金融/不動産知恵袋

リースバック

  • リースバック取引の審査のポイントとは

    リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。近年、高齢化により老後資金に不安を感じる方が増えており、自宅を活用した資金調達方法として注目されています。しかし、高齢者の方は融資や賃貸借契約の審査に通りにくい傾向にあるので、リースバックの利用を検討していても、審査に通るかどうか気になるのではないでしょうか。 リースバックの審査は融資の審査とは仕組みが異なり、持ち家があるほどの与信力があれば、高齢者でも問題なく利用できるケースが多いです。ただし、不動産によっては審査に通らないこともあるため、リースバックを利用する前に、審査基準やポイントについて理解しておくことが大切です。そこで今回は、リースバック取引の審査のポイントについて解説していきます。 リースバックと融資の審査は異なる まずは、自宅を活用した資金調達方法である以下2つのサービスを確認していきましょう。 不動産担保ローン リバースモーゲージ 不動産担保ローンとリバースモーゲージは、いずれも不動産を担保に金融機関から融資を受ける方法です。不動産の担保評価はもちろん重要ですが、個人の属性についてもしっかり審査されます。年齢や信用情報などの与信面に問題があり、「返済が滞る可能性がある」と金融機関から判断されると融資を受けるのは難しくなります。 リバースモーゲージは利用者を高齢者に限定したサービスで、毎月の返済を利子のみにすることで返済額を抑え、債務者が死亡したときに担保不動産を処分して借入金の元金を返済する仕組みです。主に老後資金を確保する目的で活用されますが、リバースモーゲージは年齢制限や年収基準があるため、審査基準を満たさないと利用できません。また、資金使途は原則自由とされていますが、金融機関によっては事業性資金や金融商品を購入する資金には使えないなど、資金使途に制限が設けられています。 それに対して、リースバックは自宅を運営会社に売却することで、まとまった資金を調達できるのが特徴です。不動産を担保に融資を受けるわけではないため、不動産の審査※が主となっています。そのため、高齢者や信用情報に不安がある方でも、売却予定の自宅に価値があれば審査に通りやすく、手元資金を確保できる可能性があります。また、リースバックは資金使途に制限がないので、老後の生活資金や教育資金、事業資金など、調達した資金を幅広い用途に利用できるのもメリットです。 ※金融機関が不動産を審査する場合、「審査」ではなく「調査」という表現を用いることが多いですが、本コラム内では不動産の「審査」という表現で統一しています。 リースバックの審査では個人の与信力は重視されない? リースバックは自宅を運営会社に売却後、その会社と賃貸借契約を締結するので、審査のポイントは、不動産に問題がないかという不動産の審査と、賃料を支払うことが出来るかという個人の審査となります。個人の審査については不動産を担保にした融資とは異なり、通常の賃貸借契約をイメージすれば問題ないでしょう。基本的に年齢制限や収入基準はなく、売却できる自宅があれば利用可能です。 リースバックで賃貸借契約を締結するときに家賃保証会社を利用する場合、その保証会社の審査が入ります。家賃保証会社では、家賃の支払能力(安定した収入、借金の有無など)や滞納歴などについて審査されますが、そもそもリースバックの利用者は持ち家を所有している人が対象ですので、持ち家があるほどの与信力があれば、問題なく審査に通過できるケースがほとんどです。 リースバックの審査では不動産の流動性が重視される リースバックの審査において、個人の与信面はそれほど重視されませんが、不動産についての審査は重視されます。運営会社は事実上、賃貸借契約期間中に不動産を自由に売却できない制約を負っているため、不動産の価値を重視します。不動産の価値が高いほど審査に通りやすく、好条件で売却できる可能性が高いでしょう。 リースバックでは、流動性があって売却しやすい不動産ほど評価が高くなります。一方で、運営会社の対象エリア外の不動産や市街化調整区域の不動産は利用不可で、審査に通りません。なぜなら、市街化調整区域は住宅の建築方法や建築できる建物に制限があり、不動産の市場価値が下がりやすくて売却しにくいからです。また、不動産の審査では、以下の点についても確認されます。 建物に瑕疵(不具合や欠陥)がないか 借地権等で建て替えや売買に制限がないか 既存不適格の建物ではないか 通常の不動産売却でもそうですが、瑕疵のある建物や、借地権等で建て替えや売買に制限がある不動産は評価が低くなる傾向にあります。なお、既存不適格の建物とは、建築当時は適法に建築されましたが、その後新たに施行・適用された規定には適合していない建物のことです。違法な建物ではありませんが、既存不適格の建物の場合、融資が付きづらいなどの理由で評価は低くなる傾向があります。ただし、これらに該当する不動産でもリースバックが利用できる可能性はあるので、運営会社に相談してみるといいでしょう。 まとめ リースバックは自宅の売却と併せて賃貸借契約を締結するので、不動産売買も含めた一連の流れで個人の審査がなされます。そもそも不動産を所有しているほどの与信があるということや、運営会社側のリスクヘッジとして敷金や保証会社の保証料があることから、個人の審査はそれほど厳しくありません。そのため、ほかの不動産を活用した資金調達が難しかった場合でも、リースバックであれば審査に通るケースが多く、それほど心配する必要はないでしょう。 ただし、リースバックは不動産売買取引であるため、売却する不動産にも審査が入ります。不動産の評価が高ければ好条件で売却できる可能性がありますが、運営会社の対象エリア外の不動産などは利用できないので注意が必要です。リースバックを検討しているなら、一度運営会社に相談して仮査定を受けてみてはいかがでしょうか。 リースバックとは?メリット・デメリット、代表的な事例を紹介 リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。高齢...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。

  • リースバックとは?メリット・デメリット、代表的な事例を紹介

    リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。高齢化によって老後資金の確保が課題になっていることから、リースバックは自宅を活用した資金調達方法として注目されています。売却後は運営会社に所有権が移転するので、自宅の相続についてのトラブルを回避できますし、契約次第では売却後に自宅を買い戻すことも可能です。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、特徴を理解したうえで利用することが大切です。今回は、リースバックのメリット・デメリット、代表的な事例を紹介します。 リースバックのメリット リースバックには、以下3つのメリットがあります。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる まとまった資金を手に入れるために自宅を売却すると、通常は別の家を探して引っ越さなくてはなりません。しかし、高齢になるほど、新居を購入するために住宅ローンを組んだり、賃貸住宅を借りたりするのは難しくなるのではないでしょうか。リースバックなら、運営会社と賃貸借契約を締結することで、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられます。自宅を売却してまとまった資金を手に入れながらも、慣れ親しんだ自宅に住み続けられるのは、リースバックの大きなメリットです。 月々の支出が定額化される 自宅を所有している場合、住宅ローンを完済していれば、定額の支出はありませんが、修繕が必要になるとその都度支出が発生しますし、固定資産税や火災保険、地震保険の支払いも必要です。一方、リースバックでは自宅を売却して賃貸借契約を締結し、毎月一定の家賃(リース料)を払うことになります。自宅を所有している時の費用がなくなり、支払いが定額化されるので、資金計画が立てやすくなります。賃貸借契約の場合、家財やマンションの専有部分には火災保険をかけるのが一般的ですが、中には火災保険料が無料の運営会社もあります。 家を所有することで持つリスクを無くせる 自宅を所有していると、価格下落や修繕、災害による建物の損壊などのリスクがあります。また、変動金利の住宅ローンが残っている場合は、金利上昇で返済額が増加するかもしれません。特に災害などは不動産の資産価値を大きく目減りさせてしまう可能性がありますが、リースバックで自宅を売却すれば、所有権が運営会社に移転するので、これらのリスクは運営会社が負うことになります。 リースバックのデメリット リースバックは先程紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。 売却価格が市場価格よりも安くなる リースバックは、基本的に自宅の売却価格が市場価格よりも安くなります。市場価格よりも安くなる理由は、リースバック運営会社が売主(借主)の家賃滞納リスクや、買い戻しに応じるために自由に売買できない制約などを抱えているからです。また、リースバックでは、売買価格と家賃がトレードオフの関係にあるため、仮に高く売却できたとしても、その場合は家賃が高くなる傾向があります。リースバックは売却しても自宅にそのまま住み続けられる分、普通に売却するより売却価格が安くなる点に注意が必要です。 所有権が運営会社に移転する リースバックで自宅を売却すると、所有権はリースバック運営会社に移転します。メリットのところで紹介したように、価格下落や災害などのリスクは無くなりますが、自分の好きなようにはできなくなります。たとえば、「リフォームや建て替えをしたい」と思っても、運営会社の許可なく行うことはできません。将来、自宅のリフォームやリノベーションなどを考えているなら、リースバックの利用は慎重に判断しましょう。 ずっと住み続けられるとは限らない リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットです。しかし、リースバックの多くは、賃貸契約期間が定められている「定期借家契約」で賃貸借契約を締結しますが、「定期借家契約」の場合はずっと住み続けられる保証はありません。定期借家契約では、貸主と借主の合意があれば再契約は可能ですが、運営会社の事情で再契約ができず、売却から数年後には引っ越しを迫られる可能性もあります。リースバックでも賃貸借契約の期間を越えて家に住み続けたい場合は、定期借家契約ではなく、普通借家契約が締結できる運営会社を選ぶと安心です。 リースバックの代表的な事例 リースバックの代表的な事例をまとめました。 住宅ローンの返済が滞って売却を求められているが、同じ家に住み続けたい 住宅ローンの返済が滞って金融機関に残債の一括返済を求められた場合、任意売却や競売での返済を選択すると、自宅を失うことになります。しかし、リースバックで自宅を売却し、その資金で住宅ローンを完済することができれば、同じ家に住み続けることができます。ただし、リースバックでは市場価格よりも安くなる傾向にあるので、売却価格が住宅ローン残高よりも高くないと利用が難しいということを念頭に置いて検討することが必要です。 同じ家に住み続けながら月々の支払額を減らしたい リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら、月々の支払額を減らすことが可能な場合があります。住宅ローンによっては当初固定金利や段階金利など、返済期間の経過に伴い月々の支払金額が上がるケースもあります。返済額の増加によって毎月の支払いが厳しくなった時、リースバックで賃貸に切り替えることで住宅ローンの返済額より家賃のほうが低くなれば、月々の支払額が減って資金繰りが楽になることがあるでしょう。 まとまった資金を手に入れて住み替えたい リースバックは、新しい家に住み替える際にも利用できます。リースバックで自宅を売却すれば、まとまった資金が手に入り、新居の購入資金に充てられますし、住宅ローンが残っている場合にも残債を返済することが出来るので、借入を精算することが出来ます。また、新居に住み替えるまでは今までの家に住み続けられるので、仮住まいを見つけて一時的に引っ越しする必要もありません。 まとまった資金を手に入れて老後資金にしたい 高齢化に伴い、老後資金に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。リースバックを利用すれば、同じ家に住み続けながら、自宅の売却でまとまった資金を手に入れられます。また、不動産は共有で相続すると後々に不都合が生じますし、だれか一人が相続すると他の相続人との間で不平等が生じ、トラブルになりやすいとされています。リースバックを利用して、財産を現金化しておけば、相続についてのトラブルも回避することができるでしょう。 まとめ リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるので、「老後資金を確保したい」「住宅ローンの返済負担を減らしたい」といった場合に活用できます。ただし、売却価格は市場価格より安くなりますし、賃貸借契約が定期借家契約の場合は、ずっと住み続けられる保証はありません。契約してから後悔しないように、メリット・デメリットをよく理解したうえで、リースバックを利用するか検討しましょう。 リースバックを比較する5つのポイント リースバックとは、自宅を不動産会社などのリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。近年は高齢化により老後資金の確保の選択...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。

  • リースバックを比較する5つのポイント

    リースバックとは、自宅を不動産会社などのリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。近年は高齢化により老後資金の確保の選択肢の一つとして、リースバックの需要は増加傾向にあり、リースバックを取り扱う会社も増えています。 リースバックを利用すれば、自宅を売却してまとまった現金を確保しながら、引き続き同じ家に住み続けることができます。また、売却後は所有権が運営会社に移転するので、自宅の相続についてのトラブルを回避できます。ただし、リースバックは会社によって売買価格や家賃などの諸条件・サービス内容に違いがあるので、複数の会社を比較したうえで利用することが大切です。今回は、リースバックを比較する5つのポイントについて解説します。 1.売買価格 リースバックでは、運営会社によって、不動産の評価方法に違いがあるため、売買価格は変わってきます。また、運営会社が売主の家賃滞納リスク、買戻しに応じるために自由に売買できない制約を抱えていることも、売買価格に影響を与えます。リースバックで自宅を売却するときは、なるべく高い価格で売却できる方が良いと考えがちですが、売買価格は家賃とトレードオフの関係にあるため、売買価格だけで決定するのではなく、その他の条件を踏まえた上で総合的に判断しましょう。 また、売買価格のほかに、以下のような取引コストに注目することも大切です。 仲介手数料 事務手数料 抵当権の抹消手数料 リースバックの多くは仲介手数料がかかりますが、運営会社が買主になることで仲介手数料が発生しないケースもあります。事務手数料については、無料の会社もある一方で、30~50万円程度の事務手数料を請求されることもあります。また、住宅ローンが残っている場合は、抵当権の抹消費用を請求されますので、金額が適正かどうかは確認しておく必要があります。 リースバックでは、自宅を少しでも高く売却し、安い家賃で借りることが理想です。しかし、売買価格や家賃だけに注目するのではなく、取引コストなどの他の比較ポイントも含めて総合的に判断しましょう。 2.家賃 リースバックでは、自宅の売却後に家賃を支払うことになりますが、運営会社によって家賃に差があります。また、売買価格でも述べましたが、一般的に売買価格と家賃はトレードオフの関係にあり、売買価格が下がれば家賃も下がります。運営会社によっては「家賃を何ヶ月か猶予する」「売買代金の一部を預け入れすれば家賃が下がる」と提案されるケースもあるかもしれません。しかし、それは単に売買価格を低く見積もっているだけです。家賃は安ければいいわけではなく、売買価格も含めて比較することが大切です。 また、リースバックで売却した自宅を借りる際は、敷金や礼金、更新料、家賃保証会社への保証料も必要になります。これらの費用は無料の会社もあれば、有料の会社もあるので、家賃も含めてしっかりと比較しましょう。 3.賃貸契約期間 リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットです。しかし、リースバックの多くは賃貸契約期間が3年などに定められている「定期借家契約」になります。ほとんどの運営会社は「再契約することでそのまま住み続けることは可能」と謳っていますが、運営会社の事情で再契約されないことも考えられます。そのため、貸主からの解約申し入れには正当事由が必要である「普通借家契約」のほうがより良い契約と言えるでしょう。定期借家契約でリースバックを利用する場合は、運営会社の都合で再契約ができずに契約が終了することも想定し、状況に応じて引っ越しする覚悟が必要です。 4.買戻し条件(価格、期間) リースバックは、売却した自宅の買戻しが可能であることも特徴のひとつです。将来的に自宅を買い戻すことを想定して、リースバックを検討する方も多いのではないでしょうか。しかし、リースバックで自宅を買い戻すときの価格は、売却時よりも高くなることが多いです。 また、買戻し条件も運営会社によって異なるため、予定通り買い戻せるかはわかりません。予め価格や賃貸契約期間などの条件が決まっていて、それらが書面化されていれば、買戻しについてのトラブルを避けられます。買戻し価格を提示してくれる会社が複数ある場合は、より安い価格で買戻しができる会社を選ぶといいでしょう。運営会社によっては、買戻し条件があいまいなところもあるので注意が必要です。 5.運営会社の信頼性 リースバックを利用する際は、運営会社の信頼性も重要なポイントです。実績や業績などを比較して、倒産リスクが低い会社を選びましょう。家賃を低くするために売買代金の一部を預け入れしている状態で運営会社が破産した場合には、その預けている売買代金の一部は戻ってこない可能性が高いです。 また、管理業務の体制やサービスついても、内容を調べて比較しておきましょう。中には専用窓口を設置して、高齢者を対象にした見守りサービスや家事代行サービス、宅食サービスなどを提供している会社もあります。 まとめ リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるので、老後資金の不足など、まとまった現金が必要な場合に活用できます。ただし、運営会社によって売買価格や家賃、取引コストだけでなく、賃貸契約期間や買戻し条件も異なります。リースバックを検討する際は、自身の状況をきちんと整理し、必ず複数の会社から見積もりを取るなど、比較検討したうえで利用するサービスを決めることが大切です。自宅を売却した後も安心して同じ家に住み続けられるように、この記事で紹介した5つの比較ポイントを参考にリースバックの運営会社を比較してみてください。 リースバックで、もしもに備える!急な医療・介護費用の資金調達法! 親の医療費や介護費用が、ご自身の家族の教育費などと重なって、ダブルパンチになる世代が増えています。高齢の親の入院など急な連絡をもらっても慌てずに対処できるよう、お金の調達の選択肢を増やしてお...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。

  • コロナウイルスの影響で住宅ローンの返済に困ったらリースバックの検討を

    コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。住宅ローンそのものの見直しも考えられますが、長期的なローン負担を気にして、もっと迅速かつ身軽になれる手段を求める方も増えています。今回は、コロナの長期化に不安をもつ方が、今できることとしてどんな手段があるのかをご紹介します。 <ご相談者 Hさん> 54歳男性。会社員 妻(52歳)はパート。子供はいない。 コロナウイルスの影響で、夫の勤め先の業績が落ち、ボーナスは見込めず、基本給のみに。 妻のパート先も休業などでなくなり、夫婦の稼ぎは大幅にダウンしている。 35歳で購入した住宅のローンは、定年退職金で完済しようと思っていたが、その前に収入ダウンで家計全体がきつくなっている。 (1)住宅ローンが重荷だが、この時期、引越しは避けたい Hさん:会社員の我が家でもコロナによる収入ダウンの影響が出ています。自分はボーナスがなくなり、月収も基本給のみになるとのこと。妻はパートが全くなくなり、このままでは、住宅ローンの返済も心配です。 FP吹田:この時期、本当に収入ダウンが深刻になりつつありますよね。住居費は、住宅ローンのほか維持費もありますか?全体では住居費はどのくらいの負担なのでしょうか? Hさん:はい、マンションなので、管理費や修繕積立金もあります。住宅ローンが月15万円、マンションの管理費や修繕積立金を入れると月17.5万円相当の支出が続くのは痛いです。何かいい方法はありますでしょうか? FP吹田:コロナウイルスの影響に対して、金融機関による住宅ローンの返済方法の変更が柔軟になりつつあります。Hさんの場合、まず考えられるのは、住宅ローンの返済期間を延長して、毎月返済額を軽くする方法でしょう。 Hさん:なるほど。借り換えではなく、借入をしている金融機関に相談をするのですね? FP吹田:はい、借り換えは審査に時間もかかりますし、収入が下がっている場合は、難しいかもしれません。現在の住宅ローンの返済残高と残りの期間はどのくらいでしょうか? Hさん:残高は2,570万円ほどで、残りの期間は16年あります。 FP吹田:なるほど。現在54歳とのことなので、返済期間の延長で完済時年齢を80歳ギリギリまで期間を延ばすとすると、残り16年を26年まで10年間延長することができそうですね。住宅ローンの金利はどのくらいですか? Hさん:1.40%です。返済期間が10年延びることで、どのくらい毎月返済が軽くなるでしょうか? FP吹田:ざっと試算しますと、10年間の期間延長で、毎月の住宅ローンの返済は10万円になりますね。現在と比較すると、毎月の返済額は5万円ほど減りますが、期間延長によって、支払う利子の合計は300万円から480万円へと約180万円も膨らんでしまいます。 Hさん:そんなに膨らむのですか? 毎月5万円の減少は大きいですが、利子の負担が少し気になりますね。今後の働き方を考えると、転職の可能性もあるかもしれません。せっかく買った家ですが、転職するなら、この住まいにずっと住む必要があるかわからないですし、いっそのこと、売却も視野に入れたほうがいいでしょうか? (2)売却でまとまったお金が入り、そのまま住み続けられるリースバックも FP吹田:この時期、一般的な不動産売却を考えるのは、様々な手続きや引っ越しの手間などを考えると大変だと思います。まずは引っ越しをしないで、生活を立て直すための資産や預貯金を整理することを優先してはいかがでしょうか? Hさん:なるほど、引越しをしないで、整理できることからですね。どのような方法がありますか? FP吹田:はい、ご自宅を不動産業者へ売却するけれども、そのまま借りるというリースバックという方法なら、売却資金が入って、住宅ローンは完済されますよね。そして引越しせずに、今のお部屋に家賃相当のリース料を払って住み続けることが可能です。 Hさん:なるほど。今の生活は大きく変えずに、住宅ローンがなくなるのですね。デメリットは何でしょうか? FP吹田:デメリットは、売却価格がやや安めになる点と、リース料がかかることですね。先ほどの住宅ローンの期間延長と比べた特徴を表にしてみました。 リースバック 住宅ローンの期間延長 仕組み 不動産を売却するが、そのまま賃借して住み続ける 住宅の所有権はそのまま、住宅ローンの返済期間を延ばし、返済額を軽減 メリット ・買主を探す必要がなく、比較的早く現金化できる・売却後も住み慣れた家に住み続けることが出来る・不動産の価格下落リスクを回避することができる ・毎月のローン返済が軽くなる・所有権は変わらない デメリット ・売却価格が周辺相場よりも安くなりがち、売却価格によっては住宅ローンを完済できないことがある・毎月のリース料(家賃)が発生する・敷金や礼金、更新料の負担がある(一部の企業では無料) ・返済金額が長くなることで、利息負担総額は膨らむ・固定資産税や管理費・修繕費用など維持費がかかる Hさん:なるほど。一般的な不動産売却では引っ越しなどの手間がありますが、現在の住環境を変える必要がないというのは大きなメリットですね。 FP吹田:そうですね。他に、ご自宅の現金化とローン完済が迅速にできることも、新型コロナウイルスが不動産価格にどう影響するのか不透明である今の時期には重要でしょう。売却価格やリース料については、一度、担当者に相場観など調べてもらって確認してみる価値はあると思いますよ。 Hさん:そうですね。住宅ローンがなくなって、どの程度現金が残るのか、リース料の負担も今後どのくらい生活設計に影響が出るのか、チェックしてもらいたいです。 FP吹田:そうですね。将来の生活設計については、今のお住まいでずっとリース料を払い続けるというよりも、ご夫婦の働き方や暮らしのベースに応じて拠点などもう一度見直していくべきだと思います。転職やリモートワークなどから、エリアももっと柔軟に考えられるかもしれませんよね。お引越しを落ち着いた頃にできると考えれば、住居費の負担も身の丈に合ったものにできると思いますよ。 Hさん:確かにそうですね。今はある意味、我が家にとっても非常事態で、大きな過渡期だと思います。過去のことに縛られずに、リセットできるように身軽にしておくことが一番なのかなと思っています。過渡期の整理の手段として、リースバックも検討してみます。 まとめ 住宅ローンが辛い家計、引越しせずに生活を立て直す手段は? 住宅ローンの期間延長は? 利子の負担増加で支払総額は膨らむことになり、相当な金額になることもある。 借入金融機関との交渉のみでいいので、早く対応ができる。 リースバックの効果は? 引っ越し不要で、売却により住宅ローンを完済でき、そのまま住み続けられる。 金利上昇や災害時など、突発的な出費のリスクを軽減できる。 現在の住宅ローン残高や売却価格次第では手元に大きな資金を用意できる。 リースバックで、もしもに備える!急な医療・介護費用の資金調達法! 親の医療費や介護費用が、ご自身の家族の教育費などと重なって、ダブルパンチになる世代が増えています。高齢の親の入院など急な連絡をもらっても慌てずに対処できるよう、お金の調達の選択肢を増やしてお...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など

  • リースバックで、もしもに備える!急な医療・介護費用の資金調達法!

    親の医療費や介護費用が、ご自身の家族の教育費などと重なって、ダブルパンチになる世代が増えています。高齢の親の入院など急な連絡をもらっても慌てずに対処できるよう、お金の調達の選択肢を増やしておくことはとても重要でしょう。 今回は、急な入院や介護費用を心配するアラフィフ世代からみた、親の医療費や介護費用、その長期化を視野にいれた資金調達の手段についてご紹介します。 [ご相談者 Kさん] 51歳 男性。妻と子供3人。子は大学2年生、高校3年生、高校1年生 父は既に他界していて、82歳の母が地方の実家で一人暮らし。 母が転んで骨折し、入院。どうやら介護も必要な様子。 自分はこれから教育費がピークを控えているので、母の医療費や介護の費用などは、母の財産で捻出できたらと思っている。 (1)母入院の急な連絡、医療費や介護費用含めたお金が心配 Kさん:先日、母が入院したと連絡があり、ビックリしました。転んで骨折したらしいのですが、歳も歳なので、介護が必要になりそうで、お金もどうなるかとても不安です。 FP吹田:それはお母様も、付き添う人も大変ですね。入院期間はどのくらいかかりそうなのですか? Kさん:3~4カ月はかかるらしいです。まず医療費が気になりますね。自分も姉も、ちょうど子供の大学などお金がかかるピークなんですよ。 FP吹田:皆さんお子さんの教育費とダブルで気がかりなのですね。お母様の医療費は、後期高齢者医療制度で、健康保険の適用範囲内なら高額療養費制度を利用することで1カ月一定額までの負担になるようになっています。お母様が年金収入のみとして、課税所得145万円未満の一般世帯なら、入院と外来で1カ月に57,600円が上限と言われています。 Kさん:1か月に約6万円ですか。介護の費用がかかり始めたら、更にですよね。 FP吹田:はい、医療と介護と両方お金がかかることに対しては、高額介護合算療養費という制度で上限が設定されています。詳細は自治体に確認していただくことになりますが、東京都の場合、後期高齢者医療制度+介護保険制度を合わせて、所得が一般世帯なら自己負担も年額56万円までとなっています。 (参考:http://www.tokyo-ikiiki.net/easynavi/kyufu/1000526.html) Kさん:なるほど。医療と介護を合わせた上限ですね。母の住む市町村に問い合わせてみます。ただ、実際には、移動や付き添う交通費もかかるし、母のことがいつまで続くのか、先が見えないんですよね。公的な貸付制度ってなかったでしょうか? FP吹田:はい、先ほどの高額療養費の範囲内で貸付を受けられる高額医療費貸付というのものもあるのですが、これは「貸付」といっても、実際は、借りるお金が高額療養費の申請後に還付されるだけで、戻ってくる分の先払いにすぎません。自己負担上限までの負担は実際、変わらないのですよ。お母様ご自身の預貯金などは、おありなのでしょうか? Kさん:それが、不動産はあっても、年金が少なくて、預貯金はあまりないのです。母のリハビリとかが長びいても安心できるような資金調達とか何かないでしょうか? (2)自宅を相続後、売却するつもりならリースバックを考えて FP吹田:そうでしたか。不動産はおありなのですね。 Kさん:はい、父からの相続で不動産はみな母が引き継いだのです。地方なので、自分も姉も、その土地があっても今の子育て環境では活かせないと話しまして。 FP吹田:お子さんの受験などを考えると、実家に戻ることもないということですね。 Kさん:はい、おそらく、自分も姉も、実家に戻ることはなく、いずれ母が亡くなったら、売却を考えることになるかと思います。 FP吹田:なるほど、亡くなられた後に売却されることをお考えでしたら、ご自宅などの不動産のリースバックという方法を検討されてはいかがでしょうか? Kさん:リースバックですか? FP吹田:はい。不動産業者に不動産を売却するけれども、そのまま借りるという仕組みで、ご自宅などお母様の住む環境は全く変えずに、不動産を活用して資金を捻出できる方法の一つです。 Kさん:なるほど。名義は変わるけれども、実態は変わらないから、母に負担はかからないのですね。いずれ売却する不動産なら、時期が早まるだけだから、問題なさそうですね。 FP吹田:はい。所有権を手放すので、中には淋しく感じる方もいらっしゃいますが、相続後に売却すると思っていらっしゃるなら、逆に、今後の固定資産税などの納税義務や地震や災害での修復などの重荷から早めに解放されるとも言えます。念のため、メリット・デメリットを以下の表にまとめてみました。 (3)リースバックのメリット・デメリットとは 【表】リースバックや高額医療費貸付のメリット・デメリット リースバック 高額医療費貸付(国保) 仕組み 不動産の売却と賃貸の組み合わせ 高額療養費支給見込み額の9割相当額の貸付 メリット ・買主を探す必要がなく、現金化までの期間が比較的に短い ・引越す必要がなく、環境が変わらない ・資金使途が自由 ・高額療養費制度の申請後に清算され、長期の借金ではない ・無利子 ・保証人不要 デメリット ・売却価格が周辺相場よりも安くなりがち ・毎月のリース料(家賃)が発生する ・資金使途が医療費のみ ・貸付限度額がある Kさん:なるほど。資金使途が自由なら、医療費や介護費用と、万一の葬儀関係費用も含めて賄えたら、一気に不安が消えるような気がします。 FP吹田:そうですね。特に介護費用については、介護保険適用外の出費もありうるので、予算が大きく変わる可能性があります。その意味で、自由に使えるお金があるというのは安心感につながるでしょう。リースバックは、通常の不動産売却に比べると、買主とのやりとりなどの時間がかからなくて迅速な一方、売却価格が低めになりがちなど一長一短ですが…。 Kさん:それはやむを得ないですね。こちらも急いで資金を確保したいので。 FP吹田:それをご理解の上なら、問題ないでしょう。仮に亡くなられてからでは、お母様の資産を動かすのは、遺産分割協議を終えてからでないとできません。ですから、意思決定できるお元気なうちにお母様にも相談をされたほうが良さそうですね。 Kさん:幸い、母はまだ認知症の症状は出ていませんし、お金のことは心配しているはずなので、姉とともに相談してみます。特に、子供の教育費にしわ寄せがいかないように対策がとれるのなら、前向きに検討できると思います。 FP吹田:お母様やお姉様、皆さんにとって、一番不安や負担がない方法として、ご相談してみてくださいね。 まとめ 医療・介護費用を捻出したい場合の選択肢 国保の高額医療費貸付 無利子だが、高額療養費支給見込み額の9割相当以内で、還付される分の先払いにすぎない。高額療養費制度の自己負担額そのものは払うことには変わらない。 リースバックの可能性は? 不動産業者に売却するので、比較的短期間で資金を捻出できる。 資金使途も制限がないので、介護費用などの予算変動にも対応できる。 所有権は手放すが、実質的な環境は変わらないので、家族で協力しやすい。 不動産担保ローンとリースバックの違いとは リースバックは、自宅などの不動産を活用した資金調達方法のひとつです。不動産担保ローンとリースバックは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など

  • 不動産担保ローンとリースバック、事業資金調達の際はどう使い分ける?

    自分だけでなく、家族がやりたいことを実現するために、急にまとまった資金が必要になることはよくあることでしょう。そんな時、先に住宅ローンの完済などへ充当してしまって手持ち資金が少なく、悩む方も多くみかけます。 今回は、退職金で住宅ローンを完済した後に、家族を応援するために資金を捻出したいという66歳のFさんの相談事例をご紹介します。 [ご相談者 Fさん] 66歳男性 退職後アルバイト。配偶者を亡くし、一人娘(独身)が近所に住む。 自宅はマンション。昨年、退職金で住宅ローンを完済したので、手元の預貯金が少ない。 娘が知人のカフェを引き継ぎ、室内を一部リニューアルしたいと資金の相談を持ちかけてきた。5~6年後には返してくれるようだが、今、資金の余裕がなくどうしたらいいか? (1)自宅に住むのは変わらずお金を生み出す更なる方法 Fさん: 昨年、退職金で住宅ローンを完済したので、手元の預貯金はかなり減ってしまいました。それでも、アルバイトをしながら、自分の老後のことは何とかできるようにと思ってがんばっています。 FP吹田:住宅ローンを完済されたのですね。アルバイトなどお仕事をされて収入を得続けられることは、経済面だけでなく、人との関わりや生きがいなどにもつながっていく大切なことだと思います。 Fさん: はい、家にじっとしているよりは、よほど充実しています。実は、一人娘がいるのですが、知人から譲り受けたカフェのリニューアル資金を貸してもらえないかと相談を持ちかけられました。5年前に亡くなった妻とともに可愛いがってきた娘なので、なんとか援助したいのですが、手元の資金は少なく、悩んでいます。 FP吹田:なるほど。お嬢様からはどのくらいの資金で、返済についても何かおっしゃっていましたか? Fさん: はい、500万円~600万円くらいの予算らしく、毎年100万円くらいずつ返すと言われています。実は、娘は証券会社に勤めていた経験もあるので、お金の管理はちゃんとできる方だと思います。 FP吹田:しっかりしているお嬢様ですね。金融機関にお勤めでしたら、銀行からの借入は、審査が厳しく、無担保だと金利が高いのもご存じなのでしょうね。Fさんは、援助して応援したいと思っていらっしゃるのですよね。 Fさん: はい、そうです。今、担保とおっしゃいましたが、せっかく住宅ローンを完済したのだし、自宅を担保にしても住み続けながらお金を捻出する方法ってあるのでしょうか? FP吹田:はい、いくつかあります。実は、先日、不動産を担保に年金形式で分割借入をしていくリバースモーゲージに関するご相談もあったのですが(詳細はこちらの記事参照「不動産担保ローンとリバースモーゲージ、違いを知って賢く使い分けよう!」)Fさんはまとまった資金なので、他の方法がいいでしょう。ご自宅に住み続けながら、ご自宅を活用して資金を生みだす方法として、不動産担保ローンとリースバックという方法があります。 (2)不動産担保ローンとリースバックの違いは? Fさん: 不動産担保ローンはイメージがわきますが、リースバックって何ですか? FP吹田:リースバックというのは、不動産の売却と賃貸の組み合わせで、不動産業者に自宅などの不動産を売却するのですが、そのまま賃貸するというものです。一方、イメージしやすいとおっしゃった不動産担保ローンは、不動産を担保にまとまったお金を借りることです。両方とも特に引越しなども不要で住み続けられるという点は似ていますね。 Fさん: では、違うのはどんなことでしょうか? FP吹田:決定的に違うのは、所有権です。不動産担保ローンは、抵当権を設定はしますが、所有権は自分や家族など現状と変わりません、一方、リースバックは、売却をするので、所有権は一旦買い取った不動産業者に移ります。その不動産業者と、そのまま賃貸契約をするわけです。 Fさん: 引越しなどはしなくても、権利が変わっているんですね。所有権にこだわるかどうかが一つ目の鍵ですね。 FP吹田:所有権を手放すということは、精神的に寂しく感じる方もいらっしゃいますが、維持費の負担、例えば固定資産税の納税義務や地震や災害での修復などの重荷から解放されるとも言えます。 Fさん: 確かにそうですね。他に、返済などの今後については、どのような違いが出ますでしょうか? FP吹田:リースバックは、家賃を支払い、将来、資金ができたら買い戻すこともできます。一方、不動産担保ローンは、借入期間中は借入元本と利息の返済をしていきます。 Fさん: なるほど。今の自分だとリースバックで家賃を払ったり、将来買い戻したりするのは資金的に難しそうです。でも、ローンだと、昨年終わったはずが、また始まるわけですね。 FP吹田:とはいえ、不動産担保ローンの実際の負担は、予算では500万円~600万円という借入額ですし、何年間借りるかという返済期間によって全然変わってきますよ。それに、不動産担保ローンはFさんのお嬢様が借りる形にする方法もありますよ。 (3)利用者の生活スタイルや性格・志向によって使い分けできる Fさん:え?私がローンを組まなくても、娘の名前で不動産担保ローンを契約できるのですか!それなら、娘が借入希望額や返済期間を決められるので、スッキリするような気がします。たぶん私への負い目を感じることも少なくてすむでしょうし。 FP吹田:そうですね。以下に比較一覧を作成しましたが、基本的にローンが嫌いな方、所有権が変わっても平気な方、物件も共有名義などでなく自分で決められるという方は、リースバックを好まれる傾向が強いようです。 Fさん: なるほど。所有権の変更で、ふと思い出したのですが、うちは小規模なマンションなので、管理組合の理事がよく回ってきます。来年くらいに順番だからお願いねと打診があったのを思い出しました。これは所有権の有無によって、理事を受けれるかどうか影響も出てきますよね。みんなからあれ?って思われてしまいそうで、ちょっと心配です。 FP吹田:マンション内でコミュニティができていて、皆さんよくお話しされる関係なのですね。理事の人事を巡って詮索されたくない場合は、所有権が変わらない状態で、担保評価の範囲内で借入をして返済をしていく不動産担保ローンのほうが、使いやすいかもしれませんね。お嬢様なら、返済計画もしっかり考えていそうでしょうし、お話しされてはいかがでしょうか? Fさん:  わかりました。話してみます。それぞれの仕組みや特徴の違いがわかったので、私も娘も納得できると思います。 不動産担保ローンとリースバックの主な特徴 不動産担保ローンリースバック 仕組み不動産を担保にした借入れ不動産の売却と賃貸の組み合わせ 所有権の変更なしあり 月々の負担額借入元本返済と利息家賃 取引後返済できれば、不動産はそのまま。返済できない場合は、担保不動産を売却。そのまま賃貸として住み続けられ、後で買い戻すことも可能。 資金使途の制限少ないなし 契約当事者所有者本人のほか、家族でも可能。所有&居住者(共有していれば名義人全員) まとめ 住み続けながら資金を捻出する方法として、 不動産担保ローンが向いているタイプは? ・返済計画がしっかりできている方 ・所有権が変わるのが気になる方(近所付き合いやマンション管理組合の理事など) ・本人や家族が不動産を持ち、ローンへの抵抗が少ない方 リースバックが向いているタイプは? ・借金が嫌いな方 ・所有権を手放しても平気な方(固定資産税や維持費など負担が軽くていいなど) ・不動産が共有名義でなく、自分で意思決定しやすい方 不動産担保ローンとリースバックの違いとは リースバックは、自宅などの不動産を活用した資金調達方法のひとつです。不動産担保ローンとリースバックは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など

  • 不動産担保ローンとリースバックの違いとは

    リースバックは、自宅などの不動産を活用した資金調達方法のひとつです。不動産担保ローンとリースバックは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適な方法を選択できます。今回は、不動産担保ローンとリースバックの違いについて詳しく解説します。 リースバックとは リースバックとは、自宅などを不動産会社に売却し、その不動産会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられる仕組みです。自宅を売却して現金化する場合、通常は別の住まいを探さなくてはなりません。しかし、リースバックは売却後も同じ家に住み続けられるため、自宅を活用した資金調達方法として注目されています。リースバックは資金使途に制限がなく、老後資金や教育費、事業資金の確保など幅広く活用できます。 リースバックのメリット リースバックには、以下のようなメリットがあります。 売却後も同じ家に住み続けられる リースバックは、売却後も同じ家に住み続けられるのが一番のメリットです。引っ越しする必要がないので、自宅を売却して現金化しても生活環境は変わりません。不動産の所有権は売却先に移転し、毎月家賃を支払うことにはなりますが、それ以外は今までと同じように生活できます。 自宅を売却したことを周りに知られずに済む 自宅を売却しようとすると、通常は不動産会社に依頼して買主を探すことになります。広告を出すなどの販売活動が必要になるため、自宅を売却することを周りに知られてしまいます。しかし、リースバックは専門の不動産会社との取引なので、周りに知られることなく資金調達できます。 将来買い戻すことも可能 リースバックでは、売却した不動産を買い戻すことも可能です。リースバックを取り扱う不動産会社によっては、将来の再購入価格を提示してくれるところもあります。ただし、必ず買い戻せるわけではなく、売却先との協議が必要です。 リースバックのデメリット リースバックには、先ほど紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。 売却価格より住宅ローン残債が多いと利用できない 売却価格より住宅ローンの残債が多いと、基本的にリースバックは利用できません。たとえば、売却価格が1,500万円、住宅ローン残債が2,000万円の場合、売却資金でローンを完済できず、抵当権を外せないからです。売却する不動産の価値に左右されますが、住宅ローン残債が多いほど、リースバックの利用は難しくなります。 売却価格は相場より安くなることが多い リースバックでは、買主である不動産会社が、売主の家賃滞納リスクを抱えます。家賃滞納が発生すると、不動産会社は不動産を売却して資金を回収します。しかし、売却には諸費用がかかりますし、売却時に市場価格が下がっているかもしれません。そこで、このような事態になった場合でも確実に資金回収できるように、リースバックでは当初の売却価格が市場価格よりも安くなることが多いです。 不動産を買い戻すときの価格は売却時の価格より高くなることが多い リースバックは、売却後も同じ家に住み続けることができ、将来買い戻すことも可能です。これらは、不動産会社にとっては制限がある状態であり、不動産を自由に売却できません。そのため、リースバックでは、家賃や買い戻すときの価格は売却した時の価格より高くなることが多くなります。 不動産担保ローンとリースバックの違い 不動産担保ローンとリースバックは、自宅などの不動産を活用して資金調達できること、引き続き同じ家に住み続けられることは同じです。しかし、不動産の所有権に違いがあります。不動産担保ローンは不動産を担保に融資を受け、毎月元本と利息を返済していく仕組みです。所有権は移転しませんが、返済が困難になると担保として提供した不動産は金融機関に処分され、返済資金に充てられます。 一方、リースバックは不動産会社に売却し、売却先と賃貸借契約を締結する仕組みです。毎月家賃を支払うことで同じ家に住み続けられますが、所有権は売却先に移転するため、自宅を手放すことになります。 まとめ 不動産担保ローンとリースバックはどちらを選ぶべき? 不動産担保ローンは融資であるため、物件の担保価値や年齢、所得によって融資条件が左右されます。また、ローン返済額は金利動向の影響を受けるので、金利上昇リスクがあります。 一方、リースバックは売却と賃貸を組み合わせた取引であり、適用条件は比較的緩やかです。また、毎月決められた家賃を支払うので、金利上昇が家賃に直接影響することはありません。ただし、所有権は売却先に移転するため、住み続けることが難しくなる可能性もあります。 不動産担保ローンとリースバックは共通点が多いので、ライフスタイルや考え方に合わせてどちらを利用するか検討するといいでしょう。 不動産担保ローンと住宅ローンの違いとは マイホームを購入するときは、住宅ローンを利用するのが一般的です。しかし、何らかの事情により住宅ローンを利用できない、あるいは住宅ローンの審査に通らないこともあるでしょう。住宅ローンを利用でき...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。

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