住まいのことが知りたい

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「住まい」の記事一覧

  • 仮住まいなしで住み替えをする5つの方法

    仮住まいなしで住み替えをする5つの方法

    持ち家の方が自宅を住み替える場合、住み替えの方法によっては仮住まいが必要です。 仮住まいとして賃貸物件を借りると、毎月の家賃だけでなく、引っ越し費用や敷金・礼金などの費用もかかります。また、通勤や生活の便、子どもの学区などを考慮して物件を探さなくてはならないため、負担が大きいでしょう。 住み替えで仮住まいを準備せず、直接新居へ引っ越すにはどうすればよいのでしょうか。この記事では、仮住まいなしで住み替えをする方法を5つ紹介します。 買い先行(ダブルローン) 買い先行とは、新居の売買契約を済ませてから持ち家の売却を行う方法です。自宅を売却する前に住み替えができるため、引っ越しは1回で済みます。自宅を空室にしてから売却するので内覧希望者に対応しやすく、高値で売却しやすいのもメリットです。 買い先行の注意点は、自宅の住宅ローンの残債が大きいと、新居の住宅ローン審査が厳しくなることです。住宅ローンを組めなければ、新居購入は難しくなります。また、新居の住宅ローンが通ったとしても、現在の自宅とのダブルローンとなります。そのため、自宅の売却に時間がかかると、返済負担が大きくなる恐れがあります。 買い先行は、自宅の住宅ローンを完済している人や資金力のある人向けの選択肢といえるでしょう。 買い先行(売却つなぎ) 買い先行では先に新居を購入するため、自宅の売却代金を新居の購入に使うことができません。気に入った物件が見つかっても、頭金や手付金を用意できなければ新居の購入は難しくなります。 つなぎ融資で現在の自宅を担保に融資を受ければ、住み替えによる一時的な資金不足を解消でき、新居の頭金や手付金の問題で、新居購入に進めない問題を解決できます。つなぎ融資の借入期間は通常1年以内の短期で、自宅の売却代金で一括返済する仕組みになっています。 一方で、住み替えでつなぎ融資を利用する際には以下のような注意点があります。 住宅ローンに比べて金利や事務手数料が高い傾向にある 新居の住宅ローンの審査に影響を与える可能性がある 自宅の売却価格が予定より下がると返済に支障が出る可能性がある つなぎ融資を扱う金融機関が少ない つなぎ融資はどうしても新居の頭金や手付金が必要で、問題なく返済可能と判断できる場合のみ利用を検討しましょう。 同時決済(不動産仲介) 同時決済とは、自宅の売却決済と新居の購入決済を同日に設定する方法です。新居購入と自宅売却のタイミングを合わせるので、仮住まいなしで住み替えができます。同時決済は「買い重視」と「売り重視」の2つに分けられます。 買い重視:新居を決めてから自宅の売却決済日を合わせる 売り重視:自宅の売却を決めてから新居の購入決済日を合わせる 新居の購入活動を先にすると、納得できるまで物件を探せます。しかし、自宅の売却を購入決済に合わせて決めなければならないので、売却期間が短くなることで、売却価格が安くなりやすいデメリットがあります。 反対に自宅の売却活動を先にすると、売却に時間をかけられるので相場価格で売却しやすくなります。ただし、新居の検討期間を十分に確保できないため、妥協して物件を決めることになるかもしれません。 同時決済を選択する場合には、それぞれの特徴を理解した上で、買い重視と売り重視のどちらで進めるか決めることが大切です。 関連記事はこちら住み替えの方法と成功させるポイント 同時決済(不動産業者買取) 自宅の売却は、不動産業者に直接買い取ってもらう方法もあります。 仲介での売却活動は、買い手が見つかるまでに時間がかかることがあります。買取であれば、比較的短期で決済可能です。そのため、新居を決めてから買取の契約をしても、スピード感を持って対応できます。 ただし、買取は自宅の売却価格が相場価格よりも下がる傾向にあります。同時決済に合わせるために利用する他、不動産仲介での売り出しで長期間売却できなかった場合や、仲介での売却が難しい場合などに利用を検討するといいでしょう。 リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。売却先であるリースバック運営会社に家賃を払うことで、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられます。 リースバックで自宅を売却して住み替えまで住み続ければ、仮住まいは不要です。また、売却代金で自宅の住宅ローンを完済し、残った資金を新居の頭金に利用することができます。 リースバックの注意点は、住み替えまで家賃を払う必要があることです。また、リースバックの売却価格は相場価格よりも下がる傾向にあります。そのため、買取の場合と同様に自宅を高く売却する必要がある方には不向きな方法です。 また、リースバックは先に自宅を売却するので、思うような物件が長い間見つからなくても後戻りしづらい点にも注意が必要です。売却した自宅の買い戻しも可能ですが、買い戻し価格は売却価格より高くなるのが一般的です。 買い戻し条件は運営会社によって異なります。買い戻し価格や買い戻し可能期間などの条件が書面化されていないと、買い戻しできるか不透明な部分もあります。住み替えをやめる可能性がある場合など、リースバックの利用は慎重に判断した方がいいでしょう。 関連記事はこちら住み替えにリースバックを利用するメリットを解説 まとめ 自宅の売却方法を工夫することで、仮住まいなしで住み替えをすることは可能です。今回紹介した方法は、それぞれメリット・デメリットがあります。資産状況や家族構成などから何を優先するかを明確にした上で、自分に合った住み替え方法を選択しましょう。 リースバックならSBIスマイル リースバックの商品詳細はこちら ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの方法と成功させるポイント 持ち家に住んでいても、転勤や家族構成の変化などのライフスタイルの変化などを理由に住み替えを検討することがあるでしょう。 住み替えは新居の購入や自宅の売却、住宅ローンの手続きなど、同時に進めな...記事を読む

    2021.09.01住み替え
  • 住み替えにリースバックを利用するメリットを解説

    持ち家にお住まいの方が住み替えをする場合、「自宅の売却」と「新居の購入」という2つの不動産取引を行います。また、住宅ローンの手続きや仮住まいの準備も必要になるため、計画的に進めないと予想以上に資金や手間がかかるかもしれません。 住み替えをスムーズに進めるにあたり、リースバックを利用することで住み替え時の悩みを解消できる可能性があります。この記事では、住み替えにリースバックを利用するメリットについて詳しく解説します。 3つの住み替え方法 持ち家の住み替え方法は、大きく「買い先行」と「売り先行」、「同時決済」の3つに分けられます。 買い先行は、新居を購入してから自宅の売却活動を始める方法、売り先行は、自宅の売却をしてから新居を探す方法です。それに対して同時決済は、新居購入と自宅売却の決済日を合わせる方法です。 それぞれの方法のメリットやデメリット、選び方については以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら住み替えの方法と成功させるポイント 買い先行とリースバックの比較 買い先行は新居を決めてから自宅を売却するため、住み替え資金の確保や自宅の住宅ローンの返済が課題となります。リースバックを利用すれば、こうした資金面に関するデメリットを解消できます。 ダブルローンの心配がない 自宅の住宅ローンが残っていると、新居の住宅ローンとのダブルローンになる恐れがあります。住宅ローンは、自宅の売却代金で完済できますが、予定どおりに売却できなかった場合はダブルローンとなり、月々の返済負担が大きくなります。リースバックを利用すれば、売却代金で自宅の住宅ローンを完済できるので、ダブルローンの心配はなくなります。 新居の住宅ローン審査に通りやすい 自宅の住宅ローンが残っていると、与信面から新居のローン審査が厳しくなります。理想の物件が見つかっても、住宅ローンを組めなければ住み替えはできません。リースバックで自宅を売却して住宅ローンを完済することで、新居の住宅ローン審査に通りやすくなります。 頭金を用意できる 新居を購入する際は、頭金や手付金として物件価格の10%程度の資金を求められることがあります。買い先行では自宅の売却代金を活用できないため、貯蓄状況によっては手元資金が不足する恐れがあります。リースバックで先に自宅を売却すれば、売却資金を住宅ローンの完済に充て、その残りを頭金に利用できます。 売り先行とリースバックの比較 売り先行は先に自宅を売却するので、新居が決まるまでの仮住まいが必要です。リースバックを利用すれば、新居が決まるまで自宅にそのまま住み続けられるので、仮住まいの問題を解消できます。 仮住まいの手間がかからない 仮住まいを用意する際は、通勤や生活の便を考慮して物件を探さなくてはなりません。子育て中の場合は、子どもの学区内での転居する必要もあります。リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら新居を探すことができます。仮住まいを用意する必要がなく、引っ越しは自宅から新居への1回で済みます。 仮住まいの費用負担が小さく済む 仮住まいへの引っ越しが必要な場合、毎月の家賃だけでなく、転居費用や敷金、礼金などの初期費用も発生します。新居探しが長引けば費用が膨らみ、家計に大きな負担となります。リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら新居を探すことができるので、余分な引っ越し費用がかかりません。加えて、敷金や礼金などが不要なリースバックを利用すれば、さらに余計な費用をかけずに済みます。 住み替えにリースバックを利用する注意点 リースバックを利用して住み替えをする場合、自宅の売却価格が市場価格と比較して安くなる点に注意が必要です。リースバック以外の方法として、不動産業者が媒介して買主を見つける「仲介」と、不動産業者自身が直接購入する「買取」の2つの不動産売却方法があります。 まず、一般的な仲介での売却は不動産の時価を基準に取引されることが多いため、仲介に比べるとリースバックの売却価格は安い傾向にあります。一方で、不動産会社自身が買い取る場合は、リースバック運営会社が買い取る場合と本質的には同じため、売却価格に大きな差はないと言えるでしょう。もし自宅を少しでも高く売る必要がある場合には、仲介で売却活動を進めるのがよいでしょう。 ただし、仲介は買主が見つかるまでに時間がかかることがあります。また、買主が見つかったとしても、希望価格で売却できるとは限りません。仲介や買取、リースバックのどれで売却するかは、売却価格だけでなくその他の費用や手続きの手間も考慮して決めることが大切です。 まとめ 持ち家の住み替えでは、住宅ローンや仮住まいの問題など、スムーズに進められない要因が多々あります。リースバックを利用することで、買い先行や売り先行のデメリットを解消できるかもしれません。住み替えをスムーズに進めたい場合には、リースバックの利用を検討してはいかがでしょうか。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

  • 住み替えの方法と成功させるポイント

    住み替えの方法と成功させるポイント

    持ち家に住んでいても、転勤や家族構成の変化などのライフスタイルの変化などを理由に住み替えを検討することがあるでしょう。 住み替えは新居の購入や自宅の売却、住宅ローンの手続きなど、同時に進めなくてはならないことがたくさんあります。住み替えを成功させるには、どのような方法があるかを理解し、計画的に準備を進めることが大切です。この記事では、住み替え方法の種類と特徴、成功させるポイントをお伝えします。 住み替えの方法は大きく分けて3種類 住み替えの方法は、大きく「買い先行」「売り先行」「同時決済」の3種類があります。 買い先行:新居を購入してから自宅の売却活動を始める 売り先行:自宅の売却をしてから新居を探す 同時決済:新居購入と自宅売却の決済日を合わせる 住み替えでは、「新居の購入」と「自宅の売却」という2つの不動産取引を行う必要があります。どちらを先に行うかによって、買い先行と売り先行に分けられます。 同時決済は、新居購入と自宅売却を同じタイミングで行う方法です。どちらか一方を重視して進める必要があるため、ここから更に「買い重視」と「売り重視」の2通りの方法に分かれます。 買い重視:新居を決めてから自宅の売却決済日を合わせる 売り重視:自宅の売却を決めてから新居の購入決済日を合わせる 住み替えの方法によって、それぞれメリット・デメリットがあるので、特徴を理解した上で自身に合った方法を選ぶことが大切です。 買い先行のメリット・デメリット 買い先行のメリット 買い先行には、以下2つのメリットがあります。 仮住まいを用意する必要がない 自宅を高く売りやすい 買い先行は新居を決めてから自宅を売却するため、仮住まいを用意する必要がありません。引っ越しが「現在の自宅→新居」の1回で済むため、仮住まいの家賃や引っ越し費用を節約できます。 また、買い先行は自宅を空室にしてから売却するので、クリーニングを入れるなど、メンテナンスをすることが出来ます。自身の都合に関係なく内覧希望者にも余裕をもって対応できるため、自身の希望金額に近い高値で売却できる可能性があります。 買い先行のデメリット 一方で、買い先行のデメリットは以下2つです。 新居のローンを組みづらい ダブルローンの可能性がある 買い先行のデメリットは、今の住宅ローンを残したまま新居のローンを組むのが難しいことです。借入金額の上限は年収や既借入によって決まるため、住宅ローンが残っていると、新居の住宅ローン審査が厳しくなります。 たとえ二重でローンを組めたとしても返済が二重になり、負担が増えるため現在の自宅の売却活動が長引けば家計収支が悪化する恐れがあります。 売り先行のメリット・デメリット 売り先行のメリット 売り先行のメリットは以下2つです。 住み替え資金を確保できる 新居のローンが組みやすい 売り先行は、自宅の売却によって手元資金を確保できます。そのため、新居購入に必要な手付金や頭金などの住み替え資金を確保できます。また、売却代金で今の住宅ローンを完済してから物件を探せるので、新居の住宅ローン審査も通りやすいでしょう。 売り先行のデメリット 一方で、売り先行のデメリットは以下2つです。 仮住まいを用意する必要がある 引っ越しを2回する必要がある 売り先行のデメリットは、新居を購入するまでの仮住まいを用意しなくてはならないことです。新居選びが長期化すれば、家賃などの費用負担が増えます。また、引っ越しが2回(現在の自宅→仮住まい→新居)必要になるので、時間や手間もかかります。 同時決済のメリット・デメリット 同時決済のメリット 同時決済には、以下2つのメリットがあります。 仮住まいを用意する必要がない ダブルローンとなることがない 新居の購入と自宅の売却タイミングを合わせるので、仮住まいは不要です。敷金・礼金や家賃、引っ越し費用などのコストを節約できます。また、自宅の売却代金で現在の住宅ローンを完済できるので、ダブルローンを回避できます。 同時決済のデメリット 一方で、同時決済には、それぞれ以下のデメリットがあります。 買い重視の場合:売却価格が安くなりやすい 売り重視の場合:新居探しの時間が短い 同時決済(買い重視)のデメリットは、売却価格が安くなりやすいことです。新居の決済日に合わせて自宅の売却を調整する必要があるので、焦って売却を決めようとすると、希望価格での売却が難しくなり、価格が安くなる場合があります。 また、同時決済(売り重視)のデメリットは、新居探しの時間が短くなることです。先に自宅の売却を決めて、売却日までに新居へ入居する必要があります。そのため、希望条件に合った物件を選ぶ時間を十分に確保できず、物件を妥協して決める必要があるかもしれません。 住み替え方法の選び方 住み替え方法の種類と特徴を確認してきましたが、どの方法を選択すればよいのでしょうか。 資金があれば買い先行がおすすめ 手元資金が潤沢にある状況や新居のローンが通るのであれば、買い先行がおすすめの選択肢といえるでしょう。なぜなら、新居を慎重に決めることができ、かつ今住んでいる自宅を高く売却しやすいからです。 一方で、唯一ダブルローンになる可能性のある選択肢であるため、資金に不安のある方にはおすすめできない選択肢です。既存の住宅ローンが重荷になる場合や、自宅の売却に懸念がある場合は、売り先行を選択しましょう。 手堅く進めたいのであれば売り先行がおすすめ 引越しの手間や費用、毎月の家賃支払いを許容できるのであれば、売り先行がおすすめの選択肢といえるでしょう。なぜなら、先に自宅を売却することで、住宅ローンを完済し新居のローンを組みやすくなるためです。 一方で、新居の住宅ローン審査のために現在の住宅ローンを完済する必要があるが、引越しを避けたいという人には当てはまらない選択肢です。その場合には、同時決済での住み替えを選択しましょう。 同時決済はどちらを重視するかがポイントとなる 引越しは一度で済ませたいが、買い先行だとローンが通らない場合などは同時決済で進めることになります。同時決済で進める場合には、購入物件を探すことから始めるか、売却活動から始めるかで選択肢が分かれます。 購入物件を探すことから始めた場合、売却決済を購入に合わせて設定しなければならないため、売却価格が安くなる可能性があります。そのため、住宅ローンの残債が多く残っている場合など、高く売らなければならない場合には難しいでしょう。 一方で、売却活動から始めた場合、自宅の売却日までに新居を購入しなくてはならないため、希望条件に合った物件が見つからないかもしれません。よっぽど差し迫った理由がない限りは、住み替え後に後悔しないためにも、同時決済(売り重視)は避けたほうが良いと言えるでしょう。 上記の情報をまとめると以下のようになります。 住み替えの方法とそれぞれの特徴 資金計画(ローンを含む) 新居選びにかけられる時間 売却価格 ダブルローンの可能性 引越し回数 買い先行 × 〇 〇 有 1回 売り先行 ◎ △ △ 無 2回 同時決済(買い重視) △ 〇 × 無 1回 同時決済(売り重視) 〇 × △ 無 1回 まとめ 住み替えの方法は「買い先行」「売り先行」「同時決済(買い重視・売り重視の2通り)」があり、それぞれメリット・デメリットがあります。 どの方法を選択するかによって、住み替えに必要な資金や手続きにかかる時間・手間が大きく変わってきます。自身に合った方法を見極めて、住み替えを成功させましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

    2021.08.04住み替え
  • 老後は家の建て替えが必要?資金はどうやって準備する?

    老後は家の建て替えが必要?資金はどうやって準備する?

    子どもが独立したり、定年が近づいてきたりすると、老後の住まいについて考える機会が増えるのではないでしょうか。戸建てに住んでいる場合は、住み替えやリフォームだけでなく、建て替えも検討するかもしれません。 建て替えによって自宅が新しくなれば、安心して老後を過ごせるかもしれません。一方で、建て替え資金をどうやって準備するかという問題もあります。この記事では、老後に自宅を建て替えるメリット・デメリット、資金を準備する方法について解説します。 高齢者の住宅事情について まずは高齢者世帯の持ち家率や建て替えの現状など、高齢者の住宅事情について確認していきましょう。 高齢者世帯の持ち家率 総務省の調査によると、65歳以上の高齢者がいる世帯の持ち家率(2018年)は82.1%となっています。持ち家率は減少傾向にあるものの、高齢者の8割超が持ち家に住んでいるのが現状です。 図:高齢者世帯の持ち家比率 ※調査結果から著者が作成 出典)総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要P8」 建て替えの現状 総務省の調査によると、2018年の持ち家の取得方法のうち「建て替え」は565万6,000戸で、全体の17.2%となっています。 建て替えを行った住宅の建築時期で最も多いのは、1991~2000年の141万6,000戸(21.2%)です。次いで、1981年~1990年の104万8,000戸(18.3%)です。築30~40年で建て替えを実施するケースが多く、建て替え全体の約4割を占めています。 図:建て替えの現状 ※調査結果から著者が作成 ただし、建て替えが必要かどうかは、物件の構造や状態によって異なります。適切にメンテナンスを行っていれば、築年数が古くなったとしても、必ずしも建て替えが必要になるとは限りません。 出典)総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要P6」 老後に建て替えを検討するきっかけ 多くの人は、どのようなきっかけで自宅の建て替えを検討するのでしょうか。老後に建て替えを行う理由として以下のようなことが考えられます。 若いときに建てた自宅が老朽化している 二世帯住宅/賃貸併用住宅に対応するため 賃貸暮らしだったが実家を相続した 20代で自宅を建てた場合、定年を迎える頃には築30~40年となります。建物や設備の老朽化が気になる場合、リフォームだけでなく、建て替えは選択肢の1つとなるでしょう。 また、子ども世帯と一緒に住むための二世帯住宅、家賃収入を得るための賃貸併用住宅に対応することを目的に建て替えを検討するケースも考えられます。 さらに、相続した実家への住み替えも、建て替えのきっかけになるでしょう。建物が老朽化している場合は、建て替えを選択肢に入れるかもしれません。 老後に自宅を建て替えるメリット 老後に自宅を建て替えるメリットは以下のとおりです。 ライフスタイルにあった家を建てられる 老後を安心して過ごせる 若いときに建てた自宅が、老後のライフスタイルに合うとは限りません。例えば、子どもが独立して夫婦だけの生活になれば、間取りが広すぎると感じることもあるでしょう。老後に建て替えを行えば、ライフスタイルの変化に対応した住みやすい家を建てられます。 また、建物が老朽化することで地震や台風などの災害リスクも高まります。建て替えによって建物を新しくすれば、耐震性や耐久性が高まり、老後を安心して過ごせます。 関連記事はこちらシニアが住み替える際の4つのポイント 老後に自宅を建て替えるデメリット 一方で、老後の建て替えには以下のようなデメリットもあります。 まとまったお金がかかる 建て替えが完了するまでの仮住まいが必要 自宅を建て替えるにはまとまった資金が必要です。しっかりとした資金計画を立てておかないと、老後の生活費が不足する可能性があります。また、建て替えが完了するまでは自宅に住めないため、仮住まいを用意しなくてはなりません。賃貸物件を借りる場合は、家賃の支払いが必要です。 建て替え資金はいくら必要? 自宅の建て替えにかかる費用は、大きく「工事費用」と「諸費用」の2つに分けられます。 工事費用 建て替えの際は、現在住んでいる家の解体工事と新築する建物の本体工事が行われます。また、給排水や電気・ガスなどの付帯工事も必要です。 工事費用は、「坪(㎡)数 × 各工事の単価」によって概算金額を算出できます。物件によって異なりますが、解体工事は坪4~8万円、本体工事は坪50~70万円が相場です。また、付帯工事は本体工事の20%程度が相場となります。 あくまでも目安なので、実際に建て替えを行う場合は事前に見積もりをとって、正確な金額を把握する必要があります。 諸費用 建て替えの際は以下のような諸費用もかかります。 印紙代(契約時) 登記費用 火災保険料 住宅ローン手数料(利用する場合のみ) 各種申請費用(長期優良住宅認定、建築確認申請等) 上記のほかに、引っ越し費用や仮住まいにかかる費用、新調する家電・家具などの購入費用も必要です。支払い時に困らないように、事前に費用を確認した上で多めに資金を用意しておきましょう。 関連記事はこちら住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 老後の建て替え資金にはリ・バース60 建て替え資金を自己資金で準備できない場合は、住宅ローンを組むのが基本です。しかし、高齢になると住宅ローンを組むのが難しいかもしれません。その場合は「リ・バース60」を検討しましょう。 リ・バース60は高齢者向けの住宅ローンで、満60歳以上の方でも借り入れが可能です。毎月の支払いは利息のみで、元金の支払いは債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 リ・バース60については、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 まとめ 自宅の建て替えを行えば、理想の住まいで老後を豊かに過ごせるかもしれません。ただし、建て替えにはまとまった資金がかかるため、老後の生活費に影響が出る恐れもあります。 建て替えを行う場合はしっかりとした資金計画を立て、必要に応じてローンの利用を検討しましょう。 商品選びに困った方はこちら リ・バース60の商品詳細はこちら リ・バース60の無料資料請求はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 老後生活への準備として住み替えやリフォームをする場合、まとまった資金が必要になります。しかし、高齢になると、一般的な住宅ローンやリフォームローンの審査に通りにくくなります。 このような時に活...記事を読む

  • 老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説

    老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説

    老後に豊かな生活を送るには、ライフスタイルに合わせて住まいを選ぶ必要があります。しかし、住まいを選ぶ際には多くの選択肢があるので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 老後の住まいを選ぶためには、ポイントを理解した上で、自分に合った住居を選択することが大切です。この記事では、老後の住まいの選び方や資金づくりの方法について詳しく解説します。 老後の住まいを選ぶポイントは3つ 老後の住まいを選ぶ上で、考えておきたい3つのポイントを紹介します。 持ち家か賃貸か マンションか戸建てか 都市部か郊外か 住居にはさまざまな種類が存在しますが、基本的には上記3つの組み合わせで考えると良いでしょう。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解すれば、自身に合った老後の住まいが見えてきます。 老後の住まいは持ち家か?賃貸か? 老後の住まいを選ぶときに、まず検討しておきたいのが「持ち家と賃貸のどちらを選ぶか」です。持ち家と賃貸の選択は、老後資金やライフスタイルに大きな影響を与えます。 ここでは、老後における持ち家と賃貸それぞれのメリット・デメリットについて確認していきましょう。 老後の住まいに持ち家を選ぶメリット・デメリット 老後に持ち家を選ぶメリットは以下のとおりです。 住居費の負担が小さい 内装や間取り変更が自由にできる 持ち家の場合、住宅ローンを完済していれば老後の住居費負担は小さくなります。不定期で修繕をしなければならないものの、定期的に発生する費用は基本的に固定資産税のみです。マンションなら別途管理費・修繕積立金が毎月かかりますが、家賃は発生しません。 また、若いうちに持ち家を購入した場合には、年齢とともに内装や間取りがライフスタイルに合わなくなる場合があります。そのため、必要に応じてバリアフリー対応のリフォームなども必要になりますが、持ち家であれば、内装や間取りを自由に変更できます。 一方で、持ち家には以下のようなデメリットもあります。 災害リスクがある メンテナンス費用がかかる 持ち家は地震や火事、水害といった災害によって、建物に被害が生じる可能性があります。老後の住まいに被害が出れば経済的打撃が大きく、老後資金が不足するかもしれません。保険で備えることもできますが、住めない状態になった場合は仮住まいを探す必要があり、復旧までに時間がかかることもあります。 また、建物のメンテナンス費用は自己負担となります。建物は時の経過とともに老朽化するため、安心して長く住み続けるには定期的な修繕が不可欠です。年金収入のみの生活で建物のメンテナンス費用が生じると、予想以上に大きな負担となるかもしれません。 老後の住まいに賃貸を選ぶメリット・デメリット 老後に賃貸を選ぶメリットは以下のとおりです。 メンテナンス費用がかからない 災害リスクが小さい ライススタイルの変化に対応しやすい 賃貸では、建物のメンテナンス費用は原則として所有者が負担してくれます。そのため、設備が故障したり、大規模な修繕を行ったりするときも、費用負担は必要ありません。 また、災害によって建物に被害が出ても、復旧のための修繕費用はオーナー負担となります。住めない状態になれば引っ越しが必要になるかもしれませんが、持ち家のような災害リスクは回避できます。 さらに、賃貸なら簡単に引っ越しできるため、ライフスタイルの変化に対応しやすいでしょう。 一方で、賃貸には以下のようなデメリットもあります。 家賃の支払いが一生続く 入居審査が通りにくい 老後に賃貸住まいの場合、家賃を一生払い続けることになります。家賃を払っても毎月の生活費に余裕があるなら、賃貸でも特に問題はないでしょう。しかし、年金だけでは生活費が足りず、預貯金を取り崩す必要がある場合は、生活が立ち行かなくなる場合があります。 また、高齢になって安定収入がなくなると、賃貸借契約を締結する際に保証人を求められることも多くなり、頼める人がいないと契約を断られるケースもあります。 このように、老後の住まいにおいて、持ち家と賃貸はメリット・デメリットが異なります。現在の住居や財産状況、理想のライフスタイルなどに照らして、どちらが自身に合っているかを見極めることが大切です。 関連記事はこちら老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 老後の住まいを持ち家にする場合、マンション?戸建て? 老後の住まいを持ち家にする場合、「マンションと戸建てのどちらにするか」という問題もあります。同じ持ち家でも、マンションと戸建てでは特徴が異なるからです。購入してから後悔しないように、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。 老後の住まいにマンションを選ぶメリット・デメリット 老後にマンションを選ぶメリットは以下のとおりです。 セキュリティが高い 資産性が高い 建物のメンテナンスを気にしなくていい 高齢の一人暮らし・夫婦二人暮らしの場合、空き巣などの被害にあわないか不安を感じるのではないでしょうか。オートロックで管理人が常駐しているマンションであれば、セキュリティが高く、防犯上も安心といえます。 また、マンションは戸建に比べて資産性が高く、値崩れしにくい特徴があります。そのため、都心や生活利便性の高いエリアに至っては、購入時よりも売却時の方が、値段が上がっているなどのケースもしばしばあります。 さらに、マンションは、共用部分の清掃は管理会社が行ってくれます。設備や外壁、屋根などのメンテナンスも大規模修繕計画などに基づいて行われるため、あまり気にする必要がありません。 一方で、マンションには以下のようなデメリットもあります。 管理費・修繕積立金がかかる 生活音などに気を付ける必要がある マンションは、持ち家であっても管理費・修繕積立金の支払いが必要です。将来の修繕に備えて毎月費用負担が生じるので、生活費を圧迫する要因となるかもしれません。また、建物の老朽化が進み、修繕費用に対して積立金が不足していると、途中で修繕積立金の額が値上げされることが一般的です。 また、戸建と比べると、マンションは生活音に気を付ける必要があります。特に深夜や早朝の掃除機や洗濯などの生活音で、隣室の住人間でトラブルになる場合もあります。 老後の住まいに戸建てを選ぶメリット・デメリット 老後に戸建てを選ぶメリットは以下のとおりです。 自由にリフォームできる 騒音トラブルが起こりにくい 建物が古くなっても土地が資産となる 同じ持ち家でも、マンションより戸建てのほうが自由にリフォームできます。間取りを大きく変更することができ、敷地に余裕があれば増改築も可能です。建物が独立しているので、マンションに比べて騒音トラブルが起こりにくいのもメリットです。 また、戸建ては建物が古くなっても、土地が資産となります。エリアに左右される部分はありますが、場所によっては土地のみで高い資産価値を有することもあります。建て替えを行って、再び同じ場所に住むという選択肢もあるでしょう。 一方で、戸建てには以下のデメリットもあります。 管理・メンテナンスの手間がかかる 防犯対策が必要 バリアフリー工事が必要になることも 戸建ては、マンションよりも管理やメンテナンスの手間がかかります。定期的に設備の交換、屋根・外壁のメンテナンスなどが必要になり、工事の手配や費用の準備は自身で対応しなくてはなりません。 また、敷地が広くて部屋の数が多い場合、空き巣などの被害にあうリスクが高まります。「防犯カメラを付ける」「ホームセキュリティを導入する」といった防犯対策が必要です。 段差が多くある場合は、バリアフリー工事が必要になることもあります。事前に対策を講じておかないと、介護が必要になったときに、生活に不都合が生じるかもしれません。工事の規模によって費用は変わってきますが、数百万円程度の負担が生じる可能性もあります。 老後の住まいは都市部と郊外で何が違う? 老後の住まいは、立地にも大きな影響を受けます。都市部と郊外の物件では、住環境に大きな違いがあります。ここでは、都市部と郊外の違いについて確認していきましょう。 都市部に住むメリット 都市部に住むメリットは、生活利便性が高いことです。 一般的には高齢になるほど注意力が衰え、運転操作も遅くなるため、車の運転に不安を感じるようになるかもしれません。都市部なら公共交通機関が充実しており、電車やバス、タクシーなどを利用することで、マイカーがなくてもスムーズに移動できます。 また、都市部であれば近くにスーパーや病院、公共施設、商業施設などがあるので、行動範囲が狭くなっても安心して生活できます。 郊外に住むメリット 郊外に住むメリットは、人混みや騒音などから離れて静かな暮らしができることです。老後に落ち着いた場所でのんびり暮らしたい場合は、郊外が適しています。また、郊外の物件は、都市部に比べて家賃や物件価格が安いのも魅力です。 ただし、郊外は交通の便が悪く、住む場所によってはスーパーや病院などに出かけるのが不便な場合があります。 老後で持ち家の場合に考えておくべきこと 老後の住まいとして持ち家を選ぶときは、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは、老後で持ち家の場合に考えておくべきことをお伝えします。 住宅ローン破産に気を付ける 老後の住まいとして持ち家を選ぶ場合は、住宅ローン破産に注意が必要です。住宅ローンは、住宅を担保にお金を借りる仕組みであるため、ローンを返済できなくなると自宅は競売にかけられてしまいます。 住宅ローン破産を避けるには、毎月の収入で無理なく返済できる金額でローンを組むことが大切です。たとえば、住宅金融支援機構のフラット35では、返済比率(年収に占める年間返済額の割合)の基準を以下のように定めています。 年収400万円未満:30% 年収400万円以上:35% ボーナスは勤務先の業績などによって支給額が変動するので、ボーナス払いはなるべく利用しないほうがいいでしょう。また、転職などで一時的に収入が減っても慌てずに済むように、まとまったお金を手元に用意しておくことも有効な対策となります。 出典)住宅金融支援機構「10月よりフラット35のご利用条件を簡素化します」 住まいの終活を考える 住まいの終活とは、老後のより豊かな暮らしや、生前のうちに自身が亡くなった後の住まいについて考えることです。 相続時に不動産は所有権だけでなく、誰が住むかという問題も生じます。現金や有価証券のように均等に分割しづらい資産のため、相続人が複数いる場合は相続トラブルになることもあります。 老後を持ち家で過ごすのであれば、自身が亡くなった後のことも考えて、早めに準備にとりかかることが大切です。住まいの終活については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと 老後で持ち家だからこそ考えられる資金づくりの選択肢 賃貸とは異なり、持ち家の場合は資金づくりの選択肢が豊富にあります。ここでは、持ち家を活用して、老後の資金不足を解消するサービスを3つ紹介します。 リ・バース60 リ・バース60とは、満60歳以上の方向けの住宅ローンです。一般的な住宅ローンには収入や年齢の融資条件による制約があるため、高齢になるほどローンを組むのは難しくなります。 リ・バース60であれば、60歳以上の方が老後生活への準備として建て替えや住み替え、リフォームを行う際に融資を受けられる可能性があります。 リ・バース60の主な特徴は以下のとおりです。 毎月の返済が利息のみ ノンリコース型を選択できる リ・バース60は、利息のみを返済する仕組みです。毎月の返済額が小さいので、家計への負担を抑えられます。据え置いている元金の返済は、債務者が亡くなった後に「担保不動産の売却」または「現金一括返済」のどちらかを選択できます。 ただし、元金を繰上返済しない限り返済はずっと続くため、しっかりとした返済計画をたてることが大切です。 また、リ・バース60には、「ノンリコース型」と「リコース型」があります。ノンリコース型を選択すると、相続人は残った債務を返済する必要がないため、自身が亡くなった後に家族に負担をかけずに済みます。一方で、ノンリコース型は、リコース型に比べて適用金利が高くなることがあります。 リ・バース60については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 リースバック リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができるサービスです。「持ち家に住み続けたいが老後資金に不安がある」「持ち家のリスクを減らしたい」という方に適しています。 リースバックの主な特徴は以下のとおりです。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 毎月の支出が定額化される 持ち家のリスクを無くせる 持ち家を売却すると、通常は別の家に引っ越しをしなくてはなりません。しかし、リースバックなら家賃を払うことで、まとまった資金を手に入れながら、引き続き同じ家に住み続けられます。毎月の支出が定額化され、資金計画が立てやすくなるのもメリットです。 また、自宅の所有権は運営会社に移転するので、災害リスクや相続といった持ち家ならではのリスクもなくなります。 一方で、リースバックには「売却価格が市場価格よりも安くなる」「定期借家契約の場合は住み続けられる保証がない」といったデメリットもあります。 リースバックについては、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受けられる高齢者向けのローン商品です。持ち家で老後資金に不安がある場合に、自宅を活用した資金調達手段として活用できます。 リバースモーゲージの主な特徴は以下のとおりです。 自宅に住み続けながら資金調達できる 毎月の支払いは利息のみ まとまった資金を得るために自宅を売却すると、住む場所を探さなくてはなりません。リバースモーゲージで融資を受ければ、自宅に住み続けながら老後資金を準備できます。 リバースモーゲージは、債務者の死亡後に自宅(担保不動産)を売却して元金を返済する仕組みです。毎月の支払いは利息だけで済むので、返済負担が軽減されます。 ただし、リバースモーゲージは融資条件が厳しく、元金が減らないので支払いが一生続きます。また、急な地価下落などで担保評価額が下がり、借入済の元金が融資限度額を超えると返済を求められるリスクもあります。 リバースモーゲージについては、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや仕組みを解説 まとめ 老後の住まいを選ぶときは、「持ち家か賃貸か」「マンションか戸建てか」「都市部か郊外か」の3つのポイントを意識することが大切です。それぞれの特徴を理解できれば、自身に合った理想の住まいが見えてきます。 持ち家でまとまった資金が必要な場合は、「リ・バース60」や「リースバック」といった高齢者向けのサービスを検討しましょう。 商品選びに困った方はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説 「終活」という言葉が一般に広がるなか、近年、「住まいの終活」についても注目されるようになってきました。どのような内容なのか、どうしたらいいのかなどについて考えてみましょう。 「住まいの終活」...記事を読む

  • 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説

    相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説

    不動産の評価は一物五価とも呼ばれ、同じ不動産でも指標によって評価額は変化します。そして、相続の際の不動産評価額のことを、「相続税評価額」と言います。では、この相続税評価額はどのように算出すればよいのでしょうか。 この記事では、相続税評価額や特例について解説します。 相続税評価額の評価方法 不動産の評価額を考えたときに、最初にイメージするのは、おそらく実勢価格でしょう。実勢価格とは、実際に市場で取引される土地や建物の価格を指します。一方で、不動産の相続税評価額は、実勢価格とは異なり、以下のように算出されます。 土地 土地の相続税評価額の算出方法には、「路線価方式」と「倍率方式」の2つがあります。 まず、路線価方式とは、路線価が定められている地域の評価方法です。路線価は、道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格のことで、国税庁が毎年7月に公表しています。なお、公表は7月ですが、あくまで基準日は毎年1月1日です。 次に、倍率方式とは、都市郊外など路線価が定められていない地域の評価方法です。その年の固定資産税評価額に、一定の倍率を乗じて計算します。厳密に言うと方式は異なるのですが、路線価方式、倍率方式ともに、評価額は公示価格の8割程度が目安となります。 関連記事はこちら公示価格とは?実勢価格との違いと活用法をわかりやすく解説 建物 建物の評価額の算出方法は、「固定資産税評価額×1.0」です。つまり、建物の評価額は固定資産税評価額と同じです。 固定資産税評価額は、固定資産税を計算する際の基準となる価格のことで、公示価格の7割程度が目安となります。固定資産税評価額を調べるには、固定資産税の納税通知書を確認するか、自治体の担当部署に問い合わせるといいでしょう。 その他の不動産 土地や建物でも、借地権がついていたり、賃貸に出していたりする不動産は、権利関係に応じて評価額が調整されます。たとえば、借地権が設定されているマンションやアパートなどの貸宅地や貸家は、通常の評価額から借地権割合や借家権割合などが調整され、評価額は下がります。 出典)国税庁「No.4602 土地家屋の評価」 相続税評価の評価事例 ここでは、相続税における土地家屋の評価事例を確認しましょう。ここで紹介するのは以下2つの事例です。 戸建(自用地)を路線価方式で求める場合 マンション(自用地)を路線価方式で求める場合 戸建(自用地)を路線価方式で求める場合 まずは自用地の戸建における、評価事例です。土地の評価額を求める計算式は以下のように計算します。 土地の評価額:路線価(㎡) × 面積 例えば、1㎡あたりの路線価が3万円、土地の面積が150㎡だった場合、450万円(3万円×150㎡)が評価額となります。路線価を求める際には奥行の長さにより評価額を補正する「奥行価格補正率」などありますが、ここでは、補正はないものとします。 次に、家屋の評価額を求める計算式は以下のように計算します。 家屋の評価額:固定資産税評価額 × 1.0 例えば、固定資産税評価額が1,000万円の家屋だった場合、1,000万円(1,000万円×1.0)が評価額となります。上記を足し合わせると、土地450万円、家屋が1,000万円で合計1,450万円が評価額となる計算です。 マンション(自用地)を路線価方式で求める場合 マンションについては、戸建と同じ自用地であったとしても、若干計算方法が異なる点に注意が必要です。土地の評価額は以下のように計算します。 土地の評価額:路線価(㎡) × 面積 × 敷地権割合 について、敷地全体の価格に区分所有する建物に係る敷地権の割合を掛けて算出する必要があります。なお、敷地権の割合については、登記簿謄本で確認できます。 例えば、1㎡あたりの路線価が3万円、土地の面積が10,000㎡、敷地権割合が100,000分の5,000だった場合、1,500万円(3万円/㎡×10,000㎡×5,000/100,000)が評価額となります。 建物については、戸建と同様に「固定資産税評価額×1.0」で求めます。つまり、建物の固定資産税評価額が1,000万円だった場合、評価額は1,000万円×1.0=1,000万円です。上記を足し合わせると、土地1,500万円、建物1,000万円で2,500万円が評価額となる計算です。 相続税評価額は不動産利用状況に応じて変わる 評価額は利用状況によって変わることを前述しましたが、評価の異なる土地の利用状況には、次のようなものがあります。 借地 貸宅地 貸家建付地 農地 私道 貸駐車場 借地 借地とは、他人から借りている土地のことを言います。また、土地を借りて、その土地の上に建物を建てた時には、建物の所有者には土地を使用する「借地権」という権利があり、この借地権にも相続税が発生します。しかし、借地にはさまざまな制約があるため、その権利に応じて一定の割合で減額される仕組みになっています。 借地の評価額は、路線価方式によって算出した評価額に、一定の借地権割合を乗じた価格が借地権の評価額となります。借地権割合は、路線価図や評価倍率表に割合に応じてアルファベットで表示されており、国税庁のホームページで確認できます。 たとえば、路線価20万円、面積100㎡、借地権割合B(80%)の借地の評価額は、1,600万円(20万円×100㎡×80%)となります。 貸宅地 建物を建てて使用するための土地として、他人に貸している土地のことを貸宅地と言います。貸宅地では「建物を建てる土地」「貸している土地」である必要があるため、駐車場などの建物が建っていない土地や、無償で貸している場合は該当しません。 貸宅地は、賃貸借契約を貸主側から解除することができないほか、建物に人が住んでいると立ち退き料の支払いが必要となるなど、貸主には負担が大きくなります。そのため、自分で土地を利用するよりも評価額が低くなる仕組みとなっています。 貸宅地は、土地の評価額に1から借地権割合を減じた価格が評価額となります。たとえば、上記の借地の条件である路線価20万円、面積100㎡、借地権割合B(80%)の土地の場合は、400万円(20万円×100㎡×(1-80%))となります。 貸家建付地 土地の上に、アパートやマンションといった賃貸用の物件を建てた土地を「貸家建付地」と言います。貸宅地と似ていますが、貸宅地が建物を建てたのが他人であるのに対し、貸家建付地は自分で建物を建てて他人に貸しているという違いがあります。 貸家建付地は、賃貸物件に住む人に借家権などの権利があるため、貸主の権利が制限されます。そのため、土地の評価額も低くなるように設定されています。貸家建付地の評価額の計算方法は次のとおりです。 貸家建付地の評価額=土地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合) 借家権割合は、全国一律で30%と定められており、賃貸割合とは入居率のことですが、部屋数ではなく床面積での計算になります。たとえば、1,000万円の土地で借地権割合90%・賃貸割合80%の場合は次のとおりです。 貸家建付地の評価額=1,000万円×(1-90%×30%×80%)=784万円 農地 継続的な耕作のための土地を農地と言います。農地は、宅地に転用できないなど制限が多い土地でもあり、都市計画によって地価も大きく異なるため、土地の評価額が低くなるように考慮されています。 農地の評価額を計算するうえでは、次の4つの区分に分けて、それぞれの評価方法で評価する必要があります。 純農地…倍率方式 中間農地…倍率方式 市街地農地…宅地比準方式または倍率方式 市街地周辺農地…市街地農地である場合の評価額の80% 宅地比準方式とは、その農地が宅地である場合の1平方メートル当たりの価額からその農地を宅地に転用する場合にかかる通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額を控除した金額に、その農地の地積を乗じて計算した金額により評価する方法をいいます。 (宅地である場合の価額* - 宅地に転用する場合にかかる造成費*) × 地積 ※1㎡あたり 私道 所有地の一部が私道になっている場合、その利用状況に応じて私道の評価方法が異なります。利用状況は次のように分かれます。 不特定多数の人が利用する公共としての私道 近隣住民などの特定の人のみが利用する私道 所有者のみが利用する私道 公共として利用している場合の私道は評価しません。また、特定の人のみが利用する場合は、その宅地が私道でないものとして路線価方式又は倍率方式によって評価した価額の30%相当額となります。所有者のみが利用する場合は、宅地の一部と見なされるため評価額の減額がないので注意しましょう。 貸駐車場 貸駐車場の場合、運営方法によっても評価額が異なります。一般的に運営方法としては次のような方法があります。 自分で運営 運営会社に土地を貸している 自分で運営する貸駐車場の場合、とくに減額措置はありません。この場合、駐車場の状態が舗装されても、舗装されていない青空駐車場であっても評価額に変わりはありません。 一方、運営会社などに土地を貸している場合、貸地となり貸主の権利が制限されるため減額される仕組みになります。貸している場合の評価額は次のとおりです。 貸駐車場の評価額=土地の評価額×(1-借地権の残存期間に応じた割合) 借地権の残存期間に応じた割合は次のとおりです。 借地権割合 残存期間借地権割合 5年以下2.5% 5年超10年以下5% 10年超15年以下7.5% 15年超10% 土地の相続税評価額を下げる「小規模宅地等の特例」 小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた土地や事業を営んでいた土地などを相続したときに、一定の要件を満たすことで、その土地の評価額を最大80%減額できる特例です。本特例によって評価額が下がれば、相続税を節税できます。 適用対象となる宅地の種類と評価額の減額割合、限度面積は以下のとおりです。 特定居住用宅地:80%減額(330㎡まで) 特定事業用宅地:80%減額(400㎡まで) 貸付事業用宅地:50%減額(200㎡まで) たとえば、実家の土地(特定居住用宅地)を400㎡相続し、その土地の評価額が3,000万円だった場合、減額後の評価額は以下のように計算します。 3,000万円×(1-330㎡÷400㎡×80%)=1,020万円 特定居住用宅地の限度面積は330㎡であるため、相続した400㎡のうち、330㎡について評価額が減額されます。 本特例の適用を受けるには、相続税の申告書に特例を受けようとする旨を記載した上で、「小規模宅地等に係る計算の明細書」「遺産分割協議書の写し」などの一定の書類を添付する必要があります。 自身で手続きをするのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 出典)国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 まとめ 相続した不動産は、路線価や固定資産評価額などで評価されます。「小規模宅地等の特例」の適用を受ければ評価額が減額されるため、相続税の節税が可能です。不動産の評価方法や税制特例について、自身で判断するのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント...記事を読む

  • 住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説

    住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説

    「終活」という言葉が一般に広がるなか、近年、「住まいの終活」についても注目されるようになってきました。どのような内容なのか、どうしたらいいのかなどについて考えてみましょう。 「住まいの終活」とは? そもそも「終活」とは、自分の人生の終わり方を考え、そのために必要な準備をすることを言います。明日かもしれないし、30年以上先かもしれない。いつ訪れるかわからない「もしもの時」に備えて、身辺整理をしておくことを言います。 ただし、最近は「人生100年時代」と言われ、亡くなるまでの期間も長くなっているため、終活といっても「人生の幕引き」だけではなく、セカンドライフの生活を考えることも、「終活」に含まれます。 こうした「終活」に関して、最近は特に、住まいに関しても考える必要性が問われるようになってきました。理由としてはいくつか挙げられます。 経年劣化等によって、住居に不具合が生じる 住居の生活利便性が低く、車を手放すと生活が厳しい 要介護となった結果、生活が出来ない 将来的に老人ホームの利用を検討しており、住居を持て余す このようなことから、老後を意識し始める頃から、「終活」とともに「住まいの終活」についても真剣に考え、準備をしておく必要があります。自身の老後を見据え、よく検討しましょう。 一方で、「住まいの終活」といっても、状況によってポイントや準備方法が異なります。どのように行えばいいのかを以下の状況別に考えてみましょう。 住み替えの希望や必要があるか 老後資金に問題がないか 死後に住居をどうする予定か 関連記事はこちら終活とは?終活では何を準備すればいい? 住み替えの必要があるか 定年後になると、通勤を考えずに住まいを決めることが出来るので、今後の住まいについて考える人も多いのではないでしょうか。そして、今後の住まいを考えるときには、住み替えを検討するかもしれません。住み替えをすることでより良い条件で生活を送れる可能性がありますが、多額の資金が必要となるため、慎重に検討する必要があります。 そこで、住み替えをするかどうかを判断する際には、自分が死ぬまで現在の住まいで生活をする場合に何か不都合が生じるか、という切り口で判断するといいでしょう。特に下記のポイントに該当する場合には、住み替えを検討してもいいかもしれません。 経年劣化等により、この先何十年も暮らしていくのが難しい 生活するためには車が必須で、生活利便性が低い立地である 子供と離れて暮らしているため、親族のサポートが期待できない 経年劣化等の理由であれば、リフォームという選択肢もあります。一方で、建物をリフォームするだけでは問題が解決できない場合には、住み替えを検討するといいでしょう。住み替えは、新しく住みやすい家に引っ越したいという希望だけでなく、住み替えにお金を使っても老後の生活費に問題がないかなど、資金面でも慎重に検討する必要があります。 老後資金に問題がないか 次に、住み替えに限らず、リフォームを検討している場合にも、老後資金が不足しないかどうかを慎重に検討する必要があります。高齢になると住宅ローンを組むことが難しく、住み替えの場合は手元資金を多く出さなければならないケースが多いでしょう。また、リフォームをするにしても、ローンが組めずに全額手元から融通する必要があるかもしれません。 老後資金が不足することを見据えて不動産売却を視野に入れている人もいるでしょう。しかし、不動産売却をすると新しい住み替え先も決めておかなければなりません。そのため、不動産売却以外の資金の捻出方法も考えておいた方が良いかもしれません。 住宅を活用して、老後資金を捻出する方法としては次のようなものが挙げられます。 リバースモーゲージ 自宅に住み続けながら、自宅を担保に一時金や月々の生活費を借りる仕組み。金融機関によって、エリアや不動産の種類、最低評価額が決められていることがあります。エリアは首都圏中心と限定されていることが多く、一定評価額以上の戸建てが中心であることが多くなっています。 リースバック 自宅をリースバック専門の不動産会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組み。売却代金は一括一時金で受け取ることができ、使途に制限はありません。物件の立地は流動性の高いエリアであることが一般的です。 不動産担保ローン 不動産を担保にして借りるローン。実際には、担保となる不動産に抵当権を設定して借り入れをします。土地や一戸建て、マンション等が対象ですが、物件の立地は流動性の高い主要都市に限られる金融機関が多いようです。 その他にも、以下のコラムで詳細を解説していますので、ご参考ください。 関連記事はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? 死後の住居をどうする予定か 自分自身の問題をクリアした後は、死後の住居についても考えておく必要があります。相続人が一人の場合には、不動産を含めた財産分与の問題は生じないでしょう。しかし、相続人が複数いる場合には、不動産をどう相続するかあらかじめ決めておいた方が良いでしょう。 なぜなら、不動産は所有権のみならず、誰が居住するかという問題が起こるため、相続人が複数いる場合は平等に分けるのが難しく、相続でトラブルになることもあります。また、現金化しておくことで均等に分割できますが、生前に売却すると「老後の住まいをどうするか」という問題が生じます。 死後の住まいの選択肢については以下のコラムで解説していますので、ご参考ください。 関連記事はこちら住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと まとめ 住まいの終活を考える際には、できるだけ子供たちも含めて話し合うことが大事です。子供たちに家を残せない可能性が高い場合はなおさらです。 そのほか、金融資産があまりなくて遺産が不動産中心の場合、相続人同士でもめないようにするために、遺言などを作成しておくことも大事です。公正証書遺言でなく、自筆証書遺言でも今は法務局で預かってもらうこともできます。 定年が見えてきた50代後半以降は、終活や住まいの終活、場合によっては相続などについてしっかり考え、家族にも「こうしたい」ということを伝えておきましょう。特に、今後の住まい方をリアルに想定し、必要な準備をするとともに、家族と話しておくことは重要ですね。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。 終活とは?終活では何を準備すればいい? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際...記事を読む

  • 住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

    住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

    長く住み続ける予定でマイホームを購入しても、仕事や人間関係、環境の変化などを理由に「住み替えたい」と思うこともあるでしょう。しかし、住宅ローンが残っている状況では、新しい家に住み替えができるか不安を感じるのではないでしょうか。 住宅ローンが残っている場合、自宅の売却代金で残債を完済するのが基本です。ただし、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合は、「住み替えローン」を利用する方法もあります。 この記事では、住み替えローンの概要やメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。 住み替えローンとは? 住み替えローンとは、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない時に、残債を新居の購入代金と併せて借入する事ができるローンのことです。 自宅の資産価値よりも住宅ローン残高のほうが多い状態のことを「オーバーローン(貸出超過)」といいます。住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新たに購入する家の購入資金をまとめて借りることができるため、オーバーローン状態であっても利用できます。 「住み替えたいが自宅の売却代金で住宅ローンを返済しきれない」という場合は、住み替えローンを検討するといいでしょう。 住み替えローンを利用する際の流れ 住み替えローンの手続き自体は、通常の住宅ローンと大きな違いはありません。ただし、住み替えの際は「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。 自宅の売却活動では、不動産仲介業者に自宅の査定を依頼し、仲介により売却するのが一般的です。また、不動産会社と直接取引することで、より早期に売却できます。どちらも売却価格の合意後に売買契約を締結することになります。また、新居の購入活動では、不動産会社に物件を紹介してもらい、購入物件が決まったら売主と売買契約を締結します。 住み替えローンを利用するときは、自宅の売却(住宅ローンの完済)と新居の購入の決済は同じ日に行わなくてはなりません。自宅の売却と新居の購入はどちらから始めても構いませんが、なるべく平行して活動を進めて決済日を合わせる必要があります。 住み替えローンのメリット 住み替えローンのメリットは以下のとおりです。 住宅ローンの残債を完済できなくても住み替えができる 住み替えローンの最大のメリットは、自宅の売却代金で住宅ローン残債を完済できなくても住み替えができることです。 住宅ローンの残債が減るのを待つことなく、自分の好きなタイミングで住み替えができます。転勤や子どもの進学などでどうしても住み替えが必要な場合は、住み替えローンを利用するといいでしょう。 手元資金を使わずに済む 住み替えローンは、住宅ローン完済のために手元資金を使わずに済むのもメリットです。 手元資金で住宅ローンの残債を完済すれば借入はなくなりますが、大幅に手元資金が減ってしまう可能性があります。急にまとまったお金が必要になる可能性もあるので、もしものときに備えて「まとまったお金を残しておきたい」と考える人もいるでしょう。 住み替えローンを利用すれば、手元にお金を残しながら新居に住み替えができます。 住み替えローンのデメリット 一方で、住み替えローンには以下のデメリットもあります。 不動産の価格以上に借入金額が膨らむ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることになるため、借入金額が膨らんでしまいます。借入金額が増えれば、これまでよりも返済負担は大きくなるでしょう。 せっかく住み替えをしても、ローン返済が困難になれば新居を手放すことになりかねません。住み替えローンを利用する場合は、無理なく返済できるかを見極めることが大切です。 金融機関の審査が厳しい 住み替えローンは、住宅ローンに比べると金融機関の審査が厳しい傾向にあります。 不動産(新居)の評価額以上の金額を融資するオーバーローンであるため、返済能力や新居の担保価値を厳しく審査されます。そのため、勤務先や年収、ローン返済歴などによっては審査落ちの可能性もあります。 住み替えローンの注意点 住み替えローンは、自宅の売却と新居の購入を同時決済しなくてはなりません。そのため、不動産会社や金融機関と相談し、同じ日に決済できるように調整する必要があります。 新居の購入は物件や購入日を自分で選べるため、コントロールできる部分が多いといえますが、仲介で自宅の売却をしようとしても、買主が見つからないと手続きを進めることができないため、決済日の調整が難しいでしょう。 そのため、売却は購入のタイミングに併せて不動産会社に直接買い取りを依頼するなど、購入と同時に決済が出来るよう段取りをしておく必要があります。このように売却を仲介ではなく、不動産会社による直接買い取りにする場合には、価格が時価より下がりやすいので注意が必要です。 自宅売却で譲渡損失が生じても税制上の特例が使える 自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合、譲渡損失(売却損)が発生する可能性が高いでしょう。マイホームの売却で譲渡損失が生じた場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。 本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。 また、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、最長3年間にわたって繰り越して各年の所得から控除できるため、所得税や住民税が軽減されます。特例が利用できるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 出典)国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることができるのがメリットです。ただし、借入金額が膨らむため、審査に通ったとしても毎月の収支を圧迫する恐れがあります。住み替えローンの利用は慎重に判断しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

  • 定年後に自宅を住み替えるメリットと注意点とは?

    定年後に自宅を住み替えるメリットと注意点とは?

    現役世代は、子どもの学校や通勤を考えて自宅を購入するのが一般的です。しかし、子どもの独立や定年退職などでライフスタイルが変化すると、立地や間取りが生活に合わなくなることがあります。 その場合は、利便性の高さや資産性を重視して住み替えるのも一つの方法です。ただし、定年後の住み替えには注意点もあるので、住み替え以外の選択肢も含めて老後の住まいについて考えることが大切です。 この記事では、定年後に住み替えるメリットと注意点、住み替え以外の選択肢について説明します。 定年後に住み替えるメリット 定年後に住み替える場合、以下のようなメリットが考えられます。 希望に合わせた間取りを選択できる 将来を見据えたバリアフリー対応の住居を選択できる 利便性の高いエリアの住居を選択できる 子供部屋が不要になることから、部屋数を少なくして収納が多い物件を選択するなど、自身のライフスタイルに合わせた間取りを選択することが出来ます。加えて、バリアフリー対応の住居に住み替えることで、自身が高齢になっても住みやすい環境で生活できます。高齢になると少しの段差でも転倒しやすくなったり、ちょっとしたケガが生活に大きく影響したりするため、バリアフリー対応の重要度は高いといえるでしょう。 また、高齢になると車を手放すことなどによって、生活の行動範囲も狭まりやすいことから、徒歩圏にスーパーや公共施設、病院が近くにあるなど、利便性の高いエリアに自宅を構えることも可能となります。 定年後の住み替えの注意点 定年後に住み替えをする際は、以下の点に注意が必要です。 購入資金をどのように確保するか 定年後の住み替えでは、新居の購入資金をどのように確保するかが課題となります。「新居購入後に現在の自宅を売却する」という流れで住み替えを進める場合、先行して新居の購入代金を用意しなくてはなりません。 しかし、高齢の場合は一般的な住宅ローンを組むのが難しくなります。そのため、定年後の住み替えで新居の購入資金を準備する方法として、下記のような方法が考えられます。 リースバック リ・バース60 リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックで自宅を売却すれば、売却資金を手に入れながら新居を購入するまで現在の自宅を仮住まいとして利用できます。 一方、リ・バース60とは、満60歳以上の方でも借り入れができる高齢者向けの住宅ローンです。毎月の支払いは利息のみで、債務者が亡くなったときに担保不動産(新居)を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選択する仕組みになっています。 自宅を売却して新居の購入資金を準備したい場合はリースバック、ローンを利用して新居を購入したい場合はリ・バース60を検討するといいでしょう。 >リースバックとは? >リ・バース60とは? 売却や相続を考慮して物件を選ぶ 定年後の住み替えでは、売却や相続を考慮して物件を選ぶことも大切です。老後生活では、配偶者との死別や自身の体調不良などを理由に、高齢者施設への入居を検討する可能性があります。 また、相続が発生したときは、資産価値の高いマンションであれば比較的売却しやすく、相続後の選択肢が広がります。一方で、戸建てはマンションに比べると流動性が低く、売却しにくい点に注意が必要です。 老後の生活費をシミュレーションしておく 定年後の住み替えを検討する際は、老後の生活費のシミュレーションも必要です。不動産は高額の買い物なので、しっかりとした収支計画を立てておかないと生活費が不足するリスクがあります。 相続なども考えて資産性を考慮することは大事なことですが、身の丈に合わない高額の物件を購入した結果、生活が立ち行かなくなっては意味がありません。最悪の場合、老後破産となる恐れもあります。必ず物件を選ぶ前に費用を試算した上で、無理のない住み替え計画を立てましょう。 住み替え以外の選択肢は? ここまで住み替えについて確認してきましたが、住み替えをしなくても住環境を改善することは可能です。住み替え以外の選択肢として、大きく「リフォーム」と「建て替え」の2つが考えられます。 リフォームして住みやすくする バリアフリー化を目的に自宅をリフォームする場合、改修費用の助成や補助、税負担の軽減などの支援制度を利用できる可能性があります。自宅のバリアフリー化に関する主な支援制度は以下のとおりです。 高齢者住宅改修費用助成制度(地方自治体) 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国土交通省) バリアフリー改修に関する特例措置(国土交通省) 自治体の「高齢者住宅改修費用助成制度」を利用すれば、バリアフリー改修工事費について助成や補助を受けられます。自治体によって内容が異なるため、お住いの自治体の窓口に確認してみるといいでしょう。 また、国土交通省も、バリアフリー改修工事を行った場合の補助や税負担の軽減(所得税の控除、固定資産税の減額)などを用意しています。 バリアフリー化を目的に自宅のリフォームを行う場合は、国や自治体の支援制度を積極的に活用しましょう。 出典) ・東京都福祉保健局「住宅改善事業(バリアフリー化等)区市町村別事業概要一覧」 ・国立研究開発法人 建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業」 ・国土交通省「バリアフリー改修に関する特例措置」 建て替えを行う 戸建ての場合は、バリアフリー対応の住宅へ建て替える方法もあります。建て替えならバリアフリー化はもちろん、間取りも自由に選べるため、理想の住まいを実現できるでしょう。 ただし、建て替えは工事中の仮住まいが必要になるほか、まとまった費用がかかるため、資金の確保が課題となります。そのため、老後の生活費が不足しないように、住宅ローンを利用できるかも確認した上で、無理のない建て替え計画を立てることが大切です。 まとめ 子どもの独立などによって自宅の間取りがライフスタイルに合わなくなったら、住み替えを検討するタイミングです。定年後の住み替えでは、住みやすさなどの生活利便性だけでなく、老後の生活費が不足しないように、しっかりとした収支計画を立てる必要があります。 また、新居の購入資金を自己資金で準備するのが難しい場合は、リースバックやリ・バース60の利用を検討しながら、無理のない住み替えにしましょう。 リースバックの商品詳細はこちら リ・バース60の商品詳細はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

  • 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

    住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

    ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み替えには費用だけでなく、売却益が出れば税金がかかることもあります。 この記事では、住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例について詳しく解説します。 住み替えの流れ 住み替えの流れを把握するには、「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引を理解することが必要です。まずは、それぞれの流れを確認しましょう。 自宅を売却するまでの流れ 不動産仲介会社を利用して、自宅を売却するまでの流れは以下のとおりです。 不動産査定 媒介契約 売買契約 決済 引き渡し まずは不動産会社に自宅の査定を依頼し、売却見込み額を確認します。査定金額に納得できたら、不動産会社と媒介契約を締結して売却活動が始まります。 売却活動で買主が見つかり、売却金額や引渡日などの条件が決定したら、売買契約を締結します。契約の際には、決済日や引き渡し日を決めます。なお、これら一連の手続きは、不動産会社が進行してくれるので、細かい手続きは都度確認すれば問題ないです。 新居を購入するまでの流れ つぎに、新居を購入するまでの流れは以下のとおりです。 物件探し 物件見学・申込 売買契約 決済 引き渡し まずは、不動産ポータルサイトなどで、条件に合う新居を探します。良さそうな物件が見つかったら、販売活動を行っている不動産会社に問い合わせます。問い合わせた時点で購入可能な物件であれば、実際に物件を見学し、希望に合うかどうかなどを確認します。 購入する物件が決まったら、売主と売買契約を締結し、決済完了後に物件が引き渡されます。なお、住宅ローンを利用する場合は、物件が確定した段階で、仮審査や諸々の手続きを進める必要があります。 住み替えの費用 住み替えの費用を、自宅の売却と新居の購入それぞれでかかる費用に分けると、以下のようになります。 自宅の売却でかかる費用 不動産仲介会社を利用して、自宅を売却すると、以下のような費用がかかります。 仲介手数料 印紙税 一括繰上返済手数料・登記費用 ※自宅に住宅ローンが残っている場合 所得税・住民税 ※譲渡益が出た場合 引っ越し費用、仮住まいの賃料など 仲介手数料は不動産の売買価格によって変化し、一般的には「売買価格×3%+6万円+消費税」がかかります。たとえば、売買価格が3,000万円なら「96万円+消費税」となります。印紙税も不動産の売買価格によって変化し、前述の売買価格3,000万円の場合、「本則税率:2万円、軽減税率:1万円」となります。 また、住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローン完済のために、返済手数料や抵当権抹消の登記費用が掛かります。また、自宅の売却で譲渡益が出た場合は、所得税や住民税がかかります。ただし、税制上の特例を利用することで税金がかからない場合もあります。 その他、自宅から新居への引っ越し費用、仮住まいが必要な場合には、仮住まい費用もかかります。 新居の購入でかかる費用 新居の購入では、以下のような費用がかかります。 仲介手数料 ※不動産仲介による購入の場合 印紙税 登記費用 融資事務手数料、保証料など ※住宅ローンを組む場合 保険料 引っ越し費用、不動産取得税、固定資産税など 新居を不動産業者から直接購入する場合には、仲介手数料はかかりません。しかし、不動産仲介で購入する場合、自宅の売却と同様に売買価格によって変動する手数料がかかります。 所有権の保存や移転に伴う登記費用のほか、新たに住宅ローンを組む場合は、銀行に支払う手数料や保証料、司法書士に依頼する抵当権設定費用なども必要です。 その他、定常的に発生する火災保険や固定資産税などの費用がかかります。そのため、資金が不足しないように、住み替えをする前に購入時の費用と、住み替え後に発生する定常的な支出も見積もっておきましょう。 出典) ・公益社団法人 全日本不動産協会「仲介手数料について」 ・不動産売買契約書の印紙税の軽減措置 住み替えに利用できる特例 住み替えにはまとまった費用がかかりますが、税制上の特例を利用することで、税負担の軽減が可能です。 譲渡益が出た場合 自宅の売却で譲渡益が出た場合は、以下2つの特例が利用できます。 3,000万円の特別控除 買い替え特例 3,000万円の特別控除とは、自宅を売却したときに、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。つまり、譲渡益が3,000万円以下の場合には、所得税や住民税がかかりません。 買い替え特例とは、自宅を買い替えたときに、譲渡益にかかる税金を将来に繰り延べできる特例です。自宅を売却した年には譲渡益への課税は行われず、将来新居を売却するときに課税されます。 3,000万円の特別控除と買い替え特例は併用できないため、どちらかを選択する必要があります。どちらが有利かは譲渡所得の金額などによって変わってくるため、判断できない場合は税理士などの専門家に相談しましょう。 出典) ・国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 ・国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 譲渡損失が出た場合 自宅の売却で譲渡損失が出た場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。本特例は、自宅を売却して譲渡損失が生じたときに、損失を他の所得と損益通算できる制度です。 損益通算を行っても所得から控除しきれなかった譲渡損失は、自宅を売却した年の翌年から最長3年間繰り越せます。本特例を利用すれば、給与所得などにかかる所得税・住民税が軽減されます。特例が適用されるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 出典)国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えをスムーズに行うには、流れや費用を確認した上で、自分に合った方法で手続きを進めることが大切です。不動産会社や税理士などと相談しながら、新居への住み替えを成功させましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 仮住まいなしで住み替えをする5つの方法 持ち家の方が自宅を住み替える場合、住み替えの方法によっては仮住まいが必要です。 仮住まいとして賃貸物件を借りると、毎月の家賃だけでなく、引っ越し費用や敷金・礼金などの費用もかかります。また、...記事を読む

  • 住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと

    長寿化に伴い、自身の老いや死に関するさまざまな事柄に備える「終活」が注目されるようになりました。終活の中でも「住まいをどうするか」は大きなテーマの一つではないでしょうか。住まいが持ち家の場合、家族に残すこともできますが、相続トラブルになることもあります。 この記事では、「住まいの終活」における3つの選択肢と準備しておくべきことを解説します。 住まいの終活とは 「住まいの終活」という言葉に定義はありません。そのため、この記事の中では「生前のうちに、亡くなった後の持ち家のことを考えること」とします。持ち家の場合、自身が亡くなった後に相続人がその家をどうするか、影響が大きいためです。 不動産は所有権を分割することはそれほど難しくはありません。一方で、所有権を分割したその家に、誰が居住するかという問題が起こります。そのため、相続人が複数いる場合は、平等に分けるのが難しく、相続でトラブルになることもあります。また、不動産を現金化しておくことで、より公平に分割できますが、生前に売却すると「住まいをどうするか」という問題が生じます。 関連記事はこちら終活とは?終活では何を準備すればいい? 住まいの終活における3つの選択肢 「住まいの終活」を始める場合、大きく以下3つの選択肢が考えられます。 生前に贈与する 1つ目は、持ち家を生前贈与する方法です。同居している親族に贈与すれば、贈与後も同じ家に住み続けられます。不動産を贈与すると、贈与された親族には贈与税がかかりますが、「相続時精算課税制度」を利用すれば、贈与税の負担を軽減できます。 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。同一の贈与者からの非課税限度額は2,500万円で、限度額を超えた部分については一律20%の贈与税率が適用されます。 相続時には、相続時精算課税制度の贈与財産と他の相続財産を合計して相続税を計算します。税金が免除されるわけではなく、贈与財産は相続税の課税対象となる点に注意が必要です。 関連記事はこちら相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介 生前に売却する 2つ目は、生前に持ち家を売却する方法です。あらかじめ持ち家を売却しておけば、現金化できます。子どもに持ち家を残したいなら、親から子に持ち家を売却する「親子間売買」が選択肢となるでしょう。 親族間売買をしたとき、税金の取り扱いは、基本的に通常の不動産売却と同様です。ただし、実勢価格より著しく安い価格で売却すると贈与とみなされ、贈与税が課税される場合があるので、検討の際には専門家などに相談した方が良いでしょう。 関連記事はこちら不動産の親子間売買は難しい?デメリットと手続きについて解説 親族に持ち家を残さない場合は、通常の不動産売却やリースバックが選択肢となります。通常の不動産売却は、実勢価格で売却できる反面、新しい住まいを探さなければなりません。一方で、リースバックを利用すれば、実勢価格よりも低い価格での売却になるものの、今までの家に住み続けられます。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 相続させる(何もしない) 3つ目は、何もせずに持ち家を相続させる方法です。生前贈与や売却をせずに、何もしないのも選択肢の一つとなります。何もしないことで相続トラブルの懸念がありますが、あらかじめ親族間で話し合えば回避もできるでしょう。折り合いがつかない場合には、専門家に相談するなどの対策も取れます。また、「遺言書を書く」「公正証書を作成する」といった準備をしておくと安心です。 関連記事はこちら住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説 住まいの終活の注意点 住宅ローンが残っているかどうかは重要 住まいの終活のうえで、持ち家を担保としたローンが残っているかどうかは重要です。住宅ローンの残債がなければ、終活を行う際の選択肢が広がります。たとえば、贈与や相続では、債権がないことで資産価値だけを鑑みて評価することができます。また、不動産売却では、売却代金でのローン完済が不要です。 相続人がいない場合はどうする 独身で両親も兄弟もいないなど、持ち家でも相続人がいない場合は、何も対策を行わないと管理者不在の空き家となります。相続人がいない場合、第三者に財産分与を行うこともできるため、持ち家を相続させたい人がいる場合は、専門家に相談して遺言書を作成するといいでしょう。 まとめ 「住まいの終活」では自身の老後の生活はもちろん、相続人となる家族にも大きな影響を与えます。持ち家に関するトラブルを防ぐには、亡くなるまでのプランを立て、早めに準備にとりかかることが大切です。老後の生活を豊かなものにするためにも、住まいの終活を始めてみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 終活とは?終活では何を準備すればいい? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際...記事を読む

  • 任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点を解説

    任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点を解説

    住宅ローンの返済が困難になって自宅を売却せざるを得なくなった場合、任意売却をすることで競売を回避できます。任意売却なら自分の意志で自宅を売却できるため、市場価格に近い値段で売却できる可能性があります。しかし、任意売却でも競売でも、自宅の売却後には新たに住む家を探す必要があります。 そこで、任意売却にリースバックを利用すれば、住宅ローンの返済に充てる資金を確保しながら、そのまま自宅に住み続けることが可能です。この記事では、任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点について解説します。 任意売却とは 任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になったときに、債権者と債務者の間で合意し、担保不動産を売却することです。任意売却では通常の不動産売買と同じ方法で売却できるので、「経済的な事情を知られずに売却できる」「市場価格に近い値段で売却できる」といったメリットがあります。 関連記事はこちら住宅ローンが払えない!競売を回避する「任意売却」とは? 任意売却にリースバックを利用するメリット 任意売却にリースバックを利用するメリットは以下のとおりです。 売却後も自宅に住める 通常の不動産売却の場合は、売却後に自宅を手放すことになります。別に住む家を見つけて引っ越しが必要になるため、手続きに手間がかかり、引っ越し費用も用意しなくてはなりません。一方で、リースバックであれば、売却後も慣れ親しんだ自宅に住み続けることができます。引っ越しも不要のため、経済的にも利点があると言えるでしょう。 将来的に買い戻しができる リースバックで売却した不動産は、将来的に買い戻しができます。多くのリースバック運営会社では、買い戻しができる期間が定められています。任意売却後に仕事や経済状況が安定すれば、買い戻して再び自宅を所有することも可能です。 任意売却にリースバックを利用する注意点 任意売却にリースバックを利用する場合は、以下の点に注意が必要です。 売却価格が住宅ローンの残債を上回る必要がある 通常、リースバックの売却価格は単独で決まるものではなく、家賃とのバランスによって決まります。売却価格が安くなれば家賃も安くなる関係にあるため、通常はリースバック運営会社との調整が可能です。 しかし、任意売却では担保不動産を売却することで債務を返済しなければならないため、家賃を安くするために価格を下げようと思っても、金融機関(債権者)に認められなければ、リースバック運営会社が提示する売却価格で利用できるとは限りません。 売却価格が安くなる恐れがある リースバックでは、不動産の売却価格が市場価格の7割程度となるのが一般的です。そのため、仲介による不動産売却よりも売却価格が安くなる恐れがあります。また、リースバック運営会社は数が限られるため、通常の不動産買取業者への売却よりも価格が安くなる恐れもあります。 自宅に住み続けることにこだわりがなければ、仲介で売却するほうが自宅を高く売ることができるかもしれません。 リースバック以外の選択肢は? 住宅ローンの返済が困難になった自宅の所有権を手放したくない場合は、「親子間売買」という方法もあります。具体例として、親が住宅ローンを返済するのが難しくなったときに、そのまま住み続けるために親から子に自宅を売却するケースが挙げられます。 親子間売買の注意点は、売買価格と実勢価格の乖離が大きいと贈与とみなされて贈与税が発生する恐れがあることです。また、親子間売買は通常の不動産売買と同じ税金が発生し、譲渡益が生じる場合は所得税や住民税が課税されます。 関連記事はこちら不動産の親子間売買は難しい?デメリットと手続きについて解説 親子間売買で住宅ローンを組むのは難しい 親子間売買は金融機関の審査が厳しいので、住宅ローンを組むのが難しいです。加えて、不動産は高額であるため、購入資金を全額自己資金でまかなうのも現実的ではありません。 親子間売買の資金調達方法として、不動産担保ローンが挙げられます。不動産担保ローンは住宅ローンと比較して金利がやや高くなりますが、まとまった資金を長期間借りることができるので、選択肢のひとつとして検討してもよいでしょう。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 まとめ 住宅ローンの返済が厳しい場合は、任意売却としてリースバックを利用することで自宅に住み続けながら返済に充てる資金を確保することができます。一方で、通常の任意売却と比較して売却価格が安くなる恐れがあるのがデメリットです。 もし、リースバックを選択肢のひとつと考えるのであれば、まずはリースバックの仮査定を申し込み、売却価格の目安を把握しましょう。具体的な目安を知ることで、本当に自分がリースバックに向いているかどうかを判断しやすくなるのでおすすめです。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • 不動産の親子間売買とは?デメリットや手続きについて解説

    不動産の親子間売買は難しい?デメリットと手続きについて解説

    不動産の親子間売買とは、文字どおり親子間で不動産を売買することです。自宅の親子間売買は、基本的には個人間の不動産売買と大きな違いはありません。しかし、税金の取り扱いやローンの組み方など、注意すべき点もあります。 この記事では、自宅の親子間売買の注意点や手続きの流れなどについて解説します。 自宅の親子間売買における注意点 売買に関する費用が発生する 自宅の親子間売買で発生する税金は、基本的には通常の不動産売買と同様です。 親から子に自宅を売却して譲渡益が発生した場合、売主である親に譲渡所得税がかかります。税率は不動産の所有期間によって異なり、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら短期譲渡所得として約39%、5年超なら長期譲渡所得として約20%です。 なお、通常のマイホーム売却で売主に適用される「3,000万円の特別控除」「特定居住用財産の買換え特例」は、親子間売買では適用されないので注意が必要です。 一方、買主である子には、契約時に不動産取得税や印紙税、登記手続き時に登録免許税などがかかります。また、自宅を購入後は毎年固定資産税の負担も生じます。 出典) ・国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 ・国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 贈与税が発生する恐れがある 売買価格と実勢価格の乖離が大きいと贈与とみなされ、贈与税が発生する恐れがあります。「類似物件の取引価格を調べる」「不動産会社や不動産鑑定士に査定を依頼する」などの対応を行った上で、適正価格で売買することが大切です。 贈与とみなされないか心配な場合は、売買価格に問題がないかを税理士などの専門家に確認するといいでしょう。 自宅の親子間売買の手続き 自宅の親子間売買を行うときの流れは以下のとおりです。 不動産に関する情報収集(登記簿謄本の取得、実勢価格の調査など) 売買価格の決定 売買契約書の作成 売買契約の締結 購入代金の支払い 登記手続き 売買契約書を作成するために、まずは売却する自宅について情報収集を行います。登記簿謄本を取得して、所有者や抵当権設定の有無などを確認しましょう。また、不動産会社に査定を依頼するなどして、自宅の実勢価格を調べます。 不動産の売買価格は売主と買主で自由に決められますが、実勢価格から乖離した著しく安い価格での取引は贈与とみなされることがあります。売却価格を決定したら、契約書を作成して売買契約の締結と購入代金の支払い、登記手続きを行いましょう。 一連の手続きは個人で行うことも可能ですが、不備があると契約や登記手続きに手間取るだけでなく、贈与とみなされる恐れもあります。不動産に知見のない個人の方では難しいことも多いので、必要に応じて税理士や司法書士、不動産会社などに相談しながら手続きを進めるといいでしょう。 住宅ローンは利用できない?購入代金を用意する方法 親子間売買で自宅を購入する場合は金融機関の審査が厳しくなるため、住宅ローンを組むことが難しい場合があります。住宅ローンを組めなかったからといって、現金購入という手段は現実的ではないでしょう。 そのような時に、不動産担保ローンであれば融資を受けられる可能性があります。不動産担保ローンは借入限度額が比較的大きく、長期にわたって借りられるという特長がありますが、住宅ローンと比較すると金利が高くなります。住宅ローンを組めない場合は不動産担保ローンも選択肢のひとつです。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 親子間売買ではなくリースバックという選択肢も 親子間売買の目的が「不動産を活用して資金を確保すること」であれば、「リースバック」という選択肢もあります。リースバックで自宅を売却することで、手元資金を確保しつつ、そのまま自宅に住み続けることができます。詳細は以下の記事で解説しています。 関連記事はこちら任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点を解説 まとめ 自宅の親子間売買は、通常の不動産売買と大きな違いはないものの、適正価格で売買を行わないと贈与とみなされる恐れがあります。また、親子間売買には住宅ローンを利用できない場合も多く、どのように購入のための資金を確保するかが大きな課題となります。 親子間売買の目的や、置かれている状況に応じて住宅ローンを利用できるかどうかは異なります。判断が難しい場合は、金融機関や専門家に相談してみるのも有効です。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 シニアが住み替える際の4つのポイント シニア世代は、子どもの独立や退職などをきっかけに生活環境が大きく変化します。今住んでいる家がライフスタイルに合わなくなると、将来を見据えて住み替えを検討することもあるでしょう。 この記事では...記事を読む

    2021.01.06自宅購入
  • 終活とは?いつから始める?老後資金が足りないと気づいたら?

    終活とは?終活では何を準備すればいい?

    昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際は家族や友人関係、医療・介護、財産など、生前のうちに確認し、準備しておくべきことはたくさんあります。 老後の不安を解消し、残りの人生を自分らしく生きるには、終活について理解しておくことが大切です。この記事では終活ですることや始めるタイミング、老後資金の準備について解説します。 終活とは 終活は週刊誌によって作られた言葉で、「人生の最期を迎えるための活動」といった意味に加え、「残りの人生をより前向きに自分らしく生きるための活動」という意味もあります。 終活が注目されるようになった背景には、高齢化によって老後破産や孤独死、認知症、相続トラブルなどの増加が社会問題化していることがあります。厚生労働省の簡易生命表(2019年)によれば、男性の平均寿命は81.41年、女性は87.45年です。また、90歳まで生存する人の割合は男性27.2%、女性51.1%となっています。 このような背景から「老後生活の不安を解消したい」「家族に負担をかけたくない」と考える人が増え、終活に取り組む人が増えていると考えられます。 出典)厚生労働省「2019年(令和元年)生命簡易表の概況」 終活はいつから準備する? 終活を始めるタイミングは人それぞれで正解はありません。「仕事を辞めて年金生活になった」「一定の年齢に達した」など、人生の転機を迎えたときや死を意識したタイミングで、少しずつ進めていくといいでしょう。 ただし、認知症を患うなど、意思表示ができなくなると始めるのは難しくなります。そのため、まだ元気なうちに、「少し早いかな」と思うぐらいのタイミングで始めるのがおすすめです。 終活では何を準備する? 終活では、現在の状況と将来するべきことを整理するために、エンディングノートを作成するといいでしょう。エンディングノートに法的な効力はなく、書き方のルールもないので、好きな方法で作成して構いません。エンディングノートでは、主に以下の内容について整理します。 自身や家族、友人のこと 自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や趣味などを書いておけば、誰が書いたものかが一目でわかります。スマホやインターネットなど、自身が契約しているサービスについても伝えておくと家族は助かるでしょう。また、家族や友人の連絡先、自身との関係なども書いておくと、必要に応じて連絡をとることができます。 医療や介護のこと 判断力が低下したり、意思表示ができなくなったりしたときのために、かかりつけ医や持病、飲んでいる薬、アレルギーなどについて書いておくといいでしょう。また、介護や延命治療に関する希望を伝えておくと、もしものときに家族が判断しやすくなります。 財産に関すること 老後生活が長くなるほど、財産を適切に管理することの重要性は高まります。収入や支出の項目・金額を整理して、老後の家計収支を把握しましょう。また、預貯金や不動産、金融資産など保有中の資産を一覧にしておくことも大切です。 葬儀やお墓のこと 最近では、葬儀やお墓に対する考え方が多様化しており、その様式もさまざまです。たとえば、葬儀は一般葬の他に、参列者が親族のみの家族葬や一日葬などもあります。また、お墓も代々受け継いでいく家族墓だけでなく、永大供養墓や散骨といった形もあります。そのため、葬儀やお墓についての希望、連絡先のリストなどを書いておくといいでしょう。 相続のこと 相続トラブルを避けるには、相続人や相続財産について整理する必要があります。また、預貯金や不動産といった資産だけでなく、借金などの負債も相続財産に含まれる点に注意が必要です。相続について希望がある場合は、遺言書の作成も検討しましょう。 終活をするメリット 終活をするメリットとしては下記のようなことが挙げられます。 万が一の備えになる 医療や介護に関する希望を家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておくことは万が一の際の備えになります。例えば、認知症になって判断力が低下したり、意識不明や重篤な状態に陥ってしまった場合に、延命治療や介護の希望などを伝えておくと、家族が判断をしやすくなります。 また、エンディングノートに自身のアレルギーや持病、常備薬を記載しておくことももしものときの備えになります。 相続をスムーズに進められる 財産の整理や相続の準備をしておくことで、残された家族が相続をスムーズに進められます。例えば、エンディングノートに保有している金融資産や不動産などをまとめて記載しておくと、残された家族が財産を把握しやすくなります。 また、相続について希望がある場合は、遺言書を作成しておくことも有効です。財産の整理や遺言書の作成をしておくことで相続をスムーズに進められるだけでなく、トラブルを回避することにもつながります。 葬儀やお墓の手配をスムーズに進められる 葬儀やお墓の希望について家族に伝えておくことで、手配をスムーズに進めることができます。自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。そこで、葬儀やお墓について希望を伝えておくことで、家族が段取りをしやすくなり、負担を軽減することができます。 また、事前に自身でお墓を用意しておいたり葬儀費用を準備しておくことも、残された家族の負担を軽減することができます。 自身の経済状況を把握できる エンディングノートに自身の財産等をまとめることで経済状況を把握できます。そして、自身の経済状況を把握することは、健全な家計収支の維持にもつながります。 自身の経済状況を把握し、今後の人生をどのように過ごすのか改めて見直すことは充実した老後生活を送るためにも大切です。 備忘録になる エンディングノートに保有している銀行口座や保険、株式をまとめておくと備忘録になります。また、各種暗証番号等を記載しておけるエンディングノートなどもあります。 このようにエンディングノートを備忘録として活用するのも一つの有効な方法であると言えます。 人生の振り返りができる 終活は自身の人生を振り返る良い機会でもあります。エンディングノートには様々な種類があり、中には自分史や思い出について記載できるものもあります。このようなことを改めて整理することで、今までの自身の人生を振り返ることができます。 今後の人生をより良く生きるためにこれまでの自身の人生を振り返ることもおすすめです。 生きがいや目標を発見できる 終活では、残された家族の負担を軽減することにフォーカスされることが多いです。しかし、自身の人生を振り返り、今後の人生をより良く自分らしく生きることができるようにするというのも終活を行う目的の一つです。 終活に際しては、これからのセカンドライフで何をしたいか、だれと会いたいかなどを整理してみるとよいでしょう。そうすることで、新たな生きがいや目標を発見することができるかもしれません。 出典)日本FP協会 「終活、何をしておくか」 終活をしなかった場合に生じる問題 終活をしなかった場合、下記のような問題が生じる可能性があります。 医療や介護に関する希望を把握できない 年を重ねるにつれて医療や介護が必要になる可能性が高くなります。万が一意識不明や重篤な状態に陥り意思表示が難しくなった場合に、延命治療や介護の希望がわからないと家族が判断をしにくくなります。 相続トラブルが発生する 終活によって自身の財産の整理や相続に関する希望を遺しておかなかった場合、相続トラブルが生じる可能性が高くなります。相続トラブルは遺産内容が不透明であることや遺産分割の割合に偏りがあることに起因するケースが多いです。 葬儀やお墓の準備に手間がかかる 自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。例えば、葬儀の日程や形式、寺院の選定、訃報を知らせるべき方の選定などです。これらのことを一から決めるのは非常に手間がかかります。 残された家族が財産を把握できない 自身の財産をまとめて記録しておかないと、残された家族が財産を把握しにくくなります。近年ではパソコンやスマートフォンなどに保存しているデジタルデータなど目に見えない財産も増えています。これらの財産は、家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておかないと把握できない可能性が高いです。 十分な老後資金が準備できているかを確認する 終活の中でも、優先的に取り組んでおきたいのが老後資金の問題です。残された家族のことを思えば、自身が亡くなった後のことについて考えるのは大切なことです。しかし、終活では、自身の老後生活に問題がないかを確認するのが、最優先で取り組むべき課題です。 現在の家計収支や資産状況を整理・把握して、十分な老後資金が準備できているかを確認しましょう。もし老後資金が不足するようなら、早急に対策をたてる必要があります。 終活に「リースバック」という選択肢も 老後資金が足りない場合、持ち家があるなら「リースバック」という選択肢があります。リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。 リースバックはローン商品ではなく、売却と賃貸が一体となった不動産取引であるため、利用にあたって年齢や収入の制限はありません。また、持ち家を売却すると、通常は別の住居を確保する必要がありますが、リースバックならそのまま住み続けることが可能です。 加えて、リースバックを利用して不動産を現金化すれば財産を分配しやすくなるため、相続トラブルを回避するための手段としても活用できます。 終活に関するよくある質問 終活をしている人はどのような理由で始めますか? インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。また、約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。 出典)PRTIMES「デジタル終活知っている?希望するお墓のカタチは?20~70代にきく終活に関する意識調査(マクロミル調べ)」 生前整理として残しておくべきものはどういうものですか? 生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。 終活として断捨離しておくと良いものはありますか? 不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。 終活をする上での注意点は何ですか? 終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。 出典)消費者庁 「第1部 第1章 第4節(4)高齢者が巻き込まれる詐欺的なトラブル」 《Appendix》エンディングノートの記載例 以下はエンディングノートに記載する内容の一例です。 自分自身や家族、友人のこと 自分自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や家族、友人についての記載例です。下記の内容以外にも自身で書きたいことがあれば記載しておくと誰が書いたのか分かりやすくなります。また、家族や友人については、自身の死後に連絡を希望するかまで記載をしておくと家族が判断をしやすくなるでしょう。 自分のこと 名前山田 太郎 生年月日1950年1月1日 住所〒〇〇〇ー〇〇〇〇東京都新宿区西新宿〇ー〇〇 本籍地〒〇〇〇ー〇〇〇〇東京都渋谷区道玄坂〇ー〇〇ー〇〇 血液型A型 趣味釣り読書 家族・友人のこと 氏名関係住所連絡先訃報について 山田 花子妻東京都新宿区〇〇・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせる 山田 次郎子東京都世田谷区〇〇・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせる 山田 二郎弟埼玉県〇〇市・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせない 佐藤 三郎友人福島県〇〇市・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせない 医療や介護のこと 医療や介護についての記載例です。持病については、常備薬やかかりつけの病院まで記載をしています。また、万が一の際に備えて延命治療や介護の希望についても記載をしておくと良いでしょう。 医療や介護のこと 持病高血圧 常備薬〇〇、〇〇〇〇 かかりつけの病院〇〇病院 〇〇科 担当医:〇〇 アレルギー卵、えび、かに、いか 延命治療希望しない 介護の希望自宅で家族に介護をしてもらいたい 財産のこと 財産についての記載例です。下記では、預貯金と株式について記載していますが、それ以外でも、資産を保有している場合は一覧にしてまとめておくと良いでしょう。 預貯金のこと 金融機関名〇〇銀行支店名〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇〇口座名義山田 太郎 口座種別普通備考 株式のこと 預入証券会社〇〇証券口座番号〇〇〇〇〇〇〇 名義人山田 太郎備考〇〇の株式を100株保有 葬儀やお墓のこと 葬儀やお墓についての記載例です。葬儀については、下記のような事項について記載をしておくと葬儀の準備がスムーズに進みやすいです。また、下記以外にも葬儀に参列してほしい人を表にしてまとめておいたり、納棺時の服装や棺に入れてほしいものなどを記載することもあります。 葬儀のこと 葬儀を希望する/しない希望する 葬儀会社・斎場株式会社〇〇住所:東京都新宿区〇ー〇〇 費用について準備している 葬儀の種類家族葬 宗教の希望仏教 遺影についてあり(机の引き出しの一番上) 戒名についてこだわりはありません お墓のこと お墓の有無先祖代々のお墓 埋葬方法の希望永代供養墓 お墓がある場合墓地・霊園の名称:〇〇霊園住所:東京都練馬区〇〇ー〇〇連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 相続のこと 下記は遺言書についての記載例です。遺言書がある場合は、保管している場所まで記載をしておくと良いでしょう。また、遺言書の有無以外にも、遺産分割や遺品の処分について希望がある場合は、記載をしておくことをおすすめします。 相続のこと 遺言書の有無有 遺言書の種類自筆証書遺言(机の一番下の引き出し) 遺言書の関係者弁護士:〇〇連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 まとめ 終活は、家族の負担を減らせるのはもちろん、残りの人生を自分らしく生きることにも役立ちます。終活ですることはたくさんありますが、最優先して取り組むべきことは財産整理です。家計収支や資産状況を整理した結果、持ち家があって老後資金が不足しそうな場合はリースバックの活用を検討しましょう。 リースバックならSBIスマイル もっと詳しく知りたい方はこちら SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定も無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、所有している資産を第三者に売却し、リース契約を締結することで、それまでと同じ資産を利用し続けることを可能にする取引手法を指します。住宅においては、自宅を売却して現金を得て、...記事を読む { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "終活をしている人はどのような理由で始めますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。その次に約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。" } }, { "@type": "Question", "name": "生前整理として残しておくべきものはどういうものですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。" } }, { "@type": "Question", "name": "終活として断捨離しておくと良いものはありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。" } }, { "@type": "Question", "name": "終活をする上での注意点はありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。 " }} ] }

  • 老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット

    老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット

    リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックを利用することで老後の不安を解消し、より快適な生活が送れるようになるかもしれません。この記事では、老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリットを紹介します。 メリット①:老後資金を確保できる 持ち家があって老後の生活費が足りない場合、通常は自宅の売却を検討するのではないでしょうか。しかし、自宅を売却すると転居先を決めたり、引っ越しの手間や費用が発生したりします。また、慣れ親しんだ自宅に住み続けたいのであれば、リースバックも選択肢のひとつとなるでしょう。 リースバックで自宅を売却すれば、まとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。また、住宅ローンの返済が苦しくて老後資金を貯められない場合も、リースバックの売却資金で住宅ローンを一括返済すれば、家計収支を改善できます。 関連記事はこちら老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編) メリット②:相続問題が解決される リースバックは、複数の相続人がいる場合に、相続問題を解決する手段としても利用できます。不動産は実物資産であるため、複数の相続人がいる場合は簡単に分けられません。相続資産の大部分を自宅が占める場合、財産をどのように分けるか折り合いがつかず、相続争いが起こることもあります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、所有権がリースバック運営会社に移転するため、自宅をどう分けるかを考えなくて済みます。特に相続財産が自宅と預貯金のみの場合、不動産を現金化すれば相続財産は預貯金のみとなるので、均等に分配しやすくなります。 関連記事はこちら相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 メリット③:固定費の増加要因や突発的な支出がなくなる 老後の家計収支を安定させるには、固定費を下げたり、突発的な支出を減らしたりすることが大切です。 持ち家の場合、家賃を払う必要はありませんが、固定資産税がかかります。また、マンションなら、管理費や修繕積立金の支払いも必要です。他にも、設備の故障などで急にまとまった支出が発生する可能性もあるでしょう。 そのようなときにリースバックで賃貸に切り替えて、毎月一定額の家賃を払うようにすれば、家計管理がしやすくなります。また、固定資産税や管理費・修繕積立金がなくなり、家賃のみの支払いになるほか、老朽化などで設備が故障した場合の費用がオーナー負担となるのも安心材料です。 関連記事はこちら老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 メリット④:自然災害リスクを減らせる リースバックで自宅を売却して賃貸に切り替えれば、自然災害で住居に被害が出ても、修繕費用などはリースバック運営会社が負担してくれます。しかし、持ち家の場合は、修繕や建て替えにかかる費用は自分で負担しなくてはなりません。 持ち家の場合には火災保険や地震保険に加入することで備えることもできますが、保険に加入していても、保険金で費用を全額カバーできず、持ち出しが発生する場合があります。また、災害などで住むことができない状態になったとしても、住宅ローンが残っている場合、基本的にローン返済は免除されません。 近年では、地球温暖化の影響により、台風や洪水などの自然災害リスクが高まっています。また、日本は地震大国でもあり、過去には阪神・淡路大震災や東日本大震災といった大地震も発生しているので、楽観視できないでしょう。そのため、自宅に住み続けながら自然災害リスクに備えたいなら、リースバックは有効な手段となるでしょう。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 老後のリースバックに関するよくあるご質問 老後にリースバックを利用するにあたり、よくあるご質問を3つ紹介します。 Q. リースバックを利用した後、ずっと住み続けられますか? リースバックの賃貸借契約には、「定期借家契約」と「普通借家契約」の2種類があります。定期借家契約の場合は再契約できる保証がなく、2~3年の契約期間満了後に退去しないといけなくなる恐れがあります。できるだけ長く住み続けたい場合は、普通借家契約が可能な運営会社を選ぶと安心です。 Q. 毎月の家賃を安くすることはできますか? リースバックの家賃は売却価格と家賃のバランスで決まり、売却価格が安くなると家賃も安くなります。そのため、運営会社と交渉して売却価格を抑えることで、周辺の賃料相場より家賃をかなり安く設定することも可能です。ただし、売却価格を抑えすぎると調達できる資金が少なくなります。リースバックの家賃を安くしたい場合は、売却価格とのバランスを検討してから交渉しましょう。 Q. 配偶者が契約を引き継ぐことができますか? 自宅をリースバックで売却した場合、残された配偶者が契約者である夫(妻)が死亡した後も住み続けられるか気になるのではないでしょうか。賃貸借契約は相続の対象になるため、夫(妻)の死亡後も配偶者が契約を引き継ぐことが可能です。念のため、運営会社に契約を引き継げるかを確認しておくと安心です。 デメリットは「家を遺せないこと」 リースバックの最大のデメリットは、家を遺せないことにあります。自宅の所有権が運営会社に移転してしまうので、子供に家を遺したい場合は、リースバックを利用すべきではありません。 家を遺すことにこだわりがなければ、老後資金や相続問題など、自身の抱えている悩みがリースバックによって解決できるのかどうかを考えてみましょう。ご自身で判断が難しければ、専門家に相談してみるのもおすすめです。 まとめ 「家を遺せない」というデメリットを許容できるのであれば、老後のリースバックはいくつかの問題を解決する選択肢となります。持ち家があり、老後資金や相続、自然災害などの不安を抱えているなら、リースバックを検討してみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

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