか、自宅の売却と住み替えの両立が難しいという理由で、住み替える予定が立たないことがわかりました。 資金面や仮住まいの問題のため住み替えが出来ないシニア世代の方々は、高齢者向けの住宅ローンであるリ・バース60やリースバックなどのサービス利用を検討してみましょう。既存のサービスでは実現出来なかった、スムーズで賢い住み替えができるかもしれません。 SBIシニアの住まいとお金で『住まいとお金ガイドブック』無料進呈中 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説 老後に豊かな生活を送るには、ライフスタイルに合わせて住まいを選ぶ必要があります。しかし、住まいを選ぶ際には多くの選択肢があるので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 老後...記事を読む

  • シニアのYouTube利用率は約9割、動画は文字より2倍好まれる

    シニアのYouTube利用率は約9割、動画は文字より2倍好まれる

    娯楽としてだけでなく、学習の際にも利用できるYouTubeですが、シニア世代がどれくらい利用しているかイメージがない方も多いでしょう。また、情報収集の際、シニアといえばテレビや雑誌から情報収集を行っているイメージがあるかもしれません。 この記事では、持ち家がある60歳以上の男女257名を対象に、YouTube利用や情報収集に関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 YouTubeの利用率は約9割 Q.YouTubeを視聴したことがありますか? 「はい」が87%という結果になりました。若い世代が利用するイメージが強いYouTubeですが、シニア層にも大いに浸透していることがわかります。 Q.YouTubeを視聴する際に最も使用する端末を教えて下さい。 「パソコン」が62%という圧倒的な結果となりました。続いて、「スマホ」が25%と続きます。テレビを好むとされるシニア世代ですが、テレビでYouTubeを視聴する割合は、現在のところ少ないようです。 シニア世代も情報収集はWEBメディアで行う Q.住み替えやリフォームなどの住まいに関する情報は、どこで収集しますか? 「WEBサイト」が38%となり、オールドメディアと呼ばれる「新聞・雑誌」(23%)、「テレビ・ラジオ」(13%)を大きく上回りました。シニア世代においても情報収集の手段としてすでにデジタルへ移行している結果となりました。 文字よりも動画のほうが約2倍わかりやすいという結果に Q.住み替えの情報に関する動画と記事があります。どちらがわかりやすかったですか? ※下記の動画と記事をそれぞれ閲覧いただき、ご回答いただいています。 【動画】 https://www.youtube.com/watch?v=iha5sJWK5oM 【記事】 関連記事はこちら仮住まいなしで住み替えをする5つの方法 「動画」(20%)、「どちらかといえば動画」(33%)の合計が全体の53%となり、記事を上回る結果となりました。次に動画のほうがわかりやすいと感じた理由を確認しましょう。 「情報が目で見て分かりやすく、必要な情報がコンパクトにまとめられていると感じたため」(62歳・男性) 「自然と内容が頭に入ってくるから」(77歳・女性) 「映像(動画)説明の方が、視覚による変化などを適格に捉えやすい」(69歳・男性) 一方で、記事のほうがわかりやすいと感じた理由は下記のとおりです。 「理解できるまで何度も繰り返し読むことができる」(70歳・男性) 「動画は早すぎるので、活字で自分のペースで理解していくほうが自身には合っていると思ったから」(64歳・女性) 【考察】 動画のほうが分かりやすいと感じた理由としては、情報を視覚と聴覚から得られること、コンパクトにまとまっている点が挙げられています。これらのことから、動画が必ずしも万人にとって良い手段であるとはいえないものの、動画は情報収集において有用なツールであると言えそうです。一方で、理解できるまで繰り返し確認できる点など、自分のペースで学べる点については記事の長所であるといえるでしょう。 YouTubeで情報収集したいと思った人は約半数 Q.今後、YouTubeで情報収集したいと思いますか? 「そう思う」(25%)、「どちらかといえばそう思う」(23%)が全体の48%と関心の高さが伺える結果となりました。今後、情報収集という場においてもシニア世代にYouTubeが浸透していくことは間違いなさそうです。 その理由としては下記のような回答が得られました。 「手軽に情報取集できる」(74歳・男性) 「視覚でわかるので、とってもわかりやすい」(60歳・女性) 「いいコンテンツが見つかれば楽に情報収集ができる」(63歳・男性) 「楽しい情報が得られそう」(74歳・女性) まとめ シニア世代のYouTube利用率は約9割となりました。視聴する端末はパソコンが多数を占め、スマホよりパソコンを好むというシニア世代の特徴が見受けられます。一方、テレビで視聴する方はまだまだ少数です。テレビを好むとされるシニア世代ですので、今後ネット動画対応のテレビが増えるにつれて、テレビでのYouTube視聴が増えていくのではないでしょうか。 また、住まいやお金に関する情報コンテンツを動画と記事でそれぞれ情報を取得してもらったところ、動画の方がわかりやすいという回答が2倍程度となりました。シニア世代の情報収集のツールとして、YouTubeがさらに拡大しそうです。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 終活の認知は高いが、実際に行っている人は約1割 近年、「終活」という言葉は様々なメディアなどで取り上げられています。一方で、終活に実際に取り組んでいる人がどれくらいいるのか、わからない人も多いでしょう。 そこでこの記事では、現在持ち家所有...記事を読む

    2022.08.03レポート
  • リフォーム予定のシニアは約4割、一方で2割が資金に悩む

    リフォーム予定のシニアは約4割、一方で2割が資金に悩む

    60歳を越えると、定年退職や子供の自立など、ライフスタイルが大きく変わる人も少なくないでしょう。自身が所有する住まいについても同様に、設備の故障や経年劣化によって、リフォームを検討する人も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、持ち家がある60歳以上の男女500名を対象に、リフォームに関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 詳細はこちら シニアのリフォーム予定は約4割、その半数が費用を200万円未満と想定、資金不足に悩むシニアは約2割!~SBIエステートファイナンスが「シニアのリフォーム」に関するアンケート調査を実施~ 約4割がリフォームを予定している Q. 今、住んでいる物件のリフォームを検討していますか? 「リフォームを予定している」と回答した方は約4割でした。この回答から、60代にもなるとリフォームの必要性を感じる方が多いことがわかります。 Q. 何年後にリフォームを予定していますか?(リフォームを予定していると回答した方) リフォームの予定時期は「半年以内」が10%、「1年以内」が11%と、1年以内にリフォームを計画している人が約2割いることがわかりました。また、未定が4割であることから、いずれリフォームが必要と考えているが、それほど緊急度の高いリフォームではないことも推察されます。 リフォーム費用は約5割が200万円以下という結果に Q. リフォーム費用はどの程度で考えていますか?(リフォームを予定していると回答した方) リフォームの費用は、最も多い回答が「100万円以上200万円未満」で30%、「100万円未満」が17%となり、200万円以下のリフォームに留める方が約半数であることがわかりました。このことから、大規模な修繕工事ではなく、最低限の修繕にとどめたリフォームを検討していることが多いことがわかります。 Q. リフォーム費用はどのように準備する予定ですか?(リフォームを予定していると回答した方) リフォーム費用は、約8割の人が貯金から準備する予定であり、「資産(株、投資信託等)の売却」を足すと9割以上となります。このことから大半の人が保有する資産の中からリフォーム費用を準備することがわかりました。 一方で、リフォームを予定しているが、「ローン」を利用するという人が4%、「当てがない」という人も4%おり、リフォームは必要になると考えているものの、どのようにリフォーム資金を準備するか悩んでいる人も一定数いるようです。 全体の2割近くが資金面を理由にリフォームを予定していない Q. リフォームを予定していない理由はなぜですか?(リフォームを予定していないと回答した方) リフォームを予定していない理由は、「現在の住宅に全く不満がない」という理由が34%でした。また、既にリフォームを実施済の人も25%いることから、リフォームを予定していないシニアの方の約6割はライフスタイルに合った自宅に住んでいることが推察されます。 一方で、リフォームを予定していない理由の中には、「費用がかかりそう」が15%、「費用が用意できない」が15%といったように、資金面で悩みがあることもわかりました。この結果とリフォームを予定しているが資金面で悩んでいる人を足し合わせると、資金面でリフォームに悩んでいる人は回答者全体の約2割となることがわかりました。 まとめ 今回の調査によると、シニア世代のほとんどが貯金などからリフォーム費用を準備する一方で、資金面で悩んでいる人が全体の2割を占めることがわかりました。また、リフォーム費用を低く見積もる方も多く、どれくらいの費用をかければどの程度のリフォームができるかを正しく把握できていない可能性もありそうです。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 シニアがリフォームする際のポイントや間取り事例を紹介 年齢を重ねてくると、購入当時の住まいでは生活のしづらさを感じる場面が増えてくるものです。ライフスタイルに合った住環境を作るために、選択肢の1つとしてリフォームを考えることもあるでしょう。しか...記事を読む

  • 50代以上に聞いた!老後に対する不安は?

    老後に対する不安の1位は健康、2位は資金、約6割が老後資金不足で悩む

    近年「老後2,000万円問題」など、老後に対して不安を覚える情報が様々なメディアで取り沙汰されています。しかし、実際に老後資金としていくら必要と考えているのか、いくら用意できているのかは三者三様です。 そこで今回は、持ち家がある50歳以上の男女200名を対象に、老後の生活資金や持ち家の所有・管理についてどのような不安を抱いているのか、アンケート調査を実施しました。 老後の不安は「健康」「老後の生活資金」「介護」 Q1:老後の暮らしに不安がありますか?不安がある方は、どのようなことに不安を感じているか、選んでください。 老後の不安に対する調査をしたところ、91.0%が不安を感じていました。「健康面で不安がある」が51.5%で一番多く、「老後の生活資金について不安がある」が48.5%、「介護について不安がある(自身・配偶者・親など)」が41.5%と続いていました。老後の不安を解消するには、健康だけでなく、お金の面でも十分な準備をしておく必要がありそうです。 老後資金は「2,000万円以上」あると安心 Q2:老後の不安を解消するため、いくらくらいの老後資金があれば安心と考えていますか?(厚生年金などの年金を考慮しない場合) 老後の不安を解消するため「2,000万円以上必要」と回答した方は58.0%いました。価格帯別では「2,000万円以上~3,000万円未満」が21.0%と最も多く、「4,000万円以上~5,000万円未満」が12.5%、「3,000万円以上~4,000万円未満」が11.5%と続いています。 かつて、金融庁の報告書で「老後30年間で約2,000万円が不足する」と受け取れる試算が示され、大きな話題になりましたが、「わからない」を除くと約8割が2,000万円以上あれば安心と考えていることがわかりました。 老後資金を思うように準備できていない人は約6割 Q3:老後の資金について、現時点でいくらくらい準備できていますか? 老後資金を現時点で2,000万円以上準備できている方は27.0%にとどまっています。一方で、27.0%が「全く準備できていない」と回答したほか、14.5%が「500万円未満」と回答するなど、老後資金を思うように準備できていない方が6割近くになりました。 Q4:持ち家とその借入を除く、現金、預貯金、有価証券、不動産などの資産はどのくらいですか?なお、計算する際には、老後資金として準備している金額(Q3)も含めてください。 また、持ち家とその借入を除く資産額を調査したところ、2,000万円以上の資産を保有している方は27.0%にとどまりました。さらに気になるのは、32.5%の方が「わからない」と回答したことです。老後不安を解消するためには、必要な生活資金を早めに確保しておきたいところです。そのためにも、まずは自身の資産状況を把握しておきましょう。 持ち家に住み続けたいがリフォームに関して約半数が不安 Q5:今後、持ち家をどのように利用する予定ですか? 現在の持ち家を「住み続ける」と回答した方は66.5%で、そのほかには「売却する」が7.0%や「生前のうちに子どもに譲る」が5.5%など、具体的なプランをお持ちの方がいました。一方で13.5%が「考えたことがない」と回答しています。持ち家に長く住み続ける予定の方が多数を占めましたが、一方で約8割が持ち家に対して何らかの不安を抱いていました。 Q6:持ち家の今後についてどのような不安を抱いていますか? 具体的な不安として、最も多かったのは「修繕費やリフォーム代、固定資産税など維持をするための費用が心配」の48.5%でした。そのほかには「家は残したいが、誰も継いでくれない」が12.5%や「費用以外の問題で、今の家に住み続けるのが難しくなりそう」が11.0%など、切実な悩みを抱えている方もいました。 持ち家に資産価値がある人は過半数 Q7:持ち家はどのような経緯で取得しましたか? 持ち家を「住宅ローンで購入し、現在も返済中」と回答した方は19.5%でした。一方で、持ち家に抱いている不安は、6.5%が「住宅ローンを完済できるか心配」と回答しています。これらを重ね合わせてみると、住宅ローン返済中の3人に1人が「完済できるか不安」と感じており、家計が厳しい方も少なくないようでした。 約半数が持ち家の資産価値を「わからない」と回答 また、持ち家の資産価値を「住宅ローン残高のほうが多い」と回答した方は2.5%とわずかで、27.5%が住宅ローン残高を差し引いた資産価値で「1,000万円以上ある」と回答するなど、半数以上の方が持ち家に資産価値があると考えていました。 なお、持ち家を現金化できる方法を提示したところ約12人に1人が老後の不安が軽減したと回答しました。老後の不安の程度は「変わらない」が多数を占めましたが、持ち家を現金化することで不安が和らぐと考えている方は一定数いるようです。 一方で、持ち家を現金化できるかどうか以前に、持ち家の資産価値を把握していない方が約半数を占めていました。いざという時に持ち家を有効活用するため、自宅の資産価値を把握しておくことで、不安が解消される可能性もあると考えられそうです。 まとめ 老後の暮らしに多くの方が不安を抱いているものの、計画的に老後資金を用意できていない方は多いようです。一方、持ち家を使って老後資金を調達できれば、老後不安の解決につながると感じている方もいました。老後の暮らしや持ち家に対する考え方・悩みはそれぞれ違いますが、暮らし方やニーズが一致すれば、不動産を有効活用することで老後不安を解消できるかもしれません。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? 50代になると、子どもの教育費もピークを迎えます。また、親も70代を超え、入院したり、介護が必要になったりすることも。あるいは、不動産投資や事業を始める資金が必要になるケースもあるかもしれま...記事を読む