「不動産価値」の記事一覧

  • 資産価値が落ちにくいマンションとは?物件を選ぶときのポイントと相場の調べ方

    マンションの資産価値の調べ方は?基準もあわせて紹介

    マンションを購入する際には、将来的な資産価値の変化にも目を向けて判断することが大切です。この記事では、マンションの資産価値に影響を与える要因や、資産価値の調べ方について解説します。 マンションの資産価値の目安を調べる方法 マンションの資産価値を調べる場合には、販売中の物件や近隣の成約事例を確認することである程度の目安を調べることが可能です。ここでは、マンションの資産価値の目安を自分で調べる3つの方法を紹介します。 ①レインズマーケットインフォメーション 「レインズマーケットインフォメーション」とは、国土交通大臣の指定を受けた「全国指定流通機構連絡協議会」が運営・管理を行う不動産情報ネットワークのことです。直近1年間で売買が行われ、取引が成立したマンションの販売価格や成約価格が公開されています。 豊富なデータベースのなかから、地域や沿線、専有面積、築年数など細かな条件で絞り込んで取引事例を閲覧できます。複数の事例を比較したり検証したりすることで、マンションの資産価値を判断する指標として利用することができます。 出典)REINS Market Information ②土地総合情報システム 「土地総合情報システム」とは、国土交通省が管理しているWEBサイトです。過去に行われた不動産取引について、細かな条件別に価格の絞り込みが行えるので、レインズマーケットインフォメーションと同じように、類似した事例に基づいて相場を調べることができます。 さらに、過去5年間にわたって四半期ごとのマンション取引相場をチェックできるので、時系列で価格の動きを比較することも可能です。また、地価公示・都道府県地価調査の価格を調べることもできます。 ただし、土地総合情報システムのデータは購入者のアンケート結果に基づいて構成されているので、全ての取引データを扱っているわけではありません。あくまで取引事例の一部データとして用いることが重要です。 出典)土地総合情報システム 関連記事はこちら公示価格とは?実勢価格との違いと活用法をわかりやすく解説 ③不動産ポータルサイト 現在販売中の物件については、不動産ポータルサイトを通して確認する方法もあります。不動産ポータルサイトには、実際に購入者を募集している物件の情報が数多く掲載されているため、詳細条件を入力すれば同じような物件の売り出し価格をチェックできます。 また、独自のデータベースに基づいてマンション価格を算出しているサイトもあるので、参考にしてみるといいでしょう。 マンションの資産価値に影響を与える要因 マンションの資産価値を判断する際には、そもそもどのような要因によって価値が変動するのかを具体的に把握しておくことが大切です。マンションの資産価値は次のような要因が影響を与えます。 ・築年数 ・耐震性 ・日当たり、方角 ・最寄り駅・バス停などの距離 ・階数 ・専有面積 ・管理状況 ・周辺環境、騒音、治安 いずれも生活の快適性や利便性、安全性などを左右するポイントであるため重視されます。また、同じマンションであっても、階数や間取り、日当たり条件によって部屋ごとの資産価値は異なります。 不動産の資産価値は、土地の資産価値と建物の資産価値によって決まりますが、マンションの場合は一戸建てと比べて、資産価値のうち土地が占める割合が少ないのが特徴です。マンションの資産価値を考える際は、築年数をはじめとする建物の状況をしっかりと確認しましょう。 不動産鑑定における3つの方法 マンションの資産価値を調べるうえで、そもそも不動産鑑定はどのように行われているのかを知っておくと良いでしょう。ここでは不動産鑑定における3つの方法を紹介します。 ①取引事例比較法 取引事例比較法は、その不動産と同じような条件の不動産がどのような価格で取引されているかを比較することで資産価値を計算する方法です。資産価値に影響を与えるさまざまな要因を踏まえ、類似した条件を持つ物件の取引事例をいくつか並べるだけでも、マンションのおおまかな資産価値を調べられます。 ②収益還元法 収益還元法は、その不動産が将来生み出す収益から資産価値を計算する方法です。購入したマンションを賃貸として活用する際に用いられることが多いです。 賃料収入から必要経費を差し引いた収入で計算した利回りをもとに、現在の資産価値を逆算します。家賃の下落率や空室リスクなどを加味することも大切です。 ③原価法 原価法は、その不動産を再度建築する場合の原価を算出して、築年数が経過したことによる価値のマイナス分を加味したうえで資産価値を計算する方法です。 つまり、「現時点で購入するとしたらいくらかかるのか」という観点から、具体的な金額を割り出していく方法です。前述のとおり、建物は歳月の経過によって劣化していく性質を持っているため、建物の築年数を考慮した推定が必要になります。 まとめ マンションの資産価値はさまざまな要因に左右されるため、購入の際には複合的な観点で検討する必要があります。また、立地や広さといった基本的な項目だけでなく、管理状態などの要因でも価値が変動するため、購入後もこまめに手入れを行い、資産価値の維持に努めましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!? 不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増や...記事を読む 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...記事を読む

    2023.05.10不動産価値
  • 公示価格とは?実勢価格との違いとその活用法を解説

    公示価格とは?実勢価格との違いと活用法をわかりやすく解説

    公示価格(公示地価)は、国土交通省が公示している土地の価格です。土地価格の動向を示す重要な指標ですが、実勢価格(実際の取引価格)とは何が違うのでしょうか。特に土地を売買する予定がある人は、公示価格について理解しておくことが大切です。 この記事では、公示価格の概要や調べ方、活用する際の注意点について解説します。 公示価格とは 公示価格(公示地価)とは、適正な地価の形成に寄与するために、国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公示する標準地の価格です。 地価公示法に基づいて、全国の分科会に属する鑑定評価員(不動産鑑定士)が毎年1月1日時点の1㎡あたりの正常な価格を判定しています。令和5年地価公示では、全国約26,000地点で実施されました。 公示価格は、一般の土地取引に対して指標を与えるもので、不動産鑑定や公共事業用地の取得価格算定の規準となります。また、土地の相続税評価や固定資産税評価の基準としても活用されます。 公示価格を調べる方法 公示価格は、国土交通省の「標準地・基準地検索システム」で調べることが可能です。地図上で調べたい都道府県名や市町村名を選択し、検索条件を入力すると、地価情報の詳細が表示される仕組みになっています。 具体例として、神奈川県横浜市西区の公示価格を確認してみましょう。 ▼まずは地図上で神奈川県を選択します。   ▼次に、地図上で横浜市西区を選択しましょう。 ▼検索条件指定の画面が表示されたら、「対象」「調査年」「用途区分」「地価」について選択もしくは入力を行い、検索ボタンを押します。 ▼検索結果が表示された後、「詳細を開く」や「標準地番号」のリンクを押すと、地価情報の詳細が表示されます。 複数の地域を選択して検索したり、詳細な地名を入力して検索したりすることも可能です。 出典)国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」 公示価格と他指標との違い 土地価格の指標は複数存在し、「一物五価」と言われることもあります。具体的には、「公示価格(公示地価)」「実勢価格」「基準地価」「路線価」「固定資産税評価額」の5つです。 ここでは、公示価格とそれぞれの語句との違いを説明します。 実勢価格との違い 実勢価格とは、実際に取引された土地価格のことです。土地の価格は需要や立地、周辺環境、当事者間の価格交渉などの影響を受けて変動するものなので、同じ標準地にある土地であっても、公示価格と実勢価格は一致しません。 公示価格と実際に取引される土地価格は異なることを理解し、一つの指標として活用することが大切です。 基準地価との違い 基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県知事が毎年7月1日時点における標準価格を判定する土地価格です。適正な地価の形成を目的として、毎年9月頃に公表されます。令和4年の基準地数は約21,000地点です。 公示価格との違いは下記のとおりです。 公示価格 基準地価 調査名国土交通省地価公示都道府県地価調査 調査主体国土交通省都道府県 根拠法地価公示法国土計画利用法 基準日毎年1月1日毎年7月1日 公表時期毎年3月毎年9月 評価方法不動産鑑定士2名以上による鑑定評価不動産鑑定士1名以上による鑑定評価 公示価格は1月1日時点、基準地価は7月1日時点と基準日に違いがあるため、基準地価は公示価格を補完する指標として活用されることがあります。 路線価との違い 路線価とは、相続税や贈与税における評価額の基準となる土地の価格です。一連の土地が面している路線ごとに評価した、1㎡あたりの土地価格を意味します。毎年1月1日を評価時点として、国税庁がその年の7月に公開しています。公示価格の80%程度が目安です。 路線価は、国税庁が運営するサイト「路線価図・評価倍率表」で確認できます。 出典)国税庁「路線価図・評価倍率表」 関連記事はこちら相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 固定資産税評価額との違い 固定資産税評価額とは、固定資産税を計算する際の基準となる価格です。市町村の固定資産台帳に記載された土地の評価額を意味し、3年に1回「評価替え」が行われます。宅地については、公示価格の70%程度が目安です。 固定資産税評価額は、市町村から送付される固定資産税の納税通知書で確認できます。また、固定資産評価証明書の発行や固定資産台帳の閲覧を自治体の担当部署に依頼し、確認することも可能です。 公示価格の活用法 土地売買の際に公示価格を参照するのは、適切な売却価格かを判断する上で有効です。一方で、公示価格を指標として用いる上で、以下の特徴を把握しておくことが大切です。 地価は変動するので、公示価格と実際に取引する日の地価は異なる 公示価格が高い標準地の土地であっても、立地や周辺環境などの条件が悪ければ金額が低くなることがある 公示価格を算出する標準地は、都会には多いが地方には少ないため、土地の所在地によっては参考にならない場合がある 土地を売買する場合は不動産会社の査定価格を鵜呑みにするのではなく、公示価格や基準地価など、複数の指標と比較して問題ないかを確認した上で、売買判断を行うことが大切です。上記公示価格の特徴を正しく理解し、有効に活用しましょう。 まとめ 公示価格は、国土交通省が毎年公示していることから、信用度の高い土地価格といえます。ただし、公示価格と実勢価格は必ず一致するものではないため、参考程度にすることが大切です。実際に土地を売買する際は、公示価格だけでなく、基準地価や査定価格なども確認した上で売買判断を行いましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 マンションの資産価値の調べ方は?基準もあわせて紹介 マンションを購入する際には、将来的な資産価値の変化にも目を向けて判断することが大切です。この記事では、マンションの資産価値に影響を与える要因や、資産価値の調べ方について解説します。 マンショ...記事を読む

  • 不動産担保ローンの担保評価額とは?算出方法や融資可能額の目安を解説

    不動産担保ローンの担保評価額とは?算出方法と融資可能額も解説

    不動産担保ローンを借りるとき、融資上限額は金融機関ごとに定められています。しかし、融資可能額はあくまで担保とする不動産の評価である「担保評価額」に基づいて決定されます。それでは、不動産の担保評価額はどのように算出されるのでしょうか。 この記事では、不動産担保ローンの担保評価額の算出方法や融資可能額の目安について解説します。 担保評価額とは? 担保評価額とは、融資が滞った際などに金融機関が処分可能と見込む金額のことです。不動産担保ローンは、不動産を担保とすることで、債務者の与信だけでは貸せない金額を融資できます。そのため、債務者がローンを返済できなくなった時には、担保不動産を売却して融資金を回収する必要があります。 このような理由から、担保評価額は不動産評価額に一定の担保掛目を乗算して算出されます。不動産評価額を算出する指標は、一物五価とも呼ばれ、複数の指標がありますが、どの指標を採用するかは金融機関によって異なります。担保掛目も金融機関や資金使途によって異なりますが、60~80%程度が一般的です。 関連記事はこちら不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産担保ローンの担保評価額の算出方法 前述のとおり、担保評価額は、不動産評価額に担保掛目を乗算して算出されます。つまり、不動産評価額と担保掛目がわかれば、担保評価額は算出できます。しかし、担保掛目を開示している金融機関は多くありません。そのため、担保掛目を開示していない金融機関の融資可能額を正確に知りたい場合は、審査を申し込むしかありません。 担保評価額の算出例 たとえば、不動産評価額が5,000万円の場合で考えてみましょう。担保掛目が80%の場合の担保評価額は、4,000万円(5,000万円 × 80%)、担保掛目が60%の場合の担保評価額は3,000万円(5,000万円 × 60%)です。 このように不動産評価額が同じでも、担保掛目が異なることで担保評価額は異なります。加えて、不動産評価額も金融機関ごとによって異なるため、同じ担保不動産で申し込んだとしても、融資可能額は大きく異なるかもしれません。このような理由から、不動産担保ローンを利用する時は、複数の金融機関に相談するといいでしょう。 担保評価額の目安 前述のとおり、多くの金融機関で担保掛目は60~80%です。そのため、担保不動産の時価の60~80%が担保評価額であることが推察できます。担保評価額の目安を知りたい場合は、不動産会社に担保不動産の査定を依頼したり、公示価格や路線価、取引事例などを調べることでも確認できます。 担保評価額の上限まで融資してもらえるのか? 基本的には、不動産の担保評価額が融資可能額の上限となります。ただし、住宅ローンの残債などがある担保不動産は、担保評価額からローンの残債を差し引いた残りが融資可能額となります。 たとえば、不動産評価額が5,000万円、担保掛目が80%の場合で、住宅ローンの残債が1,000万円のケースを考えてみましょう。住宅ローンの残債がない場合は、前述のケースと同様に融資可能額は4,000万円です。しかし、担保評価額から住宅ローン残債を差し引くので、融資可能額は3,000万円(4,000万円-1,000万円)が融資可能額の上限となります。 ただし、融資可能額は不動産の担保評価額だけで決まるわけではありません。金融機関は担保不動産だけでなく、年収や職業、勤続年数、延滞履歴の有無といった申込者の属性も考慮して融資判断を行います。不動産の担保評価額が高くても、返済能力を超える金額を融資してもらうことはできません。 関連記事はこちら不動産担保ローンの審査基準と審査通過のためのポイント まとめ 不動産担保ローンはカードローンのような無担保ローンに比べて金利が低く、まとまったお金を長期間借りられます。そして、不動産担保ローンの融資可能額の上限は、担保評価額の60~80%が目安となり、概算であれば自身で調べることもできます。一方で、急ぎで資金が必要な場合や融資可能額を正確に知りたい場合は、不動産担保ローンを扱う金融機関に相談しましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産価値の高め方とは?立地条件と不動産価値の関係 不動産の価格は価値と連動するため、高く売るためには価値を高めることが大切です。 それでは、所有する不動産をできるだけ高く売るために、オーナーは何を行えば良いのでしょうか。 不動産価値を高める...記事を読む

  • 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説

    相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説

    不動産の評価は一物五価とも呼ばれ、同じ不動産でも指標によって評価額は変化します。そして、相続の際の不動産評価額のことを、「相続税評価額」と言います。では、この相続税評価額はどのように算出すればよいのでしょうか。 この記事では、相続税評価額や特例について解説します。 相続税評価額の評価方法 不動産の評価額を考えたときに、最初にイメージするのは、おそらく実勢価格でしょう。実勢価格とは、実際に市場で取引される土地や建物の価格を指します。一方で、不動産の相続税評価額は、実勢価格とは異なり、以下のように算出されます。 土地 土地の相続税評価額の算出方法には、「路線価方式」と「倍率方式」の2つがあります。 まず、路線価方式とは、路線価が定められている地域の評価方法です。路線価は、道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格のことで、国税庁が毎年7月に公表しています。なお、公表は7月ですが、あくまで基準日は毎年1月1日です。 次に、倍率方式とは、都市郊外など路線価が定められていない地域の評価方法です。その年の固定資産税評価額に、一定の倍率を乗じて計算します。厳密に言うと方式は異なるのですが、路線価方式、倍率方式ともに、評価額は公示価格の8割程度が目安となります。 関連記事はこちら公示価格とは?実勢価格との違いと活用法をわかりやすく解説 建物 建物の評価額の算出方法は、「固定資産税評価額×1.0」です。つまり、建物の評価額は固定資産税評価額と同じです。 固定資産税評価額は、固定資産税を計算する際の基準となる価格のことで、公示価格の7割程度が目安となります。固定資産税評価額を調べるには、固定資産税の納税通知書を確認するか、自治体の担当部署に問い合わせるといいでしょう。 その他の不動産 土地や建物でも、借地権がついていたり、賃貸に出していたりする不動産は、権利関係に応じて評価額が調整されます。たとえば、借地権が設定されているマンションやアパートなどの貸宅地や貸家は、通常の評価額から借地権割合や借家権割合などが調整され、評価額は下がります。 出典)国税庁「No.4602 土地家屋の評価」 相続税評価の評価事例 ここでは、相続税における土地家屋の評価事例を確認しましょう。ここで紹介するのは以下2つの事例です。 戸建(自用地)を路線価方式で求める場合 マンション(自用地)を路線価方式で求める場合 戸建(自用地)を路線価方式で求める場合 まずは自用地の戸建における、評価事例です。土地の評価額を求める計算式は以下のように計算します。 土地の評価額:路線価(㎡) × 面積 例えば、1㎡あたりの路線価が3万円、土地の面積が150㎡だった場合、450万円(3万円×150㎡)が評価額となります。路線価を求める際には奥行の長さにより評価額を補正する「奥行価格補正率」などありますが、ここでは、補正はないものとします。 次に、家屋の評価額を求める計算式は以下のように計算します。 家屋の評価額:固定資産税評価額 × 1.0 例えば、固定資産税評価額が1,000万円の家屋だった場合、1,000万円(1,000万円×1.0)が評価額となります。上記を足し合わせると、土地450万円、家屋が1,000万円で合計1,450万円が評価額となる計算です。 マンション(自用地)を路線価方式で求める場合 マンションについては、戸建と同じ自用地であったとしても、若干計算方法が異なる点に注意が必要です。土地の評価額は以下のように計算します。 土地の評価額:路線価(㎡) × 面積 × 敷地権割合 について、敷地全体の価格に区分所有する建物に係る敷地権の割合を掛けて算出する必要があります。なお、敷地権の割合については、登記簿謄本で確認できます。 例えば、1㎡あたりの路線価が3万円、土地の面積が10,000㎡、敷地権割合が100,000分の5,000だった場合、1,500万円(3万円/㎡×10,000㎡×5,000/100,000)が評価額となります。 建物については、戸建と同様に「固定資産税評価額×1.0」で求めます。つまり、建物の固定資産税評価額が1,000万円だった場合、評価額は1,000万円×1.0=1,000万円です。上記を足し合わせると、土地1,500万円、建物1,000万円で2,500万円が評価額となる計算です。 相続税評価額は不動産利用状況に応じて変わる 評価額は利用状況によって変わることを前述しましたが、評価の異なる土地の利用状況には、次のようなものがあります。 借地 貸宅地 貸家建付地 農地 私道 貸駐車場 借地 借地とは、他人から借りている土地のことを言います。また、土地を借りて、その土地の上に建物を建てた時には、建物の所有者には土地を使用する「借地権」という権利があり、この借地権にも相続税が発生します。しかし、借地にはさまざまな制約があるため、その権利に応じて一定の割合で減額される仕組みになっています。 借地の評価額は、路線価方式によって算出した評価額に、一定の借地権割合を乗じた価格が借地権の評価額となります。借地権割合は、路線価図や評価倍率表に割合に応じてアルファベットで表示されており、国税庁のホームページで確認できます。 たとえば、路線価20万円、面積100㎡、借地権割合B(80%)の借地の評価額は、1,600万円(20万円×100㎡×80%)となります。 貸宅地 建物を建てて使用するための土地として、他人に貸している土地のことを貸宅地と言います。貸宅地では「建物を建てる土地」「貸している土地」である必要があるため、駐車場などの建物が建っていない土地や、無償で貸している場合は該当しません。 貸宅地は、賃貸借契約を貸主側から解除することができないほか、建物に人が住んでいると立ち退き料の支払いが必要となるなど、貸主には負担が大きくなります。そのため、自分で土地を利用するよりも評価額が低くなる仕組みとなっています。 貸宅地は、土地の評価額に1から借地権割合を減じた価格が評価額となります。たとえば、上記の借地の条件である路線価20万円、面積100㎡、借地権割合B(80%)の土地の場合は、400万円(20万円×100㎡×(1-80%))となります。 貸家建付地 土地の上に、アパートやマンションといった賃貸用の物件を建てた土地を「貸家建付地」と言います。貸宅地と似ていますが、貸宅地が建物を建てたのが他人であるのに対し、貸家建付地は自分で建物を建てて他人に貸しているという違いがあります。 貸家建付地は、賃貸物件に住む人に借家権などの権利があるため、貸主の権利が制限されます。そのため、土地の評価額も低くなるように設定されています。貸家建付地の評価額の計算方法は次のとおりです。 貸家建付地の評価額=土地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合) 借家権割合は、全国一律で30%と定められており、賃貸割合とは入居率のことですが、部屋数ではなく床面積での計算になります。たとえば、1,000万円の土地で借地権割合90%・賃貸割合80%の場合は次のとおりです。 貸家建付地の評価額=1,000万円×(1-90%×30%×80%)=784万円 農地 継続的な耕作のための土地を農地と言います。農地は、宅地に転用できないなど制限が多い土地でもあり、都市計画によって地価も大きく異なるため、土地の評価額が低くなるように考慮されています。 農地の評価額を計算するうえでは、次の4つの区分に分けて、それぞれの評価方法で評価する必要があります。 純農地…倍率方式 中間農地…倍率方式 市街地農地…宅地比準方式または倍率方式 市街地周辺農地…市街地農地である場合の評価額の80% 宅地比準方式とは、その農地が宅地である場合の1平方メートル当たりの価額からその農地を宅地に転用する場合にかかる通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額を控除した金額に、その農地の地積を乗じて計算した金額により評価する方法をいいます。 (宅地である場合の価額* - 宅地に転用する場合にかかる造成費*) × 地積 ※1㎡あたり 私道 所有地の一部が私道になっている場合、その利用状況に応じて私道の評価方法が異なります。利用状況は次のように分かれます。 不特定多数の人が利用する公共としての私道 近隣住民などの特定の人のみが利用する私道 所有者のみが利用する私道 公共として利用している場合の私道は評価しません。また、特定の人のみが利用する場合は、その宅地が私道でないものとして路線価方式又は倍率方式によって評価した価額の30%相当額となります。所有者のみが利用する場合は、宅地の一部と見なされるため評価額の減額がないので注意しましょう。 貸駐車場 貸駐車場の場合、運営方法によっても評価額が異なります。一般的に運営方法としては次のような方法があります。 自分で運営 運営会社に土地を貸している 自分で運営する貸駐車場の場合、とくに減額措置はありません。この場合、駐車場の状態が舗装されても、舗装されていない青空駐車場であっても評価額に変わりはありません。 一方、運営会社などに土地を貸している場合、貸地となり貸主の権利が制限されるため減額される仕組みになります。貸している場合の評価額は次のとおりです。 貸駐車場の評価額=土地の評価額×(1-借地権の残存期間に応じた割合) 借地権の残存期間に応じた割合は次のとおりです。 借地権割合 残存期間借地権割合 5年以下2.5% 5年超10年以下5% 10年超15年以下7.5% 15年超10% 土地の相続税評価額を下げる「小規模宅地等の特例」 小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた土地や事業を営んでいた土地などを相続したときに、一定の要件を満たすことで、その土地の評価額を最大80%減額できる特例です。本特例によって評価額が下がれば、相続税を節税できます。 適用対象となる宅地の種類と評価額の減額割合、限度面積は以下のとおりです。 特定居住用宅地:80%減額(330㎡まで) 特定事業用宅地:80%減額(400㎡まで) 貸付事業用宅地:50%減額(200㎡まで) たとえば、実家の土地(特定居住用宅地)を400㎡相続し、その土地の評価額が3,000万円だった場合、減額後の評価額は以下のように計算します。 3,000万円×(1-330㎡÷400㎡×80%)=1,020万円 特定居住用宅地の限度面積は330㎡であるため、相続した400㎡のうち、330㎡について評価額が減額されます。 本特例の適用を受けるには、相続税の申告書に特例を受けようとする旨を記載した上で、「小規模宅地等に係る計算の明細書」「遺産分割協議書の写し」などの一定の書類を添付する必要があります。 自身で手続きをするのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 出典)国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 まとめ 相続した不動産は、路線価や固定資産評価額などで評価されます。「小規模宅地等の特例」の適用を受ければ評価額が減額されるため、相続税の節税が可能です。不動産の評価方法や税制特例について、自身で判断するのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント...記事を読む

  • 首都圏の新築戸建・中古マンションの価格は下落傾向!高額物件の購入はさらに慎重に

    【分析】首都圏の新築戸建・中古マンションの価格は下落傾向!

    アットホーム株式会社は、「首都圏の新築戸建・中古マンションの価格動向(2020年4月)」を発表しました。本レポートは毎月発表されており、首都圏の新築戸建・中古マンションの平均成約価格などを確認できます。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新築戸建や中古マンションの価格にどんな影響が出ているか気になる方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、「首都圏の新築戸建・中古マンションの価格動向(2020年4月)」のレポート内容や今後の新築戸建・中古マンション市場の動向について解説します。 アットホームの「首都圏の新築戸建・中古マンション価格動向」とは アットホーム株式会社の「首都圏の新築戸建・中古マンション価格動向」とは、同社の不動産情報ネットワークに登録され成約した、首都圏(1都3県)における新築戸建・中古マンションの成約価格についてのレポートです。不動産市場動向の調査・分析を行うアットホームラボ株式会社が分析し、アットホーム株式会社が毎月発表しています。公示地価などの公的な地価調査ではなく、成約価格を用いて調査・分析が行われるため、実際の取引価格に近い数字が示されているのが特徴です。また、毎月レポートが発表されているので、最新の新築戸建・中古マンション価格の動向がわかります。 新築戸建は2か月連続マイナスの一方で、プラスに転じるエリアも ここからは、本レポートの内容について解説します。まずは、首都圏の新築戸建の価格動向を確認していきましょう。 出典) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.5【PDF】 2020年4月の新築戸建の平均成約価格は3,433万円/戸です。前月比▲1.2%、前年同月比▲0.9%で、どちらも2か月連続のマイナスとなりました。価格推移を確認すると、前年同月比は2019年10月から下落傾向が続いているのがわかります。 出典)アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.5【PDF】 エリア別では、東京23区の新築戸建の平均成約価格は4,651万円/戸、前月比▲6.8%で下落率が大きくなっています。この1年間、東京23区の新築戸建成約価格は5,000万円前後で推移していますが、直近一年は全体を通してやや下落傾向にあることがわかります。また、埼玉県と千葉県も、新築戸建の平均成約価格は前月比・前年同月比ともにマイナスです。 一方で、東京都下は前月比4.9%で5か月ぶりのプラス、神奈川県は前月比2.3%で6か月ぶりのプラスとなりました。新築戸建については、同じ首都圏でもエリアによって価格動向に違いが見られます。 出典) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.6【PDF】 新築戸建成約物件の価格帯別割合を確認すると、東京23区は5,000万円以上が前月比で▲19.6ポイントと大きく減少しています。それに対して、東京都下は3,000万円台が前月比17.7ポイント、神奈川県は4,000万円台が前月比6.8ポイント上昇しています。 中古マンションは4年4か月ぶりに2,400万円を下回る 次に、首都圏の中古マンションの価格動向について確認していきましょう。 出典) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.9【PDF】 2020年4月の中古マンションの平均成約価格は2,395万円/戸です。前月比▲10.3%、前年同月比▲7.8%で、前年同月比は3か月連続のマイナスとなりました。価格推移を確認すると、2020年1月は上昇していますが、直近一年は全体を通してやや下落傾向にあることがわかります。 その中でも直近二か月はコロナウイルスによる影響で、価格下落に拍車がかかっているものと考えられます。 出典) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.8【PDF】 エリア別では、東京23区の平均成約価格は3,309万円で、前月比▲16.3%、前年同月比▲10.6%と下落率が大きくなっています。また、東京都下も前月比▲31.4%、前年同月比▲29.4%と大きく下落しています。神奈川県と埼玉県も下落していますが、千葉県は唯一のプラスで、前月比13.1%、前年同月比16.6%となりました。 出典) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.10【PDF】 中古マンション成約物件の価格帯別割合を確認すると、東京23区は4,000万円以上が前月比で▲7.5ポイントです。その他のエリアにおいても、高価格帯の割合が減少しています。本レポートでは、首都圏の中古マンションの平均成約価格が下落した主因として、価格水準の高い東京23区で高価格帯の割合が低下したことを挙げていました。一方で、平均成約価格が上昇した千葉県では、4,000万円以上の価格帯割合が4.7ポイント上昇しています。 今後の新築戸建・中古マンション価格の動向は? 今回のレポートにより、首都圏の新築戸建の価格は下落傾向にあるものの、今のところ下落率は小さいことがわかりました。一方で、中古マンションの価格は、下落率が大きくなっています。エリアによって違いはありますが、新築戸建・中古マンションのどちらも高価格帯の割合が減少しており、高額物件の購入に慎重になっている方が増えていると考えられます。また、不動産価格は経済状況より遅れて現れるため、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済低迷が続くと、新築戸建・中古マンション価格は大きく下落する可能性もあります。5月25日に緊急事態宣言が解除されましたが、第二波などの懸念もあることから、経済活動や不動産価格への影響は依然として不透明なままです。今後も新型コロナウイルスや経済状況を確認しながら、不動産価格の動向を注視しておきましょう。 出典)アットホーム「アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4月)」【PDF】 仮審査( 不動産事業者専用 ) ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント...記事を読む

  • 新築マンションの2月着工件数は大幅減少、申込率と竣工件数は高水準

    新築マンションの2月着工件数は大幅減少、申込率と竣工件数は高水準

    株式会社マーキュリーでは、2020年5月に「月例新築マンション動向」を発表しました。「月例新築マンション動向」では、毎月発表される新築分譲マンションの供給戸数や申込率等を発表しており、新築マンション市場の需要と供給を読み取ることが出来ます。 新型コロナウイルスの感染拡大で、不動産業界をけん引する新築マンションの流動性や価格が気になる方は多い事でしょう。 まず「月例新築マンション動向」はどういったデータなのかをお伝えした後、2020年2月度のデータ結果の内容、今後の新築マンション市場の動向について解説していきます。 「月例新築マンション動向」とは 「月例新築マンション動向」は株式会社マーキュリーが運営する不動産業界向けのニュースサイト「Realnetニュース」に掲載される新築分譲マンションの動向を集めた独自のデータです。新築分譲マンションの供給戸数や申込率を始め、着工・竣工件数等の実績データを発表しています 株式会社不動産経済研究所においても毎月新築分譲マンション市場の動向を発表していますが、「月例新築マンション動向」では関東圏と関西圏の供給戸数・初月申し込み率・平均面積や坪単価・価格のほか市区別・駅別供給トップ10の地区を詳細にまとめています。 着工・竣工件数が分かるため今後の新築マンション市場の動向を予測する事が可能で、資料もグラフと表を用い分かりやすく提供されています。 株式会社マーキュリーは不動産業界向けのマーケティングシステム「サマリネット」を始め新築・中古マンションのポータルサイト等のサービスを展開しています。 不動産業界で約30年の実績があり4万棟(220万戸)の大規模データベースを保有しているため、「月例新築マンション動向」のようなデータを提供する事が可能です。 そのため、「月例新築マンション動向」は新築分譲マンション市場の供給と需要、今後の動向の見通しを示すデータとして不動産業界で注目されています。 (株)マーキュリー (株)不動産経済研究所 データの公表 3か月後の初旬※2月度実績が5/7に公表 翌月中旬2月度実績が3/17に公表 差別化のポイント 資料にグラフや表を用いわかりやすく提供されている 速報性が強み 市区別・駅別などの独自のセグメントがされている 価格別・間取り別などの独自のセグメントがされている 出典) ・(株)不動産経済研究所:首都圏マンション・建売市場動向【PDF】 ・(株)マーキュリー:月例新築マンション動向【PDF】 首都圏の供給戸数は減少する一方で、初月申込率が前年同月より増加 改めて2020年2月の新築マンションの分譲実績データを発表した「月例新築マンション動向」5月号の首都圏データを見ていきましょう。 供給戸数に関しては、前年の同月に比べ神奈川県下で67.9%減、埼玉県で69.3%減、首都圏全体でも37.3%減と減少しています。一方、初月申込率に関しては、神奈川県下で87.0%、埼玉県で86.0%、全体でも74.0%と高い申込率を維持し、いずれも前年同月比でプラスとなっています。 供給戸数が減少し、申込率が増加している背景には2018年以降の新築分譲マンション市場に関して、以下の動向が考えられます。 2013年に東京五輪が決定→東京都心では新規の宿泊施設が増加 宿泊施設の増加で建設用地がひっ迫、東京都心の住宅用の地価が大幅に上昇 神奈川・埼玉県等に分譲マンションの割安感が増加 東京都心に加え、周辺エリアの地価上昇、建築コストの高さにより供給戸数は減少 なお平均坪単価に関しては、全体で前年の同月と比べ10.6%上昇し、平均価格も6.6%上昇しています。 東京23区内での初月申込率が減少していますが、低金利により住宅ローンが組みやすいことや、首都圏の新築マンション購入時には仕事や子育てにおける利便性の高さを求める世帯が増加しているという国土交通省の調査結果もありますので、今後も都心の新築マンションの需要と価格が極端に下がる事はないでしょう。 今後の新築分譲マンション市場の動向は? 今回の調査により2020年2月の新築分譲マンション市場は初月申込率が増え、都心を含め近辺の需要が高く安定していることが分かりました。 一方で、マンションを建て始めた(着工)件数は東京23区が昨年の2月の64件から4件と大幅に減少、横浜・川崎も19件から5件と減少していますが、建築の終了した(竣工)件数が東京23区で74件、横浜・川崎で16件と多いことがわかりました。 これらのことから、コロナウイルスの与える影響として、マンション購入をする消費者サイドでは大きく変化がないものの、ディベロッパーサイドでは、すでに着手しているプロジェクトは進めているが、新規のプロジェクトに対する姿勢は消極的になっていることが考えられます。 今回竣工したマンションの申込率は2020年6月号の「月例新築マンション動向」3月分実績で明らかになります。 3月は新型コロナウイルスの感染拡大により全国で小・中学校が休校になり感染者数が増加し続けた時期です。上場企業の半数以上の企業が減益となりました。 3月には首都圏の平均価格が低下したというニュースも見られますので、今後も新築マンション市場の動向を注視していきましょう。 出典) ・みずほ総合研究所 「首都圏マンション価格は急落するのか 」【PDF】 ・国土交通省 「我が国の住宅ストックをめぐる状況について 」【PDF】 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント...記事を読む 【分析】コロナウイルスが東京の不動産に与える影響と今後の動向 グローバル都市不動産研究所は、2020年4月に緊急企画として「コロナショックが東京の不動産に与える影響」というレポートを公表しました。不動産の売買や不動産担保ローンの利用を検討している方は、...記事を読む

  • 【分析】コロナウイルスが東京の不動産に与える影響と今後の動向

    【分析】コロナウイルスが東京の不動産に与える影響と今後の動向

    グローバル都市不動産研究所は、2020年4月に緊急企画として「コロナショックが東京の不動産に与える影響」というレポートを公表しました。不動産の売買や不動産担保ローンの利用を検討している方は、コロナショックが東京の不動産にどのような影響を与えるか気になるのではないでしょうか。将来の不動産価格を正確に予測することはできませんが、レポートの内容を確認することで、ある程度の見通しを立てることは可能です。そこでこの記事では、グローバル都市不動産研究所の概要やレポートの内容、東京の不動産価格の動向について解説します。 グローバル都市不動産研究所とは グローバル都市不動産研究所とは、株式会社グローバル・リンク・マネジメントが2019年1月1日に設立した研究所です。「東京の魅力を世界に発信すること」「不動産を核とした新しいサービスの開発」を目的として、東京の都市開発や人の動き、消費性向、不動産価値などの調査・研究を行っています。 グローバル都市不動産研究所は、2020年4月14日に「コロナショックが東京の不動産に与える影響」という緊急レポートを公表しました。本レポートでは、リーマンショック時の不動産価格の動向を振り返り、今後の不動産価格を左右するポイントについて解説されています。レポートの内容を確認することで、東京の不動産価格の動向をある程度予測できます。 リーマンショック時の不動産価格の動向はどうだったのか 今回のレポートでは、コロナショックが東京の不動産に与える影響を予測する際の参考事例として、2008年のリーマンショックを挙げています。リーマンショックでは世界規模の金融危機が発生し、2009年の先進国経済の成長率は▲3.4%、世界経済は▲0.5%と過去60年間で初のマイナス成長となりました。 リーマンショック時の不動産価格の動向ですが、東京圏の公示地価の変動率は、住宅地が「2009年▲4.4%、2010年▲4.9%」であったのに対し、商業地は「2009年▲6.1%、2010年▲7.3%」でした。いずれも2009年より2010年のほうがマイナス幅は大きく、不動産価格への影響は経済状況に遅れて現れています。また、住宅地に比べて商業地の下落率が大きくなっています。また、新築マンションの分譲価格については、2009年が「東京圏▲1.2%、東京都区部▲6.4%」でしたが、2010年にはプラスに転じています。 (引用:グローバル都市不動産研究所「コロナショックが東京の不動産に与える影響」P3) (引用:グローバル都市不動産研究所「コロナショックが東京の不動産に与える影響」P4) これらの結果から、本レポートでは、リーマンショック時の東京の不動産価格の動向を以下のようにまとめています。 商業地価格に対する影響が出た 住宅地価格は商業地と比べて大きく下がらなかった 東京都内のマンション価格は6%程度の下落にとどまり、1年程度で回復した コロナショックが東京の不動産に与える影響は? リーマンショック時の不動産価格の動向を確認しましたが、今回のコロナショックは東京の不動産にどのような影響を与えるのでしょうか。本レポートにおける、コロナショックの影響についての見解をまとめました。 直接的な影響を受けるのは商業地価格 住宅地価格は商業地に比べてそれほど大きくは下がらない 東京のマンション価格は1~2年で回復する可能性あり 本レポートによると、今回のコロナショックはヒト・モノの移動制限により、観光業や飲食業、小売業などのサービス業が大きな痛手を受けているため、商業地の不動産価格は大きく下落する可能性があります。住宅地は居住という安定した実需があることから、商業地に比べて価格は大きくは下がらないと予測しています。また、コロナショックの影響がリーマンショック級に収まれば、東京のマンション価格は1~2年で回復する可能性があることも示しています。 一方で、コロナショックはリーマンショックとは質が違うことから、深刻な不況に陥って家計所得が大幅に低下すれば、住宅地価格への影響も避けられないとも言及しており、多くを見通せない状況です。 経済対策と東京オリンピック効果がポイントになる 本レポートでは、東京の不動産価格が今後どうなるかは、「経済対策」と「東京オリンピック効果」の2つがポイントになるとの見解を示しています。コロナショックは商業地価格に影響を与えると予測していますが、深刻な不況になれば住宅地への影響も避けられないため、政府の経済対策によって日本経済の腰折れを防ぐことが重要であることを強調しています。 また、東京オリンピックが延期になったことで、見込まれていた経済効果がどうなるかも気になるところです。本レポートでは、東京オリンピック延期に伴う経済効果について、以下のようにまとめています。 「東京五輪の延期に伴い、今年度に見込んでいた経済効果が失われると指摘するエコノミストがいます。例えばニッセイ基礎研究所は、今年度見込んでいた経済押上げ効果“2兆円程度”が剥離、第一生命経済研究所は開催年に期待される経済波及効果3.2兆円が失われると予測しています。 一方、永濱利廣・第一生命経済研究所首席エコノミストの見解では、「中止でなく延期であれば、五輪開催年の経済効果は先送りされ、失われることはない」、「当初予定された開催年の経済効果は、先送りされた“1年程度後”に出現することになる」としています。つまり、日本においては、1年延期となった東京五輪の経済効果によって、コロナショックで冷え込んだ経済をふたたび押し上げてくれる可能性も期待されます。」 (引用:グローバル都市不動産研究所「コロナショックが東京の不動産に与える影響」P5) これらのことから東京の不動産価格の動向は、政府による経済対策と延期された東京オリンピックの経済効果に左右されると考えられます。 まとめ ここまで確認してきたように、今回のコロナショックでは、商業地の不動産価格に大きな影響を与えると予測されています。コロナショックの影響がリーマンショック級に収まれば、不動産価格は数年で回復が期待できる一方で、深刻な不況に陥ると、商業地だけでなく住宅地の価格も低迷が続くかもしれません。今後の不動産価格の動向は、新型コロナウイルスの感染状況はもちろん、政府の経済対策や東京オリンピック効果にも左右されます。東京の不動産の売買や不動産担保ローンの利用を検討している方は、これらのポイントに注目しながら、不動産価格の動向を見極める必要があるでしょう。 出典) ・株式会社グローバル・リンク・マネジメント「グローバル都市不動産研究所」 ・グローバル都市不動産研究所「コロナショックが東京の不動産に与える影響」【PDF】 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント...記事を読む

  • 【分析】実勢調査で見る首都圏の住宅地価格の動向

    【分析】実勢調査で見る首都圏の住宅地価格の動向

    野村不動産アーバンネット株式会社は、2020年4月に「第126回野村不動産アーバンネット実勢調査」の結果を公表しました。本調査では、首都圏をはじめとする主要都市の住宅地価格の動向がわかります。コロナウイルスの感染拡大に伴い、住宅地価格にどのような影響が出ているか、気になる方は多いのではないでしょうか。住宅地価格は、住宅販売価格はもちろん、不動産の担保評価にも影響を与えます。そのため、マイホームの購入や売却、不動産を活用した資金調達をする予定がある場合は、住宅地価格の動向を確認しておくことが大切です。この記事では、野村アーバンネット実勢調査の概要や最新の調査結果の内容、住宅地価格の今後の動向について解説します。 野村不動産アーバンネット実勢調査とは 野村不動産アーバンネット実勢調査とは、野村不動産アーバンネット株式会社が独自に実施している価格動向調査です。1989年7月にスタートし、調査は毎年1月、4月、7月、10月の年4回実施されています。本調査は通常取引を想定して実勢価格を査定しており、実際の取引価格(時価)により近い数字が示されているのが特徴です。公示地価や路線価といった公的な地価調査に比べてタイムリーな価格動向を確認できるため、地価動向の先行指標として注目されています。 出典)ノムコム「各種価格等(実勢価格、地価公示、路線価格)や調査方法について」 第126回(2020年4月1日時点)の調査結果 2020年4月に公表された、第126回野村不動産アーバンネット実勢調査(2020年4月1日時点)の調査結果は以下のとおりです。 出典)「野村不動産アーバンネット実勢調査による2020.4.1時点の首都圏「住宅地価格」の動向」 首都圏エリア平均の変動率は一年ぶりのマイナス 2020年1-3月期の住宅価格変動率は、首都圏エリア平均では▲0.0%で一年ぶりのマイナスとなりました。エリア別では東京都下(0.1%)、埼玉(0.0%)、千葉(0.0%)はプラスを維持していますが、東京都区部と神奈川は前回(2019年10-12月期)に引き続きマイナスとなっています。 年間ベースの変動率は、首都圏エリア平均で0.3%とプラスを維持しています。エリア別では東京都区部(0.3%)、東京都下(1.3%)、埼玉(0.0%)、千葉(0.5%)がプラスで、中でも東京都下の住宅地価格が上昇しているのがわかります。一方で、神奈川は▲0.6%と首都圏エリアでは唯一マイナスになりました。 2020年3月に入ってから、首都圏ではコロナウイルス感染拡大のペースが増加し、東京オリンピック延期についても言及されましたが(2020年4月に延期決定)、調査結果では住宅地価格に大きな影響は見られません。 住宅地点別の住宅地価格の動向 次に、首都圏における、住宅地点別の住宅地価格の動向を確認していきましょう。調査対象の住宅地点の変動率について、「値上がり」「横ばい」「値下がり」の割合をまとめました。 「値上がり」を示した地点:3.6%(前回7.7%) 「横ばい」を示した時点:91.7%(前回87.5%) 「値下がり」を示した時点:4.8%(前回4.8%) 値下がり地点は前回と同じですが、値上がり地点は減少し、横ばい地点は増加しています。東京都の住宅地で、2020年1-3月期の住宅価格変動率が高い地点をピックアップしました。 東京都区部エリアは以下のとおりです。 中央区明石町(新富町駅):2.4%(年間5.0%) 目黒区鷹番1丁目 (学芸大学駅):1.5%(年間6.2%) 世田谷区太子堂2丁目(三軒茶屋駅):2.1%(年間2.1%) 世田谷区上野毛3丁目 (上野毛駅):▲2.2%(年間0.0%) 練馬区高野台3丁目 (石神井公園駅):▲2.2%(年間0.0%) 練馬区大泉学園町4丁目 (大泉学園駅):▲3.5%(年間▲3.5%) また、東京都下エリアは以下のとおりです。 武蔵野市西久保2丁目 (三鷹駅):2.9%(年間12.2%) 三鷹市上連雀1丁目 (三鷹駅):2.7%(年間11.8%) 西東京市東町1丁目 (保谷駅):▲3.2%(年間▲3.2%) 西東京市南町5丁目 (田無駅):▲1.0%(年間0.0%) これらの住宅地の中でも、武蔵野市西久保2丁目と三鷹市上連雀1丁目 の三鷹駅北口エリアは、年間ベースの変動率が大きく上昇しています。武蔵野市は「三鷹駅北口街づくりビジョン」を策定しており、補助幹線道路の整備などの再開発が進む予定であることが、住宅地価格の上昇要因だと考えられます。このように、一部の住宅地では高い変動率が見られるものの、全体的には横ばい地点が大半を占めています。 出典) ・ノムコム「野村不動産アーバンネット価格動向調査(実勢調査)について」 ・武蔵野市「三鷹駅北口街づくりビジョン」 住宅地価格の今後の動向は? 今回の調査結果で、2020年1-3月期の住宅地価格に大きな変動は見られないことが明らかになりました。しかし、コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の影響、東京オリンピック延期などの要因があるため、住宅地価格の今後の動向は不透明です。コロナウイルス感染拡大が長引けば、経済活動の停滞は避けられず、住宅地価格が大きく下落する可能性もあります。住宅の購入や売却、不動産を活用した資金調達などを検討している場合は、住宅地価格の動向を注視しておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント...記事を読む 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...記事を読む

  • 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは?

    不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは?

    不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くなりました。実際に、2020年以降は、都市圏での人口の減少、地方の過疎化など、多くの懸念点が指摘されています。 しかし、30年後を見据えて、どのエリアのどういった物件の価値が下がらないのかは見当もつかないはずです。 そこで、今回は、不動産のプロ104人に、30年後に価値が上がる物件やエリア、30年後に価値が下がる物件やエリア、また、最近人気のタワーマンションの価値に関してアンケート調査を実施しました。 第2弾として30年後に価値が下がらない物件について焦点を当てたアンケート結果を紹介します。 【回答者】不動産会社に勤務する代表者、物件仕入れ担当者、営業担当者 104名 【回答期間】2019年9月24日~2019年10月8日 【回答者の不動産業務経験年数】 3年未満 6.7% 5年未満 3.8% 10年未満 17.3% 20年未満 26.0% 30年未満 26.0% 30年以上 20.2% ※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。 不動産価値が落ちにくい物件種別 設問:築年数や広さが同等の場合、下記の物件種別の中ではどの物件の価値が落ちにくいと考えますか? 不動産査定のプロたちが選んだのは、1位が「一戸建て:33.7%」、2位が「タワーマンション:22.1%」、僅差で3位が「大規模マンション:21.2%」となりました。 戸建ての価値が下がらない理由を見てみると下記のコメントがありました。 □ 土地の価値が下がりにくいと考えるため。 □ 基本的には、土地の相場で判断しているため、あまり建物の築年数は関係ない。弊社の考えは建物に付加価値をみていないので、築20年も築30年も建物の価値は評価していない。 □ 近年の物件価格の推移をみる限り、マンション価格は長く上昇傾向にあるが、戸建て価格は一定の水準をキープしている。相場のピークアウトが見られる現在、先に価格が下落するのは、相場の上がっているマンション系が先と考えている。 □ 土地の価格は下がっていないため。相対的にマンションはタワマンにみられる外国人投資家の過剰投資の反動での冷え込みにより、マンション全体が引っ張られる形で調整される状況にある。 □ 建物そのものの価値が経過年数とともに評価0になるため、土地価格のみの評価になる。故に、2020年以後、今後の日本経済情勢・金融政策・土地税制・その他金利等を考慮し日本経済の成長などを考えた場合に、土地そのものが大きく上昇カーブをすることは考え辛く、現在乱立されているホテル・オフィスビル・収益用不動産(マンション・アパート)の需要供給のバランスが大きく崩れると思う。よって、土地そのものは下落傾向ではないかと予想する。都心中心部からドーナツ型に下落していくのではないかと予想している。但し、都心中心部の下落率は少ないと思うが、郊外に関しては、供給のだぶつきにより下落率はそれなりになると思う。 □ 土地そのものは変化しないことと、建物は古くなると目減りするため。 タワーマンションの価値が下がらない理由を見てみると下記のコメントがありました。 □ 人気エリアに立地していることが多いため。 □ 東京都港区に限る。 □ タワマンはその立地も評価されるため。 □ 新規で建てることが難しく絶対数に限りがあるため。 □ 敷地の持分が少なく、資産価値的にも、立地が良い場所に多いので。 □ 購入者が日本人だけに限らず外国人にも需要があるから。 □ 自然災害などで土地離れ傾向にあることと、若い世代が土地への執着がないこと。 マンションも規模が小さいと設備不足や計画段階での立地などで、自然災害など受けやすいと思われるし、価格帯が低い案件は好不況に左右されやすいため。タワーマンションを購入する客層はそれなりの富裕層であることやコミュニティがあることなどから価格が落ちにくいのではと考えている。実際に自分のマンションでそう感じるから。(購入後20年経過) 大規模マンションの価値が下がらない理由を見てみると下記のコメントがありました。 □ もっとも安定感があるため。世帯数が多いので管理費、修繕費も相対的に安くなり売りものが出てもすぐ売れるため。 □ 管理費修繕費の増額があまりないため。 □ 戸数が多くて、管理がしっかりしていると思うため。 □ 一戸建てについては、中古の評価基準が確立されていないので、マンションの方が資産の評価がしやすいと考えている。マンションに限定して考査した場合、共用部の充実度や長期修繕計画の財務面の有利性からすると、大規模マンションは評価しやすいと思います。(但し駅距離を徒歩10分以内が条件)タワーマンションも大規模の分類になりますが、低層部と高層部の新築時の価格乖離や長期修繕のコストからするとマイナス面もあると考えている。 □ 修繕計画上、資金面(積立金)で優位性があるため。 □ 修繕費の上がり具合が滑らかであることから。 □ 管理費・積立金が潤沢で、管理組合も正常に機能していると思うから。 【考察】 価値の落ちない物件として一戸建てが一番にあがったのは、建物よりも土地の評価が落ちないと考えられていること、マンションの価値が長年上昇傾向にあるがそろそろ下落する可能性が高いと考えている方が多くいることが要因と考えられます。 また、タワーマンションや大規模マンションは管理体制の面での安定感が、下落しないと考えられている要因のようです。 不動産価値を左右するポイント 設問:不動産物件の30年後を見据えた場合に、価値を左右する重要なポイントを重要度合いの高いものから3つまで選んでください。 30年後の不動産の価値を左右するのは、「最寄駅からの距離や公共交通機関の利便性:32.7%」と他を引き離して一番多く、次いで「日常的な買い物施設、飲食店などへのアクセスの良さ:12.9%」、「築年数や建物のグレード:11.9%」「地震・台風などの自然災害に対する安全性:10.5%」となりました。 利便性の良い物件の価値が高くなるのは理解できますが、「地震・台風などの自然災害に対する安全性」が上位に入ったのは、最近の災害の多さを物語っているのではないでしょうか。 不動産価値が下落する要因 設問:不動産物件の30年後を見据えた場合に、不動産価値が下落する要因として最も影響度が高いと思うものを3つまで選んでください。 30年後に物件の価値が落ちる要因としては、「エリア周辺の過疎化:22.1%」、次いで「自然災害の発生:19.0%」、「近隣に嫌悪施設(高速道路、火葬場、刑務所等)の建設が予定:15.2%」となりました。 ここでも自然災害の要因が上位にきています。また、2020年以降に実施される国際的なスポーツイベントの終了についてはそれほど影響しないと考えている方が多いようです。 【考察】 30年後に価値が上がると思われる要因としては、都心での再開発、新駅、ターミナル駅化と回答する方が多く、やはり立地と利便性が価値を大きく左右するようです。また、昨今の自然災害の被害も影響して、安全性確保も価値を上げる要因となっています。 逆に下がる条件としては、過疎化が一番多い回答となりました。また、不動産の価値が上がる要因とは逆に、自然災害が発生しやすいエリアでの不動産価値は低くなると考えられています。 事故物件でも価値が下がらない 事故物件でも価値が下がらないケースを聞いたところ、以下のような回答がありました。 □ 人気がある駅で、単身間取りであればニーズ高いのでそれほど下がらないと思う。 □ 駅近、近隣施設の利便性、良好な管理があれば問題ない。 □ 自殺等心理的瑕疵は難しいが、自然死等は価格的影響がないケースが多い。 □ 立地が良ければ比較的価値が下がらないと思う。 □ 屋上からの飛び降りのケースは、マンションではよくあることだし心理的にそんなに気にならないため、価値が下がらないケースが多い。 全体的に、利便性が良ければ、比較的価値が下がらないと考えている方が多く、やはり、不動産物件は、利便性が一番重要なポイントと言えそうです。 まとめ 今回は、30年後に価値の落ちない物件に焦点を当てて調査したところ、土地の価値が評価される一戸建てが最も価値が下がらない物件だという見解が多い結果となりましたが、タワーマンションや大規模マンションのように管理が行き届いている物件も評価されていました。 逆に価値が下がる要因としては、「エリア周辺の過疎化」や「自然災害の発生」が挙げられ、2020年以降開催される大きなイベントの終了に関しては、それほど影響しないと考えられているようです。 今後、不動産物件の購入を予定されている方は、参考にしてみてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産のプロが選ぶタワーマンションの価値が上がる場所とは? タワーマンションに関する調査を実施 東京近郊のタワーマンションで一番価値が上がるエリアは? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳に...記事を読む 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント...記事を読む

  • 不動産のプロが選ぶ資産価値が上昇するタワーマンションの条件とは?

    不動産のプロが選ぶタワーマンションの価値が上がる場所とは?

    タワーマンションに関する調査を実施 東京近郊のタワーマンションで一番価値が上がるエリアは? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くなりました。実際に、2020年以降は、都市圏での人口の減少、地方の過疎化など、多くの懸念点が指摘されています。 しかし、30年後を見据えて、どのエリアのどういった物件の価値が下がらないのかは見当もつかないはずです。 そこで、今回は、不動産のプロ104人に、30年後に価値が上がる物件やエリア、30年後に価値が下がる物件やエリア、また、最近人気のタワーマンションの価値に関してアンケート調査を実施しました。 第1弾としてタワーマンションに焦点を当てたアンケート結果を紹介します。 【回答者】不動産会社に勤務する代表者、物件仕入れ担当者、営業担当者 104名 【回答期間】2019年9月24日~2019年10月8日 【回答者の不動産業務経験年数】 3年未満 6.7% 5年未満 3.8% 10年未満 17.3% 20年未満 26.0% 30年未満 26.0% 30年以上 20.2% ※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。 ※今回の記事では高さ150メートル以上のマンションをタワーマンションとしています。 資産価値が下がらない立地条件 設問:タワーマンションで仮に最寄り駅から都心までの距離が同じ物件の場合、30年後に資産価値が最も下がらないと思う立地条件を3つ選んでください。 30年後にタワーマンションの価値が下がらない立地条件としては、「通勤・通学に便利なターミナル駅の近く:22.1%」、次いで「駅前が賑やかでショッピングモールやスーパーなどがあるエリア20.2%」、「駅前の再開発が最近行われたか10年以内に再開発が予定されているエリア:15.0%」となりました。 【考察】 不動産物件の価値は、その立地で決まると言われています。駅に近く、通勤や通学に便利なところ、また、駅が栄えていて、コンビニ、スーパーなどがあるところは、タワーマンションでなくとも価値が下がらないと言われています。今回のアンケートでもその考え方は同じようです。 ただ、「売主のブランド・実績」が4番目に来ているのは、タワーマンション特有の結果と言えるのではないでしょうか。 資産価値の上昇が期待できるエリア 設問:近隣にタワーマンションが建っている駅の中で、そのマンションの価値が上がると思う駅を3つ選んでください。 今後、タワーマンションの価値が上がると思う駅では、他を引き離して、1位が「中目黒:13.8%」、2位が「六本木:12.2%」となり、次いで、「青山一丁目:7.1%」「高輪台:6.7%」「池袋:6.1%」となりました。 1位、2位の中目黒、六本木は、一般の方のアンケートにもたびたび登場する駅で、根強い人気があるようです。また、高輪台が上位に入ったのは、やはり高輪ゲートウェイ駅の影響が大きいと言えます。 マンションの価値が上がるエリアとされた理由は、以下のようなコメントが挙げられていました。 □ 土地のブランドが高いため。(勝どき、高輪台、二子玉川) □ 今後の再開発による効果が出てきそうだと考えられるため。(東池袋、池袋、錦糸町) □ 高輪ゲートウェイ駅の影響があるから。(浜松町、田町、高輪台) □ 東京新都心として発展する要素があることと世界的なブランドであるため。(汐留、田町、青山一丁目) □ 日比谷線の新駅に近いため。(中目黒、六本木、神谷町) □ 中目黒はそもそもの立地的人気が下支えとしてあるため。錦糸町はホテル街や繁華街も新しい風が入ってきていて、治安が良くなってきているため。田町は新駅「高輪ゲートウェイ」ができ、人の流れが期待できるため。(中目黒、錦糸町、田町) □ 候補となった様々な街に比べ、新宿の安定度は群を抜くと思う。特に、西新宿から西新宿五丁目方面は、住環境も好ましく、日本人だけでなく外国人の目にも優良な街と思われるはず。(新宿御苑前、西新宿、西新宿五丁目) □ 渋谷区、港区、目黒区のタワーマンションは、どの時代も購入したいと考える方が多いため。(中目黒、青山一丁目、六本木) □ 東急東横線、田園都市線は人気沿線のため。(中目黒、六本木、二子玉川) □ 住民(居住者)の民度が重要で、これらの駅近辺の民度が高いと思われるため。(中目黒、高輪台、二子玉川) 反対に、価値が上がるエリアとされなかった理由は、以下のようなコメントが挙げられていました。 □ ブランド力が低いため。(市川、千葉中央、川口元郷) □ 都心から遠いため。(千葉中央、川口元郷、市川) □ 水害の恐れがあるため。(勝どき、豊洲、辰巳) □ 埋め立て地だから。(新豊洲、辰巳、千葉中央) □ 供給過多。(月島、武蔵小杉、東雲) □ 日暮里は外国人を相手に大きくなってきている町で、交通も通過点としては有名だが、駅周辺の開発があまりされていなく、大きく発展するイメージがないため。 豊洲は大きなイベントの恩恵を受け、しばらくは良いと思うが、その分、下落率が高いような気がする。千葉中央は都内への通勤圏としては、割安感があるが、千葉は東京寄りのみが発展していて、それ以外はそれほど良くなるとは思えないため。(日暮里、豊洲、千葉中央) □ 湾岸エリアの自然災害か、中国のバブル崩壊での大量放出による極端な価格崩壊が予想されるため。(豊洲、辰巳、東雲) 【考察】 タワーマンションの価値が上がると考えられているのは、やはり通常の物件でも人気のある中目黒や六本木が上位となりました。 その他の特徴としては、高輪ゲートウェイやそこに近いエリアが価値を上げると考えられているようですが、JR山手線の品川から浜松町にかけてのエリアは、新幹線や空港からの乗り入れもあり、その利便性の高さは突出しているのではないでしょうか。 興味深いのは、武蔵小杉や豊洲エリアで、価値が下がると考える方も多いようですが、反対に価値が上がると考えている方も少なくないようです。 今後購入すべきエリア 設問:山手線の駅の中で、今後タワーマンションが建設された場合にそのマンションの価値が上がると思う駅を3つ選んでください。 今後タワーマンションが建設された場合、価値が上がると思う駅では、1位が「高輪ゲートウェイ:11.2%」「渋谷:10.9%」、次いで「恵比寿:8.7%」「東京:8.3%」となりました。 理由としては以下のコメントがありました。 □ 再開発が進んでいるため。(渋谷、品川、高輪ゲートウェイ) □ 飛行機、リニアモーターカーのアクセスが良いため。(田町、品川、高輪ゲートウェイ) □ 渋谷は、ビジネスと商業の鉄板のエリアであり、駅近にタワーマンションないため、駅近にタワーマンションが出来れば100%値上がりすると思う。上野は、海外からのインバウンドが上野周辺にホテル含め非常に多く、認知度も大分上がってきており、千葉方面(TDL)へのアクセスが良いため。高輪ゲートウェイは、言うまでもなく新駅周辺は価値が高くなるため。(渋谷、上野、高輪ゲートウェイ) □ オフィス機能が集積していて、交通アクセスが良い駅だから。(渋谷、東京、浜松町) □ 現時点でタワーマンションが少なく潜在ニーズがあるように思う。(五反田、目黒、恵比寿) 【考察】 この結果はタワーマンションに限らない結果となりました。新駅および、従来より人気のある渋谷、恵比寿は、タワーマンションでなくとも価値が落ちないエリアとして、よくメディアなどにも登場します。 また、駒込、日暮里、田端、巣鴨などは、人気のあまりないエリアとして、こちらもメディアなどにもたびたび登場します。 タワーマンションに限らず、不動産物件の価値が上がる駅とそうでない駅として、今後もあまり変化しないと考えられます。 まとめ 今回は、タワーマンションに焦点をあてて調査しましたが、タワーマンションだから価値がそれほど下がらないということではなさそうです。 特徴としては、新駅、商業の中心エリア、利便性の高いエリアは、今後も価値が上がり、ブランド力が低いエリア、自然災害に弱いエリア、マンションの供給が過剰なエリアは、東京近郊のタワーマンションでも下がる可能性があると考えられているようです。 今後、不動産物件の購入を予定されている方は、参考にしてみてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...記事を読む 不動産価値の高め方とは?立地条件と不動産価値の関係 不動産の価格は価値と連動するため、高く売るためには価値を高めることが大切です。 それでは、所有する不動産をできるだけ高く売るために、オーナーは何を行えば良いのでしょうか。 不動産価値を高める...記事を読む