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老後の住まいに不安を感じていませんか?定年後の生活では、体力の変化や子どもの独立に伴い、住み替えやリフォームを検討する人は少なくありません。また、現役時代に組んだ住宅ローンの返済が続いている場合、借り換えを考えることもあるでしょう。 しかし、高齢になると、一般的な住宅ローンの審査に通りにくくなるのが現実です。そんな中、満60歳以上の人でも利用できる新しい住宅ローン「リ・バース60」が注目を集めています。 この記事では、リ・バース60の仕組みや特徴、他のローン商品との違いをわかりやすく解説します。 はじめに:老後の住まいと資金の課題 高齢になると、住まいに関する悩みが増えてきます。たとえば、子どもが独立したことで広すぎる家に住み続ける必要がなくなったり、身体の変化に合わせてバリアフリー化を検討したりと、住み替えやリフォームのニーズが高まります。 また、現役時代に組んだ住宅ローンの返済が続いている場合、老後の収入では負担が大きく、借り換えを検討するケースも少なくありません。 しかし、一般的な住宅ローンは、年齢や収入、健康状態などの審査基準が厳しく、高齢者が新たにローンを組むのは容易ではありません。団体信用生命保険(以下、団信)への加入が条件となることも多く、健康面での不安があると審査に通らないこともあります。 こうした課題を背景に登場したのが、満60歳以上の人を対象とした住宅ローン「リ・バース60」です。毎月の返済は利息のみで、元金は債務者が亡くなった後に一括返済されるという仕組みが特徴で、高齢者でも無理なく利用できる新しい選択肢として注目されています。 リ・バース60とは?基本の仕組みと特徴 「リ・バース60」は、満60歳以上の人を対象とした高齢者向け住宅ローンです。最大の特徴は、毎月の返済が利息のみで、元金は債務者の死亡後に一括返済されるという仕組みです。これにより、年金収入などでも無理なく利用できる設計となっています。 また、返済方法やリスクの違いに応じて、「ノンリコース型」と「リコース型」の2種類があります。さらに、一般的な住宅ローンと同様に金利タイプとして「固定金利型」と「変動金利型」が選べます。 担保となる不動産の扱いや、返済方法の選択肢も契約内容によって異なります。これらの仕組みや特徴については、以下の関連記事で詳しく解説しています。制度の理解を深めたい方は、ぜひご覧ください。 関連記事はこちらリ・バース60の金利・利子・手数料を徹底比較 関連記事はこちらリ・バース60の利用条件と審査のポイント リ・バース60のメリットと注意点 リ・バース60のメリット 高齢者でも借りられる リ・バース60は、満60歳以上の方を対象とした住宅ローンであり、年齢による制限が少ないのが特徴です。収入が公的年金のみでも利用できるため、一般的な住宅ローンでは審査が難しい高齢者でも、住み替えやリフォームなどの資金調達が可能になります。 月々の返済負担が軽い 毎月の返済は利息のみで、元金は債務者の死亡後に一括返済される仕組みです。これにより、年金収入でも無理なく返済でき、老後の生活に負担をかけずに住宅関連の資金を確保できます。 相続人への負担軽減(ノンリコース型) ノンリコース型を選択すれば、担保不動産の売却で元金を返済しきれなかった場合でも、相続人に残債の返済義務は生じません。これは、相続人の経済的負担を軽減する制度設計として、多くの利用者に選ばれているタイプです。 リ・バース60の注意点 融資限度額が低い リ・バース60の融資限度額は、担保不動産の評価額の50〜60%程度が目安とされており、住宅の購入や建築には自己資金が必要になるケースがあります。資金計画を立てる際には、限度額の確認が重要です。 元金が減らない 元金は据え置かれるため、長期間利用すると利息の支払総額が増加します。完済時には、元金に加えて多額の利息が発生する可能性があるため、長期利用を前提とする場合は慎重な検討が必要です。 金利上昇リスク(変動型の場合) 変動金利型を選択した場合、将来的な金利上昇により月々の利息負担が増える可能性があります。収入が固定されている高齢者にとっては、金利変動による影響が大きいため、借入時には将来の金利動向も踏まえた資金計画が重要です。 なお、固定金利型のリ・バース60も登場しているため、金利上昇リスクを回避したい方にはこちらの選択肢もあります。 こうしたメリット・デメリットの詳細や、よくある誤解については、以下の関連記事で詳しく解説しています。ご検討の際には、ぜひご一読ください。 関連記事はこちらリ・バース60は本当に危ない?誤解されがちな仕組みを解説 リ・バース60と他のローン商品との違い リ・バース60は、高齢者向けの住宅ローンとして注目されていますが、他のローン商品と比較すると、いくつかの重要な違いがあります。まず、通常の住宅ローンとは、返済方法や団信の有無、適用金利などが大きく異なります。 リ・バース60は利息のみの返済で、元金は死亡後に一括返済されるため、返済期間が明確に定まっていない点が特徴です。また、リバースモーゲージとの違いとしては、資金使途が限定されている点が挙げられます。 リ・バース60は住宅関連費用に限定されているのに対し、リバースモーゲージは生活費や医療費などにも利用可能です。以下は代表的なローン商品の比較表です。 主要ローン商品の比較表 比較項目 住宅ローン リ・バース60 リバースモーゲージ 借入時年齢 20歳 60歳以上 60歳以上 毎月の返済 元金・利息 利息のみ 利息のみ 資金使途 住宅関連 住宅関連 生活費・医療費なども可 団信加入の有無 あり なし なし 相続時 団信で完済 不動産売却・現金で一括完済 不動産売却・現金で一括完済 リ・バース60の活用事例 リ・バース60は、老後の住まいに関するさまざまな課題に対応できる柔軟な住宅ローンです。実際に、以下のような目的で活用されています。 築年数が経過した自宅のリフォーム 築年数が経過した住宅では、設備の老朽化やバリアフリー対応が必要になることがあります。リ・バース60を活用すれば、手元資金を使わずにリフォーム費用を調達でき、月々の返済も利息のみで済むため、生活への負担を抑えながら住環境を改善できます。 生活スタイルに合った住み替え 子どもの独立や配偶者との死別などをきっかけに、広すぎる住まいからコンパクトな住宅へ住み替えるケースもあります。高齢者でも借り入れが可能なリ・バース60なら、一般的な住宅ローンでは難しい住み替え資金の調達が可能です。 住宅ローンの借り換えによる負担軽減 現役時代に組んだ住宅ローンの返済が、年金生活に入ってから重荷になることがあります。リ・バース60を使って借り換えを行えば、月々の返済が利息のみとなり、生活資金に余裕を持たせることができます。 これらの事例については、以下の関連記事で詳しく紹介しています。具体的な活用イメージを持ちたい方は、ぜひご覧ください。 関連記事はこちらリ・バース60の活用事例を4つ紹介 債務者が亡くなった後の対応 リ・バース60は、元金の返済が債務者の死亡後に行われる仕組みのため、「亡くなった後の手続き」に不安を感じる方も少なくありません。元金の返済方法としては、担保となっている不動産を売却するケースが一般的です。 不動産売却は、相続人が自ら行うか、住宅金融支援機構が競売で処理するかのいずれかを選択できます。また、債務者に配偶者がいる場合、その配偶者が住み続けられるかどうかは契約形態によって異なります。 連帯債務で契約していれば、配偶者が引き続き居住可能ですが、単独契約の場合は審査を経て契約を引き継ぐ必要があります。こうした相続や配偶者の対応については、以下の関連記事で詳しく解説しています。ご自身やご家族の将来に備えるためにも、ぜひご確認ください。 関連記事はこちらリ・バース60を利用中に債務者が亡くなると配偶者はどうなる? まとめ:どんな人に向いているかと検討ポイント リ・バース60は、満60歳以上の方を対象とした住宅ローンで、利息のみを返済し、元金は死亡後に一括返済するという独自の仕組みを持っています。高齢者でも利用しやすい一方で、融資限度額や金利の面で注意が必要な制度でもあります。 通常の住宅ローンやリバースモーゲージ、リースバックなど、他の制度と比較しながら、自身のライフプランや資金状況に合った選択をすることが大切です。リ・バース60は、以下のような方に向いている可能性があります。 老後の住まいに関する課題(住み替え・リフォーム・借り換え)を抱えている方 年齢や収入の面で、一般的な住宅ローンの利用が難しい方 相続人への負担を軽減したいと考えている方 制度の仕組みや活用方法、注意点などについては、関連記事で詳しく解説しています。検討を進める際には、信頼できる金融機関や専門家への相談もおすすめです。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 老後の一人暮らしに生活費はいくら必要? 近年、未婚率の増加や子どもとの同居の減少により、一人暮らしの高齢者のは増えています。一人暮らしと言っても、未婚の独身者だけではなく、現在は家族と暮らしていても、配偶者との死別などで一人暮らし...
リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受けられる高齢者向けのローン商品です。高齢化によって老後の期間が長くなっていることから、老後資金を作る方法のひとつとして注目されています。 リバースモーゲージは同じ家に住み続けながら老後資金を準備できますが、デメリットもあるため、仕組みを理解したうえで利用することが大切です。この記事ではリバースモーゲージの特徴やメリット・デメリット等について解説します。 リバースモーゲージとは リバースモーゲージは、自宅を担保にした不動産担保ローンの一種で、毎月の支払いは利子のみ、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みです。自宅に住み続けながら資金調達できるので、老後資金対策として検討する人が増えています。 リバースモーゲージを利用するためには、年齢や年収、家族の同居、資金使途などに一定の制限があります。債務者に配偶者が居り、債務者が先に亡くなってしまった場合でも、自宅をすぐに売却しなければならないわけではなく、配偶者は契約を引き継ぐことで、債務者が死亡した後も引き続き自宅に住むことができます。 リバースモーゲージの仕組み リバースモーゲージの仕組みは以下のとおりです。 リバースモーゲージはこんな方におすすめ リバースモーゲージは、老後資金に不安のある方で、特に下記のような方におすすめです。 住宅ローンの返済が辛い方 生活資金や余暇を楽しむための資金が必要な方 リフォーム資金が必要な方 老人ホームの入居費用が必要な方 相続人がいない、もしくは相続人に不動産を残す予定の無い方 なお、自身の状況や使途によっては、リ・バース60やリースバックの方が適している場合もあります。 リバースモーゲージ型住宅ローン「リ・バース60」とは リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージ型住宅ローンです。リバースモーゲージが生活費や医療費など幅広い使途に対応するのに対し、リ・バース60は、リバースモーゲージの仕組みを活用しつつ、住宅購入やリフォームなど特定の用途に資金使途を限定している点が特徴です。 さらに、リ・バース60では契約者が亡くなった後に相続人が元金を一括返済することで、自宅を相続することが可能です。この仕組みにより、自宅を担保に資金を調達しつつ、将来的に家族に住まいを残す選択肢も確保できます。 関連記事はこちら高齢者向け住宅ローン「リ・バース60」を徹底解説! そのため、状況に応じてリバースモーゲージだけではなく、リ・バース60やリースバックも検討すると良いでしょう。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 リバースモーゲージのメリット リバースモーゲージのメリットは以下2つです。 自宅に住み続けながら資金を調達できる 自宅を活用して資金調達する場合、まずは売却を検討するのではないでしょうか。自宅を売却すればまとまった資金が手に入るかもしれませんが、売却後は別の住居を確保しなくてはなりません。しかし、高齢で賃貸住宅の契約が難しいことや、慣れ親しんだ自宅に住み続けたいなどの理由から、引っ越しを避けたい方は多いでしょう。リバースモーゲージは自宅を担保に融資を受けられるので、自宅に住み続けながら老後資金を準備できます。 毎月の支払いが利子のみで返済負担が少ない リバースモーゲージは、債務者の死亡後に自宅を売却して元金を返済する仕組みになっています。元金の返済は死亡時まで猶予され、毎月の支払いは利子だけで済むので、返済負担が少ないのがメリットです。リバースモーゲージを利用すれば、月々の収入がそれほど多くない方でも家計のやりくりが楽になります。 リバースモーゲージのデメリット リバースモーゲージには先ほど紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。 融資条件が厳しい リバースモーゲージは、融資条件が厳しいのがデメリットのひとつです。資金使途が限定されていることがほとんどですし、対象不動産については対象地域が狭く、首都圏を中心とする大都市の物件に限定されることが多くなっています。また、債務者の死亡後に自宅を売却して元金を返済するという仕組みのため、推定相続人の同意が必要です。リバースモーゲージを検討する場合は、融資条件を満たすかどうかを確認すると同時に、推定相続人の同意が取れるか確認しましょう。 元金が減らない メリットのところで記載しましたが、リバースモーゲージでは返済が利子だけで済むので、毎月の返済を抑えることが出来ます。しかし、これは裏を返せば借入の増加や、返済期間が長期化するほど返済負担が多くなっていきます。また、返済が難しくなっても限度額の範囲であれば追加融資を受けられますが、借入のたびに元金は膨らむこととなるので注意が必要です。 不動産評価の下落リスク リバースモーゲージの融資金額は、担保評価額の半分程度までが一般的です。担保評価額は毎年見直されるため、急な地価下落などで担保評価額が下がる可能性もあります。この担保評価額の見直しによっては、既に借入をしている元金が融資限度額を超えてしまい、返済を求められることもあるので注意が必要です。 金利変動リスク リバースモーゲージは変動金利のため、金利変動リスクがあります。借入中に適用金利が上昇すると、毎月の利子支払額が増えてしまうかもしれません。そのため、リバースモーゲージを利用する場合は、金利上昇に備えて余裕を持った資金計画を立てておくことが大切です。 リバースモーゲージ以外に老後資金を作る方法 リバースモーゲージは上記のようなメリットやデメリットがあるので、条件によっては、自宅に住み続けながら老後資金を作るほかの方法として「不動産担保ローン」と「リースバック」の方が適している可能性があります。 不動産担保ローン 不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を担保に融資を受けるローンです。不動産を担保とする点では、リバースモーゲージと仕組みは同じです。不動産担保ローンはリバースモーゲージとは異なり、返済方式が元利均等返済となっており、不動産売却による完済ではなく、返済による完済を前提にしています。そのため、相続で子供に不動産を残したい場合など、将来的に不動産売却をするつもりがないケースでは、リバースモーゲージよりも不動産担保ローンの方が適しているといえるでしょう。 一方で、不動産担保ローンでは、ローン完済時の年齢制限がありますので、利用を検討する場合には、金融機関ごとの融資条件を確認しましょう。 関連記事はこちら【FP解説】不動産担保ローンとリバースモーゲージの違いとは? リースバック リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却後、その会社と賃貸借契約を締結することで自宅に住み続けられるサービスです。リバースモーゲージとリースバックはよく比較されますが、その仕組みは大きく異なります。リバースモーゲージが自宅を担保に融資を受けるのに対し、リースバックは自宅の売却によって資金調達したうえで賃貸として住み続けます。 リースバックの売却価額は市場価額より低くなりますが、「年齢制限や年収基準なし」「資金使途は原則自由」など、融資条件の面でリバースモーゲージのデメリットを解消できます。ただし、売却後も自宅にずっと住み続けられるかどうかは、賃貸借契約がポイントとなります。賃貸契約期間が定められている「定期借家契約」の場合、再契約できずに引っ越しが必要になる可能性があるので契約内容には注意が必要です。 関連記事はこちらリースバック・リバースモーゲージ・リ・バース60の違いを徹底比較 リバースモーゲージのよくあるご質問 リバースモーゲージのよくあるご質問は以下のとおりです。 リバースモーゲージではどのくらいの金額を借り入れすることができますか? リバースモーゲージで借り入れすることができる金額は、提供する金融機関などによって異なります。一般的には、担保評価額の50%程度を上限としている場合が多いようです。 リバースモーゲージには年齢制限はありますか? リバースモーゲージの利用が可能な年齢は、50歳~80歳です。年齢制限は、各金融機関などによって異なりますので、利用を検討している場合は事前に確認することをおすすめします。 リバースモーゲージの金利はいくらですか? リバースモーゲージの金利は、約3.0%~5.0%です。一般的に、カードローンや不動産担保ローンより低金利で借り入れができる一方、住宅ローンと比較すると高めの金利が設定されています。 住宅ローンが残っている不動産を担保にすることはできますか? 担保とする不動産に住宅ローンが残っている場合であっても、融資を受けられる可能性があります。ただし、借入資金によって既存の住宅ローンを返済することが条件となります。残債が一定金額減っている状態であれば、リバースモーゲージで住宅ローンの借り換えを行うことができ、借り換えによって毎月の支払いが利息のみとなるので、返済負担を軽減できます。 マンションを担保に融資を受けることはできますか? マンションを担保にする場合、対象となる物件に条件があり、立地が悪いマンションや築年数の古いマンションは対象外になることが多いようです。また、金融機関によってはマンションを対象外としている場合もあります。マンションを担保にリバースモーゲージの利用を検討している場合は、事前に問い合わせをしてみましょう。 生活保護を受けているが、融資を受けることはできますか? 生活保護を受けている場合、一般的に融資を断られる可能性が高いです。しかし、収入等の一定の条件を満たすことで融資を受けられる可能性もあります。条件は金融機関によって異なるため、問い合わせをしてみましょう。 ※下記金融機関の融資条件を参考に回答作成 ・三菱UFJ銀行 リバース・モーゲージ型 住宅関連ローン ・三井住友信託銀行 不動産活用ローン(リバースモーゲージ) ・東京スター銀行 リバースモーゲージ「充実人生」 ・神奈川銀行 かなぎんリバースモーゲージローン ・愛媛銀行 シニア層向けローン(住宅担保)~リバースモーゲージ~ まとめ ここまで紹介したように、自宅を活用して老後資金を作るには、リバースモーゲージの他に不動産担保ローン、リースバックといった方法があります。ご自身の状況によって最善の選択肢は変わってくるので、それぞれの仕組みやメリット・デメリットを理解したうえで計画的に資金調達をしましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "リバースモーゲージではどのくらいの金額を借り入れすることができますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "リバースモーゲージで借り入れすることができる金額は、提供する金融機関などによって異なります。一般的には、担保評価額の50%程度を上限としている場合が多いようです。" } }, { "@type": "Question", "name": "リバースモーゲージには年齢制限はありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"リバースモーゲージの利用が可能な年齢は、50歳~80歳です。年齢制限は、各金融機関などによって異なりますので、利用を検討している場合は事前に確認することをおすすめします。" } }, { "@type": "Question", "name": "リバースモーゲージの金利はいくらですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"リバースモーゲージの金利は、約3.0%~5.0%です。一般的に、カードローンや不動産担保ローンより低金利で借り入れができる一方、住宅ローンと比較すると高めの金利が設定されています。" } }, { "@type": "Question", "name": "住宅ローンが残っている不動産を担保にすることはできますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"担保とする不動産に住宅ローンが残っている場合であっても、融資を受けられる可能性があります。ただし、借入資金によって既存の住宅ローンを返済することが条件となります。残債が一定金額減っている状態であれば、リバースモーゲージで住宅ローンの借り換えを行うことができ、借り換えによって毎月の支払いが利息のみとなるので、返済負担を軽減できます。" } }, { "@type": "Question", "name": "マンションを担保に融資を受けることはできますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"マンションを担保にする場合、対象となる物件に条件があり、立地が悪いマンションや築年数の古いマンションは対象外になることが多いようです。また、金融機関によってはマンションを対象外としている場合もあります。マンションを担保にリバースモーゲージの利用を検討している場合は、事前に問い合わせをしてみましょう。" } }, { "@type": "Question", "name": "生活保護を受けているが、融資を受けることはできますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"生活保護を受けている場合、一般的に融資を断られる可能性が高いです。しかし、収入等の一定の条件を満たすことで融資を受けられる可能性もあります。条件は金融機関によって異なるため、問い合わせをしてみましょう。" }} ] } 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りるローンのことです。無担保ローンに比べて、まとまった金額を低金利で借りられる一方、返済が滞ると不動産が競売にかけられるリスク... 次に読むべき記事 リースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 リースバックとは、資産を売却した後もそのまま使い続けられる資産活用の取引手法です。 「セール・リースバック」や「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれ、所有している資産を第三者に売却し、同...
不動産担保ローンは、担保を活用することで高額な融資を低金利で受けられるメリットがあり、資金調達の手段として有効です。とはいえ、金融機関ごとに条件や対応が異なるため、どこを選べばよいか迷う人も多いのではないでしょうか。特に初心者の人にとっては、金利や審査、融資スピードなど、比較すべきポイントが多く、判断が難しく感じられることもあります。 この記事では、不動産担保ローンを安心して選ぶために、初心者向けのおすすめの選び方と比較ポイントをわかりやすく解説します。 不動産担保ローンの基本と種類 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りるローンのことです。担保がある分、無担保ローンと比べて高額な融資が受けられる可能性があり、事業資金や生活資金、借り換えなど幅広い目的で利用されています。 一方で、担保の評価や審査の基準が金融機関によって異なるため、初心者にとっては仕組みが少し複雑に感じられるかもしれません。 金融機関の種類について 不動産担保ローンを提供する金融機関は、「銀行系」と「ノンバンク系」に大きく分けられます。それぞれの特徴や違いについては、選び方に大きく関わる重要なポイントですが、詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンにおける銀行とノンバンクの違い 初心者の方は、まずこの2つの違いを理解したうえで、自分の目的や状況に合った金融機関のタイプを選ぶことが大切です。 不動産担保ローンのおすすめの選び方(比較ポイント) 不動産担保ローンを選ぶ際には、複数の金融機関を比較することが重要です。特に初心者の人は、金利や審査の通りやすさだけでなく、融資までのスピードや担当者の対応など、さまざまな観点から総合的に判断する必要があります。ここでは、安心してローンを選ぶために押さえておきたい6つの比較ポイントを詳しく解説します。 1. 融資金額と担保評価の仕組み 不動産担保ローンの融資金額は、担保となる不動産の評価額に基づいて決定されます。一般的には評価額の60〜80%程度が融資上限の目安とされ、そこに借り手の与信(年収、勤務先、勤続年数など)を加味して最終的な融資額が決まります。金融機関ごとに評価方法や掛目(かけめ)が異なるため、同じ物件でも融資可能額に差が出ることがあります。 担保評価の考え方や掛目の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンの担保評価額を解説!いくら借りられるかの目安を知る方法とは? 融資を希望する際は、複数の金融機関に相談し、自分の不動産がどのように評価されるかを事前に確認しておくことが大切です。 2.金利と手数料などの費用 ローンを選ぶ際には、金利だけでなく、事務手数料や登記費用、印紙代などの諸費用も含めて総返済額を比較することが重要です。金利が低くても、手数料が高ければ結果的に負担が増えることもあるため、表面金利だけで判断するのは危険です。 特に事務手数料は「融資金額の○%」といった形で設定されることが多く、金額が大きくなるほど差が出やすいポイントです。また、借り換えを検討している場合は、既存ローンの繰上返済手数料も考慮する必要があります。費用面は見落とされがちですが、長期的な返済計画を立てるうえで非常に重要な要素です。 3. 審査の柔軟性と通過率 不動産担保ローンの審査基準は金融機関によって大きく異なります。銀行系は信用情報や収入状況を厳しくチェックする傾向があり、安定した職業や高い年収が求められることもあります。一方、ノンバンク系は比較的柔軟な審査を行っており、開業間もない個人事業主や赤字決算の法人でも融資を受けられる可能性があります。 審査の考え方や審査基準の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンの審査基準と審査通過のためのポイント また、審査に必要な書類や提出方法も金融機関によって異なるため、事前に確認しておくことで手続きをスムーズに進めることができます。収入に不安がある人や過去に審査で落ちた経験がある人は、柔軟な対応をしてくれる金融機関を選ぶと安心です。 4. 融資までのスピード 急に資金が必要となった際は、融資までのスピードも重要な比較ポイントです。金融機関によっては「最短即日融資」や「1週間程度で融資可能」といった対応をしているところもありますが、これはあくまで必要書類がすべて揃っている場合や、既存の借り入れがある場合など、審査が迅速に完了する場合に限られます。 実際には、物件の現地調査や書類の不備などで時間がかかるケースもあるため、余裕を持ったスケジュールで検討することが大切です。急ぎの場合は、事前に「いつまでに資金が必要か」を明確に伝えることで、優先的に対応してもらえる可能性もあります。 5. 担当者の対応とサポート体制 不動産担保ローンは手続きが複雑で、専門用語も多く登場するため、金融機関の担当者の対応は比較ポイントとして非常に重要です。丁寧な説明や迅速な対応があるかどうかは、契約のスムーズさや安心感に直結します。 金融機関によっては、専任の担当者がつくケースや、電話・メール・対面など多様なサポート体制を整えているところもあります。金利や融資条件だけでなく、「人の対応」も含めて比較することで、より満足度の高い選択につながります。 6. 金融機関の信頼性と実績 不動産担保ローンは長期にわたる契約になるため、金融機関の信頼性も非常に重要です。営業年数が長く、融資実績が豊富な金融機関であれば、安心して取引を進めることができます。また、万が一のトラブル時にも、しっかりとした対応が期待できるでしょう。 金融機関の信頼性を見極めるには、公式サイトでの情報だけでなく、口コミや第三者の評価も参考になります。ブランド力や提案内容の質なども含めて、総合的に判断することが、後悔しないローン選びにつながります。 初心者におすすめの選び方(タイプ別アドバイス) 不動産担保ローンは、資金使途や時期、審査への不安など、個人の状況によって最適な選び方が異なります。ここでは、初心者の人が自分に合ったローンを選ぶためのヒントとして、代表的な4つのタイプ別におすすめの選び方をご紹介します。 タイプ①:早く資金が必要な人 事業の立ち上げや急な資金繰りなど、短期間でまとまった資金が必要な場合は、融資までのスピードを重視して金融機関を選ぶのがおすすめです。ノンバンク系の金融機関は、審査が柔軟で申し込みから数日での融資が可能なケースもあり、スピード感を求める人には適しています。 ただし、スピード重視のローンは、金利が高めに設定されていることもあるため、総返済額とのバランスを見て判断することが大切です。必要書類を事前に揃えておくことで、審査や担保評価がスムーズに進み、希望するタイミングで資金を受け取れる可能性が高まります。 タイプ②:金利を抑えたい人 返済負担をできるだけ軽くしたい人は、金利の低さを重視して金融機関を選びましょう。一般的に銀行系の不動産担保ローンは、ノンバンク系に比べて金利が低く設定されている傾向があります。長期で借り入れをする場合は、金利の差が総返済額に大きく影響するため、慎重な比較が必要です。 ただし、銀行系は審査が厳しく、融資までに時間がかかることもあるため、資金が必要時期や審査通過の可能性も考慮する必要があります。金利だけでなく、事務手数料や登記費用などの諸費用も含めて、トータルコストで判断するのが賢い選び方です。 タイプ③:審査に不安がある人 収入が不安定だったり、過去にローン審査で落ちた経験がある人は、審査の柔軟性を重視して金融機関を選ぶと安心です。ノンバンク系の金融機関は、開業間もない個人事業主や赤字決算の法人など、一般的に審査が通りにくい属性でも相談に乗ってくれるケースが多くあります。 また、担保不動産の評価が高ければ、与信に不安があっても希望額に近い融資が受けられる可能性もあります。事前に相談して、どのような条件で審査が進められるかを確認することで、無理のない借り入れが実現しやすくなります。 タイプ④:サポートを重視したい人 初めてローンを利用する人や、手続きに不安がある人は、担当者の対応やサポート体制を重視して金融機関を選ぶのがおすすめです。特に、専門用語や書類の準備に不安がある場合は、親身になって説明してくれる担当者がいるかどうかが安心材料になります。 「人の対応」を重視する人は、相談時の印象や説明のわかりやすさを確認しながら、信頼できる金融機関を選ぶと良いでしょう。サポート体制が整っているかどうかは、初心者にとって大きな安心につながります。 初心者におすすめの金融機関の特徴 不動産担保ローンを初めて利用する人にとっては、金融機関選びそのものが不安の種になりがちです。そんな初心者におすすめなのは、以下のような特徴を持つ金融機関です。 専任の担当者がつき、手続きや専門用語を丁寧に説明してくれる 審査が柔軟で、開業間もない個人事業主や赤字法人にも対応している 金利や手数料などの融資条件が明確に提示されている 融資までのスピードが早く、事前相談にも応じてくれる 営業年数や融資実績が豊富で、会社としての信頼性が高い これらの条件を満たす金融機関は、初心者でも安心して相談・契約ができる可能性が高く、「おすすめ」と言える存在です。まずは仮審査を通じて、自分の条件に合うかどうかを確認してみることをおすすめします。 まとめ|自分に合った不動産担保ローンを選ぶために 不動産担保ローンは、資金調達の選択肢として非常に有効ですが、金融機関によって条件や対応が大きく異なります。初心者の人は、金利・審査・サポート体制などを総合的に比較し、自分に合ったローンを選ぶことが大切です。 まずは「おすすめの条件」に合う金融機関を見極め、仮審査を通じて融資可能額を確認してみましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 無料の仮審査を申し込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りるローンのことです。無担保ローンに比べて、まとまった金額を低金利で借りられる一方、返済が滞ると不動産が競売にかけられるリスク...
新型コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。とはいえ、住宅ローンそのものの借り換えが思うように進まない方もいるでしょう。この記事では、住宅ローンの返済に不安をもつ方が、少しでも気持ちを楽にして今後を過ごせる手段として、どのような方法があるのかをご紹介します。 <ご相談者 Hさん> 61歳男性・会社員(年収400万円) 妻は病弱で専業主婦。子供はいない。 新型コロナウイルスの影響で、夫の会社の業績が落ち、ボーナスは大幅減。 45歳で購入したマンションの住宅ローンはボーナス返済が大きく辛い。 借り換えをしようとしたが、審査で落ちてしまった。 ボーナスダウンで住宅ローンが重荷に、借り換えしたかったが… Hさん:会社員の我が家でも新型コロナウイルスによる収入ダウンの影響を受けています。60歳までは色々な手当があったのですが、定年後に再雇用となったことに加え、新型コロナウイルスの影響によりボーナスも大幅減です。 FP吹田:この新型コロナウイルスの影響は大変ですよね。何年前に住宅ローンを借りられたのですか?当初の借入金額や金利、返済期間を教えてください。また、繰上返済などをされたかどうかも念のため教えてください。 Hさん:はい、住宅ローンは45歳のとき、今から16年前に3,300万円を公庫で借りて、当初の金利は2.5%、借入期間は35年でした。当時は忙しくて金利などに無頓着だったこともあり、繰上返済もせずほったらかしでした。 FP吹田:仕事が忙しいと、なかなか住宅ローンを見直しする時間もとれなかったでしょうね。 Hさん:ただ、返済開始から11年目以降に金利が上がる段階金利型だったので、金利が2.5%から3.5%になり、今の返済は毎月9.5万円、ボーナス月で22.5万円も返済があります。今私は61歳ですから、まだ19年も今の返済が続くのは辛いと思って借り換えを試みたのですが、ダメでした。 FP吹田:そうだったのですか。住宅ローンの審査は金融機関ごとに異なりますが、ご年齢が61歳であることや再雇用により給料が減少したことで断られてしまった可能性がありますね。 Hさん:借り換えができないとなると、どうしたらいいでしょうか?なんだか、今後も返済し続けるということに大きなストレスを感じてきました。とはいっても、いきなり賃貸物件へ引越すのも、妻の身体が弱いので体力的に心配です。 住宅ローンを完済しつつ、今の自宅に住み続ける手段への転換も FP吹田:なるほど。新型コロナウイルスの時代に、今後も住宅ローンを返済し続けることそのものに、ストレスを感じていらっしゃるのですね。とはいっても、奥様のことを心配して、いきなり引っ越しは避けたいのが本音ですね。今、このタイミングで両方を満たせる手段がありそうと言ったらご興味ありますか? Hさん:そんな方法があるのですか? FP吹田:はい、不動産という資産があって、ある程度住宅ローンを返済されてきたからこそできる手段で、リースバックというものです。 Hさん:どんな内容なのですか? FP吹田:簡単に言うと、ご自宅をリースバック運営会社に売却し、そのままその会社から現在の自宅を賃借して住み続けるというものです。以下に仕組みやメリット・デメリットを整理してみました。参考までに住宅ローンの借り換えとも比較しています。 リースバックと住宅ローンの借り換えのメリット・デメリット リースバック 住宅ローンの借り換え 仕組み不動産を売却後、そのまま賃借して住み続ける住宅の所有権はそのまま、住宅ローンの借入先を変更 メリット ・手元資金を確保する事ができる・融資審査ではなく不動産売却後の入居審査のため、融資に比べ審査が通りやすい ・借り換えできれば、金利条件などでローン返済が軽くなる・所有権は変わらない デメリット 所有権を手離すことになる(売却価格は周辺相場よりも安くなりがち) 不動産を所有することで生じるリスクが残る。(災害リスク・金利上昇リスクなど) Hさん:なるほど。自宅を所有し続けるのではなく、売却するけれども、引越しをしたりすることなく、そのまま住み続けるということですね。 FP吹田:はい、売却代金が入るので、住宅ローン残高が残っていたとしても、残債を売却金額が上回っていれば住宅ローンを精算することが可能です。 Hさん:あとは、家賃を払うのですね。 FP吹田:はい、毎月の家賃(リース料)という形なので、管理費や修繕費用、固定資産税などの維持費がかからないですし、会社によっては賃借の費用である敷金・礼金・更新料も不要な場合もあります。 Hさん:維持費がかからないのは、本当に気楽になりますね。固定資産税も重荷でしたから。気になるのはいくらで売れるかですね。 FP吹田:はい、売却価格が周辺相場より下がる傾向はありますが、買い手が見つかるまで待つこともなく迅速に現金化できることや、今後、新型コロナウイルスの影響で不動産の価値も変わる可能性を考えると、今の時点で整理してみる価値はあるかと思います。 Hさん:確かに。今の自分の状態から優先順位を考えると、住宅ローンから解放されることと、維持費負担も楽になること、引っ越さなくてもいいという利点は、無視できませんね。検討してみます。たぶん、妻も賛成してくれると思います。 FP吹田:はい、共同生活者でもある奥様と相談されて、今後の生活で一番不安が少ないこと、安心できることを優先に意思決定されるのがよいと思います。今回、住宅ローンの借り換えができなかったのがきっかけですが、今までの延長でご自宅を所有することよりも、大切なことに気づかれたのではないでしょうか? Hさん:はい。これだけ環境が変化すると、自宅の所有に伴う負担がずいぶん重荷になっていたのに気づきました。住宅ローンを返し続ける重荷がなくなれば、今後は、働き方や生活拠点ももう少し自由に妻と話し合っていけそうです。前向きに検討します。 まとめ 住宅ローンの借り換えができない現実に!住宅ローンを完済し、かつ引っ越しをせずに生活を維持できる方法は? リースバックのメリットとデメリット 不動産売却により住宅ローン残高の精算ができる 引っ越しせずに今の自宅に住み続けられる 固定資産税などの維持費や、修繕費用などの突発的な出費がなくなる 自宅の所有権はなくなる 売却価格は、周辺相場より安くなりがち 毎月のリース料(家賃)が発生する リースバックならSBIスマイル リースバックの商品詳細はこちら さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 次に読むべき記事 リースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 リースバックとは、資産を売却した後もそのまま使い続けられる資産活用の取引手法です。 「セール・リースバック」や「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれ、所有している資産を第三者に売却し、同...
リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ることもあるかもしれません。契約してから後悔しないためには、事前にトラブル事例を把握したうえで、それらに対処する方法を理解しておくことが大切です。 この記事では、リースバックのトラブル事例と、トラブルを避ける方法について解説します。 ①売却価格が適正価格より安かった 前提として、リースバックの売却価格は、基本的に市場価格よりも安くなります。これはリースバック運営会社が借主の家賃滞納リスクや、買い戻しに応じるために自由に売買できない制約などを抱えているためです。一般的に、売却価格は市場価格の70%前後になる場合が多いです。 しかし、運営会社によっては、想定以上に安い売却価格を提示する場合があります。提示された売却価格が安すぎることに気づくためには、複数の運営会社に相談して売却価格を比較することが有効です。ひとつの運営会社だけで判断しないように気を付けましょう。 ②家賃が支払えなくなった リースバックは、自宅を売却した後に家賃を支払うことになります。売却価格を重視して契約した場合、その家賃は相場に比べて割高に設定されることが多いです。家賃の設定が自身の家計に対して適切でないと、支払いが徐々に厳しくなり、最終的には手元資金が枯渇して家賃が支払えなくなる恐れがあります。 後から家賃が支払えなくなるトラブルを回避するためには、契約前に売却価格と賃料設定のバランスが適切かどうか、複数の運営会社で確認することが大切です。運営会社によって不動産の評価方法や賃料設定は異なるので、ひとつの運営会社だけで判断せず、必ず複数の会社を比較して判断しましょう。 また、家賃を問題なく支払い続けられるように、長期間の収支シミュレーションを作成するのも有効です。自身の今後の収入見込み額や貯金額などの状況を整理して、本当に支払い続けられる適切な家賃設定かを判断しましょう。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!家賃相場よりも高い? ③家賃の引き上げを要求された 固定資産税の上昇、土地または建物の価格の上昇、その他の経済事情の変動などにより運営会社から家賃の引き上げを要求されることがあります。家賃は毎月支払わなければならないため、少しの値上げであっても、将来的には大きな負担となり、最終的に家賃が支払えなくなってしまうかもしれません。 賃貸借契約が普通借家契約の場合、契約書の特記事項に家賃を増額しない旨が記載されていれば、家賃の引き上げを要求されることがありません。契約を締結する前にしっかりと確認することが大切です。 また、賃貸借契約が定期借家契約の場合は、契約期間中に家賃の引き上げを要求されることはありません。一方で、再契約のタイミングで要求される恐れがあります。もし確実に家賃を引き上げを要求されないようしたい場合は、普通借家契約かつ特記事項に家賃を増額しない旨を記載してもらえないかを、運営会社に相談してみましょう。 ④再契約時に退去を求められた リースバックの賃貸借契約では、賃貸借契約期間が定められている定期借家契約も用いられます。。定期借家契約の締結時に「再契約によって住み続けることが可能」と説明されていたとしても、契約期間満了後に運営会社の事情で再契約を断られた場合は、退去しなくてはなりません。 こうしたトラブルを回避するためには、事前に賃貸借契約が「普通借家契約」であるかを確認しておきましょう。「普通借家契約」であれば、正当な事由がない限り、貸主都合による一方的な賃貸借契約の解除はできません。もし「定期借家契約」で賃貸借契約を締結するのであれば、賃借期間が満了した時点で退去すると考えておきましょう。 なお、定期借家契約であっても、期間満了前の正当な事由がない退去命令はできません。そのため、契約期間の途中であれば、貸主から退去を求められたとしても基本的に応じる必要はありません。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 ⑤買い戻し資金が足りなかった リースバックでは、基本的に売却した自宅の買い戻しが可能です。そのため、将来的に自宅を買い戻すことを前提として、リースバックの利用を検討している人もいるでしょう。しかし、一般的にリースバックの買い戻し価格は、売却価格よりも高くなります。そのため、提示された買い戻し価格が想定より高く、資金不足で買い戻しができない場合も考えられます。 買い戻しのために住宅ローンが組める可能性もありますが、年齢や収入によっては、買い戻しのために新たな住宅ローンを組むのは難しいかもしれません。買い戻しを想定してリースバックを利用する場合は、住宅ローンが使えない前提で資金計画を立てておくことが大切です。。 ⑥買い戻しに応じてもらえなかった 資金の問題で自宅の買い戻しができない場合もありますが、そもそも運営会社が買い戻しに応じない場合もあります。買い戻しに関する契約を締結している場合などは、運営会社は買い戻しに応じなければなりませんが、このような契約を書面ではなく口約束のみで済ませてしまった場合、買い戻しを拒否されてしまう恐れもあります。 このようなトラブルを避けるため、将来的に自宅の買い戻しを検討している場合は、買い戻し条件を必ず書面化しておきましょう。具体的には、「売買契約書上に特約として明記する」、「売買予約契約を締結する」といった方法があります。加えて、買い戻し価格が高くなりすぎないよう、複数の会社を比較したうえで契約することが大切です。 関連記事はこちらリースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説 ⑦相続人ともめてしまった リースバックで自宅を売却する場合は、サービスを利用することをあらかじめ相続人に話しておかないと、相続でもめる原因になる恐れがあります。リースバックは売却後も同じ家に住み続けられるので、自宅を売却したことを第三者に知られることは少ないでしょう。たとえ子どもであっても、何も話しておかなければ、気づかない場合がほとんどです。 そのため、子どもは将来自宅を相続するつもりだったにもかかわらず、知らぬ間に自宅がリースバックで売却されていたとなれば、親族といえどもトラブルになる恐れがあります。リースバックはリバースモーゲージと異なり、サービスの利用要件に推定相続人からの同意を必要としませんが 、相続トラブルを回避するために、リースバックを利用する場合は、事前に推定相続人にも伝えておきましょう。 関連記事はこちら相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 ⑧運営会社が倒産した 業績不振で倒産リスクが高いなど、与信に問題がある運営会社を利用した場合に、賃貸借契約期間中に運営会社が倒産する恐れがあります。運営会社によっては、売買代金の一部を預け入れることで、家賃を下げるサービスを提供している会社もありますが、売買代金の一部を預け入れている状態で運営会社が倒産すると、その代金が戻ってこない恐れがあります。 リースバックは多額の資金を必要とする事業なので、トラブルを回避するために、運営会社の買取実績や業績などを確認し、信頼のできる運営会社を選ぶことが大切です。 トラブルを避けるために抑えるべきポイント リースバックにおけるリスクは表面化するとトラブルに発展する恐れがあります。トラブルを回避するために、以下のようなポイントに気を付けましょう。 契約内容を確認する リースバックの契約時には、売買契約と賃貸借契約の2つの契約を締結します。トラブルを避けるためには、それぞれの契約に自身の認識と異なる点が無いか確認することが大切です。 契約内容の確認に際して、賃貸借契約が「普通借家契約」か「定期借家契約」かの確認は特に大切です。「普通借家契約」であれば、正当な事由がない限り、貸主は契約の更新を拒めません。一方で、「定期借家契約」の場合は、契約期間の満了によって契約が終了するので、退去を求められる恐れがあります。また、将来的に自宅を買い戻すことを検討している場合は、契約内容に買い戻しに関する取り決めが定められているか確認することも大切です。なお、契約内容は口頭ではなく、書面上で確認するようにしましょう。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? 複数の運営会社を比較する リースバックでのトラブルを避けるために、複数の運営会社を比較しましょう。リースバックは、運営会社によって売却価格や家賃などの諸条件・サービス内容が異なります。比較を行わなかった場合、与信に問題がある運営会社を選んでしまったり、売却価格や家賃が適切でないサービスを利用してしまうなどの恐れがあります。ひとつの運営会社だけで判断せず、必ず比較検討を行ったうえで、自身のライフプランに合った運営会社を選びましょう。 関連記事はこちらリースバックを比較する5つのポイント 第三者に相談する リースバックでのトラブルを避けるためには、第三者に相談することも有効です。特に、不動産等に詳しくない場合は、自身で売却価格や家賃、契約内容が適切かどうか判断するのは難しいでしょう。そういった場合に、自分自身で判断するのでは無く、専門家等から客観的な意見を聞き、第三者的な視点から判断するのも有効です。 相続人に伝える 相続トラブルを回避するために、相続人にリースバックの利用を伝えておくことも大切です。リースバックは、その性質上自宅を売却したことが気づかれない場合が多いです。そのため、リースバックが原因で相続人とトラブルになる恐れがあります。リースバックを利用する場合は、前もって相続人に伝えておきましょう。 まとめ リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットですが、当然デメリットやリスクも存在し、うまく利用しないと、本コラムで紹介したようなトラブルが発生してしまう恐れがあります。リースバックを利用する場合は、紹介した事例を参考にトラブル回避の対策をしっかり立てて、契約してから後悔することのないようにしましょう。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...
不動産担保ローンを利用した資金調達を検討している人にとって、「銀行とノンバンク、どちらを選ぶべきか?」は非常に重要な判断ポイントです。銀行は低金利で安心感がある一方、ノンバンクは審査が柔軟でスピード感のある融資が魅力です。 この記事では、不動産担保ローンの金利や審査基準、融資スピードなどを銀行とノンバンクで比較しながら、両者の違いをわかりやすく解説します。 総量規制と法律上の銀行とノンバンクの違い 不動産担保ローンを検討する際、「銀行とノンバンクのどちらが安心で有利なのか?」という疑問を持つ方は多いでしょう。両者の最大の違いのひとつが、適用される法律と「総量規制」の有無です。 総量規制とは? 総量規制とは、貸金業法に基づき「個人が貸金業者から借りられる金額は年収の3分の1まで」と制限するルールです。これは、過剰な借り入れによる生活破綻を防ぐために設けられた制度です。 ただし、不動産担保ローンは原則として総量規制の「除外貸付」に該当するため、年収の制限を受けないケースが多くあります。しかし注意点として、担保とする不動産が「自宅(居住用不動産)」である場合は、総量規制の対象となる可能性があります。 銀行は総量規制の対象外 銀行は「銀行法」に基づいて運営されており、貸金業法の適用を受けないため、総量規制の対象外です。そのため、会社員や個人でも、銀行の不動産担保ローンであれば、年収の3分の1を超える融資を受けられる可能性があります。 ノンバンクは総量規制の対象 一方、消費者金融・信販会社などはノンバンクに該当し、「貸金業法」の適用を受けるため、原則として総量規制の対象となります。ただし、不動産担保ローンが「除外貸付」に該当する場合や、事業資金としての利用であれば、総量規制の制限を受けずに借り入れが可能です。 そのため、ノンバンク系の不動産担保ローンでは、個人向けとしながらも実質的には「事業者向け」であることも少なくありません。会社員など事業を営んでいない個人がノンバンクを利用する場合は、年収制限に注意が必要です。 まとめ 前述の内容をまとめると以下のとおりです。 比較項目 銀行 ノンバンク 適用法令 銀行法 貸金業法 総量規制 対象外 原則対象(除外・例外あり) 融資対象 個人・法人 主に事業者向け 安心感・信頼性 高い(預金保護制度あり) 会社により異なる(登録業者か要確認) 不動産担保ローンを銀行とノンバンクで比較する際は、金利や審査だけでなく、こうした法的な違いも理解しておくと安心です。まずは複数の金融機関に相談し、自分に合った選択肢を見つけましょう。 関連記事はこちら総量規制とは?利用者保護の仕組みと対象外のローンを詳しく解説 銀行とノンバンクで比較した不動産担保ローンの融資条件 不動産担保ローンを選ぶ際には、金利や手数料、融資可能額、資金の使い道、そして担保にできる不動産の種類など、複数の条件を比較することが重要です。銀行とノンバンクでは、これらの融資条件に大きな違いがあるため、それぞれの特徴を理解しておくことで、自分に合った金融機関を選びやすくなります。 ここでは、以下の5つの観点から、不動産担保ローンにおける銀行とノンバンクの違いを詳しく解説していきます。 金利と手数料 融資金額 融資までの日数 資金使途の自由度 担保物件の柔軟性 金利と手数料 一般的に、銀行の不動産担保ローンはノンバンクよりも金利が低めに設定されています。たとえば、資金使途が自由なフリーローンでは、銀行では年1.5%前後から、ノンバンクでは年3.0%前後からの金利設定が一般的です。 また、金利以外にも以下のような手数料が発生します。 事務手数料 繰上返済手数料(解約料) 印紙代 登記費用 手数料は金融機関ごとに異なるため、金利とあわせて総返済額を比較することが重要です。特に繰上返済を予定している場合は、その条件や手数料も事前に確認しておきましょう。 融資金額 不動産担保ローンの融資金額は、銀行かノンバンクかよりも、各金融機関の審査基準によって異なります。例えば、借入可能額は担保不動産の評価額や担保掛目、申込者の信用情報などによって決まります。 担保掛目とは、評価額に対して金融機関が設定する融資可能な割合のことで、一般的には70〜80%程度が上限です。希望する金額が担保評価の範囲内に収まるかどうかを確認し、条件に合った金融機関を選ぶことが大切です。 融資までの日数 不動産担保ローンは、担保不動産の調査や審査が必要なため、無担保ローンよりも融資実行までに時間がかかります。一般的に、ノンバンクは最短数日〜2週間程度で融資が可能ですが、銀行は2週間〜1か月ほどかかるのが一般的です。 銀行は担保評価や与信審査が厳しく、保証会社の審査も加わるため、時間を要する傾向があります。そのため、急ぎで資金を調達したい場合は、ノンバンクの利用を検討するとよいでしょう。なお、多くの金融機関が「最短〇日」と案内していますが、実際には1週間以上かかると見込んで資金計画を立てるといいでしょう。 資金使途の自由度 不動産担保ローンは原則として資金使途が自由ですが、銀行では「開業資金」や「納税資金」などが対象外となる場合があります。一方、ノンバンク系ではこうした制限が少なく、事業資金や税金の支払い、借り入れの一本化など、幅広い用途に対応しています。 そのため、用途が明確でない場合や柔軟に使いたい場合は、ノンバンクの不動産担保ローンが選択肢となるでしょう。 担保物件の柔軟性 担保にできる不動産の種類にも、銀行とノンバンクで違いがあります。銀行では「借地権付き物件」や「建ぺい率・容積率オーバーの既存不適格物件」などは融資対象外となることが多いです。しかし、ノンバンクでは「借地権者の承諾書を取得する」「担保掛目(評価額に対する融資割合)を下げる」などの対応で融資が可能になる場合があります。 その他にも、二番抵当でも融資が可能なケースもあり、ノンバンクは担保物件に対して柔軟な審査を行う傾向があり、銀行で断られた物件でも融資が受けられる可能性があります。 まとめ 不動産担保ローンは、銀行とノンバンクでそれぞれに特徴があります。銀行は金利が低めで安心感がありますが、審査が厳しく融資までに時間がかかる傾向があります。一方、ノンバンクは金利がやや高めなものの、審査が柔軟でスピード融資に対応しやすいのが強みです。 「なんとなく安心だから銀行」と決めるのではなく、担保不動産の条件や資金使途、金利・手数料などを総合的に比較することが重要です。まずは複数の金融機関に相談し、自分に合ったローンを見つけましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 無料の仮審査を申し込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りるローンのことです。無担保ローンに比べて、まとまった金額を低金利で借りられる一方、返済が滞ると不動産が競売にかけられるリスク...
リースバックとは、資産を売却した後もそのまま使い続けられる資産活用の取引手法です。 「セール・リースバック」や「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれ、所有している資産を第三者に売却し、同時にリース契約を結ぶことで、売却後もその資産を継続して利用できる仕組みです。 近年では、不動産事業者によるリースバックサービスの提供が増加しており、「リースバック」という言葉が、特に住宅に関するサービスとして定着しつつあります。住宅におけるリースバック(以下、「リースバック」)は、自宅を売却して現金を得た後も、賃料を支払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。老後資金の確保や住宅ローンの返済負担軽減など、さまざまな目的で注目されています。 この記事では、リースバックの仕組みやメリット・デメリットを徹底的に解説します。 リースバックの仕組みとは リースバックは、自宅を売却した後も、同じ家に住み続けられる仕組みです。 一般的には、リースバック運営会社と個人との間で、以下の2つの契約を同時に締結します。 不動産売買契約:自宅を運営会社に売却する契約 不動産賃貸借契約:売却後の自宅に住み続けるための賃貸借契約 リースバックは、住み替えや老後資金の確保、相続対策など、幅広い目的で活用されています。ただし、リースバックはまだ認知度が低く、契約内容も少し複雑です。事前にしっかり理解しておかないと、後悔することもあるので注意が必要です。 リースバックとリバースモーゲージの違いとは? リースバックは、自宅に住み続けながら資金を得られるという点で、リバースモーゲージと比較されることがあります。しかし、両者は契約形態や仕組みが大きく異なります。 以下の表は、主な違いをまとめたものです。 リースバックとリバースモーゲージとの違い 種類 リースバック リバースモーゲージ 契約の形態 不動産売却契約 不動産賃貸借契約 金銭消費貸借契約 年齢制限 なし あり(通常60歳以上) 借り入れの有無 なし あり 所有権の移転 あり なし 資金使途 自由 原則生活資金 支払い 家賃 利息 契約終了の条件 引っ越し 買い戻し 死亡 借入金完済 ※筆者作成 リースバックは「資産の売却」、リバースモーゲージは「資産を担保にした借り入れ」という違いがあるため、目的や状況に応じて選択することが重要です。 関連記事はこちらリースバック・リバースモーゲージ・リ・バース60の違いを徹底比較 リースバックのメリットとは リースバックには、以下のようなメリットがあります。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 通常の不動産売却では、まとまった資金を得られる一方で、引っ越しの手間や費用が発生します。特に高齢者の場合、新居の購入や賃貸借契約の締結が難しくなるケースも少なくありません。 リースバックなら、売却した自宅にそのまま住み続けられるため、資金を得ながらも、慣れ親しんだ環境で生活を続けることができます。これは、精神的・身体的な負担を軽減する大きなメリットです。 月々の支出が定額化される 自宅を所有していると、固定資産税や管理費、火災保険・地震保険など、さまざまな費用が発生します。リースバックでは、所有者が運営会社に変わることで、住居費用は毎月一定の家賃にまとまり、支出の見通しが立てやすくなります。また、将来の支出が予測しやすくなるため、家計管理にも役立ちます。 持ち家の所有リスクから解放される 不動産を所有していると、以下のようなリスクを抱えることがあります。 災害による建物の損壊 不動産価格の下落 住宅ローンの金利上昇による返済負担の増加 特に戸建て住宅は、マンションに比べて価格変動や災害の影響を受けやすい傾向があります。リースバックでは、所有権が運営会社に移るため、これらのリスクから解放されます。 リースバックのデメリットとは リースバックには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。契約前に以下の点をしっかり理解しておくことが大切です。 売却価格が市場価格よりも安くなる リースバックでは、一般的に自宅の売却価格が市場価格よりも低くなる傾向があります。これは、不動産仲介を通じて個人に売却するのではなく、不動産業者が直接買い取るためです。 また、リースバック運営会社は、買い取った不動産を所有するリスクや維持コストを負担するため、その分を見込んで価格が抑えられるケースもあります。 リフォームや建て替えが自由にできなくなる 持ち家であれば、原則として自由にリフォームや建て替えが可能です。しかし、リースバックを利用すると、所有権は運営会社に移るため、改修や建て替えには許可が必要になります。 もし「自宅を自分好みにリフォームしたい」と考えているなら、リースバックでは自由にできないこともあるので注意が必要です。 ずっと住み続けられるとは限らない リースバックでは、売却後も自宅に住み続けることができますが、契約形態によっては将来的に退去が必要になる場合もあります。 普通借家契約:原則として契約更新が可能で、長期的に住み続けられる。 定期借家契約:契約期間満了後は退去が必要。再契約には貸主の同意が必要で、保証はありません。 長く住み続けたい場合は、契約形態が「普通借家契約」であるかを事前に確認することが重要です。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? リースバックの活用事例 リースバックは、さまざまなライフステージや状況に応じて活用できる柔軟なサービスです。ここでは、代表的な活用事例を6つご紹介します。 老後資金の確保 老後の生活資金が不足していても、住み慣れた自宅から離れたくないという人は少なくありません。リースバックを利用すれば、自宅を売却して資金を得ながら、引き続き同じ家に住み続けることが可能です。年齢を理由に断られる心配もなく、安心して利用できます。 住み替え資金の確保 新居への住み替えを検討しているものの、頭金や手付金が不足している場合にも、リースバックは有効です。自宅を売却することで資金を確保できるほか、新居が決まるまで現在の住まいに住み続けられるため、仮住まいを探す必要がありません。 月々の返済負担の軽減 住宅ローンの返済額が家計を圧迫している場合、リースバックによって支出を抑えることができます。家賃が住宅ローンの返済額よりも低くなるケースでは、月々の支払い負担が軽減され、資金繰りの改善につながります。 住宅ローンの完済 住宅ローンの返済が滞り、金融機関から残債の一括返済を求められるケースでは、リースバックの活用が有効です。自宅を売却して得た資金でローンを完済すれば、競売や任意売却を避けながら、同じ家に住み続けることができます。精神的・身体的な負担も軽減できるため、安心して生活を続けられます。 離婚時の財産分与 離婚に伴う財産分与では、自宅の扱いが難しくなることがあります。リースバックを利用すれば、住宅ローンの完済と現金化が可能となり、財産分与を円滑に進めることができます。離婚後も一方が住み続けたい場合にも対応可能です。 相続問題の解決 相続人が複数いる場合、自宅の分割をめぐってトラブルが発生することがあります。 リースバックによって生前に自宅を現金化しておけば、相続人間の争いを避け、公平かつスムーズな遺産分割が実現しやすくなります。 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイント リースバックを契約する際には、事前に確認しておきたい重要なポイントがあります。以下の4つの観点を押さえておくことで、契約後のトラブルや後悔を防ぐことができます。 売却価格が相場よりも著しく安くないか 売却先(買取業者)と賃貸借契約先(大家)が同一か 契約期間中に家賃の値上げがないか 買い戻しの条件が契約書に明記されているか 売却価格が相場よりも著しく安くないか リースバックでは、売却価格が市場価格よりも低くなる傾向があります。ただし、相場よりも著しく安く買い取られてしまうケースもあるため、複数の事業者に見積もりを依頼し、相場感を把握することが重要です。1社だけで判断せず、比較検討することで適正価格を見極めやすくなります。 売却先と賃貸借契約先が同一か リースバック運営会社によっては、売却を担当する会社と賃貸借契約を管理する会社が異なる場合があります。このようなケースでは、契約更新や再契約の際にトラブルが発生する場合があります。事前に、売却先と賃貸人が同一かどうかを確認し、契約内容や再契約の条件についても明確にしておくことが大切です。 家賃の値上げが契約期間中に行われないか リースバックでは、毎月家賃の支払いが発生します。契約書には家賃の変更に関する条項が含まれていることが多いため、値上げがあるかどうかは、契約前に必ず確認しておきましょう。家賃が固定されている契約であれば、安心して長く住み続けられます。 買い戻しの条件が契約書に明記されているか 将来的に自宅を買い戻したいと考えている場合は、売買契約時に買い戻しの条件を契約書に明記しておくことが不可欠です。口頭での約束では法的な効力が弱く、買い戻しができないこともあります。買い戻しに関する条件は、売買契約書の特約や売買予約契約などで定められるため、書面での確認と合意を取っておくことで、後々のトラブルを防ぐことにつながります。 関連記事はこちらリースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバック利用の流れ リースバックを利用する際の一般的な流れは、以下の4ステップです。 それぞれの段階で確認すべきポイントを押さえておくことで、安心して手続きを進めることができます。 相談・仮査定 物件調査 契約締結 売買決済・賃貸開始 1.相談・仮査定 まずは、リースバック運営会社に相談し、仮査定を依頼します。この段階では、固定資産税額や管理費、共益費などの情報を求められることがあるため、事前に準備しておくとスムーズに進みます。仮査定の結果は、会社によっては当日中に提示されることもあり、概算の売却価格と家賃が確認できます。 2.物件調査 仮査定の内容に納得できた場合は、次に物件の本調査が行われます。運営会社の担当者や査定会社が現地を訪問し、図面との相違や物件の状態を確認します。調査結果をもとに、契約可能かどうかが判断され、正式な売却価格や家賃が決定されます。物件の状態によっては、仮査定と異なる条件になることもあるため、事前に調整の余地があるかを確認しておくと安心です。 3.契約締結 提示された条件に問題がなければ、売買契約・賃貸借契約・売買予約契約などを締結します。契約前には、以下の点を必ず確認しましょう。 賃貸借契約の種類(普通借家契約/定期借家契約) 契約期間と更新の可否 買い戻しの可否と条件 家賃やその他の経済条件 4.売買決済・賃貸開始 契約手続きが完了すると、売買決済が行われます。早ければ契約当日に決済が完了し、同日から賃貸借契約が開始されます。家賃の支払い開始日や清算金の有無など、金銭面の詳細についても事前に確認しておくことが重要です。 関連記事はこちらリースバックの契約までの流れと必要書類、注意点を解説 リースバックのよくある質問 リースバックに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。契約前に気になる点を確認しておくことで、安心して検討を進めることができます。 Q. 住宅ローンが残っていてもリースバックを利用できますか? はい、住宅ローンが残っていてもリースバックの利用は可能です。 ただし、売却時には対象不動産に設定されている抵当権を抹消する必要があります。抵当権の抹消には、売却代金をローンの返済に充てるなどの手続きが必要です。 Q. 家賃の支払いを安く抑えることはできますか? リースバックの家賃は、売却価格を基準に算出されます。 そのため、売却価格を抑えることで、家賃を低く設定できる可能性があります。 ただし、物件の評価や運営会社の方針によって異なるため、事前に相談しておくと安心です。 Q. 手元資金がほとんどないのですが、費用はかかりますか? リースバックでは、売買代金から諸費用を清算することができるため、基本的に手元資金は不要です。ただし、契約内容や会社によって異なる場合があるため、事前に費用の内訳を確認しておきましょう。 Q. 高齢で年金受給者なのですが、リースバックを利用できますか? はい、高齢者や年金受給者の人でもリースバックを利用できます。 リースバックは融資商品ではないため、年齢や収入に関する制限が設けられていないケースが多く、幅広い人に対応しています。 関連記事はこちらリースバックのよくあるご相談7選 まとめ リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる仕組みで、「老後資金を確保したい」「住宅ローンの返済負担を軽減したい」といったニーズに応える選択肢として注目されています。 ただし、売却価格が市場価格よりも低くなる傾向があることや、契約形態によっては長く住み続けられない可能性があるなど、注意すべき点もあります。 後悔のない選択をするためには、メリットとデメリットを正しく理解し、契約内容を十分に確認したうえで検討することが大切です。不安な点がある場合は、複数の事業者に相談し、納得できる条件で進めるようにしましょう。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金... { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [ { "@type": "Question", "name": "住宅ローンが残っていてもリースバックを利用できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "はい、住宅ローンが残っていてもリースバックの利用は可能です。ただし、売却時には対象不動産に設定されている抵当権を抹消する必要があります。抵当権の抹消には、売却代金をローンの返済に充てるなどの手続きが必要です。" } }, { "@type": "Question", "name": "家賃の支払いを安く抑えることはできますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "リースバックの家賃は、売却価格を基準に算出されます。そのため、売却価格を抑えることで、家賃を低く設定できる可能性があります。ただし、物件の評価や運営会社の方針によって異なるため、事前に相談しておくと安心です。" } }, { "@type": "Question", "name": "手元資金がほとんどないのですが、費用はかかりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "リースバックでは、売買代金から諸費用を清算することができるため、基本的に手元資金は不要です。ただし、契約内容や会社によって異なる場合があるため、事前に費用の内訳を確認しておきましょう。" } }, { "@type": "Question", "name": "高齢で年金受給者なのですが、リースバックを利用できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "はい、高齢者や年金受給者の人でもリースバックを利用できます。リースバックは融資商品ではないため、年齢や収入に関する制限が設けられていないケースが多く、幅広い人に対応しています。" } } ] }
リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。近年リースバックの需要は増加傾向にあり、リースバックを取り扱う運営会社も増えています。 こうした状況下で、どのように運営会社を選べばいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。この記事では、リースバックを比較する5つのポイントについて解説します。 複数の運営会社を比較した方がいい理由 上述のとおり、リースバックを取り扱う運営会社は増えています。そして、同じリースバックでも、運営会社によって売買価格や家賃などの諸条件やサービス内容に違いがあります。 仮に1社しか選ばずに契約を進めてしまうと、例えばその会社が提示した売買価格があまりにも安くても、気づくことができない恐れがあります。また、複数の運営会社を比較したうえでより条件の良い運営会社を選ぶ方が、例え手間がかかっても損をするリスクを抑えられるので、必ず比較検討を行うべきです。 もしリースバックを前向きに検討しているのであれば、自分が何を重要視するのかをはっきりさせて比較することが大切です。これから解説する5つのポイントはどれも重要ですが、その中でも特にどのポイントを重要視するのかも併せて考えてみてください。 リースバックを比較するポイント1:売買価格 リースバックでは、運営会社によって、不動産の評価方法に違いがあるため、売買価格は変わってきます。また、運営会社が売主の家賃滞納リスク、買い戻しに応じるために自由に売買できない制約を抱えていることも、売買価格に影響を与えます。あくまで目安ですが、一般的なリースバックの売買価格は市場価格の70%前後です。 リースバックで自宅を売却するときは、なるべく高い価格で売却できる方が良いと考えがちですが、売買価格は家賃とトレードオフの関係にあり、売買価格が下がれば家賃も下がります。そのため、売買価格だけで決定するのではなく、その他の条件を踏まえた上で総合的に判断することが大切です。 また、売買価格のほかに、以下の手数料にも注目する必要があります。 仲介手数料 事務手数料 抵当権の抹消手数料 リースバックの多くは仲介手数料がかかりますが、運営会社が買主になることで仲介手数料が発生しない場合もあります。事務手数料を無料にしている運営会社もある一方で、30~50万円程度の事務手数料を請求している運営会社もあります。また、住宅ローンが残っている場合は、抵当権の抹消費用を請求されるので、金額が適正かどうかも確認する必要があります。 リースバックでは、自宅を少しでも高く売却し、安い家賃で借りることが理想です。しかし、売買価格や家賃だけに注目するのではなく、手数料などの他の比較ポイントも含めて総合的に判断しましょう。 リースバックを比較するポイント2:家賃 リースバックでは、自宅の売却後に家賃を支払うことになりますが、運営会社によって家賃も変わります。また、売買価格でも述べましたが、一般的に売買価格と家賃はトレードオフの関係にあり、売買価格が下がれば家賃も下がります。 運営会社によっては「家賃を何か月か猶予する」「売買代金の一部を預け入れすれば家賃が下がる」と提案されるケースもあるかもしれません。しかし、それは単に売買価格を低く見積もっているだけです。家賃は安ければいいわけではなく、売買価格も含めて比較することが大切です。 また、リースバックで売却した自宅を借りる際は、敷金や礼金、更新料、家賃保証会社への保証料も必要になります。これらの費用は無料の会社もあれば、有料の会社もあるので、家賃も含めてしっかりと比較しましょう。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!家賃相場よりも高い? リースバックを比較するポイント3:賃貸契約期間 リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットです。しかし、リースバックの多くは賃貸契約期間が3年などに定められている「定期借家契約」になります。ほとんどの運営会社は「再契約することでそのまま住み続けることは可能」と謳っていますが、運営会社の事情で再契約されないことも考えられます。 そのため、貸主からの解約申し入れには正当事由が必要である「普通借家契約」のほうがより良い契約といえるでしょう。定期借家契約でリースバックを利用する場合は、運営会社の都合で再契約ができずに契約が終了することも想定し、状況に応じて引っ越しする覚悟が必要です。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? リースバックを比較するポイント4:買い戻し条件(価格、期間) リースバックは、売却した自宅の買い戻しができることも特徴のひとつです。将来的に自宅を買い戻すことを想定して、リースバックを検討する人もいるのではないでしょうか。しかし、リースバックで自宅を買い戻すときの価格は、売却時よりも高くなることが多いです。 また、買い戻し条件も運営会社によって異なるため、予定どおり買い戻せるかはわかりません。予め価格や賃貸契約期間などの条件が決まっていて、それらが書面化されていれば、買い戻しについてのトラブルを避けられます。買い戻し価格を提示してくれる会社が複数ある場合は、より安い価格で買い戻しができる会社を選ぶといいでしょう。運営会社によっては、買い戻し条件が曖昧なところもあるので注意が必要です。 関連記事はこちらリースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説 リースバックを比較するポイント5:運営会社の信頼性 リースバックを利用する際は、運営会社の信頼性も重要なポイントです。実績や業績などを比較して、倒産リスクが低い会社を選びましょう。家賃を低くするために売買代金の一部を預け入れしている状態で運営会社が破産した場合には、その預けている売買代金の一部は戻ってこない恐れがあります。 また、管理業務の体制やサービスついても、内容を調べて比較しておきましょう。中には専用窓口を設置して、高齢者を対象にした見守りサービスや家事代行サービス、宅食サービスなどを提供している会社もあります。 まとめ リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるので、老後資金の不足など、まとまった現金が必要な場合に活用できます。ただし、運営会社によって売買価格や家賃、手数料だけでなく、賃貸契約期間や買い戻し条件も異なります。 リースバックを検討する際は、自身の状況をきちんと整理し、必ず複数の会社から見積もりを取るなど、比較検討したうえで利用するサービスを決めることが大切です。自宅を売却した後も安心して同じ家に住み続けられるように、この記事で紹介した5つの比較ポイントを参考にリースバックの運営会社を比較してみてください。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ること...
住宅ローンを借りて自宅を購入した後、急な転勤などで、住み替えが必要になった場合、いずれは元の自宅に戻りたいと考え、自宅を賃貸に出せないか検討することもあるかもしれません。この記事では、住宅ローンの残債がある自宅を賃貸に出したい時、どのように対処すればいいかについて解説します。 住宅ローンが残っている自宅は原則賃貸に出せない 結論から言うと、住宅ローンを借りたまま自宅を賃貸に出すことは原則できません。なぜなら、住宅ローンの資金使途は「自己居住用の不動産」の購入に限定されており、賃貸に出した時点で「自己居住用」ではなくなってしまうためです。 仮に、住宅ローンを借りている金融機関に無断で自宅を賃貸に出し、それが発覚した場合、住宅ローンの一括返済を求められる恐れがあります。 まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しよう 住宅ローン返済中の自宅を賃貸に出したい場合には、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しましょう。金融機関がやむを得ないと判断すれば、自宅を賃貸に出すことを許可してくれる可能性もあります。 もちろん、賃貸に出すことを認められないことも往々にしてあるので、その時には、不動産投資ローンへの借り換えを検討するといいでしょう。 不動産投資ローンへの借り換えは慎重に 上述のとおり、住宅ローンの資金使途は、自己居住用の不動産の購入に限定されています。そのため、「不動産投資ローン」に借り換えることで、自宅を賃貸に出せるようになります。一方で、不動産投資ローンへの借り換えは、金利の上昇や総返済額の増加などのデメリットもあります。 一般的に、住宅ローンは不動産投資ローンよりも金利が低いので、借り換えによって金利は上昇し、総返済額が増加します。一方で、自宅を賃貸に出すと家賃収入が得られるため、安定した家賃収入が見込める物件であれば、家賃収入だけでローンを返済できるかもしれません。また、借り換えに際して、返済期間を延ばせば、毎月の返済額を減らすことができる可能性もあります。 なお、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に借り換えの相談をすると、キャッシュフローの改善を含めた提案をしてもらえるかもしれません。まずは、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に相談して、提示された条件をもとに、借り換えをするかどうか判断するといいでしょう。 住宅ローンから不動産投資ローンへの借り換えイメージ ここでは、住宅ローンから不動産投資ローンへの借り換えイメージを紹介します。サラリーマンのCさんは、勤務している会社から海外赴任の内示を受け取りました。住宅ローンが残っている自宅を賃貸に出し、海外赴任が終わったタイミングで、住み慣れた自宅に戻ることを考えていました。 Cさんはまず、住宅ローンを借りている金融機関に相談をしましたが、賃貸に出すことを認められませんでした。そのため、住宅ローンが残っている自宅を担保にして、不動産投資ローンへの借り換えを行いました。その結果、借り換え前と借り換え後の状況は下表のようになりました。 借り換え前 借り換え後 ローン残高 2,500万円 2,560万円* 返済期間 20年 20年 金利 1.50% 6.00% 月々の返済額 12万円 18.3万円 家賃収入 0万円 18.7万円 ※借り換えに際して、2,500万円に諸費用として2.20%を上乗せしています。 借り換えによって金利は1.5%から6.0%に上がり、月々の返済額が6.3万円増加しました。一方で、自宅を賃貸に出すことで、月々18.7万円の収入が得られるようになりました。そのため、月々の負担なく不動産投資ローンの残債を減らしていくことに成功しました。 実際に借り換えを行う場合は、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に申し込みを行いましょう。審査に通過したら、住宅ローンを借りている金融機関に、返済可能日などを確認のうえ、契約手続きを進めます。手続きの流れの詳細は、以下の記事で詳しく紹介しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンへの借り換えを分かりやすく解説 まとめ 住宅ローンのある自宅を賃貸に出したい場合は、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談してみましょう。そして、賃貸に出すことが認められなければ、不動産投資ローンへの借り換えを検討するといいでしょう。ただし、不動産投資ローンへ借り換えるためには、審査に通過する必要があるため、自身の希望だけでなく、借り換えがそもそもできるのかなどを確認してみましょう。 無料相談してみる SBIエステートファイナンスが不動産担保ローンの疑問にお答えします。 無料相談をしてみる SBIエステートファイナンスが不動産担保ローンの疑問にお答えします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説 持ち家に住んでいても、住み替えなどを理由に自宅の売却を検討することがあるでしょう。不動産を売却したことがないと、どのように手続きを進めればよいかわからないかもしれません。また、どうせ自宅を売...
不動産担保ローンを提供している金融機関の中には、即日融資に対応しているところもあります。持ち家の人で至急まとまった資金が必要になれば、不動産担保ローンで即日融資を受けることを考えるかもしれません。しかし、不動産担保ローンは即日融資を受けるのがそもそも難しく、利用する場合にも注意すべき点があります。 この記事では、不動産担保ローンの即日融資について解説します。 不動産担保ローンの即日融資は難しい そもそも不動産担保ローンは即日融資を受けるのが難しい商品です。なぜなら、無担保ローンでは与信のみに審査が行われるのに対して、不動産担保ローンでは不動産を評価するための時間が必要となるからです。 土地の広さや権利関係、建物の築年数や周辺道路の状態など、担保不動産の価値を正確に評価するために必要な情報はたくさんあります。特に戸建てなどの個別要因の高い担保不動産の場合、現地調査や役所調査なども行う必要が生じるため、審査に数日かかる場合がほとんどです。 加えて、物件や与信の審査にあたって様々な書類を準備しなければならないため、書類に少しでも不備があると即日融資が難しくなります。 なお、不動産担保ローンの審査基準や審査に必要となる書類などについては以下の記事で詳しく解説しています。初めて不動産担保ローンの利用を検討されている方は、あらかじめ概要を理解しておきましょう。 関連記事はこちら不動産担保ローンの審査基準と審査通過のためのポイント 不動産担保ローンで即日融資を受ける前に知っておくべき特徴 担保不動産の価値が過小評価される場合がある 上述のとおり、担保不動産の価値を正確に審査するには、時間を要します。そのため、即日融資に対応するには、担保不動産を保守的に評価せざるを得なくなり、金利や融資可能額などの条件面で不利になる恐れがあります。 対応金融機関が少ない 不動産担保ローンで即日融資に対応している金融機関の数は多くありません。本来、不動産担保ローンで資金調達をする場合、複数の金融機関に相談して提案された内容を比較検討したうえで、経済条件や信頼できる金融機関でローンを借りることが大切です。しかし、対応できる金融機関が少ないうえ、検討期間も短いため比較すること自体が困難です。 不動産担保ローンで即日融資を受ける際の注意点 不動産担保ローンで即日融資を受ける場合は、以下の点に注意しておきましょう。 信頼できる金融機関かどうかを確かめる 即日融資に対応している金融機関は、基本的にノンバンク系の金融機関が中心となります。ノンバンク系の金融機関の場合、貸金業者として行政に登録されている金融機関であるかを確認することが大切です。 行政に登録されていない、いわゆるヤミ金からは絶対に融資を受けてはいけません。行政に登録されているかどうかは、金融庁が提供している「登録貸金業者情報検索入力ページ」から確認できます。 融資条件を冷静に判断する たとえ至急まとまった資金が必要な状況だとしても、金融機関から提示された金利や手数料の条件をすぐ鵜呑みにして、そのまま融資を受けないようにしましょう。 無理なく返済を続けるのが難しいにもかかわらず融資を受けてしまうと、後々生活が苦しくなってしまいます。不動産担保ローンの返済が滞ってしまうと、最悪の場合担保不動産を手放さなければならなくなります。 そうならないためにも、提示された金利や手数料と自分の収入を比較し、無理なく返済を続けられることを確認のうえ、即日融資を受けるようにしましょう。 不動産担保ローンの即日融資を利用せずに資金調達を行う方法 もし不動産担保ローンの即日融資が必要なほど至急まとまった資金が必要である場合、カードローンをつなぎとして利用し、後から不動産担保ローンに借り換えるという方法があります。 まずはカードローンを借りた方がいい3つの理由 ここでは、不動産担保ローンで即日融資を狙うときに、まずはつなぎとしてカードローンを借りた方がいい理由を3つ紹介します。 カードローンであれば、即日融資を受けられる 上述のとおり、不動産担保ローンは、担保不動産を評価するための時間が必要です。一方で、無担保で借りられるカードローンなら審査は早く、即日融資も可能です。カードローンを利用すれば、不動産担保ローンの融資実行までに必要な資金をすぐに準備できます。 カードローンは融資事務手数料・繰上返済手数料がかからない カードローンは金利が高く、返済額に占める利息の割合が大きいため、長期の借り入れには向きません。しかし、カードローンは融資事務手数料や繰り上げ返済手数料がかからないので、短期間の利用には適しています。 不動産担保ローンを検討する猶予がうまれる 即日融資可能な不動産担保ローンだと、提供している金融機関も少なく、検討期間が限られます。ひとまず、カードローンを利用することで、即日融資に対応していなくとも、良い条件を提示してくれる金融機関が見つかるかもしれません。 カードローンを借りると審査が不利になる? カードローンを借りると、不動産担保ローンの審査が不利になるか気になるかもしれません。しかし、カードローンを借りているという理由だけで、審査が不利になることはほとんどありません。 ただし、カードローンを利用した理由について、金融機関にしっかりと説明する必要があります。不動産担保ローンの相談をするときに、カードローンを借りた経緯や必要性について説明できるように準備しておきましょう。また、基本的には不動産担保ローンの借り入れと同時にカードローンの返済を求められます。 カードローンをつなぎとして利用する場合の注意点 カードローンをつなぎとして利用する場合は、融資額に注意しましょう。不動産担保ローンの融資限度額以上をカードローンで借りると、カードローンから不動産担保ローンへの借り換えができなくなるからです。 不動産担保ローンでは、担保不動産の市場販売価格の6割~8割程度が、融資上限額の目途になります。たとえば、担保不動産の市場販売価格が2,000万円であれば、1,200万円~1,600万円が融資額の上限です。 ただし、実際の融資額は担保不動産だけでなく、債務者の属性も含めて総合的に審査したうえで決定されます。そのため、カードローンの借り入れは、保守的にみて不動産の市場販売価格の5割ぐらいまで(先程の例なら1,000万円まで)に抑えた方がよいでしょう。 まとめ 不動産担保ローンは不動産の担保評価に時間がかかるため、基本的に即日融資は難しいです。無理をして即日融資を受けようとすると、思わぬリスクを抱えることもあります。まとまった資金が急に必要になった場合、まずはつなぎとしてカードローンを利用し、その後に不動産担保ローンへ借り換えるといった資金調達も検討してみましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 無料の仮審査を申し込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産担保ローンへの借り換えを分かりやすく解説 毎月のローン返済が負担になっている、資金繰りが思うようにいかない——そんな悩みを抱えていませんか?実は、「不動産担保ローンへの借り換え」によって、返済額や金利を見直し、資金繰りを改善できる可...
親の医療費や介護費用が、ご自身の家族の教育費などと重なって、ダブルパンチになる世代が増えています。高齢の親の入院など急な連絡をもらっても慌てずに対処できるよう、お金の調達の選択肢を増やしておくことはとても重要でしょう。 この記事では、急な入院や介護費用を心配するアラフィフ世代からみた、親の医療費や介護費用、その長期化を視野にいれた資金調達の手段についてご紹介します。 [ご相談者 Kさん] 51歳 男性。妻と子供3人。子は大学2年生、高校3年生、高校1年生 父は既に他界していて、82歳の母が地方の実家で一人暮らし。 母が転んで骨折し、入院。どうやら介護も必要な様子。 自分はこれから教育費がピークを控えているので、母の医療費や介護の費用などは、母の財産で捻出できたらと思っている。 (1)母入院の急な連絡、医療費や介護費用含めたお金が心配 Kさん:先日、母が入院したと連絡があり、ビックリしました。転んで骨折したらしいのですが、歳も歳なので、介護が必要になりそうで、お金もどうなるかとても不安です。 FP吹田:それはお母様も、付き添う人も大変ですね。入院期間はどのくらいかかりそうなのですか? Kさん:3~4カ月はかかるらしいです。まず医療費が気になりますね。自分も姉も、ちょうど子供の大学などお金がかかるピークなんですよ。 FP吹田:皆さんお子さんの教育費とダブルで気がかりなのですね。お母様の医療費は、後期高齢者医療制度で、健康保険の適用範囲内なら高額療養費制度を利用することで1カ月一定額までの負担になるようになっています。お母様が年金収入のみとして、課税所得145万円未満の一般世帯なら、入院と外来で1カ月に57,600円が上限と言われています。 Kさん:1か月に約6万円ですか。介護の費用がかかり始めたら、更にですよね。 FP吹田:はい、医療と介護と両方お金がかかることに対しては、高額介護合算療養費という制度で上限が設定されています。詳細は自治体に確認していただくことになりますが、東京都の場合、後期高齢者医療制度+介護保険制度を合わせて、所得が一般世帯なら自己負担も年額56万円までとなっています。 Kさん:なるほど。医療と介護を合わせた上限ですね。母の住む市町村に問い合わせてみます。ただ、実際には、移動や付き添う交通費もかかるし、母のことがいつまで続くのか、先が見えないんですよね。公的な貸付制度ってなかったでしょうか? FP吹田:はい、先ほどの高額療養費の範囲内で貸付を受けられる高額医療費貸付というのものもあるのですが、これは「貸付」といっても、実際は、借りるお金が高額療養費の申請後に還付されるだけで、戻ってくる分の先払いにすぎません。自己負担上限までの負担は実際、変わらないのですよ。お母様ご自身の預貯金などは、おありなのでしょうか? Kさん:それが、不動産はあっても、年金が少なくて、預貯金はあまりないのです。母のリハビリとかが長びいても安心できるような資金調達とか何かないでしょうか? (2)自宅を相続後、売却するつもりならリースバックを考えて FP吹田:そうでしたか。不動産はおありなのですね。 Kさん:はい、父からの相続で不動産はみな母が引き継いだのです。地方なので、自分も姉も、その土地があっても今の子育て環境では活かせないと話しまして。 FP吹田:お子さんの受験などを考えると、実家に戻ることもないということですね。 Kさん:はい、おそらく、自分も姉も、実家に戻ることはなく、いずれ母が亡くなったら、売却を考えることになるかと思います。 FP吹田:なるほど、亡くなられた後に売却されることをお考えでしたら、ご自宅などの不動産のリースバックという方法を検討されてはいかがでしょうか? Kさん:リースバックですか? FP吹田:はい。不動産業者に不動産を売却するけれども、そのまま借りるという仕組みで、ご自宅などお母様の住む環境は全く変えずに、不動産を活用して資金を捻出できる方法の一つです。 Kさん:なるほど。名義は変わるけれども、実態は変わらないから、母に負担はかからないのですね。いずれ売却する不動産なら、時期が早まるだけだから、問題なさそうですね。 FP吹田:はい。所有権を手放すので、中には淋しく感じる方もいらっしゃいますが、相続後に売却すると思っていらっしゃるなら、逆に、今後の固定資産税などの納税義務や地震や災害での修復などの重荷から早めに解放されるとも言えます。念のため、メリット・デメリットを以下の表にまとめてみました。 (3)リースバックのメリット・デメリットとは 【表】リースバックや高額医療費貸付のメリット・デメリット リースバック 高額医療費貸付(国保) 仕組み 不動産の売却と賃貸の組み合わせ 高額療養費支給見込み額の9割相当額の貸付 メリット ・買主を探す必要がなく、現金化までの期間が比較的に短い ・引越す必要がなく、環境が変わらない ・資金使途が自由 ・高額療養費制度の申請後に清算され、長期の借金ではない ・無利子 ・保証人不要 デメリット ・売却価格が周辺相場よりも安くなりがち ・毎月のリース料(家賃)が発生する ・資金使途が医療費のみ ・貸付限度額がある Kさん:なるほど。資金使途が自由なら、医療費や介護費用と、万一の葬儀関係費用も含めて賄えたら、一気に不安が消えるような気がします。 FP吹田:そうですね。特に介護費用については、介護保険適用外の出費もありうるので、予算が大きく変わる可能性があります。その意味で、自由に使えるお金があるというのは安心感につながるでしょう。リースバックは、通常の不動産売却に比べると、買主とのやりとりなどの時間がかからなくて迅速な一方、売却価格が低めになりがちなど一長一短ですが…。 Kさん:それはやむを得ないですね。こちらも急いで資金を確保したいので。 FP吹田:それをご理解の上なら、問題ないでしょう。仮に亡くなられてからでは、お母様の資産を動かすのは、遺産分割協議を終えてからでないとできません。ですから、意思決定できるお元気なうちにお母様にも相談をされたほうが良さそうですね。 Kさん:幸い、母はまだ認知症の症状は出ていませんし、お金のことは心配しているはずなので、姉とともに相談してみます。特に、子供の教育費にしわ寄せがいかないように対策がとれるのなら、前向きに検討できると思います。 FP吹田:お母様やお姉様、皆さんにとって、一番不安や負担がない方法として、ご相談してみてくださいね。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 まとめ 医療・介護費用を捻出したい場合の選択肢は以下のとおりです。 国保の高額医療費貸付 無利子だが、高額療養費支給見込み額の9割相当以内で、還付される分の先払いにすぎない。高額療養費制度の自己負担額そのものは払うことには変わらない。 リースバックの可能性は? 不動産業者に売却するので、比較的短期間で資金を捻出できる。 資金使途も制限がないので、介護費用などの予算変動にも対応できる。 所有権は手放すが、実質的な環境は変わらないので、家族で協力しやすい。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 次に読むべき記事 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...
50代になると、子どもの教育費もピークを迎えます。また、親も70代を超え、入院したり、介護が必要になったりすることも。あるいは、不動産投資や事業を始める資金が必要になるケースもあるかもしれません。何らかの理由でまとまった資金が必要になったとき、持ち家があれば資金を工面できる場合があります。どのような活用法が可能か、考えてみましょう。 仲介会社を利用して売却する 持ち家がある世帯で、資金を作り出す方法としてまず考えられるのは、持ち家を売却して現金化する方法でしょう。ご主人に先立たれ、広すぎる家を売却してUR賃貸住宅など入り、売却資金はいずれ介護が必要になったときの資金として温存する、といった方もいました。 住宅の売却で動きが出やすいのは、通常だと、転勤などの節目となる春(1~3月頃)、秋(9~11月頃)ではないでしょうか。買い手が見つかって売買が終了するまでは、通常だと2カ月~6カ月程度かかりますが、売り出すタイミングによっては時間がかかることも知っておきましょう。実勢価格(時価)が5,000万円程度の物件の場合、5,000万円程度の資金を取り出すことができます。ニーズさえあれば、物件の場所は問われません。 実際に住宅を売却する際には、売却を依頼した不動産会社が物件情報を「レインズ(不動産情報ネットワーク)」と呼ばれる専用サイトに登録します。そのため、依頼する不動産会社の規模による優劣は特にないといわれます。査定を依頼して、高額査定を出してきても、それで売れるとは限りません。最後は担当者の人柄や経験、仕事ぶりで満足度が変わるように思います。 売却時には、次のようなコストがかかります。 仲介手数料:不動産売却価格の3%+6万円+消費税 印紙税:不動産売買契約書に収入印紙を貼り、割印。1,000万円超5,000万円以下で1万円など。 登記費用:住宅ローンが残っていて「抵当権抹消登記」を行う場合は登記費用がかかります(登録免許税と司法書士の報酬) ハウスクリーニング費:広さや依頼する人数により5万~15万円程度。自分で行えば無料。 引越費用:業者や荷物の量、移動距離、サービス内容で異なります。数万円~数十万円まであります。 なお、売却後は家がなくなりますが50代であれば新たに住宅ローンを借りて今後の生活に合わせた家を購入する、賃貸住宅を借りるなどの選択を取ることが可能となりますので、売却する際には併せて考えておく必要があります。 <持ち家を売却(仲介)>のポイント 仲介で個人に売却して現金化 物件の場所は問わない 入手できる金額は5,000万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却のためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 納得できる価格で売却しようと考える場合、時間がかかる 不動産会社へ売却する 持ち家を売却して現金化する際、仲介で個人間の売買を行うには時間がかかりすぎる場合には、不動産会社に買い取りを依頼する方法もあります。仲介で売却する場合と異なり、時期などに関係なく、しかもスピーディに売却することができます。ニーズさえあれば、物件の場所は問われません。 ただし、不動産会社が買い取る際には、市場価格の6~8割程度になります。時価5,000万円の物件の場合、3,500万円前後の売却額となる可能性が高いでしょう。不動産会社は、買い取った物件をリフォームやリノベーションをして付加価値をつけて再販して利益を得ているためです。 一方で、相手が不動産会社のため、売却時にかかるコストのうち、仲介ではないため仲介手数料がかからず、不動産取得税や登録免許税は不動産会社の負担になり、登記費用も不動産会社の負担になります。また、リフォームなどを行うことから、ハウスクリーニングもせずに売却できるといったメリットもあります。 仲介で売却する際と同じく、売却後は家がなくなりますので新たな家を購入する、賃貸住宅を借りるなど考えておく必要があります。 <持ち家を売却(不動産会社)>のポイント 不動産会社の買い取りで現金化 物件の場所は問わない 入手できる金額は3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却のためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 スピーディな売却が可能 賃貸に出し、毎月一定の収入を得る 自宅を賃貸に出すことで、収入を得ることもできます。全国どこでも可能ではありますが、立地や不動産のタイプなどが、賃貸ニーズに合っていることが大前提です。 入手できる資金は、表面利回り4~5%と仮定した場合、年200万円~250万円。仮に同条件で20年借り手がついたとすると、4,000万円~5,000万円になり、しかもその時点の住宅の評価額分の価値が残ります。 自宅を賃貸に出すには、まずは自分たちが住む場所を確保して引越さなくてはなりません。また、貸出しができるようにリフォームをしたり、ハウスクリーニングを行ったりする必要があり、実際に家賃収入が発生するまでには、最低でも1カ月~3カ月以上(賃借人が見つからないと長期化する場合も)はかかります。そのため、ある程度の資金的ゆとりや時間的ゆとりが必要です。 <賃貸に出す>場合のポイント 自宅を賃貸に出すことで資金を作る 場所は限定されないものの、賃貸ニーズがあることが大前提 入手できる資金は表面利回り4~5%と仮定した場合、年200万円~250万円 賃貸に出すためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 家賃収入が発生するまでには、最低でも1カ月~3カ月以上かかる(賃借人が見つからないと長期化する場合も) 不動産担保ローンでまとまったお金を借りる 不動産担保ローンとは、不動産を担保にして借りるローンのことです。実際には、担保となる不動産に抵当権を設定して借り入れをします。土地や一戸建て、マンション等が対象ですが、物件の立地は流動性の高い主要都市に限られる金融機関が多いようです。。 通常は本人名義の不動産が対象ですが、金融機関によっては配偶者や親名義の不動産でも担保にできるところもあります。使途が限定されないフリーローンですが、事業資金としては使えないことが多いようです。 不動産担保ローンの特徴としては、次のような点が挙げられます。 無担保のカードローンに比べ低金利で利用できる 借入限度額が大きい(時価5,000万円の場合、約3,500万円の借入が可能) 最長35年など長期で借りることもできる 一方で、次のような点に注意が必要なことも押さえておきましょう。 不動産の評価や審査に時間がかかり、融資実行まで1週間~1カ月程度かかる 不動産を担保とするため、事務手数料や不動産鑑定費用、印紙代、抵当権・根抵当権の登記費用などがかかる 返済不能になると担保不動産が処分される 完済時の年齢が70歳までなどと上限を設けている金融機関もある <不動産担保ローン>のポイント 所有する不動産を担保にお金を借りる 物件の場所は主要都市に限られる 入手できる金額は3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 融資実行まで1週間~1カ月程度かかる 完済時の年齢が70歳までなどと上限を設けている金融機関もある リースバックで持ち家を売却し、賃貸する 「リースバック」とは、自宅をリースバック専門の不動産会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組みです。売却代金は一時金で受け取ることができ、使途に制限はありません。物件の立地は流動性の高い主要都市に限られ、リースバック会社によっては、最低物件価額が設定されている場合もあります。借地は対象外の不動産会社もありますので注意が必要です。 売却代金を受取るのは、2週間~1カ月程度と早めです。しかも、引越さずにこれまでの住まいに住み続けられる点は、突発的な事態に見舞われている状況下では大きなメリットと言えそうです。ただし、リースバックでは自宅を売却するため、所有権はなくなります。 売却価額は相場よりも低めで、時価5,000万円の物件の場合で最高3,500万円程度です。物件は買い戻すこともできますが、その際は通常、売却価額よりも高めになります。また、毎月の家賃(リース料)には、固定資産税や火災保険・地震保険料、マンションなら管理費・修繕積立金も含まれ、やや高めの水準になる場合も。 対象となる人の年齢条件が「50歳以上」などと設定されていたり、全く設定がなかったりと、リースバック会社によって細部が異なりますので、確認して利用しましょう。職業や年収などの条件は厳しくなく、年金収入のみの人でも利用できます。 <リースバック>のポイント 自宅をリースバック会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組み 物件の場所は主要都市に限られる 入手できる金額は最高3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却代金を受取るのは2週間~1カ月程度かかる リバースモーゲージでお金を借りる 自宅に住み続けながら、自宅を担保にして一時金や月々の生活費を借りる仕組みが「リバースモーゲージ」です。一部の金融機関で扱っています。利用できる年齢は55~65歳以上などと高めです。何かの事情で資金不足になった人のほか、住宅ローン残債の返済から解放されたい人、夫婦の一方が入院したときに入院費用や生活費の不足分などを補うといったときにも利用できます。 借り入れには、毎月(または毎年)一定額の融資を受ける「年金型」、一時金としてまとまった金額を一括で借りる「一括融資型」、必要なタイミングで借りる「枠内自由引出型」があり、金融機関によって異なります。 リバースモーゲージは、金融機関によって、エリアや不動産の種類、最低評価額が決められていることがあります。エリアは首都圏中心と限定されていることが多く、不動産の種類も一定評価額以上の戸建てが中心であることが多くなっています。他にも、相続人全員の同意がないと利用できないなど、借入要件が厳しめです。 なお、リバースモーゲージを利用するには、1週間~1カ月程度かかります。時価5,000万円の不動産だった場合で、最高3,000万円程度までの借入ができます。実際には、「年100万円」「毎月8万円」などといった借り方もあります。利息だけを毎月返済するのか、借入期間は全く返済せずに満期や亡くなったときに住宅を売却して返済するのかなど、契約で異なります。 また、相続人全員の同意が必要であったり、連帯保証人を求められたりすることもあります。「55歳以上」など年齢制限があり、それより低いと利用できません。 あらかじめ設定した契約期間が満了したり、利用者が亡くなったりしたときに、自宅を売却して返済します。返済後に残金があれば遺族に支払われますが、逆に、売却しても残債が残る場合は遺族に請求がいく場合があります(リコースタイプ)。最近は、残債があっても請求されないノンリコースタイプも増えています。 <リバースモーゲージ>のポイント 自宅に住み続けながら、自宅を担保に一時金や月々の生活費を借りる仕組み 物件の場所は首都圏等に限られる 入手できる金額は合計で最高3,000万円程度(時価5,000万円の物件の場合) リバースモーゲージで資金を入手するには1週間~1カ月程度かかる 利息だけを毎月返済するタイプもある 設定した満期や亡くなったときに住宅を売却して返済する まとめ 以上、自宅を活用して資金を生み出す方法と目安額、それぞれの概要などを見てきましたが、それを整理したのが下表です。 どの方法が自分に合っているのかは、どれくらいの資金が必要で、どれくらい急いでいるのかなどによっても異なります。また、物件の状況(築年数、所在地、戸建てなのかマンションなのか)によって、一部の方法に利用が限られる場合もあります。 さらに、借り入れの場合は、実際に適用される金利も1つの判断材料となるかもしれませんし、自身の収入状況によっては利用できない場合もあります。 まずは各サービスを提供する会社に問い合わせをした上で、希望する方法が選択肢として選べるのか、手にできる資金の金額はいくらなのか、下記のような比較表を作成し、どの方法がご自身の状況に最適なのかを見極めることをお勧めいたします。 表 自宅を活用して資金を生み出す方法 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス リースバックならSBIスマイル 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックと不動産担保ローンの違いとは リースバックと不動産担保ローンは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適... 次に読むべき記事 【FP解説】不動産担保ローンとリバースモーゲージの違いとは? 「預貯金が十分にはなく、まとまったお金が用意できない」といった悩みを持つことがあるかもしれません。そんな時、持ち家であれば、不動産を活かしてお金を捻出できないか?と思う人もいるのではないでし...
急に親の体調が悪化して、いろいろな準備もままならないままに葬儀に突入する話はよく聞きます。そんな折、葬儀費用を捻出するのにいくつかの方法がありますが、それらを知らずに慌てて行動してしまうと、後で悔やまれることになりかねません。 この記事では、急な葬儀費用でも対処できる方法と、ローンを利用する場合の選択肢についてご紹介します。 [ご相談者 Aさん] 52歳男性。離婚して一人で生活。子供はいない。 親の体調が思わしくなく、2年前より地元にUターンをし、副業として家業の手伝いをすることになった。 その際、一人っ子なので、実家と貸家を生前贈与してもらって、相続時精算課税制度を適用した。 (1)喪主として、葬儀準備で200万円程度が必要に Aさん:一昨年から地元にUターンして暮らし始め、家業の手伝いをしてきましたが、先日、父が他界しまして・・・。 FP吹田:それはご愁傷様です。Uターンされた際は、ご実家には、お父様の他、お母様もいらっしゃったのですか? Aさん:いえ、母は3年前に亡くなりまして、それで父も一気に体力が低下したようでした。一人っ子の自分が喪主になるのですが、葬儀費用を調べたら、どうやら200万円程度はかかりそうです。 FP吹田:喪主として、悲しみも大きい一方で、ご葬儀の準備も、資金面含めて大変ですよね。ご葬儀はいつ頃の予定ですか? Aさん:火葬場が混んでいるらしく、10日後になります。多少は香典があるとはいえ、それまでに葬儀費用をどうやって揃えたらいいか、それが気がかりです。実は、父の銀行預金口座が凍結されてしまいました。 FP吹田:なるほど。ご葬儀は10日後なのですね。銀行口座が凍結されているとのことですが、本来、亡くなられた方の銀行口座のお金を引き出すのは、遺産分割協議が成立して相続手続をしてからになってしまいます。ただ、2019年7月以降、遺産分割協議が成立する前でも、仮払いができるようになりましたが…。 Aさん:仮払いですか。うちはやったほうがいいでしょうか? FP吹田:まず、仮払いには3つの方法があり、次の(2)が比較的取り組みやすいと言われています。 (1)相続人全員の同意書を金融機関の窓口に提出して申請する (2)他の相続人の同意なく金融機関の窓口で申請する (3)家庭裁判所に申し立てる Aさん:なるほど。残高は全額を仮払いできるのですか? FP吹田:(1)のように同意書があれば、全額引き出せますが、(2)で同意書がない場合は、一定の上限額が設けられています。その上限は、法務省令で、一つの金融機関から仮払いを受けられる金額の上限150万円の範囲内で計算された額になっています。なので、一つの銀行では、おっしゃる葬儀費用全額を賄いきれるとは言えないようですね。 Aさん:上限額があるのですね。うちは、一つの金融機関しかないし、半年前からの医療費でかなり使ってしまって残高が少なく、実は入院費の支払いも残っています。やはり仮払い手続きをしても解決しないような気がしてきました。それに、恥ずかしながら、自分の生活で精一杯で、手元資金があまりないので、あとは、カードローンとかくらいしかないでしょうか? (2)ローンという選択肢でも、しっかり情報の比較を FP吹田:そうですか。カードローンは確かに即日融資されるなど、手っ取り早いかもしれません。しかし、何より金利が高いのと、毎月返済額と返済日の設定のみで、具体的な返済期限が設定されていないので、計画的にしないとずるずると延びてしまい、今後の負担が心配です。何か不動産はお持ちでしょうか? Aさん:えっと、父から生前贈与された実家と貸家があります。 FP吹田:なるほど、亡くなられたお父様の財産を相続されていてよかったですね。生前贈与されたAさんご自身の不動産を担保に借入をされる方法があるかと思います。不動産担保ローンと一般的なカードローンの特徴をこちらに一覧にしてみましたので、ご参考ください。 【表】不動産担保ローンとカードローンの違い 不動産担保ローン カードローン(無担保型) 担保不動産なし 金利低め(1ケタ台が多い)高め(2ケタ台も多い) 借入期間長期可能設定なし※1 融資までの時間1週間程度即日可能 対象者所有者本人のほか、家族でも可能本人 保証原則不要※2不要 ※1 基本的に毎月返済額と返済日のみ設定します。 ※2 担保提供者など保証人を必要とする場合もあります。 Aさん:そうか、自分の名義になった不動産なら、不動産担保ローンがいけるかも。金利が低めになることが何よりホッとします。 (3)手続きなど余裕をもって、複数を使い分けする方法も FP吹田:気になるのはスケジュールですね。不動産担保ローンは、審査があるので、融資されるまで数日から1週間程度の時間がかかります。なので、早めに行動されるのがよいかと思います。 Aさん:確かにギリギリだと不安ですね。 FP吹田:間に合うか気になるようでしたら、例えばですが、つなぎ的にカードローンを使う方法もありかと思います。その場合は、不動産担保ローンがOKになったら、すぐにカードローンから借り換えをすれば、カードローンの金利負担も抑えられ、ずるずると完済が延びるリスクも避けられるでしょう。 Aさん:なるほど。その手がありましたか。では、自分名義の不動産を担保にして、不動産担保ローンに申し込んで、状況に応じて、いざというときにカードローンをつなぎに使うというプランで進めてみます。 FP吹田:そうですね。なお、不動産担保ローンを組む際は、必要な借入金額をどのくらいの期間で返済していくか、将来の暮らし方を踏まえて考えていくことが大事です。 Aさん:といいますと? FP吹田:Aさんは、一人っ子でいらっしゃるとのことですが、今後も、思い出のご実家でずっと暮らすご予定でしょうか?それとも、遺産相続手続きがすべて終わって、落ち着かれたら、別のエリアなどに拠点を移す可能性もあるのでしょうか?それによって、不動産を売却される選択肢も出てくるかもしれないと思いまして。 Aさん:確かに、落ち着いたら、不動産を売却するかもしれません。自分ひとりでは、この広い土地のメンテや家業を全部できませんから。もし、売却するのなら、その代金で不動産担保ローンもすぐに清算できそうですが、不動産担保ローンは、どのくらいの期間で考えておいたらよいでしょうか? FP吹田:例えばですが、このようなシミュレーションページがあります(シミュレーションページはこちら)。ここで、借入300万円、金利年率6.5%、返済期間を10年として試算すると、毎月返済額が34,065円ほどになりです。Aさんは今52歳でいらっしゃるので、10年以内には何らかの方向性がみえてくるのではないでしょうか?5年経過時点でも、方向性がわかれば、不動産の売却などで繰上返済をしてもよいと思いますし、月3万円程度であれば、無理なく、今後の生活設計の変更にも対応できるのではないでしょうか? Aさん:なるほど。とってもイメージしやすくなりました。5年はあっという間かもしれず、期間10年くらいまでなら、自分も何かを決断できるかと思います。 まとめ 葬儀費用を捻出したい場合の選択肢 〇親の金融機関口座からの仮払い ・相続人全員の同意書がなくても、金融機関の窓口申請で仮払いできるが、150万円の範囲内で一定の計算額が上限。 ○カードローンの可能性は? ・即日融資されるが、金利が高い。 〇不動産担保ローンの可能性は? ・不動産を担保にするので金利が低め。 ・審査に時間がかかるので、カードローンをつなぎ的に活用して不動産担保ローンに借り換える方法もある。 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 次に読むべき記事 社会人の留学費用調達に教育ローンと不動産担保ローンを比較 大学を卒業して社会人になった後で、もう一度学ぶために留学を考える人もいるかもしれません。教育資金を捻出するために、学生であれば、日本政策金融公庫の国の教育ローンや奨学金を候補にすることもでき... 次に読むべき記事 【FP相談事例】国際結婚の婚活・結婚・住まいの費用に困ったら まじめに仕事に専念してきて、結婚のタイミングを逃してしまった男性も多いのではないでしょうか?いざ落ち着いて、結婚を考えようと思ったら、女性とはなかなかご縁がなく、子供などは絶望的と悩む声も実...
毎月のローン返済が負担になっている、資金繰りが思うようにいかない——そんな悩みを抱えていませんか?実は、「不動産担保ローンへの借り換え」によって、返済額や金利を見直し、資金繰りを改善できる可能性があります。 この記事では、不動産担保ローンの仕組みから、借り換えによるメリット・デメリット、手続きの流れ、実際の事例、そして借り換えを検討すべきタイミングまでをわかりやすく解説します。 不動産担保ローンへの借り換えとは?基本の仕組みを解説 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借り入れるローンのことです。借り換えとは、現在利用しているローンを別のローンに切り替えることで、金利や返済条件を見直す手段として活用されます。 特に不動産担保ローンへの借り換えは、金利の引き下げや返済期間の調整によって、毎月の返済額や総返済額を抑えられる可能性があるため、資金繰りの改善を図りたい人にとって有効な選択肢となります。 不動産担保ローンの基本的な仕組みや特徴については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 不動産担保ローン借り換えのメリットとは 不動産担保ローンへの借り換えには、返済負担の軽減につながるさまざまなメリットがあります。特に、金利の引き下げによって、毎月の返済額や総返済額、あるいはその両方を抑えられる可能性があるため、資金繰りに課題を抱える方にとっては有効な選択肢となります。 ただし、借り換えには繰上げ返済手数料や新規契約に伴う事務手数料などの諸費用が発生するため、実質的な負担軽減が見込めるかどうかは、金利・返済期間・担保評価などの条件を踏まえて慎重に判断する必要があります。 総返済額を減らせる 借り換えによって金利が下がれば、ローン残高が同じでも総返済額を減らすことが可能です。 また、金融機関によって担保不動産や債務者の評価基準が異なるため、借り換えによってより有利な融資条件が得られるケースもあります。 毎月の返済額を減らせる 返済期間の延長や金利の見直しにより、月々の返済額を抑えることができ、キャッシュフローの改善につながります。 特に資金繰りに課題を抱えている場合、毎月の負担が軽くなることで、経営や生活の安定にも寄与します。 注意点も確認!不動産担保ローン借り換えにかかる費用とリスク 不動産担保ローンへの借り換えには多くのメリットがありますが、注意すべきポイントも存在します。特に、借り換え時には諸費用が発生するため、事前に確認しておくことが重要です。 主な費用としては、現在のローンの繰上げ返済手数料と、新たに契約する不動産担保ローンの事務手数料があります。これらの費用は借り換えの条件によって異なりますが、金利の引き下げによる返済負担の軽減効果が、諸費用を上回るかどうかをしっかりと見極める必要があります。 なお、繰上げ返済手数料は新しいローンの融資金で賄える場合が多く、事務手数料も融資金額から差し引かれるケースが一般的です。そのため、別途現金を用意する必要がない場合もありますが、金融機関ごとの条件を事前に確認しておきましょう。 不動産担保ローン借り換え手続きの流れ 不動産担保ローンの借り換えは、主に5つのステップで進みます。ここでは、それぞれの段階で必要となる手続きや注意点をわかりやすく解説します。 ① 借り換えの相談と仮審査の申し込み まずは、借り換えを希望する金融機関に相談し、仮審査を申し込みます。この段階では、金利や返済条件、担保評価の目安などを確認し、借り換えによってどの程度のメリットが得られるかを把握しておくことが大切です。 ② 本申し込みと審査結果の確認 仮審査に通過した後は、本申し込みへ進み、正式な審査を受ける流れとなります。審査には通常数日〜1週間程度かかることが多く、本人確認書類や不動産関連資料の提出が求められます。審査に通った後は、現在の借入先(借換元)に連絡し、返済可能日と返済総額を確認します。これにより、借り換えの実行に向けた具体的な準備が整います。 ③ 契約条件の確認と契約日の調整 借り換え先から提示された融資条件(金利、返済期間、手数料など)を確認し、現在のローンと比較検討します。条件に納得できれば、契約日を調整し、実行に向けたスケジュールを確定させます。 ④ 契約・借り換えの実行 契約日には、借り換え先と正式に契約を締結します。融資の実行日に、借り換え先から借換元へ返済金が振り込まれ、旧ローンが完済されます。これにより、新しいローンへの借り換えが完了します。 ⑤ 抵当権の手続きと新ローンの返済開始 借換元の抵当権を抹消し、借換先の抵当権を設定する手続きを行います。これらの手続きは、通常、借り換え先が紹介する司法書士が代行するため、専門的な知識がなくても安心して進められます。すべての手続きが完了すると、新しい不動産担保ローンの返済が開始されます。 不動産担保ローン借り換えで返済額はどれだけ減る?事例で見る改善効果 ここでは、不動産担保ローンの借り換えによって、毎月の返済額と総返済額がどのように変化するのかを、借り換えイメージをご紹介します。 A法人(仕入れ販売業)は、資金繰りの悪化により銀行から不動産担保ローンを借り入れていましたが、金利が高く、返済負担が重くなっていました。そこで、キャッシュフローの改善を目的に、別の金融機関の不動産担保ローンへ借り換えを実施しました。 担保として提供したのは、法人代表者が所有する区分マンションです。借り換え前後の融資条件と返済額の比較は以下のとおりです。 項目 借り換え前 借り換え後 ローン残高 2,230万円 2,300万円(手数料等含む) 返済期間 20年 20年 金利 8.00% 6.00% 月々の返済額 18.6万円 16.4万円 総返済額 4,476万円 3,954万円 借り換え後は、ローン残高が若干増加したものの、金利が8.00%から6.00%に下がったことで、月々の返済額は約2.2万円減少し、総返済額も約522万円の削減につながりました。 このように、借り換えによって金利や融資条件が改善されれば、返済期間が変わらなくても、毎月の返済負担や総返済額を大きく軽減できる可能性があります。借り換えを検討する際は、現在のローン条件と比較し、どれだけの改善効果が見込めるかを確認してみましょう。 借り換えを検討すべき5つのタイミングとは? 不動産担保ローンへの借り換えは、返済負担の軽減や資金繰りの改善につながる可能性があります。以下のような状況に当てはまる場合は、借り換えを検討するタイミングかもしれません。 毎月の返済が苦しいとき 返済額が家計や事業の負担になっている場合は、借り換えによって毎月の返済額を抑えられる可能性があります。現在のローンが不動産担保ローンである場合はもちろん、無担保ローンや住宅ローンからの借り換えでも、条件次第で返済負担の軽減が期待できます。 収入や売上が拡大し、返済能力が高まったとき 収入や売上が増加し、返済能力が向上したタイミングでは、金融機関からの評価も高まりやすくなります。借り換えによって、より好条件でまとまった資金を調達できる可能性があります。 返済中に金利以外の手数料を請求されたとき 現在のローンで繰上げ返済や条件変更を行う際に、金利以外の手数料(繰上げ返済手数料や条件変更手数料など)が発生する場合は、借り換えによってより有利な条件で融資を受けられる可能性があります。 不動産を相続した、譲渡されたとき 相続や譲渡によって不動産を取得した場合、その不動産を担保にして新たなローンを組むことができます。既存のローンを借り換えることで、返済額や総返済額の軽減が期待できます。 担保不動産の価格が上昇したとき 不動産価格の上昇により、担保評価額が高くなると、借り換えによって調達できる資金が増える可能性があります。金融機関によって評価基準は異なるため、複数の選択肢を比較することが重要です。 まとめ|不動産担保ローン借り換えで賢く資金繰りを改善しよう 不動産担保ローンへの借り換えは、毎月の返済額や総返済額を見直す有効な手段です。 金利の引き下げや返済期間の調整によって、資金繰りの改善やキャッシュフローの安定化が期待できます。また、現在利用中のローンが無担保ローンや住宅ローンであっても、条件次第では借り換えによるメリットを得られる可能性があります。 「返済が苦しい」「資金繰りに余裕を持ちたい」と感じている人は、不動産担保ローンへの借り換えを一度検討してみてはいかがでしょうか?まずは専門家への相談から始めてみるのがおすすめです。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 無料の仮審査を申し込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産担保ローンのおすすめは?初心者でも安心して選べる比較ガイド 不動産担保ローンは、担保を活用することで高額な融資を低金利で受けられるメリットがあり、資金調達の手段として有効です。とはいえ、金融機関ごとに条件や対応が異なるため、どこを選べばよいか迷う人も...
団塊の世代に対して調査を実施 団塊の世代に聞いた住宅事情と老後資金~団塊の世代に対してアンケート調査を実施~ 団塊の世代とは、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれた世代で、この時代は第一次ベビーブームが起きた時期であり、日本経済においては、第二次世界大戦後の高度経済成長、バブル景気を経験している世代でもあります。 年齢で言うと、70~72歳(2019年12月現在)にあたる方々になりますが、彼らが活躍した時代と現代では、産業や技術の進歩だけではなく、価値観も大きな違いがあります。 そこで、この記事では、持ち家に住む団塊の世代の方々の住宅事情や老後に関してのアンケート調査を実施しました。 以下、アンケート結果は、「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の2つのテーマに分けて紹介します。 【回答者】持ち家に住む団塊の世代(70~72歳、2019年12月24日時点) 111名 【回答期間】2019年12月24日~2019年12月25日 ※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。 【回答者の居住地】 2つのテーマのアンケート結果を紹介する前に、団塊の世代の方が、何歳まで生きていたいかを聞いてみました。 設問:人生100年時代と言われていますが、あなた自身は何歳まで生きたいと思いますか? 「85歳まで」が一番多く22.4%、次いで「80歳まで」が20.6%、「90歳まで」が17.8%、という結果になりました。 「あまり生きたいと思わない」「75歳まで」を合わせると13.1%、一方で「100歳まで」「それ以上」を合わせると17.8%となっています。このことから、比較的長生きしたいと思っている方は多いと言えるのではないでしょうか。 それでは、最初のテーマである「団塊の世代の住宅事情」について紹介します。 団塊の世代の住宅事情 設問:あなたの住んでいる物件の種類を教えてください。 「戸建て」が73.8%、次いで「大規模マンション(200戸以上)」が10.3%、「中規模マンション(50~200戸未満)」が8.4%、「小規模マンション(50戸未満)」が6.5%となりました。 タワーマンション(高さ150m以上のもの)に関しては、1970年代頃(団塊の世代が20代半ば~後半)から建設が始まったこともあり、今回のアンケート調査では、タワーマンションを購入された方はいませんでした。 設問:あなたが今住んでいる物件はいつ購入しましたか? 「30代」が25.2%、次いで「40代」が23.4%、「50代」が16.8%という結果になりました。 設問:あなたが今住んでいる物件のローンはいつ払い終えましたか? 「50代」が29.9%、次いで「60代」が24.3%、「現金で購入した」が21.5%となりました。 50代までに住宅ローンを払い終えた方が61.6%もいたことは、非常に興味深い結果と言えます。 人生100年時代と言われている一方で、2009年から住宅金融支援機構によって最長50年の住宅ローンが登場し、それを機に、多くの金融機関で40年以上の返済期間の住宅ローンが取り扱われるようになりました。このことを考えると団塊の世代で50代までにローンが完済している割合が6割超というのは、今よりも返済期間がかなり短かったと言えるでしょう。 また、比較材料はありませんが、現金で住宅を購入した方が、20%超もいることは、バブル景気を経験した世代の特徴かもしれません。 次からは、「団塊の世代の老後の資金」について紹介します。 団塊の世代の老後の資金 設問:今後、公的年金以外に、老後資金はどれくらい必要だと思いますか? 「1000~2000万円未満」が24.3%、次いで「わからない」が19.0%、「2000~3000万円未満」が15.0%という結果になりました。 この背景には、金融庁が2019年6月3日に公表した金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の内容が世間的に大きく取り上げられ、「老後資金2000万円」問題として話題になったこともあると考えられます。 次に、そうした資金への蓄えがあるかどうかを聞いてみました。 設問:あなたは前問で答えた老後資金に対して十分な備えがありますか? 「ない」と答えた方が6割超の61.7%、「ある」と答えた方が38.3%という結果になりました。 次に、「ある」と答えた方にどうやってその資金を蓄えたのか、「ない」と答えた方に今後どうやってその資金を確保しようと考えているかを聞いてみました。 設問:前問で「ある」と答えた方にお聞きします。どうやって備えましたか? 「預貯金」が80.6%、次いで「退職金」が64.5%、「保険」「株式」が38.7%と続きました。 「退職金」の割合が多いのは、日本固有の慣行である終身雇用がまだ残っている時期に退職を迎えた方が一定数いたからだと考えられます。 また、「株式」の割合が多いのはバブル期の株式投資ブームで、株式投資が身近な存在であり、経験者が多いことが想像できます。 設問:前問で「ない」と答えた方にお聞きします。どうやってその資金を確保しようと考えていますか? 「これからも働く」が圧倒的に多く60.0%、次いで「当てがない」が26.0%、「不動産の売却」が12.0%という結果になりました。 「これからも働く」という方が多いのは、現在、高齢者を積極的に採用する企業が脚光を浴びてメディアに頻繁に紹介されているなど、老後でも高齢者が働ける環境になっていることが要因のひとつではないでしょうか。 また、「当てがない」という方が2割以上いるという点は、非常に興味深いと言えます。 まとめ 今回は、団塊の世代に対して「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の2つのテーマについて調査しました。 住宅については、当時景気が良かったこともあり、今と比べて圧倒的に戸建て住宅に人気があったようです。また、住宅ローンが今と比べて短い期間で設定されていることもわかりました。住宅を現金で購入する方が2割もいたのは、この世代ならではのことだったのかもしれません。 また、老後の資金については、まだ確保できていない方が多く、「これからも働く」「当てがない」と考えている方が8割以上いることがわかりました。老後については考えるべきことがまだまだありそうです。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産のプロが選ぶタワーマンションの価値が上がる場所とは? タワーマンションに関する調査を実施 東京近郊のタワーマンションで一番価値が上がるエリアは? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳に... 次に読むべき記事 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...