住宅ローンの借り入れ時は、不動産会社のサポートもあり、手続きを滞りなく進めることができる人が多いでしょう。一方で、住宅ローンを約定返済で完済した後の手続きは、不動産会社のサポートがないため、理解していない人も多いのではないでしょうか。住宅ローン完済後の手続きをしないと、自宅売却や資産活用の際に不都合が生じることがあるため注意が必要です。 この記事では、住宅ローン完済の方法や、完済後の手続きについて詳しく解説します。 住宅ローン完済の方法 住宅ローンを完済する時は、「約定返済で完済」するか「繰上返済で完済」するかの2種類に大別されます。住宅ローンを約定返済で完済する場合は、特に手続きは必要ありません。一方で、住宅ローンを繰上返済で完済する場合は、原則として金融機関の窓口で手続きをする必要があります。 繰上返済で完済する場合は、契約者本人が金融機関の窓口に返済依頼書を提出し、返済用口座に返済資金を入金するのが一般的な流れです。ただし、インターネットやアプリ上で手続きが可能な金融機関もあります。 借入残高のほか、完済日当日までの未払利息、金融機関所定の手数料も必要です。返済シミュレーションや金融機関の窓口で確認をし、必要な金額を把握しておきましょう。 なお、住宅ローンの完済手続きはすぐに完了するわけではありません。通常は、完済手続きの完了まで数週間から1カ月程度かかるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。まずは金融機関に問い合わせて、手続きの流れや必要書類を確認することから始めましょう。 住宅ローン完済後の手続き 住宅ローン完済後の手続きは、「抵当権の抹消手続き」と「火災保険の質権設定の解除」の大きく2種類に分かれます。 抵当権の抹消手続き 住宅ローンを利用する際、自宅に抵当権を設定する登記手続きが行われます。この抵当権は、住宅ローンを完済しても、自動的に抹消されるわけではないので、抹消手続きが必要です。 一方で、抵当権が設定されたままでも、ただ居住するだけであれば何か不都合が生じるわけではありません。しかし、不動産を売却したり、相続が発生したり、不動産を担保に融資を受けたりする場合は、設定されている抵当権の抹消手続きをしなければなりません。 そのため、住宅ローンを完済したタイミングで抵当権の抹消手続きを行っておくと良いでしょう。抵当権の抹消手続きは、自身で必要な書類を準備して手続きを行うほか、司法書士などの専門家に手続きを依頼することもできます。抵当権の抹消手続きの流れは、後ほど詳しく説明します。 火災保険の質権設定の解除 火災保険に質権設定をすると、融資をした金融機関が契約の被保険者や、ほかの債権者に優先して保険金を取得できるようになります。住宅ローンを借りる際、火災保険の質権設定は必ずしも行われるわけではありませんが、保険金請求権や返還保険料請求権に対して質権を設定されることもあります。 仮に住宅ローンの担保となっている建物が火災で全焼した場合、金融機関は抵当権を実行できなくなります。このような理由から、建物が火災で全焼しても金融機関が貸付金を回収できるように、住宅ローンを組むときに火災保険の質権設定がされます。 火災保険に質権設定がされていると、住宅ローン完済後に金融機関から「保険証券」「質権消滅承認請求書」などの書類が送付されるので、保険会社に連絡して質権消滅手続きを行います。不明点があれば、金融機関や保険会社に相談しましょう。 なお、火災保険が満期を迎えた後は、「更新」「乗り換え」「解約」の3つの選択肢がります。火災や自然災害で建物が被害を受けると、生活を立て直すためにまとまったお金がかかります。基本的に解約は避け、更新または乗り換えを検討するのがいいでしょう。 自身で抵当権の抹消手続きをする流れ ここでは、抵当権の抹消手続きの流れや必要書類、費用などについて詳しく説明します。 金融機関から完済書類を受領 管轄法務局を確認 抵当権抹消登記申請書の取得・記入 必要書類の準備 法務局へ申請 住宅ローンを完済後、金融機関から抵当権抹消に関する書類が送付されます。抵当権の抹消手続きは法務局で行う必要があるため、物件所在地の管轄の法務局を調べましょう。法務局のホームページから抵当権抹消登記申請書をダウンロードして印刷し、必要事項を記入します。記入内容に誤りがあると、手続き完了までに時間がかかるので注意しましょう。 必要書類が準備できたら、法務局に持参して申請を行います。無事に受理され、申請内容に問題がなければ手続きは完了です。申請内容に不備があった場合は法務局から連絡が来るので、指示に従って補正申請を行いましょう。 抵当権の抹消手続きに必要な書類 金融機関から送付される抵当権の抹消手続きに必要な書類は以下のとおりです。 登記済証(登記識別情報) 弁済証書/抵当権解除証書 抵当権抹消の委任状 金融機関の資格証明書 登記済証は、抵当権設定時に抵当権者(金融機関)に交付される書類です。法務局がオンライン化された後に発行された場合は登記識別情報になります。登記済証は赤いゴム印が押されており、登記識別情報はパスワード部分にシールが貼られています。 弁済証書/抵当権解除証書は、住宅ローンの返済が終了したことを証明する書類で、金融機関によって名称が異なります。抵当権抹消の委任状は、金融機関が物件所有者に抵当権の抹消手続きを委任するための書類です。代理人欄が空欄になっているので、申請者の署名・捺印が必要です。 金融機関の資格証明書は、住宅ローンを借りていた金融機関の登記簿です。「代表者事項証明書」「登記事項証明書」など、金融機関によって名称が異なります。金融機関の資格証明書は、有効期限が3カ月しかないので注意しましょう。 自分で抵当権の抹消手続きを行う場合は、上記書類のほかに本人確認書類や印鑑証明書、抵当権抹消登記申請書の作成なども必要です。 抵当権の抹消手続きにかかる費用 抵当権の抹消手続きでは、「登録免許税」と「登記取得費用」がかかります。登録免許税は、登記申請の際にかかる税金で、1つの不動産につき1,000円かかります。たとえば、一戸建ての場合は土地と建物それぞれ1,000円ずつかかるため、合計2,000円*です。 ※土地が一筆の場合 また、抵当権を抹消する不動産の登記内容の確認や、手続き後に抵当権抹消が行われたかを確認するための登記取得費用も必要です。物件種類や取得方法によって異なりますが、一通につき500円程度かかります。 司法書士に抵当権の抹消手続きを依頼する 抵当権の抹消手続きは前述のとおり、自身で行うことが可能ですが、手続きが不安だったり、手間に思ったりすることもあるでしょう。そのような時には、司法書士に手続きを依頼すると良いでしょう。 専門家である司法書士に依頼すれば、自身で行う費用に加えて司法書士報酬が発生しますが、確実に手続きをしてもらえるので安心です。知り合いに司法書士がいない場合でも、司法書士会のホームページを確認し、近くの司法書士に問い合せしてみましょう。 抵当権の抹消手続きを司法書士に依頼する場合の司法書士報酬は1~1.5万円が相場で、実費と合わせて数万円程度の費用がかかります。住宅ローンの完済が借り換えの場合は、完済する住宅ローンの抵当権抹消と新たに借りる住宅ローンの抵当権設定を同時に依頼する形になります。 抵当権の抹消手続きを行わない時の影響 住宅ローンを完済した後に抵当権を抹消しなくても、すぐに大きな影響が出るわけではありません。しかし、不動産の売却や借入を行う際にスムーズに手続きができなくなるので、完済後は速やかに手続きをしておくほうが良いでしょう。 売却への影響 住宅ローンを完済した不動産を売却する場合、抵当権が設定されたままでは買主側に不都合が生じます。なぜなら、新しい買主がその不動産を担保にローンを借りる際に抵当権を設定する必要があるからです。 法律上では抵当権が設定されたままでも、不動産を売却することは可能です。しかし、実際の取引においては「抵当権が残っている状態では売却できない」と考えておくといいでしょう。 ローン審査への影響 住宅ローンを完済した不動産を担保に借り入れをしない限り、抵当権を抹消しなくてもローン審査に影響はありません。住宅ローンを完済していれば、抵当権が残っていても信用情報においては借り入れがないことになっています。 ただし、住宅ローンを完済した不動産を担保に新たな借り入れを行う場合、抵当権の設定が必要になるため、完済した住宅ローンの抵当権は抹消しなくてはなりません。急にまとまったお金が必要になれば、不動産を担保に借り入れを行う可能性も考えられます。 資金が必要になったときに慌てずに済むように、住宅ローンを完済したタイミングで抵当権を抹消しておきましょう。 住宅ローン完済後に考えるべきこと 住宅ローンを完済したことで、毎月の返済に充てていた金額が自由に使えるようになります。だからこそ、その分のお金を今後どのように扱うのか、考えておくことが大切です。 まず考えられるのが、将来のための貯金でしょう。今後の自宅の修繕やリフォームのため、子供の教育資金、老後の生活資金など、住宅ローンの完済後にも想定しておく出費はいくつか考えられます。一方で、全てを貯金に回すのではなく、これまで返済のために我慢していた旅行や趣味の費用に充てるのも良いでしょう。人生を楽しくするための出費も含めて、今後の資金計画を立てることをお勧めします。 住宅ローンの完済に資金の大部分を充ててしまい、手元資金が少ない、今後の生活費が苦しい、といった悩みを抱えている人もいるかもしれません。また、完済後すぐに急にまとまった資金が必要となり、困ってしまうこともあるでしょう。そのような場合には、住宅ローンを完済した持ち家を活用することで、資金を工面できる可能性があります。 関連記事はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? まとめ 住宅ローンを完済したら、そのタイミングで抵当権を抹消しておくのがおすすめです。抵当権が設定されたままでも、当面は不都合が生じることはありません。しかし、抵当権が設定されたままでは、不動産の売却や借り入れの手続きに時間がかかってしまいます。 抵当権の抹消は自身で手続きできますが、司法書士に依頼することも可能です。申請内容に不備があると時間や手間がかかるので、不安がある場合は司法書士に依頼して手続きを進めましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ロー...
「老後破産」は、日本人の高齢化などにより、取り上げられるようになったテーマの一つです。様々なメディアなどで目にする機会も増え、老後の生活を不安に感じる人もいるでしょう。 この記事では、老後破産の原因やその実態、老後破産に陥らないための準備や対策を解説します。 老後破産とは まず、「老後破産」という言葉に明確な定義はありません。そのため、この記事では「定年後の生活の中で、家計を維持できなくなること」と定義します。 自分はそれなりに貯蓄もあるし、関係のない話と思う人もいるかもしれません。しかし、仮に貯蓄が豊富にあったとしても、定年後20年、30年と暮らしていくことで、老後破産に陥るかもしれません。定年後は現役時代よりも収入が少なくなる、という人は多いでしょう。そうすると、現役時代と同じ生活水準を続けるには、貯蓄を切り崩しながら生活することになります。つまり、老後破産に陥る人は貧しい人ではなく、身の丈に合わない生活水準で、亡くなるまでに所有資産が尽きてしまう人とも言えます。 老後破産の実態 公的機関が行った調査から、老後破産の実態を探ります。 老後破産の割合は増加傾向 まずは、破産者における高齢者の割合を見てみましょう。「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、60歳以上の破産債務者の割合が増加しています。2002年調査では約17%でしたが、2020年調査では約25%となっています。一方で、あくまで「高齢者の割合」なので、件数が増加しているとも限りません。また、人口動態として、高齢者の割合が増加していることも、この結果の要因となるでしょう。 出典)日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会 2020年破産事件及び個人再生事件記録調査 老後破産予備軍は約7%? 次に、心理的な側面から、老後破産に陥りそうな「老後破産予備軍」の人を見てみましょう。「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によると、経済的な暮らし向きについて、心配ないと考えている65歳以上の人が68.5%を占めています。つまり、3人に2人が老後を心配なく暮らしています。一方で、「家計が苦しく、非常に心配である」という回答も約7%あります。この層がいわゆる「老後破産予備軍」と言えるかもしれません。 出典)内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」 老後破産の原因 「老後破産」に限ったものではありませんが、「破産」の原因は「2020年日弁連破産事件及び個人再生事件記録調査」によって報告されています。破産理由は、調査年によって多少異なりますが、いずれの年も上位の3項目は「生活苦・低所得」「病気・医療費」「負債の返済」です。 「生活苦・低所得」は、2005年~2020年調査の6回にわたる調査のいずれにおいても、割合が60%を超えています。高齢者にとっても、おそらくこの傾向は変わらないでしょう。 次に、「病気・医療費」は、20%を超える結果が続いています。この結果から、普段は問題なく暮らせていたとしても、大きな病気や突発的な事故により、急にまとまった資金が必要になることで、破産理由になることが考えられます。 最後に、「負債の返済」は、2020年に約20%という結果が出ています。これは、カードローンやキャッシングといった借り入れが中心と考えられます。なぜなら、同調査内の住居形態の質問によると、「本人所有」がわずか3.67%であり、住宅ローンが重荷になったと考えにくいためです。 つまり、破産と老後破産の原因の傾向が同じものと考えると、「低所得などによる生活苦状態が続く」「突発的にまとまったお金が必要になる」「借り入れが積み重なる」などが理由と考えられます。 老後破産の対策 それでは、老後破産に陥らないためには、どのように対策をすればいいのでしょうか。定年前にできる準備と、定年後からでもできる対策を見ていきましょう。 定年前にできる老後破産の対策 老後の収入源の確保 老後の収入が公的年金だけでは、不足することを想定して、定年前に収入源を確保しておくといいでしょう。たとえば、iDeCoやNISAを活用した老後資金への備えのほか、民間保険会社の取り扱う個人年金、不動産投資といった手段もあります。ただし、運用方法によっては、元本割れのリスクもあるため、運用先や方法は慎重に判断しましょう。 老後を見据えた貯蓄 収入源の確保と併せて貯蓄も計画的に行いましょう。一方で、「計画的に」と言っても、老後の生活水準は個人差があるため、一概にいくらあればいいとも言い切れません。それらしい金額を算出したいのであれば、何年生き、毎年いくら収支がマイナスだから、合計でいくら必要になる、と計画を立てるべきです。一方で、将来何が起こるかわからないのも事実です。「老後2,000万円問題」で取り上げられたように、「2,000万円貯蓄する」と決めてもいいかもしれません。 住宅ローンの完済 老後の生活を考えるにあたり、住宅ローンの完済は重要です。住宅ローンを30歳の時に返済期間35年で借りた場合、完済年齢は65歳です。定年や完済年齢は個人差がありますが、定年後も住宅ローンが残る場合は、繰り上げ返済の活用を考えましょう。老後資金を確保するための住宅ローンの返済術は以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編) 健康の維持 60歳以上では、入院が必要となる病気やケガが増加します。公益財団法人生命保険文化センターの統計「性・年齢階級別にみた入院受療率(人口10万対)」によれば、入院受療率が40~44歳では311人(0.311%)に対して、65~69歳では1,305人(1.305%)と4倍以上となります。医療費を抑えるという意味でも、長く働くという意味でも健康に気をつけることが重要です。 出典)公益財団法人 生命保険文化センター 定年後からでもできる老後破産の対策 家計収支の見直し まずは、家計収支を見直しましょう。老後破産の原因の一つが現役時代と同水準の生活を続けてしまうことです。老後の収入源が年金のみの人は、現役時代と比較すると収入が減少してしまうでしょう。収入を増やすのは難しくとも、支出の中の不必要なもの、削れるものはあるかもしれません。 再雇用やアルバイト 老後破産の対策として、定年後も仕事を続けることが有効です。独立行政法人労働政策研究・研修機構の行った「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると再雇用や継続雇用制度によって、60歳以降も働き続けることができる企業は増加傾向にあります。また、健康上の理由などによって、フルタイムで働くことが難しい場合は、アルバイトを検討してもいいかもしれません。 出典)独立行政法人 労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」 持ち家を活用した資金調達 家計収支の改善だけでは難しい場合には、持ち家を活用した資金調達も検討してみましょう。リバースモーゲージやリースバックを活用することで、不足する老後資金を確保できるかもしれません。詳細は以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? まとめ 少子高齢化の進む日本においては、今の現役世代は十分な額の公的年金の給付を受けられない可能性があり、自分で準備しておくことが求められます。これから老後を迎える人についても、早い段階で専門家のアドバイスを受けるようにするとよいでしょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックを利用することで老後の不安を解消し、より快適な生活が送れるように...
独立開業するときは開業資金が必要です。事業規模や業態などによって必要な金額は異なりますが、一般的にはまとまったお金を準備しなくてはなりません。自己資金だけで足りない場合は、どのように開業資金を集めればよいのでしょうか。 この記事では、開業資金に関する実態と、実績がなくても開業資金を調達する方法を紹介します。 開業資金はいくら必要? 開業資金がいくら必要かは、事業規模(個人事業・法人)や業態(店舗型・無店舗型)、業種などによって変わります。開業資金の主な使い道は以下のとおりです。 機械・設備の導入費用 事務用品・備品の購入代金 事務手続き・登記関連費用 保証金・仲介手数料(店舗用物件を借りる場合) 店舗を開業する場合、立地や内装にこだわるとまとまった費用がかかります。一方で、インターネットを利用して自宅で開業するなど、無店舗型で営業可能な業態であれば費用を抑えられます。 ほとんどの場合で開業当初は計画どおりに事業が進まないでしょう。そのため、問題の無い範囲で中古や旧式の設備を使うなど、費用対効果を意識することも大切です。 開業にあたっては、まず必要なものをリスト化して、項目ごとに費用を検討しましょう。開業資金を見積もる際は、必要な項目を見落とさないように外部の専門家からアドバイスを受けることも有効です。 開業資金の実態 日本政策金融公庫総合研究所の「2022年度新規開業実態調査」によると、開業にかかった費用は以下のとおり推移しています。 〇開業にかかった費用 ※日本政策金融公庫総合研究所「2022年度新規開業実態調査」より引用 調査結果から、2022年度は「500万円未満」が43.1%、「500万~1,000万円未満」が28.5%となっており、約70%が1,000万円未満の資金で開業していることが分かります。また、「250万円未満」での開業が増加傾向であり、中央値も550万円と調査開始以来最も少なくなっています。以前と比較して低い金額で開業する人が増加していることが分かります。 出典)日本政策金融公庫総合研究所「2022年度新規開業実態調査」 開業資金の調達方法 日本政策金融公庫総合研究所の「2022年度新規開業実態調査」によると、開業資金の調達方法ごとの内訳は以下のとおりです。 〇開業資金の調達方法ごとの内訳 ※日本政策金融公庫総合研究所「2022年度新規開業実態調査」より引用 調査結果から、2022年度は「自己資金」が全体の21.3%、「金融機関等からの借り入れ」が69.2%となっており、大半がこの2つの手段で開業資金を調達していることが分かります。また、上述の開業にかかった費用と比較して、少し多めに資金調達を行っていることも分かります。 出典)日本政策金融公庫総合研究所「2022年度新規開業実態調査」 自己資金だけで開業できる? 自宅で個人事業を始める場合など、必要な開業資金がそれほど多くなければ、自己資金のみで開業できます。借入金の返済を気にする必要がないので、独立開業に挑戦しやすいでしょう。 ただし、自己資金のみの懸念点として、必要な資金を貯めるまでに時間がかかること、個人で準備できる資金には限界があること、が挙げられます。 また、開業資金が足りるからといって、開業後の事業資金が不足してしまっては元も子もありません。開業後の事業資金のことも考慮し、判断することが大切です。 開業資金を借りる選択肢 上述のとおり、開業資金の調達において「金融機関等からの借り入れ」は重要です。ここでは、実際にどういった選択肢があるのかを紹介します。 1.公的機関の創業融資 融資を受けて独立開業するときは、公的機関の創業融資を利用する方法があります。日本政策金融公庫は、新たな事業を始める人が利用できる「新創業融資制度」を取り扱っており、最大3,000万円(うち1,500万円は運転資金)まで、無担保・無保証で借りられます。 ほかにも、自治体の制度融資を利用する方法もあります。制度融資とは、信用保証協会の保証付きで金融機関から融資を受けられる制度です。こちらも無担保での利用が可能で、自治体が信用保証料の一部を補助してくれることもあります。ただし、自治体と信用保証協会、金融機関の三者が関わるため、融資実行までに時間がかかります。 どちらも融資審査があり、審査結果によっては利用できません。創業融資を検討する場合は、日本政策金融公庫や信用保証協会に相談してみましょう。 出典) ・日本政策金融公庫「新創業融資制度」 ・東京信用保証協会「初めてのご利用かんたんガイド」 2.ビジネスローン、不動産担保ローン 新たに事業を始める場合は実績がないため、銀行から融資を受けるのは難しいかもしれません。しかし、ビジネスローンや不動産担保ローンであれば、融資を受けられる可能性があります。 ビジネスローンは、主にノンバンクが取り扱っている事業者向けのローンです。無担保・無保証で申込みできるローンもある一方で、公的な融資に比べると金利は高い傾向にあります。 また、自宅などの不動産を所有している場合は、不動産担保ローンも選択肢となります。不動産担保ローンは、ビジネスローンに比べてまとまったお金を低金利で借りることができます。金融機関によっては、家族名義の不動産を担保に融資を受けられます。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 3.地方自治体の起業支援制度 各地方自治体は、さまざまな起業支援制度を用意しています。開業する地域で利用できる補助金や助成金があれば、開業時に活用できるかもしれません。補助金や助成金は基本的に返済義務がないため、開業資金の負担が軽減されます。 ただし、支援を受けるには一定の条件を満たす必要があり、審査に通過できないこともあります。また、補助金や助成金は通常、支払いが発生した後の清算となるので注意が必要です。 その他の調達手段 自己資金と金融機関等からの借り入れ以外にも、以下のような開業資金を調達する手段があります。 1.ベンチャーキャピタル ベンチャーキャピタルとは、将来上場が期待できるベンチャー企業やスタートアップ企業に出資を行う投資会社のことです。投資先企業が上場した後に株式を売却してキャピタルゲインを得るために、未上場企業に出資します。 ベンチャーキャピタルから事業の将来性について評価を得ることができれば、出資を受けられるかもしれません。ただし、ノウハウの提供といった経営支援が期待できる一方で、経営の意思決定が自由にできなくなる恐れもあります。 2.クラウドファンディング クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金調達する方法です。新規開業で実績がなくても、資金の使い道をアピールしたり、支援者への特典を用意したりすることで、開業資金を集められる可能性があります。 クラウドファンディングで開業資金を集めるにはSNSなどを活用し、少しでも多くの人にプロジェクトの内容を知ってもらうことが大切です。 3.家族や親戚からの借り入れ 開業資金を準備できない場合は、家族や親戚から借りるのも一つの方法です。ただし、親族からの借り入れは贈与とみなされ、贈与税がかかる場合があります。また、関係が近いだけに、返済が困難になるとトラブルに発展する恐れもあります。 親族から開業資金を借りる場合は、借用書や契約書を作成して内容どおりに返済を行いましょう。 まとめ 新規開業で事業の実績がないと、銀行から融資を受けるのは難しいかもしれません。開業資金を自己資金で用意できない場合、まずは公的機関の創業融資が選択肢となります。また、他にさまざまな資金調達方法があるので、自分に合った方法を選択しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 【FP相談】事業資金の融資でおすすめの方法とは? 企業の働き方改革や副業の解禁など、今は会社員として給与収入のみの人も、独立開業を考えている人もいるでしょう。とはいえ、開業を考えるとき、気になるのは資金面ではないでしょうか? この記事では、...
住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ローンの借り換えは諸費用がかかるため、必ず効果が出るとは限りません。金利やローン残高、返済期間といった諸条件によっては損をするケースもあるため、住宅ローンを借り換えるべきかを冷静に見極めることが大切です。 この記事では、住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点について説明します。 借り換えの効果が期待できないケースがある 住宅ローンの借り換えを検討するときは、総返済額だけに注目しないことが大切です。借り換えによって総返済額が減少したとしても、諸費用を合算して考えると、実際には総返済額がほとんど変わらない、または損をするケースもあります。 一般的に、住宅ローンの借り換え効果が期待できる目安は以下のとおりです。 金利差1.0%以上 ローン残高1,000万円以上 残存返済期間10年以上 これら3つの条件に当てはまる場合は、借り換えを検討してみるといいでしょう。住み替えの予定があるなど完済までの期間が短い、または借り換え前と後の金利差が小さい場合は、住宅ローンの借り換え効果は期待できません。 住宅ローンの借り換えには諸費用がかかる 住宅ローンの借り換えを検討する際は、どのような諸費用がかかるかを理解しておくことが大切です。借り換えでかかる主な諸費用をまとめました。 完済にかかる費用:繰り上げ返済手数料、抵当権抹消登記費用など 借入にかかる費用:保証料、事務手数料、抵当権設定費用、印紙税など 既存の住宅ローンを完済するときは、繰り上げ返済手数料や抵当権を抹消するための費用がかかります。また、新たに借りる住宅ローンについては、保証料や事務手数料、抵当権の設定費用などが必要です。 住宅ローンに関する各種手数料は、金融機関によって異なります。また、店頭とインターネットのどちらで手続きするかによって、手数料が変わることもあります。 借り換えにかかる諸費用が高額になると、費用を回収するまでに長期間かかるので注意しましょう。 諸費用を組み込んで借り換えをすると元金が増加する 住宅ローン借り換えの諸費用を準備できないときは、諸費用を組み込んで借り換えをすることも可能です。すべての諸費用をローンに組み込めるとは限りませんが、準備するお金は少なく済みます。 ただし、諸費用を組み込むと元金が増加し、諸費用を別途支払うより月々の返済額や総返済額が増えてしまうため、結果として借り換え効果が小さくなります。 金利などの諸条件によっても変わりますが、基本的には諸費用を元本に組み込まずに借り換え・返済する計画を立てましょう。 住宅ローンの借り換えをうまく利用するには 住宅ローンの借り換えをうまく利用するには、借り換えによって得られる効果やリスクをはっきりさせることが大切です。具体的には、以下の3点について検討しましょう。 将来的な住み替えの可能性は? 将来的に現在の持ち家を売却して、別の家に住み替える可能性はないでしょうか。住み替えの予定があるなら、あと何年住んだら借り換えのメリットが出るのかを試算しておきましょう。退職金などの臨時収入で早期に完済した場合も借り換え効果が少なくなります。 具体的な予定がなくても、子どもが独立して夫婦二人の生活になれば、現在よりコンパクトな物件に住み替えたいと考えるかもしれません。 ライフスタイルの変化に対応できるように、住み替えや早期完済の可能性を考慮して住宅ローンの借り換えを検討することが大切です。 毎月の返済額の軽減効果は? 住宅ローンの借り換えを検討するときは、毎月の返済額の軽減効果も判断材料となります。毎月の返済軽減額と借り換えにかかる諸費用を比較し、何年で諸費用を回収できるかを試算しましょう。 実際に計算をしてみると、予想以上に諸費用の回収に期間がかかることもあります。最終的には総返済額を減らすことができても、一時的に手元資金が不足して急な出費に対応できなくなる恐れがあるので注意が必要です。 諸費用を含めた総返済額の軽減効果は? 諸費用を含めて総返済額の軽減効果を得られないと、住宅ローンの借り換えを行うメリットはありません。「元々の総返済額」と「借り換え後の総返済額+諸費用」を比較し、どれだけ返済負担が軽減できるのかを確認しましょう。 住宅ローンの借り換えでは2つの金融機関と同時やり取りする必要があり、手続きも煩雑で時間と手間がかかります。「労力に見合った借り換え効果を得られるか」という視点で、借り換えを行うか判断するといいでしょう。 まとめ 持ち家で住宅ローンを返済している場合、新しい住宅ローンに借り換えることで総返済額を軽減できる可能性があります。ただし、ここ数年の低金利の環境下に借り入れをした人にとっては、住宅ローンの借り換えでメリットが出せるケースはそれほど多くありません。 借り換えを行うか判断する際は、諸費用を含めて総返済額の軽減効果を得られるか見極めることが大切です。ホームページで「住宅ローンの借り換えシミュレーション」を提供している金融機関もあるので、借り換えを検討するときに活用してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編) 住宅ローンの返済に追われて貯金する余裕がないと、老後に不安を感じるのではないでしょうか。さらに、自宅の住み替えを予定している場合は、より多くの資金を準備しなくてはなりません。現在の年齢が60...
営利目的で事業を行う企業や個人事業主は、売上アップや経費削減に取り組むことで利益の確保(黒字決算)を目指します。しかし、不況の煽りを受けて資金繰りが厳しくなり、赤字決算となってしまうこともあるでしょう。 赤字決算には一部税制面でメリットがある場合もありますが、今まで融資を受けていた銀行から借り入れができなくなる恐れもあります。そこでこの記事では、赤字決算で資金繰りが厳しくなったときの資金調達方法を紹介します。 赤字決算とは 決算とは、企業の1年間の収益と費用を計算し、利益や損失をまとめた数字を「決算書」として確定させることです。企業(法人)は決算月までの1年間、個人事業主は1~12月の1年間で計算します。 収益が費用を上回り利益が出ることを「黒字決算」、費用が収益を上回り損失が生じることを「赤字決算」と言います。国税庁の統計情報によれば、2018年度は申告法人数(普通法人)の約66%が赤字となっています。 決算は、あくまでも一定期間の業績を表すものです。赤字になったからといって、すぐに倒産するわけではなく、資金があれば事業を継続することは可能です。ただし、赤字決算が続くと資金繰りが厳しくなり、倒産につながる恐れがあります。 出典)国税庁「2018年度 統計情報(法人税)」 赤字決算のメリット 赤字決算に悪いイメージを持つかもしれませんが、税制面においては以下のようなメリットがあります。 法人税がゼロになる 企業は、黒字決算で利益(課税所得)が出た場合は法人税を納めなくてはなりません。法人税額は課税所得に一定の税率を乗じて計算するため、利益が大きくなるほど法人税の負担は増えます。一方で、赤字決算の場合は課税所得が発生しないため、法人税はゼロになります。 赤字の繰り越しが可能(欠損金の繰越控除) 赤字決算によって生じた欠損金(税務上の損失)は、翌年度以降に繰り越すことが可能です。繰り越した欠損金は、翌年度以降に生じた課税所得(税務上の利益)と相殺できるため、法人税の節税につながります。 たとえば、今年度の決算が100万円の赤字の場合、その100万円を繰越欠損金として翌年度に繰り越します。翌年度が300万円の黒字であれば、通常は300万円に税率を乗じるところ、200万円(300万円-100万円)に税率を乗じて法人税額を計算するため、法人税の負担が軽減されます。 2018年4月1日以後に開始する事業年度で生じる欠損金は、最長10年間繰り越すことができます。欠損金の繰越控除を行うには、「欠損金が生じた年度に青色申告で確定申告書を提出していること」など、一定の条件を満たす必要があります。 出典)国税庁「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」 法人税の還付金を受け取れる(欠損金の繰り戻しによる還付) 「欠損金の繰り戻しによる還付」とは、赤字決算で欠損金が生じた場合に、その欠損金を前期に繰り戻して法人税額の還付を請求できる制度です。「還付事業年度から欠損事業年度まで、連続して青色申告で確定申告書を提出している」など、一定の条件を満たすと適用されます。 経営状況が悪化して赤字になり、少しでも手元資金を確保しておきたい場合は、本制度の利用を検討するといいでしょう。 出典)国税庁「No.5763 欠損金の繰戻しによる還付」 赤字決算のデメリット 赤字決算のデメリット・注意点は以下のとおりです。 融資を受けにくくなる 金融機関が企業に融資する際は、決算書をもとに与信面の審査を行います。赤字決算の場合、金融機関からの信用度が低下して、新たに融資を受けるのが難しくなるかもしれません。また、赤字決算が続くと、すでに融資を受けている借入金の返済を求められる可能性もあります。 赤字でも税金は発生する 決算が赤字でも税金は発生します。たとえば、「消費税」は消費者が負担して事業者が納税する仕組みのため、赤字でも納税が必要です。また、「法人住民税の均等割」は資本金等の額や従業員数などに応じて課税されるので、損益に関わらず税負担が生じます。 赤字決算でも資金調達する方法は? 赤字決算になり、与信面で銀行からの借り入れが難しい場合は、どのような方法で資金調達を行えばよいのでしょうか。ここでは、赤字決算でも資金調達が可能な方法を紹介します。 政府系金融機関からの借り入れ 政府系金融機関であれば、赤字決算でも借り入れが可能なケースもあります。 たとえば、日本政策金融公庫の「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」は、社会的・経済的環境の変化などの外的要因で、一時的に業況が悪化している事業者向けの融資制度です。一定の条件を満たせば融資を受けられる可能性があるので、まずは支店の窓口などに問い合わせてみるといいでしょう。 出典)日本政策金融公庫「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」 クラウドファンディング クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する方法です。赤字決算であっても、クラウドファンディングであれば支援を受けられるかもしれません。 クラウドファンディングは、資金のあり方や支援者への特典の有無によっていくつかの種類があるため、自社にあった方法を選択することが大切です。プロジェクトの内容によっては目標金額を達成できず、思うように資金が調達できないこともあります。 親戚からの借り入れ 赤字決算で資金調達が難しい場合は、親戚から事業資金を借りるのも一つの方法です。ただし、親戚からの借り入れは贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります。 親戚からの借り入れであっても借用書や契約書を作成し、その内容どおりに返済を行うことが大切です。また、無理な借り入れを行って返済が困難になると、トラブルに発展することもあるので注意しましょう。 ビジネスローン ビジネスローンは、主にノンバンクが取り扱っている事業者向けのローンです。無担保・無保証で申し込みできるローンもあるため、赤字決算でも融資を受けられる可能性があります。さらに不動産を担保にすると、借り入れできる可能性が高まるでしょう。 ただし、ビジネスローン(特に無担保・無保証の場合)は金利が高い傾向にあり、少額しか借りられないケースもあります。 リースバック リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。 リースバックの審査では、与信面よりも「不動産に問題がないか」「家賃を払うことができるか」といった点が重視されます。そのため、売却できる自宅があれば、赤字決算でも資金調達が可能です。 ただし、売却価格は市場価格より安くなるのが一般的です。また、定期借家契約の場合は運営会社の事情で再契約ができず、売却から数年で引っ越しを迫られるケースもあります。リースバックで長く住み続けたい場合は、普通借家契約が可能な運営会社を選びましょう。 >リースバックとは? まとめ 赤字決算は税制面でのメリットはあるものの、銀行から融資を受けるのが難しくなります。決算が赤字になると見込まれるときは、早めに資金調達について検討することが大切です。銀行から融資を受けることができない場合は、政府系金融機関やリースバックといった方法を検討してみましょう。 リースバックならSBIスマイル 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 【FP相談】事業資金の融資でおすすめの方法とは? 企業の働き方改革や副業の解禁など、今は会社員として給与収入のみの人も、独立開業を考えている人もいるでしょう。とはいえ、開業を考えるとき、気になるのは資金面ではないでしょうか? この記事では、...
昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際は家族や友人関係、医療・介護、財産など、生前のうちに確認し、準備しておくべきことはたくさんあります。 老後の不安を解消し、残りの人生を自分らしく生きるには、終活について理解しておくことが大切です。この記事では終活ですることや始めるタイミング、老後資金の準備について解説します。 終活とは 終活は週刊誌によって作られた言葉で、「人生の最期を迎えるための活動」といった意味に加え、「残りの人生をより前向きに自分らしく生きるための活動」という意味もあります。 終活が注目されるようになった背景には、高齢化によって老後破産や孤独死、認知症、相続トラブルなどの増加が社会問題化していることがあります。厚生労働省の簡易生命表(2019年)によれば、男性の平均寿命は81.41年、女性は87.45年です。また、90歳まで生存する人の割合は男性27.2%、女性51.1%となっています。 このような背景から「老後生活の不安を解消したい」「家族に負担をかけたくない」と考える人が増え、終活に取り組む人が増えていると考えられます。 出典)厚生労働省「2019年(令和元年)生命簡易表の概況」 終活はいつから準備する? 終活を始めるタイミングは人それぞれで正解はありません。「仕事を辞めて年金生活になった」「一定の年齢に達した」など、人生の転機を迎えたときや死を意識したタイミングで、少しずつ進めていくといいでしょう。 ただし、認知症を患うなど、意思表示ができなくなると始めるのは難しくなります。そのため、まだ元気なうちに、「少し早いかな」と思うぐらいのタイミングで始めるのがおすすめです。 終活では何を準備する? 終活では、現在の状況と将来するべきことを整理するために、エンディングノートを作成するといいでしょう。エンディングノートに法的な効力はなく、書き方のルールもないので、好きな方法で作成して構いません。エンディングノートでは、主に以下の内容について整理します。 自身や家族、友人のこと 自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や趣味などを書いておけば、誰が書いたものかが一目でわかります。スマホやインターネットなど、自身が契約しているサービスについても伝えておくと家族は助かるでしょう。また、家族や友人の連絡先、自身との関係なども書いておくと、必要に応じて連絡をとることができます。 医療や介護のこと 判断力が低下したり、意思表示ができなくなったりしたときのために、かかりつけ医や持病、飲んでいる薬、アレルギーなどについて書いておくといいでしょう。また、介護や延命治療に関する希望を伝えておくと、もしものときに家族が判断しやすくなります。 財産に関すること 老後生活が長くなるほど、財産を適切に管理することの重要性は高まります。収入や支出の項目・金額を整理して、老後の家計収支を把握しましょう。また、預貯金や不動産、金融資産など保有中の資産を一覧にしておくことも大切です。 葬儀やお墓のこと 最近では、葬儀やお墓に対する考え方が多様化しており、その様式もさまざまです。たとえば、葬儀は一般葬の他に、参列者が親族のみの家族葬や一日葬などもあります。また、お墓も代々受け継いでいく家族墓だけでなく、永大供養墓や散骨といった形もあります。そのため、葬儀やお墓についての希望、連絡先のリストなどを書いておくといいでしょう。 相続のこと 相続トラブルを避けるには、相続人や相続財産について整理する必要があります。また、預貯金や不動産といった資産だけでなく、借金などの負債も相続財産に含まれる点に注意が必要です。相続について希望がある場合は、遺言書の作成も検討しましょう。 終活をするメリット 終活をするメリットとしては下記のようなことが挙げられます。 万が一の備えになる 医療や介護に関する希望を家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておくことは万が一の際の備えになります。例えば、認知症になって判断力が低下したり、意識不明や重篤な状態に陥ってしまった場合に、延命治療や介護の希望などを伝えておくと、家族が判断をしやすくなります。 また、エンディングノートに自身のアレルギーや持病、常備薬を記載しておくことももしものときの備えになります。 相続をスムーズに進められる 財産の整理や相続の準備をしておくことで、残された家族が相続をスムーズに進められます。例えば、エンディングノートに保有している金融資産や不動産などをまとめて記載しておくと、残された家族が財産を把握しやすくなります。 また、相続について希望がある場合は、遺言書を作成しておくことも有効です。財産の整理や遺言書の作成をしておくことで相続をスムーズに進められるだけでなく、トラブルを回避することにもつながります。 葬儀やお墓の手配をスムーズに進められる 葬儀やお墓の希望について家族に伝えておくことで、手配をスムーズに進めることができます。自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。そこで、葬儀やお墓について希望を伝えておくことで、家族が段取りをしやすくなり、負担を軽減することができます。 また、事前に自身でお墓を用意しておいたり葬儀費用を準備しておくことも、残された家族の負担を軽減することができます。 自身の経済状況を把握できる エンディングノートに自身の財産等をまとめることで経済状況を把握できます。そして、自身の経済状況を把握することは、健全な家計収支の維持にもつながります。 自身の経済状況を把握し、今後の人生をどのように過ごすのか改めて見直すことは充実した老後生活を送るためにも大切です。 備忘録になる エンディングノートに保有している銀行口座や保険、株式をまとめておくと備忘録になります。また、各種暗証番号等を記載しておけるエンディングノートなどもあります。 このようにエンディングノートを備忘録として活用するのも一つの有効な方法であると言えます。 人生の振り返りができる 終活は自身の人生を振り返る良い機会でもあります。エンディングノートには様々な種類があり、中には自分史や思い出について記載できるものもあります。このようなことを改めて整理することで、今までの自身の人生を振り返ることができます。 今後の人生をより良く生きるためにこれまでの自身の人生を振り返ることもおすすめです。 生きがいや目標を発見できる 終活では、残された家族の負担を軽減することにフォーカスされることが多いです。しかし、自身の人生を振り返り、今後の人生をより良く自分らしく生きることができるようにするというのも終活を行う目的の一つです。 終活に際しては、これからのセカンドライフで何をしたいか、だれと会いたいかなどを整理してみるとよいでしょう。そうすることで、新たな生きがいや目標を発見することができるかもしれません。 終活をしなかった場合に生じる問題 終活をしなかった場合、下記のような問題が生じる可能性があります。 医療や介護に関する希望を把握できない 年を重ねるにつれて医療や介護が必要になる可能性が高くなります。万が一意識不明や重篤な状態に陥り意思表示が難しくなった場合に、延命治療や介護の希望がわからないと家族が判断をしにくくなります。 相続トラブルが発生する 終活によって自身の財産の整理や相続に関する希望を遺しておかなかった場合、相続トラブルが生じる可能性が高くなります。相続トラブルは遺産内容が不透明であることや遺産分割の割合に偏りがあることに起因するケースが多いです。 葬儀やお墓の準備に手間がかかる 自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。例えば、葬儀の日程や形式、寺院の選定、訃報を知らせるべき方の選定などです。これらのことを一から決めるのは非常に手間がかかります。 残された家族が財産を把握できない 自身の財産をまとめて記録しておかないと、残された家族が財産を把握しにくくなります。近年ではパソコンやスマートフォンなどに保存しているデジタルデータなど目に見えない財産も増えています。これらの財産は、家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておかないと把握できない可能性が高いです。 十分な老後資金が準備できているかを確認する 終活の中でも、優先的に取り組んでおきたいのが老後資金の問題です。残された家族のことを思えば、自身が亡くなった後のことについて考えるのは大切なことです。しかし、終活では、自身の老後生活に問題がないかを確認するのが、最優先で取り組むべき課題です。 現在の家計収支や資産状況を整理・把握して、十分な老後資金が準備できているかを確認しましょう。もし老後資金が不足するようなら、早急に対策をたてる必要があります。 終活に「リースバック」という選択肢も 老後資金が足りない場合、持ち家があるなら「リースバック」という選択肢があります。リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。 リースバックはローン商品ではなく、売却と賃貸が一体となった不動産取引であるため、利用にあたって年齢や収入の制限はありません。また、持ち家を売却すると、通常は別の住居を確保する必要がありますが、リースバックならそのまま住み続けることが可能です。 加えて、リースバックを利用して不動産を現金化すれば財産を分配しやすくなるため、相続トラブルを回避するための手段としても活用できます。 終活に関するよくある質問 終活をしている人はどのような理由で始めますか? インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。また、約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。 出典)PRTIMES「デジタル終活知っている?希望するお墓のカタチは?20~70代にきく終活に関する意識調査(マクロミル調べ)」 生前整理として残しておくべきものはどういうものですか? 生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。 終活として断捨離しておくと良いものはありますか? 不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。 終活をする上での注意点は何ですか? 終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。 出典)消費者庁 「第1部 第1章 第4節(4)高齢者が巻き込まれる詐欺的なトラブル」 《Appendix》エンディングノートの記載例 以下はエンディングノートに記載する内容の一例です。 自分自身や家族、友人のこと 自分自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や家族、友人についての記載例です。下記の内容以外にも自身で書きたいことがあれば記載しておくと誰が書いたのか分かりやすくなります。また、家族や友人については、自身の死後に連絡を希望するかまで記載をしておくと家族が判断をしやすくなるでしょう。 自分のこと 名前山田 太郎 生年月日1950年1月1日 住所〒〇〇〇ー〇〇〇〇東京都新宿区西新宿〇ー〇〇 本籍地〒〇〇〇ー〇〇〇〇東京都渋谷区道玄坂〇ー〇〇ー〇〇 血液型A型 趣味釣り読書 家族・友人のこと 氏名関係住所連絡先訃報について 山田 花子妻東京都新宿区〇〇・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせる 山田 次郎子東京都世田谷区〇〇・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせる 山田 二郎弟埼玉県〇〇市・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせない 佐藤 三郎友人福島県〇〇市・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせない 医療や介護のこと 医療や介護についての記載例です。持病については、常備薬やかかりつけの病院まで記載をしています。また、万が一の際に備えて延命治療や介護の希望についても記載をしておくと良いでしょう。 医療や介護のこと 持病高血圧 常備薬〇〇、〇〇〇〇 かかりつけの病院〇〇病院 〇〇科 担当医:〇〇 アレルギー卵、えび、かに、いか 延命治療希望しない 介護の希望自宅で家族に介護をしてもらいたい 財産のこと 財産についての記載例です。下記では、預貯金と株式について記載していますが、それ以外でも、資産を保有している場合は一覧にしてまとめておくと良いでしょう。 預貯金のこと 金融機関名〇〇銀行支店名〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇〇口座名義山田 太郎 口座種別普通備考 株式のこと 預入証券会社〇〇証券口座番号〇〇〇〇〇〇〇 名義人山田 太郎備考〇〇の株式を100株保有 葬儀やお墓のこと 葬儀やお墓についての記載例です。葬儀については、下記のような事項について記載をしておくと葬儀の準備がスムーズに進みやすいです。また、下記以外にも葬儀に参列してほしい人を表にしてまとめておいたり、納棺時の服装や棺に入れてほしいものなどを記載することもあります。 葬儀のこと 葬儀を希望する/しない希望する 葬儀会社・斎場株式会社〇〇住所:東京都新宿区〇ー〇〇 費用について準備している 葬儀の種類家族葬 宗教の希望仏教 遺影についてあり(机の引き出しの一番上) 戒名についてこだわりはありません お墓のこと お墓の有無先祖代々のお墓 埋葬方法の希望永代供養墓 お墓がある場合墓地・霊園の名称:〇〇霊園住所:東京都練馬区〇〇ー〇〇連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 相続のこと 下記は遺言書についての記載例です。遺言書がある場合は、保管している場所まで記載をしておくと良いでしょう。また、遺言書の有無以外にも、遺産分割や遺品の処分について希望がある場合は、記載をしておくことをおすすめします。 相続のこと 遺言書の有無有 遺言書の種類自筆証書遺言(机の一番下の引き出し) 遺言書の関係者弁護士:〇〇連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 まとめ 終活は、家族の負担を減らせるのはもちろん、残りの人生を自分らしく生きることにも役立ちます。終活ですることはたくさんありますが、最優先して取り組むべきことは財産整理です。家計収支や資産状況を整理した結果、持ち家があって老後資金が不足しそうな場合はリースバックの活用を検討しましょう。 リースバックならSBIスマイル さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 リースバックとは、資産を売却した後もそのまま使い続けられる資産活用の取引手法です。 「セール・リースバック」や「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれ、所有している資産を第三者に売却し、同... { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "終活をしている人はどのような理由で始めますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。その次に約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。" } }, { "@type": "Question", "name": "生前整理として残しておくべきものはどういうものですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。" } }, { "@type": "Question", "name": "終活として断捨離しておくと良いものはありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。" } }, { "@type": "Question", "name": "終活をする上での注意点はありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。 " }} ] }
リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックを利用することで老後の不安を解消し、より快適な生活が送れるようになるかもしれません。この記事では、老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリットを紹介します。 メリット①:老後資金を確保できる 持ち家があって老後の生活費が足りない場合、通常は自宅の売却を検討するのではないでしょうか。しかし、自宅を売却すると転居先を決めたり、引っ越しの手間や費用が発生したりします。また、慣れ親しんだ自宅に住み続けたいのであれば、リースバックも選択肢のひとつとなるでしょう。 リースバックで自宅を売却すれば、まとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。また、住宅ローンの返済が苦しくて老後資金を貯められない場合も、リースバックの売却資金で住宅ローンを一括返済すれば、家計収支を改善できます。 関連記事はこちら老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編) メリット②:相続問題が解決される リースバックは、複数の相続人がいる場合に、相続問題を解決する手段としても利用できます。不動産は実物資産であるため、複数の相続人がいる場合は簡単に分けられません。相続資産の大部分を自宅が占める場合、財産をどのように分けるか折り合いがつかず、相続争いが起こることもあります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、所有権がリースバック運営会社に移転するため、自宅をどう分けるかを考えなくて済みます。特に相続財産が自宅と預貯金のみの場合、不動産を現金化すれば相続財産は預貯金のみとなるので、均等に分配しやすくなります。 関連記事はこちら相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 メリット③:固定費の増加要因や突発的な支出がなくなる 老後の家計収支を安定させるには、固定費を下げたり、突発的な支出を減らしたりすることが大切です。 持ち家の場合、家賃を払う必要はありませんが、固定資産税がかかります。また、マンションなら、管理費や修繕積立金の支払いも必要です。他にも、設備の故障などで急にまとまった支出が発生する可能性もあるでしょう。 そのようなときにリースバックで賃貸に切り替えて、毎月一定額の家賃を払うようにすれば、家計管理がしやすくなります。また、固定資産税や管理費・修繕積立金がなくなり、家賃のみの支払いになるほか、老朽化などで設備が故障した場合の費用がオーナー負担となるのも安心材料です。 関連記事はこちら老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 メリット④:自然災害リスクを減らせる リースバックで自宅を売却して賃貸に切り替えれば、自然災害で住居に被害が出ても、修繕費用などはリースバック運営会社が負担してくれます。しかし、持ち家の場合は、修繕や建て替えにかかる費用は自分で負担しなくてはなりません。 持ち家の場合には火災保険や地震保険に加入することで備えることもできますが、保険に加入していても、保険金で費用を全額カバーできず、持ち出しが発生する場合があります。また、災害などで住むことができない状態になったとしても、住宅ローンが残っている場合、基本的にローン返済は免除されません。 近年では、地球温暖化の影響により、台風や洪水などの自然災害リスクが高まっています。また、日本は地震大国でもあり、過去には阪神・淡路大震災や東日本大震災といった大地震も発生しているので、楽観視できないでしょう。そのため、自宅に住み続けながら自然災害リスクに備えたいなら、リースバックは有効な手段となるでしょう。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 老後のリースバックに関するよくあるご質問 老後にリースバックを利用するにあたり、よくあるご質問を3つ紹介します。 Q. リースバックを利用した後、ずっと住み続けられますか? リースバックの賃貸借契約には、「定期借家契約」と「普通借家契約」の2種類があります。定期借家契約の場合は再契約できる保証がなく、2~3年の契約期間満了後に退去しないといけなくなる恐れがあります。できるだけ長く住み続けたい場合は、普通借家契約が可能な運営会社を選ぶと安心です。 Q. 毎月の家賃を安くすることはできますか? リースバックの家賃は売却価格と家賃のバランスで決まり、売却価格が安くなると家賃も安くなります。そのため、運営会社と交渉して売却価格を抑えることで、周辺の賃料相場より家賃をかなり安く設定することも可能です。ただし、売却価格を抑えすぎると調達できる資金が少なくなります。リースバックの家賃を安くしたい場合は、売却価格とのバランスを検討してから交渉しましょう。 Q. 配偶者が契約を引き継ぐことができますか? 自宅をリースバックで売却した場合、残された配偶者が契約者である夫(妻)が死亡した後も住み続けられるか気になるのではないでしょうか。賃貸借契約は相続の対象になるため、夫(妻)の死亡後も配偶者が契約を引き継ぐことが可能です。念のため、運営会社に契約を引き継げるかを確認しておくと安心です。 デメリットは「家を遺せないこと」 リースバックの最大のデメリットは、家を遺せないことにあります。自宅の所有権が運営会社に移転してしまうので、子供に家を遺したい場合は、リースバックを利用すべきではありません。 家を遺すことにこだわりがなければ、老後資金や相続問題など、自身の抱えている悩みがリースバックによって解決できるのかどうかを考えてみましょう。ご自身で判断が難しければ、専門家に相談してみるのもおすすめです。 まとめ 「家を遺せない」というデメリットを許容できるのであれば、老後のリースバックはいくつかの問題を解決する選択肢となります。持ち家があり、老後資金や相続、自然災害などの不安を抱えているなら、リースバックを検討してみてはいかがでしょうか。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...
自宅を所有していると、老後も住み続けられる安心感がある一方で、相続に不安を感じることもあるのではないでしょうか。不動産は実物資産であるため、相続人が複数いると簡単に分けられません。また、相続財産の大部分を不動産が占める場合は、財産をどう分けるか折り合いがつかず、相続争いが生まれる可能性があります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、同じ家に住み続けながら相続争いを回避できます。この記事では、リースバックで相続問題を解決できる理由について説明します。 なぜ相続争いが生まれるのか 相続争いが生まれる理由はさまざまですが、その最たる例のひとつが不動産(自宅)に関連する理由です。たとえば、相続財産が不動産と預貯金のみで、不動産が占める割合が大きいと相続争いが生まれやすくなります。なぜなら、複数の相続人がいる場合、相続人全員が納得する形で財産を分けるのが難しいからです。 均等に財産を分けるという観点で考えれば、不動産は持分相続ができるので、1つの不動産を複数人で相続することも可能です。しかし、相続後にその不動産を1人の使用者が専有した場合には、相続人の間に不平等が生まれることになります。親族間で賃貸借契約を結んで適正な家賃を支払うことで平等に近い形に是正することは可能ですが、あまり現実的な方法とは思えません。 相続争いの具体例を紹介 不動産の相続の難しさがイメージできるように、具体例を1つ紹介します。相続財産が不動産(4,000万円)と預貯金(2,000万円)の合計6,000万円、相続人が配偶者と子2人のケースについて確認しましょう。法定相続分は配偶者が1/2、子はそれぞれ1/4です。相続財産は合計6,000万円なので、法定相続割合で分けると以下のようになります。 配偶者:3,000万円(6,000万円×1/2) 子(A):1,500万円(6,000万円×1/4) 子(B):1,500万円(6,000万円×1/4) また、法定相続割合で不動産と預貯金を均等に分割する場合、相続財産は以下のように分けられます。 配偶者:不動産2,000万円、預貯金1,000万円(合計3,000万円) 子(A):不動産1,000万円、預貯金500万円(合計1,500万円) 子(B):不動産1,000万円、預貯金500万円(合計1,500万円) 不動産に持分を設定することで、上記のように資産を均等に分けることができます。しかし、その不動産を配偶者のみが占有して利用する場合には、当然平等であるとは言えないでしょう。 リースバックで相続問題を解決できる理由 先程紹介したようなケースの場合、リースバックを利用することで相続問題を解決できます。リースバックとは、自宅を売却したうえで賃貸借契約を結び、家賃を払うことで売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。 相続争いを避けるために自宅を売却すると、通常は別の住居を探さなくてはなりません。しかし、リースバックなら家賃を払うことで、売却後も同じ家に住み続けられます。また、不動産を現金化することで、相続財産は預貯金のみとなるため、相続財産を均等に分配できます。 先ほどのケースで、リースバックを利用しており、不動産を2,800万円*で売却していた場合には下記のような遺産分割となります。 ※一般的にリースバックの買取価格は評価額の7割程度とされているため、4,000万円×70%=2,800万円としています。 配偶者:預貯金2,400万円 子(A):預貯金1,200万円 子(B):預貯金1,200万円 上述のとおり、相続財産が預貯金のみであれば、相続人同士でもめることなくスムーズに遺産分割ができるでしょう。加えて、もしその家に住み続けたい相続人がいた場合でも、賃貸借契約を承継し、自らが家賃を支払ってその家に住み続けることになるので、公平と言えます。 リースバックを利用するタイミング リースバックの利用は相続争いを無くすという点からは、生前に行うことが理想ですが、相続発生後であっても可能です。しかし、相続発生後に手続きをすると、相続税や所得税などの税金面で複雑化することや、持分相続の場合に共有者全員の同意が必要などの制限が発生します。 このような点から相続発生後のリースバック利用にも争いが生まれる可能性があり、相続発生後にリースバックを利用するのであれば、生前にリースバックを利用しておいた方が良いと言えるでしょう。 もう一つの選択肢としての不動産担保ローン 相続する不動産に長期的な視点で資産価値がある場合やその不動産への愛着が強いなどの理由で所有権を手放したくない場合には、不動産担保ローンを利用するといいでしょう。不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を金融機関に担保として差し入れるかわりにお金を借りられる融資方法の一つです。 そのため、相続財産である不動産を担保に融資を受けることで、相続人同士の金銭的な不平等を解決するための資金を用意することができます。 関連記事はこちら相続で不動産担保ローンを活用する4つの事例を紹介 Appendix:リースバックで相続税対策できる? 不動産の相続税評価額は、おおよそ実際に売却できる金額の7~8割程度の金額となるため、不動産を売却して現金化するよりも相続税を抑えることができると考えられます。そのため、一般的には資産を現金として持っておくよりも不動産として持っておく方が、相続税対策になると言われています。 一方で、リースバックは元々相場の7割程度の価格で売却する仕組みであり、運営会社と話し合って月々の家賃と売却価格も抑えることができる場合もあります。そうして手元に入る現金が、不動産の相続税評価額を下回るのであれば、相続税対策になることもあるでしょう。 まとめ 相続財産の大部分を不動産が占める場合、複数の相続人がいると相続争いが生まれる恐れがあります。しかし、リースバックを利用すれば、住む家を確保しながら財産を均等に分配できない問題を解決できます。自宅の相続に不安を感じているなら、リースバックを活用した相続対策も検討してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...
近年、60歳を過ぎて老後を迎えても、住宅ローンを完済していない人が増えています。定年後も働いて安定収入がある人や預貯金が十分にある人であれば、住宅ローンが残っていても問題なく生活できるかもしれません。 しかし、老後に十分な余裕がない場合、住宅ローンの返済は家計に大きな負担となります。そして、住宅ローンが残っている状況で老後資金を確保するには、不動産をうまく活用することが大切です。この記事では、60歳以上の人が老後資金を確保するための住宅ローン返済術を紹介します。 住宅ローンの状況を整理する リ・バース60の取り扱いを開始致しました。詳細はこちら 不動産を利用して老後資金を確保するために、まずは住宅ローンの状況を整理しましょう。具体的には、以下の項目について確認します。 年齢(現在の年齢、完済予定年齢) 借入金額(現在の残債、当初の借入金額) 借入金利(変動金利の固定金利のどちらか) 返済期間(残返済期間、当初返済期間) これらの状況によって、とるべき解決策は変わってきます。退職希望年齢は、今のところの予定で問題ありません。その他の項目は、住宅ローンの返済予定表で確認できます。 不動産を利用して老後資金を確保する方法をケース別に紹介 住宅ローンや家計の状況などによって、最適な解決策は異なります。ここでは、4つのケース別に、不動産を利用した老後資金対策を紹介します。 ①住宅ローンの返済額が大きく、毎月の返済が厳しい 住宅ローンの返済が厳しい場合は、毎月の支払い額を抑えて返済負担を軽減することが大切です。具体的には、以下2つの解決策があります。 (1)リバース60 リバース60とは、住宅ローンの一種で満60歳以上の方向けの商品です。通常の住宅ローンとは違い、毎月の支払いは利息のみです。元金は債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 現在の住宅ローンをリバース60へ借り換えることで元金の返済義務がなくなり、毎月の返済が利息のみとなるので、毎月の支払い額を減らせます。ただし、元金は据え置きのため、支払いが生涯続くことになる点に注意が必要です。 関連記事はこちら高齢者向け住宅ローン「リ・バース60」を徹底解説! (2)リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックで賃貸に切り替えることで、住宅ローンの返済額と管理費や修繕積立金、固定資産税を併せた金額より家賃のほうが低くなれば、毎月の支払い額を減らせます。運営会社との相談にはなりますが、毎月の家賃は売却価格との調整が可能です。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 ②お金が必要となったが、預貯金がほとんどない 十分な預貯金がない場合、不動産(自宅)を担保とした借り入れを検討しましょう。ただし、住宅ローンの残債がある程度減っていることが条件となります。利用できるローン商品は以下2つです。 (1)不動産担保ローン 不動産担保ローンは文字どおり、不動産を担保に借り入れができるローンです。無担保ローンよりも金利が低く、長期間の借り入れができるので、返済額を抑えながら必要な資金を確保できます。 不動産担保ローンは事務手数料や印紙代、登記費用などがかかりますが、借入金額と相殺されるため、手元資金を用意する必要はありません。一方で、万が一返済不能となった場合は不動産を失う可能性もあるので、無理のない返済計画を立てることが大切です。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 (2)リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみで、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みとなっています。 不動産担保ローンと異なり、毎月の返済は利息のみなので、月々の支払いをさらに抑えることができます。ただし、元金は据え置きのため、借入金額が増加するほど支払いが厳しくなり、返済期間が長期化する恐れがあります。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや仕組みを解説 ③住宅ローン完済の見通しが立たない 住宅ローン完済の見通しが立たない場合は、以下のサービスを利用して住宅ローンを完済し、少しずつ家計収支を改善していくのがおすすめです。 (1)リバース60 60歳を過ぎると通常の住宅ローンを組むのは難しくなりますが、リバース60は対象年齢が「満60歳以上」で、収入が公的年金のみでも利用できます。毎月の支払いは利息のみで済むので、毎月の返済額を抑えられるのもメリットです。借り入れた資金で住宅ローンを完済しながら、家計収支の改善が期待できます。 (2)リースバック 住宅ローンの返済が難しい場合は、自宅の売却を検討しなくてはなりません。リースバックなら、自宅を売却した資金で住宅ローンを完済した後も、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。今後も自宅に住み続けたいなら、リースバックも選択肢のひとつになるでしょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済事例 ここでは、老後資金を確保するために不動産を活用した事例を2つ紹介します。 事例①:住宅ローン+管理費の支払額が大きく、毎月の返済がつらい Aさんの住宅ローンの状況 年齢63歳(住宅ローン借入年齢40歳) 借入金額1,700万円(当初借入金額4,000万円) 借入金利2.0% 返済期間12年(当初借入期間35年) 毎月返済15.7万円(ローン返済 + 管理費等) Aさんは、自宅マンションの購入で借りた住宅ローンの返済がまだ12年残っていますが、ローン返済と管理費の支払額が大きく、家計を圧迫しています。そこで、毎月の収支を改善するためにリースバックを利用しました。 Aさんのリースバック利用後の状況 年齢63歳 借入金額0円 家賃11万円 リースバックを利用したことで、住宅ローンを完済したうえで、手元資金300万円を確保しました。買取の金額は2,500万円まで可能とのことでしたが、毎月の支払いを抑えるために調整した結果、毎月の支払い額を4.7万円削減することができました。 事例②:急遽お金が必要となったが預貯金がほとんどない Bさんの住宅ローンの状況 年齢67歳(住宅ローン借入年齢35歳) 借入金額300万円(当初借入金額3,500万円) 借入金利2.0% 返済期間3年(当初借入期間35年) 毎月返済11.6万円 Bさんは急遽まとまったお金が必要になりましたが、預貯金がほとんどない状況です。住宅ローンの返済は残り3年で残債も少なくなっていたので、必要資金の借り入れと併せて、返済負担の大きい住宅ローンの完済のため、以下の条件で不動産担保ローンを借りることにしました。 Bさんの不動産担保ローン利用後の状況 年齢67歳 借入金額500万円 借入金利5.0% 返済期間10年 毎月返済5.3万円 自宅を担保に不動産担保ローンを利用することで、住宅ローンの完済費用と急遽必要となった資金を調達できました。また、返済期間を10年としたことで、毎月の返済金額を6.3万円削減することに成功しました。なお、諸費用は20万円程度かかりましたが、融資金で精算することで、持ち出しなく融資を受けることが出来ました。 まとめ 60歳を過ぎて住宅ローンの返済が残っていると、老後の生活費に不安を感じるかもしれません。しかし、不動産(自宅)をうまく利用すれば、毎月の支払額を減らしたり、まとまった資金を調達したりすることも可能です。不動産を利用した老後資金の確保を検討してみましょう。 リ・バース60の商品詳細はこちら 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 夫婦の老後資金はいくら必要?足りない時の対処法も紹介 「人生100年時代」や「老後2,000万円問題」などに起因して、「老後資金」という言葉が注目を集めています。老後破産に陥らないためにも、夫婦で必要な老後資金を把握し、なるべく早くから準備して...
飲食店を開業しようと思っても、飲食店を開業するためにどのような費用がかかるか知らなくてはなりません。また、いくらかかるのかを把握したうえで、どのような資金調達方法を選択するか決める必要があります。 この記事では、飲食店の開業費用がいくらかかるのか、資金調達方法として不動産担保ローンを活用する事例を紹介します。 小さな飲食店の開業資金はいくら必要? 自分の店(飲食店)を持ちたい。そんな夢を抱いている人や、あるいはすでに準備を進めている人もいることでしょう。では、小さな飲食店を開こうと思った場合、どれくらいの開業資金が必要になるのでしょうか。開業資金がいくらかかるかは、店の場所や規模、具体的な内容によって大きく異なりますが、具体的な開業資金の目安として次のような費用があります。 物件取得費 店舗用物件を借りるためには、契約をする際に必要となる保証金(10カ月分)や礼金(1~2カ月分)、仲介手数料(1ヵ月分)、前家賃(1ヵ月分)などがかかります。他にも、物件によっては保証会社への加入が義務付けられている場合があります(1ヵ月分程度)。そのため、借りる物件の約1年分の家賃が必要となります。 店舗工事/設備費 店舗を開くからには自分好みのデザインにリフォームする必要があるかもしれません。費用として、店舗の内装・外装等の設計・工事費や、厨房機器や店内のカーテンやテーブル・イスなど家具類の購入費用がかかります。 備品/諸経費 食器や調理器具、メニューボード、レジや電話機、パソコンなどの備品や、店のロゴやチラシ、領収書、スタンプなどの文具類なども必要です。火災保険に加入する保険料もかかります。一つ一つは大きな金額でなくとも、合計すると数十万円単位でかかるので、しっかりと見積もっておきましょう。 予備費(運転資金) 準備が終わり、いざ開店してもすぐに売上が安定するとは限りません。しかし、その間も家賃や人件費、材料費などの支出は発生し続けます。そのため、売上がなかったとしても運営できるよう、少なくとも予備費として月々のランニングコストの3~4カ月分は必要でしょう。 全体で必要になる資金はこれらを合算した分といえます。どのような店か、家賃はいくらか、飲食店の種類、スタッフの人数などで予算は大きく異なります。しかし、それほど家賃の高くないエリアで、かつアルバイトを雇って自分で経営する小さな飲食店でも、1,000万円前後の資金は必要でしょう。 知っておきたい「FLコスト比率」 飲食店を経営しようと思ったら、「FLコスト比率」を知っておく必要があります。「FLコスト」は、F=Food(食材費)、L=Labor(人件費)の両方を合わせた金額で、飲食店における重要なコストです。 このFLコストが売上高に占める割合を見たものが「FLコスト比率」です。売上が月100万円で、食材費が25万円、アルバイトなどの人件費が25万円の場合、FLコスト比率=(25万円+25万円)÷100万円=50%となります。 売上からFLコストを引いた残りから、家賃や水道光熱費、設備などの減価償却費、消耗品費、雑費ほかのコストを差し引いた分が利益です。FLコスト比率が高くなりすぎないようにすることが、利益を出すためにも重要だと言われています。この数字のバランスも念頭に置いて、開業の準備を進めましょう。 開業資金に補助金・助成金は使える? 開業資金を捻出する際に、各種補助金や助成金は利用できるでしょうか。飲食店の開業でも使える補助金・助成金が見つかる場合がありますので、あらかじめ調べてみましょう。 募集がない年もある他、地域や年齢が限定されているものなどもあるので注意が必要です。 地域創造的起業補助金 ホームページには「新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的に、新たに創業する者に対して創業に要する経費の一部を補助します」とあります。補助率は50%以内で、外部の調達資金がない場合は50万~100万円、ある場合は50万~200万円。新たに従業員を1名以上雇うなどの条件があります(平成30年度の場合)。ただし、令和元年度、2年度の同補助金の募集は予定されていません。 若手・女性リーダー応援プログラム助成金 東京都中小企業振興公社の助成金です。都内商店街の活性化を図るため、女性または39歳以下の若手男性が新規開業をする際に、店舗の新装・改装・設備導入等に要する経費の一部を助成します。助成は最大730万円(事業所整備費400万円、実務研修受講費6万円、店舗賃借料1年目:月15万円、2年目:月12万円)で、助成率は実費の4分の3です。事業所整備費・実務研修受講費は開業後に、店舗賃借料は交付決定日から1年経過後と2年経過後に交付されます。 こうした補助金や助成金は通常、支払いが発生した後の清算払いになります。開業資金を支払う時点では間に合わないので、資金計画をしっかり立てる必要があります。また、審査がある場合は要件に合致しても利用できないこともあるため、過剰に期待しすぎないことも大事かもしれません。 開業資金不足を融資で補うには? 一般的に、開業資金は自己資金と融資がベースになるでしょう。融資を検討する際に、まず浮かぶのは地域の信用金庫ですが、それまでの事業実績がないと融資を受けるのは難しいという現実があります。通常だと、事業実績がなくても利用できて、比較的低利で借りられる日本政策金融公庫に相談することになります。 しかし、日本政策金融公庫でも、もちろん本人の返済能力や事業計画を審査され、内容によっては審査が通らず利用できないケースもあります。その他、自治体の制度融資を利用する方法もあります。制度融資とは、自治体と信用保証協会、金融機関が連携して、創業間もない中小企業や個人事業主への融資を行うものです。 具体的には、自治体が推薦する形で、信用保証協会の保証を付けて金融機関が貸出しを行っています。自治体によっては保証料や金利の一部を負担してくれるところもあり、比較的低利で借りることができます。ただし、融資実行まで時間がかかる点がデメリットです。 不動産担保ローンの活用も 不動産を活用して開業資金を調達する方法もあります。それが、不動産担保ローンです。不動産担保ローンとは、土地や戸建て、マンションなどの不動産を担保にした融資商品です。 金融機関によっては本人名義の物件だけでなく、配偶者や親名義でも担保にできるところもあります。有担保のローンのため、無担保ローンに比べて低金利で利用でき、返済期間も長期で利用することが可能です。また、資金使途が限定されないフリーローンで、開業資金や事業資金として利用できます。不動産の評価や審査があるため、融資実行までは2週間から1カ月程度かかります。 まとめ 「自分の飲食店を持つ」という夢を実現するためにも、事業計画とともに資金調達も重要な要素です。コロナ禍の中でも生き残っていけるよう、よりよいアイデアとプランを立てることは大事です。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 無料の仮審査を申し込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。 次に読むべき記事 不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りるローンのことです。無担保ローンに比べて、まとまった金額を低金利で借りられる一方、返済が滞ると不動産が競売にかけられるリスク...
住宅ローンを借りて自宅を購入した後、急な転勤などで、住み替えが必要になった場合、いずれは元の自宅に戻りたいと考え、自宅を賃貸に出せないか検討することもあるかもしれません。この記事では、住宅ローンの残債がある自宅を賃貸に出したい時、どのように対処すればいいかについて解説します。 住宅ローンが残っている自宅は原則賃貸に出せない 結論から言うと、住宅ローンを借りたまま自宅を賃貸に出すことは原則できません。なぜなら、住宅ローンの資金使途は「自己居住用の不動産」の購入に限定されており、賃貸に出した時点で「自己居住用」ではなくなってしまうためです。 仮に、住宅ローンを借りている金融機関に無断で自宅を賃貸に出し、それが発覚した場合、住宅ローンの一括返済を求められる恐れがあります。 まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しよう 住宅ローン返済中の自宅を賃貸に出したい場合には、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しましょう。金融機関がやむを得ないと判断すれば、自宅を賃貸に出すことを許可してくれる可能性もあります。 もちろん、賃貸に出すことを認められないことも往々にしてあるので、その時には、不動産投資ローンへの借り換えを検討するといいでしょう。 不動産投資ローンへの借り換えは慎重に 上述のとおり、住宅ローンの資金使途は、自己居住用の不動産の購入に限定されています。そのため、「不動産投資ローン」に借り換えることで、自宅を賃貸に出せるようになります。一方で、不動産投資ローンへの借り換えは、金利の上昇や総返済額の増加などのデメリットもあります。 一般的に、住宅ローンは不動産投資ローンよりも金利が低いので、借り換えによって金利は上昇し、総返済額が増加します。一方で、自宅を賃貸に出すと家賃収入が得られるため、安定した家賃収入が見込める物件であれば、家賃収入だけでローンを返済できるかもしれません。また、借り換えに際して、返済期間を延ばせば、毎月の返済額を減らすことができる可能性もあります。 なお、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に借り換えの相談をすると、キャッシュフローの改善を含めた提案をしてもらえるかもしれません。まずは、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に相談して、提示された条件をもとに、借り換えをするかどうか判断するといいでしょう。 住宅ローンから不動産投資ローンへの借り換えイメージ ここでは、住宅ローンから不動産投資ローンへの借り換えイメージを紹介します。サラリーマンのCさんは、勤務している会社から海外赴任の内示を受け取りました。住宅ローンが残っている自宅を賃貸に出し、海外赴任が終わったタイミングで、住み慣れた自宅に戻ることを考えていました。 Cさんはまず、住宅ローンを借りている金融機関に相談をしましたが、賃貸に出すことを認められませんでした。そのため、住宅ローンが残っている自宅を担保にして、不動産投資ローンへの借り換えを行いました。その結果、借り換え前と借り換え後の状況は下表のようになりました。 借り換え前 借り換え後 ローン残高 2,500万円 2,560万円* 返済期間 20年 20年 金利 1.50% 6.00% 月々の返済額 12万円 18.3万円 家賃収入 0万円 18.7万円 ※借り換えに際して、2,500万円に諸費用として2.20%を上乗せしています。 借り換えによって金利は1.5%から6.0%に上がり、月々の返済額が6.3万円増加しました。一方で、自宅を賃貸に出すことで、月々18.7万円の収入が得られるようになりました。そのため、月々の負担なく不動産投資ローンの残債を減らしていくことに成功しました。 実際に借り換えを行う場合は、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に申し込みを行いましょう。審査に通過したら、住宅ローンを借りている金融機関に、返済可能日などを確認のうえ、契約手続きを進めます。手続きの流れの詳細は、以下の記事で詳しく紹介しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンへの借り換えを分かりやすく解説 まとめ 住宅ローンのある自宅を賃貸に出したい場合は、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談してみましょう。そして、賃貸に出すことが認められなければ、不動産投資ローンへの借り換えを検討するといいでしょう。ただし、不動産投資ローンへ借り換えるためには、審査に通過する必要があるため、自身の希望だけでなく、借り換えがそもそもできるのかなどを確認してみましょう。 無料相談してみる SBIエステートファイナンスが不動産担保ローンの疑問にお答えします。 無料相談をしてみる SBIエステートファイナンスが不動産担保ローンの疑問にお答えします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説 持ち家に住んでいても、住み替えなどを理由に自宅の売却を検討することがあるでしょう。不動産を売却したことがないと、どのように手続きを進めればよいかわからないかもしれません。また、どうせ自宅を売...
親の医療費や介護費用が、ご自身の家族の教育費などと重なって、ダブルパンチになる世代が増えています。高齢の親の入院など急な連絡をもらっても慌てずに対処できるよう、お金の調達の選択肢を増やしておくことはとても重要でしょう。 この記事では、急な入院や介護費用を心配するアラフィフ世代からみた、親の医療費や介護費用、その長期化を視野にいれた資金調達の手段についてご紹介します。 [ご相談者 Kさん] 51歳 男性。妻と子供3人。子は大学2年生、高校3年生、高校1年生 父は既に他界していて、82歳の母が地方の実家で一人暮らし。 母が転んで骨折し、入院。どうやら介護も必要な様子。 自分はこれから教育費がピークを控えているので、母の医療費や介護の費用などは、母の財産で捻出できたらと思っている。 (1)母入院の急な連絡、医療費や介護費用含めたお金が心配 Kさん:先日、母が入院したと連絡があり、ビックリしました。転んで骨折したらしいのですが、歳も歳なので、介護が必要になりそうで、お金もどうなるかとても不安です。 FP吹田:それはお母様も、付き添う人も大変ですね。入院期間はどのくらいかかりそうなのですか? Kさん:3~4カ月はかかるらしいです。まず医療費が気になりますね。自分も姉も、ちょうど子供の大学などお金がかかるピークなんですよ。 FP吹田:皆さんお子さんの教育費とダブルで気がかりなのですね。お母様の医療費は、後期高齢者医療制度で、健康保険の適用範囲内なら高額療養費制度を利用することで1カ月一定額までの負担になるようになっています。お母様が年金収入のみとして、課税所得145万円未満の一般世帯なら、入院と外来で1カ月に57,600円が上限と言われています。 Kさん:1か月に約6万円ですか。介護の費用がかかり始めたら、更にですよね。 FP吹田:はい、医療と介護と両方お金がかかることに対しては、高額介護合算療養費という制度で上限が設定されています。詳細は自治体に確認していただくことになりますが、東京都の場合、後期高齢者医療制度+介護保険制度を合わせて、所得が一般世帯なら自己負担も年額56万円までとなっています。 Kさん:なるほど。医療と介護を合わせた上限ですね。母の住む市町村に問い合わせてみます。ただ、実際には、移動や付き添う交通費もかかるし、母のことがいつまで続くのか、先が見えないんですよね。公的な貸付制度ってなかったでしょうか? FP吹田:はい、先ほどの高額療養費の範囲内で貸付を受けられる高額医療費貸付というのものもあるのですが、これは「貸付」といっても、実際は、借りるお金が高額療養費の申請後に還付されるだけで、戻ってくる分の先払いにすぎません。自己負担上限までの負担は実際、変わらないのですよ。お母様ご自身の預貯金などは、おありなのでしょうか? Kさん:それが、不動産はあっても、年金が少なくて、預貯金はあまりないのです。母のリハビリとかが長びいても安心できるような資金調達とか何かないでしょうか? (2)自宅を相続後、売却するつもりならリースバックを考えて FP吹田:そうでしたか。不動産はおありなのですね。 Kさん:はい、父からの相続で不動産はみな母が引き継いだのです。地方なので、自分も姉も、その土地があっても今の子育て環境では活かせないと話しまして。 FP吹田:お子さんの受験などを考えると、実家に戻ることもないということですね。 Kさん:はい、おそらく、自分も姉も、実家に戻ることはなく、いずれ母が亡くなったら、売却を考えることになるかと思います。 FP吹田:なるほど、亡くなられた後に売却されることをお考えでしたら、ご自宅などの不動産のリースバックという方法を検討されてはいかがでしょうか? Kさん:リースバックですか? FP吹田:はい。不動産業者に不動産を売却するけれども、そのまま借りるという仕組みで、ご自宅などお母様の住む環境は全く変えずに、不動産を活用して資金を捻出できる方法の一つです。 Kさん:なるほど。名義は変わるけれども、実態は変わらないから、母に負担はかからないのですね。いずれ売却する不動産なら、時期が早まるだけだから、問題なさそうですね。 FP吹田:はい。所有権を手放すので、中には淋しく感じる方もいらっしゃいますが、相続後に売却すると思っていらっしゃるなら、逆に、今後の固定資産税などの納税義務や地震や災害での修復などの重荷から早めに解放されるとも言えます。念のため、メリット・デメリットを以下の表にまとめてみました。 (3)リースバックのメリット・デメリットとは 【表】リースバックや高額医療費貸付のメリット・デメリット リースバック 高額医療費貸付(国保) 仕組み 不動産の売却と賃貸の組み合わせ 高額療養費支給見込み額の9割相当額の貸付 メリット ・買主を探す必要がなく、現金化までの期間が比較的に短い ・引越す必要がなく、環境が変わらない ・資金使途が自由 ・高額療養費制度の申請後に清算され、長期の借金ではない ・無利子 ・保証人不要 デメリット ・売却価格が周辺相場よりも安くなりがち ・毎月のリース料(家賃)が発生する ・資金使途が医療費のみ ・貸付限度額がある Kさん:なるほど。資金使途が自由なら、医療費や介護費用と、万一の葬儀関係費用も含めて賄えたら、一気に不安が消えるような気がします。 FP吹田:そうですね。特に介護費用については、介護保険適用外の出費もありうるので、予算が大きく変わる可能性があります。その意味で、自由に使えるお金があるというのは安心感につながるでしょう。リースバックは、通常の不動産売却に比べると、買主とのやりとりなどの時間がかからなくて迅速な一方、売却価格が低めになりがちなど一長一短ですが…。 Kさん:それはやむを得ないですね。こちらも急いで資金を確保したいので。 FP吹田:それをご理解の上なら、問題ないでしょう。仮に亡くなられてからでは、お母様の資産を動かすのは、遺産分割協議を終えてからでないとできません。ですから、意思決定できるお元気なうちにお母様にも相談をされたほうが良さそうですね。 Kさん:幸い、母はまだ認知症の症状は出ていませんし、お金のことは心配しているはずなので、姉とともに相談してみます。特に、子供の教育費にしわ寄せがいかないように対策がとれるのなら、前向きに検討できると思います。 FP吹田:お母様やお姉様、皆さんにとって、一番不安や負担がない方法として、ご相談してみてくださいね。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 まとめ 医療・介護費用を捻出したい場合の選択肢は以下のとおりです。 国保の高額医療費貸付 無利子だが、高額療養費支給見込み額の9割相当以内で、還付される分の先払いにすぎない。高額療養費制度の自己負担額そのものは払うことには変わらない。 リースバックの可能性は? 不動産業者に売却するので、比較的短期間で資金を捻出できる。 資金使途も制限がないので、介護費用などの予算変動にも対応できる。 所有権は手放すが、実質的な環境は変わらないので、家族で協力しやすい。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 次に読むべき記事 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...
50代になると、子どもの教育費もピークを迎えます。また、親も70代を超え、入院したり、介護が必要になったりすることも。あるいは、不動産投資や事業を始める資金が必要になるケースもあるかもしれません。何らかの理由でまとまった資金が必要になったとき、持ち家があれば資金を工面できる場合があります。どのような活用法が可能か、考えてみましょう。 仲介会社を利用して売却する 持ち家がある世帯で、資金を作り出す方法としてまず考えられるのは、持ち家を売却して現金化する方法でしょう。ご主人に先立たれ、広すぎる家を売却してUR賃貸住宅など入り、売却資金はいずれ介護が必要になったときの資金として温存する、といった方もいました。 住宅の売却で動きが出やすいのは、通常だと、転勤などの節目となる春(1~3月頃)、秋(9~11月頃)ではないでしょうか。買い手が見つかって売買が終了するまでは、通常だと2カ月~6カ月程度かかりますが、売り出すタイミングによっては時間がかかることも知っておきましょう。実勢価格(時価)が5,000万円程度の物件の場合、5,000万円程度の資金を取り出すことができます。ニーズさえあれば、物件の場所は問われません。 実際に住宅を売却する際には、売却を依頼した不動産会社が物件情報を「レインズ(不動産情報ネットワーク)」と呼ばれる専用サイトに登録します。そのため、依頼する不動産会社の規模による優劣は特にないといわれます。査定を依頼して、高額査定を出してきても、それで売れるとは限りません。最後は担当者の人柄や経験、仕事ぶりで満足度が変わるように思います。 売却時には、次のようなコストがかかります。 仲介手数料:不動産売却価格の3%+6万円+消費税 印紙税:不動産売買契約書に収入印紙を貼り、割印。1,000万円超5,000万円以下で1万円など。 登記費用:住宅ローンが残っていて「抵当権抹消登記」を行う場合は登記費用がかかります(登録免許税と司法書士の報酬) ハウスクリーニング費:広さや依頼する人数により5万~15万円程度。自分で行えば無料。 引越費用:業者や荷物の量、移動距離、サービス内容で異なります。数万円~数十万円まであります。 なお、売却後は家がなくなりますが50代であれば新たに住宅ローンを借りて今後の生活に合わせた家を購入する、賃貸住宅を借りるなどの選択を取ることが可能となりますので、売却する際には併せて考えておく必要があります。 <持ち家を売却(仲介)>のポイント 仲介で個人に売却して現金化 物件の場所は問わない 入手できる金額は5,000万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却のためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 納得できる価格で売却しようと考える場合、時間がかかる 不動産会社へ売却する 持ち家を売却して現金化する際、仲介で個人間の売買を行うには時間がかかりすぎる場合には、不動産会社に買い取りを依頼する方法もあります。仲介で売却する場合と異なり、時期などに関係なく、しかもスピーディに売却することができます。ニーズさえあれば、物件の場所は問われません。 ただし、不動産会社が買い取る際には、市場価格の6~8割程度になります。時価5,000万円の物件の場合、3,500万円前後の売却額となる可能性が高いでしょう。不動産会社は、買い取った物件をリフォームやリノベーションをして付加価値をつけて再販して利益を得ているためです。 一方で、相手が不動産会社のため、売却時にかかるコストのうち、仲介ではないため仲介手数料がかからず、不動産取得税や登録免許税は不動産会社の負担になり、登記費用も不動産会社の負担になります。また、リフォームなどを行うことから、ハウスクリーニングもせずに売却できるといったメリットもあります。 仲介で売却する際と同じく、売却後は家がなくなりますので新たな家を購入する、賃貸住宅を借りるなど考えておく必要があります。 <持ち家を売却(不動産会社)>のポイント 不動産会社の買い取りで現金化 物件の場所は問わない 入手できる金額は3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却のためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 スピーディな売却が可能 賃貸に出し、毎月一定の収入を得る 自宅を賃貸に出すことで、収入を得ることもできます。全国どこでも可能ではありますが、立地や不動産のタイプなどが、賃貸ニーズに合っていることが大前提です。 入手できる資金は、表面利回り4~5%と仮定した場合、年200万円~250万円。仮に同条件で20年借り手がついたとすると、4,000万円~5,000万円になり、しかもその時点の住宅の評価額分の価値が残ります。 自宅を賃貸に出すには、まずは自分たちが住む場所を確保して引越さなくてはなりません。また、貸出しができるようにリフォームをしたり、ハウスクリーニングを行ったりする必要があり、実際に家賃収入が発生するまでには、最低でも1カ月~3カ月以上(賃借人が見つからないと長期化する場合も)はかかります。そのため、ある程度の資金的ゆとりや時間的ゆとりが必要です。 <賃貸に出す>場合のポイント 自宅を賃貸に出すことで資金を作る 場所は限定されないものの、賃貸ニーズがあることが大前提 入手できる資金は表面利回り4~5%と仮定した場合、年200万円~250万円 賃貸に出すためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 家賃収入が発生するまでには、最低でも1カ月~3カ月以上かかる(賃借人が見つからないと長期化する場合も) 不動産担保ローンでまとまったお金を借りる 不動産担保ローンとは、不動産を担保にして借りるローンのことです。実際には、担保となる不動産に抵当権を設定して借り入れをします。土地や一戸建て、マンション等が対象ですが、物件の立地は流動性の高い主要都市に限られる金融機関が多いようです。。 通常は本人名義の不動産が対象ですが、金融機関によっては配偶者や親名義の不動産でも担保にできるところもあります。使途が限定されないフリーローンですが、事業資金としては使えないことが多いようです。 不動産担保ローンの特徴としては、次のような点が挙げられます。 無担保のカードローンに比べ低金利で利用できる 借入限度額が大きい(時価5,000万円の場合、約3,500万円の借入が可能) 最長35年など長期で借りることもできる 一方で、次のような点に注意が必要なことも押さえておきましょう。 不動産の評価や審査に時間がかかり、融資実行まで1週間~1カ月程度かかる 不動産を担保とするため、事務手数料や不動産鑑定費用、印紙代、抵当権・根抵当権の登記費用などがかかる 返済不能になると担保不動産が処分される 完済時の年齢が70歳までなどと上限を設けている金融機関もある <不動産担保ローン>のポイント 所有する不動産を担保にお金を借りる 物件の場所は主要都市に限られる 入手できる金額は3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 融資実行まで1週間~1カ月程度かかる 完済時の年齢が70歳までなどと上限を設けている金融機関もある リースバックで持ち家を売却し、賃貸する 「リースバック」とは、自宅をリースバック専門の不動産会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組みです。売却代金は一時金で受け取ることができ、使途に制限はありません。物件の立地は流動性の高い主要都市に限られ、リースバック会社によっては、最低物件価額が設定されている場合もあります。借地は対象外の不動産会社もありますので注意が必要です。 売却代金を受取るのは、2週間~1カ月程度と早めです。しかも、引越さずにこれまでの住まいに住み続けられる点は、突発的な事態に見舞われている状況下では大きなメリットと言えそうです。ただし、リースバックでは自宅を売却するため、所有権はなくなります。 売却価額は相場よりも低めで、時価5,000万円の物件の場合で最高3,500万円程度です。物件は買い戻すこともできますが、その際は通常、売却価額よりも高めになります。また、毎月の家賃(リース料)には、固定資産税や火災保険・地震保険料、マンションなら管理費・修繕積立金も含まれ、やや高めの水準になる場合も。 対象となる人の年齢条件が「50歳以上」などと設定されていたり、全く設定がなかったりと、リースバック会社によって細部が異なりますので、確認して利用しましょう。職業や年収などの条件は厳しくなく、年金収入のみの人でも利用できます。 <リースバック>のポイント 自宅をリースバック会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組み 物件の場所は主要都市に限られる 入手できる金額は最高3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却代金を受取るのは2週間~1カ月程度かかる リバースモーゲージでお金を借りる 自宅に住み続けながら、自宅を担保にして一時金や月々の生活費を借りる仕組みが「リバースモーゲージ」です。一部の金融機関で扱っています。利用できる年齢は55~65歳以上などと高めです。何かの事情で資金不足になった人のほか、住宅ローン残債の返済から解放されたい人、夫婦の一方が入院したときに入院費用や生活費の不足分などを補うといったときにも利用できます。 借り入れには、毎月(または毎年)一定額の融資を受ける「年金型」、一時金としてまとまった金額を一括で借りる「一括融資型」、必要なタイミングで借りる「枠内自由引出型」があり、金融機関によって異なります。 リバースモーゲージは、金融機関によって、エリアや不動産の種類、最低評価額が決められていることがあります。エリアは首都圏中心と限定されていることが多く、不動産の種類も一定評価額以上の戸建てが中心であることが多くなっています。他にも、相続人全員の同意がないと利用できないなど、借入要件が厳しめです。 なお、リバースモーゲージを利用するには、1週間~1カ月程度かかります。時価5,000万円の不動産だった場合で、最高3,000万円程度までの借入ができます。実際には、「年100万円」「毎月8万円」などといった借り方もあります。利息だけを毎月返済するのか、借入期間は全く返済せずに満期や亡くなったときに住宅を売却して返済するのかなど、契約で異なります。 また、相続人全員の同意が必要であったり、連帯保証人を求められたりすることもあります。「55歳以上」など年齢制限があり、それより低いと利用できません。 あらかじめ設定した契約期間が満了したり、利用者が亡くなったりしたときに、自宅を売却して返済します。返済後に残金があれば遺族に支払われますが、逆に、売却しても残債が残る場合は遺族に請求がいく場合があります(リコースタイプ)。最近は、残債があっても請求されないノンリコースタイプも増えています。 <リバースモーゲージ>のポイント 自宅に住み続けながら、自宅を担保に一時金や月々の生活費を借りる仕組み 物件の場所は首都圏等に限られる 入手できる金額は合計で最高3,000万円程度(時価5,000万円の物件の場合) リバースモーゲージで資金を入手するには1週間~1カ月程度かかる 利息だけを毎月返済するタイプもある 設定した満期や亡くなったときに住宅を売却して返済する まとめ 以上、自宅を活用して資金を生み出す方法と目安額、それぞれの概要などを見てきましたが、それを整理したのが下表です。 どの方法が自分に合っているのかは、どれくらいの資金が必要で、どれくらい急いでいるのかなどによっても異なります。また、物件の状況(築年数、所在地、戸建てなのかマンションなのか)によって、一部の方法に利用が限られる場合もあります。 さらに、借り入れの場合は、実際に適用される金利も1つの判断材料となるかもしれませんし、自身の収入状況によっては利用できない場合もあります。 まずは各サービスを提供する会社に問い合わせをした上で、希望する方法が選択肢として選べるのか、手にできる資金の金額はいくらなのか、下記のような比較表を作成し、どの方法がご自身の状況に最適なのかを見極めることをお勧めいたします。 表 自宅を活用して資金を生み出す方法 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス リースバックならSBIスマイル 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックと不動産担保ローンの違いとは リースバックと不動産担保ローンは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適... 次に読むべき記事 【FP解説】不動産担保ローンとリバースモーゲージの違いとは? 「預貯金が十分にはなく、まとまったお金が用意できない」といった悩みを持つことがあるかもしれません。そんな時、持ち家であれば、不動産を活かしてお金を捻出できないか?と思う人もいるのではないでし...
急に親の体調が悪化して、いろいろな準備もままならないままに葬儀に突入する話はよく聞きます。そんな折、葬儀費用を捻出するのにいくつかの方法がありますが、それらを知らずに慌てて行動してしまうと、後で悔やまれることになりかねません。 この記事では、急な葬儀費用でも対処できる方法と、ローンを利用する場合の選択肢についてご紹介します。 [ご相談者 Aさん] 52歳男性。離婚して一人で生活。子供はいない。 親の体調が思わしくなく、2年前より地元にUターンをし、副業として家業の手伝いをすることになった。 その際、一人っ子なので、実家と貸家を生前贈与してもらって、相続時精算課税制度を適用した。 (1)喪主として、葬儀準備で200万円程度が必要に Aさん:一昨年から地元にUターンして暮らし始め、家業の手伝いをしてきましたが、先日、父が他界しまして・・・。 FP吹田:それはご愁傷様です。Uターンされた際は、ご実家には、お父様の他、お母様もいらっしゃったのですか? Aさん:いえ、母は3年前に亡くなりまして、それで父も一気に体力が低下したようでした。一人っ子の自分が喪主になるのですが、葬儀費用を調べたら、どうやら200万円程度はかかりそうです。 FP吹田:喪主として、悲しみも大きい一方で、ご葬儀の準備も、資金面含めて大変ですよね。ご葬儀はいつ頃の予定ですか? Aさん:火葬場が混んでいるらしく、10日後になります。多少は香典があるとはいえ、それまでに葬儀費用をどうやって揃えたらいいか、それが気がかりです。実は、父の銀行預金口座が凍結されてしまいました。 FP吹田:なるほど。ご葬儀は10日後なのですね。銀行口座が凍結されているとのことですが、本来、亡くなられた方の銀行口座のお金を引き出すのは、遺産分割協議が成立して相続手続をしてからになってしまいます。ただ、2019年7月以降、遺産分割協議が成立する前でも、仮払いができるようになりましたが…。 Aさん:仮払いですか。うちはやったほうがいいでしょうか? FP吹田:まず、仮払いには3つの方法があり、次の(2)が比較的取り組みやすいと言われています。 (1)相続人全員の同意書を金融機関の窓口に提出して申請する (2)他の相続人の同意なく金融機関の窓口で申請する (3)家庭裁判所に申し立てる Aさん:なるほど。残高は全額を仮払いできるのですか? FP吹田:(1)のように同意書があれば、全額引き出せますが、(2)で同意書がない場合は、一定の上限額が設けられています。その上限は、法務省令で、一つの金融機関から仮払いを受けられる金額の上限150万円の範囲内で計算された額になっています。なので、一つの銀行では、おっしゃる葬儀費用全額を賄いきれるとは言えないようですね。 Aさん:上限額があるのですね。うちは、一つの金融機関しかないし、半年前からの医療費でかなり使ってしまって残高が少なく、実は入院費の支払いも残っています。やはり仮払い手続きをしても解決しないような気がしてきました。それに、恥ずかしながら、自分の生活で精一杯で、手元資金があまりないので、あとは、カードローンとかくらいしかないでしょうか? (2)ローンという選択肢でも、しっかり情報の比較を FP吹田:そうですか。カードローンは確かに即日融資されるなど、手っ取り早いかもしれません。しかし、何より金利が高いのと、毎月返済額と返済日の設定のみで、具体的な返済期限が設定されていないので、計画的にしないとずるずると延びてしまい、今後の負担が心配です。何か不動産はお持ちでしょうか? Aさん:えっと、父から生前贈与された実家と貸家があります。 FP吹田:なるほど、亡くなられたお父様の財産を相続されていてよかったですね。生前贈与されたAさんご自身の不動産を担保に借入をされる方法があるかと思います。不動産担保ローンと一般的なカードローンの特徴をこちらに一覧にしてみましたので、ご参考ください。 【表】不動産担保ローンとカードローンの違い 不動産担保ローン カードローン(無担保型) 担保不動産なし 金利低め(1ケタ台が多い)高め(2ケタ台も多い) 借入期間長期可能設定なし※1 融資までの時間1週間程度即日可能 対象者所有者本人のほか、家族でも可能本人 保証原則不要※2不要 ※1 基本的に毎月返済額と返済日のみ設定します。 ※2 担保提供者など保証人を必要とする場合もあります。 Aさん:そうか、自分の名義になった不動産なら、不動産担保ローンがいけるかも。金利が低めになることが何よりホッとします。 (3)手続きなど余裕をもって、複数を使い分けする方法も FP吹田:気になるのはスケジュールですね。不動産担保ローンは、審査があるので、融資されるまで数日から1週間程度の時間がかかります。なので、早めに行動されるのがよいかと思います。 Aさん:確かにギリギリだと不安ですね。 FP吹田:間に合うか気になるようでしたら、例えばですが、つなぎ的にカードローンを使う方法もありかと思います。その場合は、不動産担保ローンがOKになったら、すぐにカードローンから借り換えをすれば、カードローンの金利負担も抑えられ、ずるずると完済が延びるリスクも避けられるでしょう。 Aさん:なるほど。その手がありましたか。では、自分名義の不動産を担保にして、不動産担保ローンに申し込んで、状況に応じて、いざというときにカードローンをつなぎに使うというプランで進めてみます。 FP吹田:そうですね。なお、不動産担保ローンを組む際は、必要な借入金額をどのくらいの期間で返済していくか、将来の暮らし方を踏まえて考えていくことが大事です。 Aさん:といいますと? FP吹田:Aさんは、一人っ子でいらっしゃるとのことですが、今後も、思い出のご実家でずっと暮らすご予定でしょうか?それとも、遺産相続手続きがすべて終わって、落ち着かれたら、別のエリアなどに拠点を移す可能性もあるのでしょうか?それによって、不動産を売却される選択肢も出てくるかもしれないと思いまして。 Aさん:確かに、落ち着いたら、不動産を売却するかもしれません。自分ひとりでは、この広い土地のメンテや家業を全部できませんから。もし、売却するのなら、その代金で不動産担保ローンもすぐに清算できそうですが、不動産担保ローンは、どのくらいの期間で考えておいたらよいでしょうか? FP吹田:例えばですが、このようなシミュレーションページがあります(シミュレーションページはこちら)。ここで、借入300万円、金利年率6.5%、返済期間を10年として試算すると、毎月返済額が34,065円ほどになりです。Aさんは今52歳でいらっしゃるので、10年以内には何らかの方向性がみえてくるのではないでしょうか?5年経過時点でも、方向性がわかれば、不動産の売却などで繰上返済をしてもよいと思いますし、月3万円程度であれば、無理なく、今後の生活設計の変更にも対応できるのではないでしょうか? Aさん:なるほど。とってもイメージしやすくなりました。5年はあっという間かもしれず、期間10年くらいまでなら、自分も何かを決断できるかと思います。 まとめ 葬儀費用を捻出したい場合の選択肢 〇親の金融機関口座からの仮払い ・相続人全員の同意書がなくても、金融機関の窓口申請で仮払いできるが、150万円の範囲内で一定の計算額が上限。 ○カードローンの可能性は? ・即日融資されるが、金利が高い。 〇不動産担保ローンの可能性は? ・不動産を担保にするので金利が低め。 ・審査に時間がかかるので、カードローンをつなぎ的に活用して不動産担保ローンに借り換える方法もある。 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 次に読むべき記事 社会人の留学費用調達に教育ローンと不動産担保ローンを比較 大学を卒業して社会人になった後で、もう一度学ぶために留学を考える人もいるかもしれません。教育資金を捻出するために、学生であれば、日本政策金融公庫の国の教育ローンや奨学金を候補にすることもでき... 次に読むべき記事 【FP相談事例】国際結婚の婚活・結婚・住まいの費用に困ったら まじめに仕事に専念してきて、結婚のタイミングを逃してしまった男性も多いのではないでしょうか?いざ落ち着いて、結婚を考えようと思ったら、女性とはなかなかご縁がなく、子供などは絶望的と悩む声も実...
団塊の世代に対して調査を実施 団塊の世代に聞いた住宅事情と老後資金~団塊の世代に対してアンケート調査を実施~ 団塊の世代とは、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれた世代で、この時代は第一次ベビーブームが起きた時期であり、日本経済においては、第二次世界大戦後の高度経済成長、バブル景気を経験している世代でもあります。 年齢で言うと、70~72歳(2019年12月現在)にあたる方々になりますが、彼らが活躍した時代と現代では、産業や技術の進歩だけではなく、価値観も大きな違いがあります。 そこで、この記事では、持ち家に住む団塊の世代の方々の住宅事情や老後に関してのアンケート調査を実施しました。 以下、アンケート結果は、「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の2つのテーマに分けて紹介します。 【回答者】持ち家に住む団塊の世代(70~72歳、2019年12月24日時点) 111名 【回答期間】2019年12月24日~2019年12月25日 ※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。 【回答者の居住地】 2つのテーマのアンケート結果を紹介する前に、団塊の世代の方が、何歳まで生きていたいかを聞いてみました。 設問:人生100年時代と言われていますが、あなた自身は何歳まで生きたいと思いますか? 「85歳まで」が一番多く22.4%、次いで「80歳まで」が20.6%、「90歳まで」が17.8%、という結果になりました。 「あまり生きたいと思わない」「75歳まで」を合わせると13.1%、一方で「100歳まで」「それ以上」を合わせると17.8%となっています。このことから、比較的長生きしたいと思っている方は多いと言えるのではないでしょうか。 それでは、最初のテーマである「団塊の世代の住宅事情」について紹介します。 団塊の世代の住宅事情 設問:あなたの住んでいる物件の種類を教えてください。 「戸建て」が73.8%、次いで「大規模マンション(200戸以上)」が10.3%、「中規模マンション(50~200戸未満)」が8.4%、「小規模マンション(50戸未満)」が6.5%となりました。 タワーマンション(高さ150m以上のもの)に関しては、1970年代頃(団塊の世代が20代半ば~後半)から建設が始まったこともあり、今回のアンケート調査では、タワーマンションを購入された方はいませんでした。 設問:あなたが今住んでいる物件はいつ購入しましたか? 「30代」が25.2%、次いで「40代」が23.4%、「50代」が16.8%という結果になりました。 設問:あなたが今住んでいる物件のローンはいつ払い終えましたか? 「50代」が29.9%、次いで「60代」が24.3%、「現金で購入した」が21.5%となりました。 50代までに住宅ローンを払い終えた方が61.6%もいたことは、非常に興味深い結果と言えます。 人生100年時代と言われている一方で、2009年から住宅金融支援機構によって最長50年の住宅ローンが登場し、それを機に、多くの金融機関で40年以上の返済期間の住宅ローンが取り扱われるようになりました。このことを考えると団塊の世代で50代までにローンが完済している割合が6割超というのは、今よりも返済期間がかなり短かったと言えるでしょう。 また、比較材料はありませんが、現金で住宅を購入した方が、20%超もいることは、バブル景気を経験した世代の特徴かもしれません。 次からは、「団塊の世代の老後の資金」について紹介します。 団塊の世代の老後の資金 設問:今後、公的年金以外に、老後資金はどれくらい必要だと思いますか? 「1000~2000万円未満」が24.3%、次いで「わからない」が19.0%、「2000~3000万円未満」が15.0%という結果になりました。 この背景には、金融庁が2019年6月3日に公表した金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の内容が世間的に大きく取り上げられ、「老後資金2000万円」問題として話題になったこともあると考えられます。 次に、そうした資金への蓄えがあるかどうかを聞いてみました。 設問:あなたは前問で答えた老後資金に対して十分な備えがありますか? 「ない」と答えた方が6割超の61.7%、「ある」と答えた方が38.3%という結果になりました。 次に、「ある」と答えた方にどうやってその資金を蓄えたのか、「ない」と答えた方に今後どうやってその資金を確保しようと考えているかを聞いてみました。 設問:前問で「ある」と答えた方にお聞きします。どうやって備えましたか? 「預貯金」が80.6%、次いで「退職金」が64.5%、「保険」「株式」が38.7%と続きました。 「退職金」の割合が多いのは、日本固有の慣行である終身雇用がまだ残っている時期に退職を迎えた方が一定数いたからだと考えられます。 また、「株式」の割合が多いのはバブル期の株式投資ブームで、株式投資が身近な存在であり、経験者が多いことが想像できます。 設問:前問で「ない」と答えた方にお聞きします。どうやってその資金を確保しようと考えていますか? 「これからも働く」が圧倒的に多く60.0%、次いで「当てがない」が26.0%、「不動産の売却」が12.0%という結果になりました。 「これからも働く」という方が多いのは、現在、高齢者を積極的に採用する企業が脚光を浴びてメディアに頻繁に紹介されているなど、老後でも高齢者が働ける環境になっていることが要因のひとつではないでしょうか。 また、「当てがない」という方が2割以上いるという点は、非常に興味深いと言えます。 まとめ 今回は、団塊の世代に対して「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の2つのテーマについて調査しました。 住宅については、当時景気が良かったこともあり、今と比べて圧倒的に戸建て住宅に人気があったようです。また、住宅ローンが今と比べて短い期間で設定されていることもわかりました。住宅を現金で購入する方が2割もいたのは、この世代ならではのことだったのかもしれません。 また、老後の資金については、まだ確保できていない方が多く、「これからも働く」「当てがない」と考えている方が8割以上いることがわかりました。老後については考えるべきことがまだまだありそうです。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産のプロが選ぶタワーマンションの価値が上がる場所とは? タワーマンションに関する調査を実施 東京近郊のタワーマンションで一番価値が上がるエリアは? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳に... 次に読むべき記事 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...