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「商品・サービス」の記事一覧

  • 不動産担保ローンを比較する5つのポイント

    不動産担保ローンを比較する5つのポイント

    不動産担保ローンは銀行やノンバンクなど、多くの金融機関が商品を提供しています。そのため、初めて不動産担保ローンを利用する場合、どのようなポイントを比較すればいいのかわからないかもしれません。 この記事では、不動産担保ローンを比較する5つのポイントを紹介します。 比較するポイント1 ― 融資金額 不動産担保ローンの融資限度額は、担保となる不動産と債務者の与信で決定されます。担保不動産の評価は会社ごとに行われ、そこから担保掛目を乗じた金額が融資限度額となります。また、年収や勤務先、勤続年数といった個人の与信によって、最終的な融資限度額が決定されます。 一般的に担保掛目は不動産評価額の60%から80%程度に設定されており、金融機関によって差があります。また、担保不動産の評価方法も金融機関によって異なるため、同じ担保不動産でも融資金額に差が生まれます。不動産担保ローンを利用する場合は、複数の金融機関に相談して融資金額を比較しましょう。 比較するポイント2 ― 費用(金利、手数料など) 不動産担保ローンでは金利や手数料がかかるため、これらの費用も比較するポイントになります。不動産担保ローンでは、以下のような費用がかかります。 金利 事務手数料 登記費用(司法書士報酬、登録免許税など) 審査に必要な書類の取得費用(住民票、印鑑証明書など) 印紙代 繰上返済手数料(一部繰上返済と全部繰上返済で手数料が異なる) これらの中で、まず比較しておきたいのは金利です。融資金額と返済期間が同じ場合、金利によって月々の返済額や総返済額は大きく異なります。月々の返済額に注目しがちですが、必ず総返済額も比較しましょう。 また、事務手数料をはじめとする諸費用も無視できません。特に事務手数料は「融資金額の~%」という形でかかるため、少しの差で負担する費用は大きく変わります。借り換えの場合は、今まで借りていたローンの一括返済時に繰上返済手数料がかかるので、諸費用を考慮しても借り換えたほうが有利なのか判断する必要があります。 比較するポイント3 ― 融資までのスピード 不動産担保ローンの融資までのスピードは「最短即日」「1週間程度」など、金融機関によって異なります。早期に資金を用意しなくてはならない場合は、借入が必要なタイミングを伝えて、希望する時期に間に合うかを確認しましょう。早期に資金が必要なことを事前に伝えておけば、優先的に対応してくれる場合もあります。 ただし、融資までのスピードは早いほどいいとは限りません。担保不動産を評価する際、物件によっては現地調査なども必要になるため、ある程度の時間を要します。「即日融資が可能」とうたっている金融機関もありますが、あくまでも不動産評価に時間を要しない他、必要書類がすべてそろっているなど限られた場合である可能性が高いので注意が必要です。 比較するポイント4 ― 融資担当者の対応 不動産担保ローンを利用するときは、融資担当者の対応についても比較しましょう。初めて借りる人にとって不動産担保ローンの手続きは複雑で、理解が難しい用語も多く出てきます。融資担当者が手続きや用語についてわかりやすく解説し、サポートしてくれれば安心して利用できます。 金融機関によっては、専属の担当者をつけてくれたり、電話でサポートを受けられたりするところもあります。金利や費用はもちろん大事ですが、融資担当者の対応が適切でないと、スムーズに契約できずにトラブルになる恐れもあるので、安心して任せられる担当者を選びましょう。 比較するポイント5 ― 金融機関の信頼性 不動産担保ローンは、金融機関選びも重要なポイントになります。前述のとおり、担保不動産の評価は金融機関によって異なるため、有利な条件で融資を受けるには信頼性の高い金融機関を選ぶことが大切です。 不動産担保ローンを借りている中で、融資を受けた金融機関が倒産する恐れもあります。また、金利や費用、融資までのスピードなど、1つのポイントだけで判断すると、返済中にトラブルに巻き込まれるかもしれません。営業年数や融資実績、ブランド、提案内容などを比較したうえで、安心して利用できる金融機関かどうか判断しましょう。 まとめ 不動産担保ローンは資金使途が基本的に自由なので、運転資金や開業資金など、まとまった現金が必要になった場合や長期で融資を受けたい場合に活用できます。ただし、金融機関によって担保不動産の評価方法は異なり、融資金額や金利などの融資条件、諸費用にも差があります。 不動産担保ローンを利用する際は、必ず複数の金融機関に相談して比較検討することが大切です。この記事で紹介した5つのポイントを参考に、不動産担保ローンを提供する金融機関を比較してみてください。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンとは、不動産を担保とするローン商品のことです。不動産を担保にすることで、無担保ローンと比べてまとまった金額を低金利で借り入れることが可能です。一方で、万が一返済ができなくなっ...記事を読む

  • コロナで住宅ローン負担増、借り換えできない場合の選択肢とは!

    コロナで住宅ローン負担増、借り換えできない場合の選択肢とは!

    新型コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。とはいえ、住宅ローンそのものの借り換えが思うように進まない方もいるでしょう。この記事では、住宅ローンの返済に不安をもつ方が、少しでも気持ちを楽にして今後を過ごせる手段として、どのような方法があるのかをご紹介します。 <ご相談者 Hさん> 61歳男性・会社員(年収400万円) 妻は病弱で専業主婦。子供はいない。 新型コロナウイルスの影響で、夫の会社の業績が落ち、ボーナスは大幅減。 45歳で購入したマンションの住宅ローンはボーナス返済が大きく辛い。 借り換えをしようとしたが、審査で落ちてしまった。 ボーナスダウンで住宅ローンが重荷に、借り換えしたかったが… Hさん:会社員の我が家でも新型コロナウイルスによる収入ダウンの影響を受けています。60歳までは色々な手当があったのですが、定年後に再雇用となったことに加え、新型コロナウイルスの影響によりボーナスも大幅減です。 FP吹田:この新型コロナウイルスの影響は大変ですよね。何年前に住宅ローンを借りられたのですか?当初の借入金額や金利、返済期間を教えてください。また、繰上返済などをされたかどうかも念のため教えてください。 Hさん:はい、住宅ローンは45歳のとき、今から16年前に3,300万円を公庫で借りて、当初の金利は2.5%、借入期間は35年でした。当時は忙しくて金利などに無頓着だったこともあり、繰上返済もせずほったらかしでした。 FP吹田:仕事が忙しいと、なかなか住宅ローンを見直しする時間もとれなかったでしょうね。 Hさん:ただ、返済開始から11年目以降に金利が上がる段階金利型だったので、金利が2.5%から3.5%になり、今の返済は毎月9.5万円、ボーナス月で22.5万円も返済があります。今私は61歳ですから、まだ19年も今の返済が続くのは辛いと思って借り換えを試みたのですが、ダメでした。 FP吹田:そうだったのですか。住宅ローンの審査は金融機関ごとに異なりますが、ご年齢が61歳であることや再雇用により給料が減少したことで断られてしまった可能性がありますね。 Hさん:借り換えができないとなると、どうしたらいいでしょうか?なんだか、今後も返済し続けるということに大きなストレスを感じてきました。とはいっても、いきなり賃貸物件へ引越すのも、妻の身体が弱いので体力的に心配です。 住宅ローンを完済しつつ、今の自宅に住み続ける手段への転換も FP吹田:なるほど。新型コロナウイルスの時代に、今後も住宅ローンを返済し続けることそのものに、ストレスを感じていらっしゃるのですね。とはいっても、奥様のことを心配して、いきなり引っ越しは避けたいのが本音ですね。今、このタイミングで両方を満たせる手段がありそうと言ったらご興味ありますか? Hさん:そんな方法があるのですか? FP吹田:はい、不動産という資産があって、ある程度住宅ローンを返済されてきたからこそできる手段で、リースバックというものです。 Hさん:どんな内容なのですか? FP吹田:簡単に言うと、ご自宅をリースバック運営会社に売却し、そのままその会社から現在の自宅を賃借して住み続けるというものです。以下に仕組みやメリット・デメリットを整理してみました。参考までに住宅ローンの借り換えとも比較しています。 リースバックと住宅ローンの借り換えのメリット・デメリット リースバック 住宅ローンの借り換え 仕組み不動産を売却後、そのまま賃借して住み続ける住宅の所有権はそのまま、住宅ローンの借入先を変更 メリット ・手元資金を確保する事ができる・融資審査ではなく不動産売却後の入居審査のため、融資に比べ審査が通りやすい ・借り換えできれば、金利条件などでローン返済が軽くなる・所有権は変わらない デメリット 所有権を手離すことになる(売却価格は周辺相場よりも安くなりがち) 不動産を所有することで生じるリスクが残る。(災害リスク・金利上昇リスクなど) Hさん:なるほど。自宅を所有し続けるのではなく、売却するけれども、引越しをしたりすることなく、そのまま住み続けるということですね。 FP吹田:はい、売却代金が入るので、住宅ローン残高が残っていたとしても、残債を売却金額が上回っていれば住宅ローンを精算することが可能です。 Hさん:あとは、家賃を払うのですね。 FP吹田:はい、毎月の家賃(リース料)という形なので、管理費や修繕費用、固定資産税などの維持費がかからないですし、会社によっては賃借の費用である敷金・礼金・更新料も不要な場合もあります。 Hさん:維持費がかからないのは、本当に気楽になりますね。固定資産税も重荷でしたから。気になるのはいくらで売れるかですね。 FP吹田:はい、売却価格が周辺相場より下がる傾向はありますが、買い手が見つかるまで待つこともなく迅速に現金化できることや、今後、新型コロナウイルスの影響で不動産の価値も変わる可能性を考えると、今の時点で整理してみる価値はあるかと思います。 Hさん:確かに。今の自分の状態から優先順位を考えると、住宅ローンから解放されることと、維持費負担も楽になること、引っ越さなくてもいいという利点は、無視できませんね。検討してみます。たぶん、妻も賛成してくれると思います。 FP吹田:はい、共同生活者でもある奥様と相談されて、今後の生活で一番不安が少ないこと、安心できることを優先に意思決定されるのがよいと思います。今回、住宅ローンの借り換えができなかったのがきっかけですが、今までの延長でご自宅を所有することよりも、大切なことに気づかれたのではないでしょうか? Hさん:はい。これだけ環境が変化すると、自宅の所有に伴う負担がずいぶん重荷になっていたのに気づきました。住宅ローンを返し続ける重荷がなくなれば、今後は、働き方や生活拠点ももう少し自由に妻と話し合っていけそうです。前向きに検討します。 まとめ 住宅ローンの借り換えができない現実に!住宅ローンを完済し、かつ引っ越しをせずに生活を維持できる方法は? リースバックのメリットとデメリット 不動産売却により住宅ローン残高の精算ができる 引っ越しせずに今の自宅に住み続けられる 固定資産税などの維持費や、修繕費用などの突発的な出費がなくなる 自宅の所有権はなくなる 売却価格は、周辺相場より安くなりがち 毎月のリース料(家賃)が発生する リースバックならSBIスマイル リースバックの商品詳細はこちら もっと詳しく知りたい方はこちら SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定も無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、所有している資産を第三者に売却し、リース契約を締結することで、それまでと同じ資産を利用し続けることを可能にする取引手法を指します。住宅においては、自宅を売却して現金を得て、...記事を読む

  • リースバックのデメリットやリスクは?トラブル事例とその回避方法について解説

    リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説

    リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ることもあるかもしれません。契約してから後悔しないためには、事前にトラブル事例を把握したうえで、それらに対処する方法を理解しておくことが大切です。 この記事では、リースバックのトラブル事例と、トラブルを避ける方法について解説します。 ①売却価格が適正価格より安かった 前提として、リースバックの売却価格は、基本的に市場価格よりも安くなります。これはリースバック運営会社が借主の家賃滞納リスクや、買い戻しに応じるために自由に売買できない制約などを抱えているためです。一般的に、売却価格は市場価格の70%前後になる場合が多いです。 しかし、運営会社によっては、想定以上に安い売却価格を提示する場合があります。提示された売却価格が安すぎることに気づくためには、複数の運営会社に相談して売却価格を比較することが有効です。ひとつの運営会社だけで判断しないように気を付けましょう。 ②家賃が支払えなくなった リースバックは、自宅を売却した後に家賃を支払うことになります。売却価格を重視して契約した場合、その家賃は相場に比べて割高に設定されることが多いです。家賃の設定が自身の家計に対して適切でないと、支払いが徐々に厳しくなり、最終的には手元資金が枯渇して家賃が支払えなくなる恐れがあります。 後から家賃が支払えなくなるトラブルを回避するためには、契約前に売却価格と賃料設定のバランスが適切かどうか、複数の運営会社で確認することが大切です。運営会社によって不動産の評価方法や賃料設定は異なるので、ひとつの運営会社だけで判断せず、必ず複数の会社を比較して判断しましょう。 また、家賃を問題なく支払い続けられるように、長期間の収支シミュレーションを作成するのも有効です。自身の今後の収入見込み額や貯金額などの状況を整理して、本当に支払い続けられる適切な家賃設定かを判断しましょう。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!賃料相場よりも高い? ③家賃の引き上げを要求された 固定資産税の上昇、土地または建物の価格の上昇、その他の経済事情の変動などにより運営会社から家賃の引き上げを要求されることがあります。家賃は毎月支払わなければならないため、少しの値上げであっても、将来的には大きな負担となり、最終的に家賃が支払えなくなってしまうかもしれません。 賃貸借契約が普通借家契約の場合、契約書の特記事項に家賃を増額しない旨が記載されていれば、家賃の引き上げを要求されることがありません。契約を締結する前にしっかりと確認することが大切です。 また、賃貸借契約が定期借家契約の場合は、契約期間中に家賃の引き上げを要求されることはありません。一方で、再契約のタイミングで要求される恐れがあります。もし確実に家賃を引き上げを要求されないようしたい場合は、普通借家契約かつ特記事項に家賃を増額しない旨を記載してもらえないかを、運営会社に相談してみましょう。 ④再契約時に退去を求められた リースバックの賃貸借契約では、賃貸借契約期間が定められている定期借家契約も用いられます。。定期借家契約の締結時に「再契約によって住み続けることが可能」と説明されていたとしても、契約期間満了後に運営会社の事情で再契約を断られた場合は、退去しなくてはなりません。 こうしたトラブルを回避するためには、事前に賃貸借契約が「普通借家契約」であるかを確認しておきましょう。「普通借家契約」であれば、正当な事由がない限り、貸主都合による一方的な賃貸借契約の解除はできません。もし「定期借家契約」で賃貸借契約を締結するのであれば、賃借期間が満了した時点で退去すると考えておきましょう。 なお、定期借家契約であっても、期間満了前の正当な事由がない退去命令はできません。そのため、契約期間の途中であれば、貸主から退去を求められたとしても基本的に応じる必要はありません。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 ⑤買い戻し資金が足りなかった リースバックでは、基本的に売却した自宅の買い戻しが可能です。そのため、将来的に自宅を買い戻すことを前提として、リースバックの利用を検討している人もいるでしょう。しかし、一般的にリースバックの買い戻し価格は、売却価格よりも高くなります。そのため、提示された買い戻し価格が想定より高く、資金不足で買い戻しができない場合も考えられます。 買い戻しのために住宅ローンが組める可能性もありますが、年齢や収入によっては、買い戻しのために新たな住宅ローンを組むのは難しいかもしれません。買い戻しを想定してリースバックを利用する場合は、住宅ローンが使えない前提で資金計画を立てておくことが大切です。。 ⑥買い戻しに応じてもらえなかった 資金の問題で自宅の買い戻しができない場合もありますが、そもそも運営会社が買い戻しに応じない場合もあります。買い戻しに関する契約を締結している場合などは、運営会社は買い戻しに応じなければなりませんが、このような契約を書面ではなく口約束のみで済ませてしまった場合、買い戻しを拒否されてしまう恐れもあります。 このようなトラブルを避けるため、将来的に自宅の買い戻しを検討している場合は、買い戻し条件を必ず書面化しておきましょう。具体的には、「売買契約書上に特約として明記する」、「売買予約契約を締結する」といった方法があります。加えて、買い戻し価格が高くなりすぎないよう、複数の会社を比較したうえで契約することが大切です。 関連記事はこちらリースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説 ⑦相続人ともめてしまった リースバックで自宅を売却する場合は、サービスを利用することをあらかじめ相続人に話しておかないと、相続でもめる原因になる恐れがあります。リースバックは売却後も同じ家に住み続けられるので、自宅を売却したことを第三者に知られることは少ないでしょう。たとえ子どもであっても、何も話しておかなければ、気づかない場合がほとんどです。 そのため、子どもは将来自宅を相続するつもりだったにもかかわらず、知らぬ間に自宅がリースバックで売却されていたとなれば、親族といえどもトラブルになる恐れがあります。リースバックはリバースモーゲージと異なり、サービスの利用要件に推定相続人からの同意を必要としませんが 、相続トラブルを回避するために、リースバックを利用する場合は、事前に推定相続人にも伝えておきましょう。 関連記事はこちら相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 ⑧運営会社が倒産した 業績不振で倒産リスクが高いなど、与信に問題がある運営会社を利用した場合に、賃貸借契約期間中に運営会社が倒産する恐れがあります。運営会社によっては、売買代金の一部を預け入れることで、家賃を下げるサービスを提供している会社もありますが、売買代金の一部を預け入れている状態で運営会社が倒産すると、その代金が戻ってこない恐れがあります。 リースバックは多額の資金を必要とする事業なので、トラブルを回避するために、運営会社の買取実績や業績などを確認し、信頼のできる運営会社を選ぶことが大切です。 トラブルを避けるために抑えるべきポイント リースバックにおけるリスクは表面化するとトラブルに発展する恐れがあります。トラブルを回避するために、以下のようなポイントに気を付けましょう。 契約内容を確認する リースバックの契約時には、売買契約と賃貸借契約の2つの契約を締結します。トラブルを避けるためには、それぞれの契約に自身の認識と異なる点が無いか確認することが大切です。 契約内容の確認に際して、賃貸借契約が「普通借家契約」か「定期借家契約」かの確認は特に大切です。「普通借家契約」であれば、正当な事由がない限り、貸主は契約の更新を拒めません。一方で、「定期借家契約」の場合は、契約期間の満了によって契約が終了するので、退去を求められる恐れがあります。また、将来的に自宅を買い戻すことを検討している場合は、契約内容に買い戻しに関する取り決めが定められているか確認することも大切です。なお、契約内容は口頭ではなく、書面上で確認するようにしましょう。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? 複数の運営会社を比較する リースバックでのトラブルを避けるために、複数の運営会社を比較しましょう。リースバックは、運営会社によって売却価格や家賃などの諸条件・サービス内容が異なります。比較を行わなかった場合、与信に問題がある運営会社を選んでしまったり、売却価格や家賃が適切でないサービスを利用してしまうなどの恐れがあります。ひとつの運営会社だけで判断せず、必ず比較検討を行ったうえで、自身のライフプランに合った運営会社を選びましょう。 関連記事はこちらリースバックを比較する5つのポイント 第三者に相談する リースバックでのトラブルを避けるためには、第三者に相談することも有効です。特に、不動産等に詳しくない場合は、自身で売却価格や家賃、契約内容が適切かどうか判断するのは難しいでしょう。そういった場合に、自分自身で判断するのでは無く、専門家等から客観的な意見を聞き、第三者的な視点から判断するのも有効です。 相続人に伝える 相続トラブルを回避するために、相続人にリースバックの利用を伝えておくことも大切です。リースバックは、その性質上自宅を売却したことが気づかれない場合が多いです。そのため、リースバックが原因で相続人とトラブルになる恐れがあります。リースバックを利用する場合は、前もって相続人に伝えておきましょう。 まとめ リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットですが、当然デメリットやリスクも存在し、うまく利用しないと、本コラムで紹介したようなトラブルが発生してしまう恐れがあります。リースバックを利用する場合は、紹介した事例を参考にトラブル回避の対策をしっかり立てて、契約してから後悔することのないようにしましょう。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • 不動産担保ローンにおける銀行とノンバンクの違い

    不動産担保ローンにおける銀行とノンバンクの違い

    不動産担保ローンで資金調達する場合、銀行とノンバンクのどちらを利用すべきか悩むかもしれません。ノンバンクとは、銀行のように預金業務を行わず、与信業務(融資)に特化した金融機関のことです。銀行は預金業務を行っていることもあり、「なんとなく銀行のほうが安心」と思う人も多いでしょう。しかし、銀行とノンバンクの不動産担保ローンはそれぞれ特徴に違いがあるため、自身の状況に合わせて最適な金融機関を選ぶことが大切です。 この記事では、不動産担保ローンにおける銀行とノンバンクの違いについて解説します。 銀行とノンバンクの違い 不動産担保ローンにおいて、銀行とノンバンクでは「総量規制(そうりょうきせい)」という法律の点で大きく異なります。総量規制とは、会社員等の個人における貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合、新規の借入れをすることができなくなる規制のことです。返済能力を超えた債務で生活が破綻するのを防ぐために、個人向けの貸付には借入金額に上限が設けられています。 不動産を担保とする貸付は総量規制の適用除外となりますが、担保とする不動産が自宅の場合は総量規制の対象となります。一方で、銀行法が適用される銀行は総量規制の対象外であるため、会社員でも銀行を利用すれば、自宅を担保に年収の3分の1を超える範囲でも融資を受けられる可能性があります。 これらのことから、会社員で事業を行っていない個人は、ノンバンクで不動産担保ローンを借りようと思っても年収による制限が付くことがほとんどです。そのため、ノンバンクでは、個人向け不動産担保ローンと称しながらも、事業を営んでいることを前提としていることも珍しくありません。 融資条件で見るそれぞれの特徴 次に、不動産担保ローンの融資条件について、銀行とノンバンクそれぞれの特徴を確認していきましょう。 金利と手数料 銀行の不動産担保ローンは、ノンバンクに比べて比較的金利が低めに設定されていることが多いです。たとえば、資金使途が限定されていない不動産担保フリーローンの場合、ある銀行では最低金利が1.0%前後であるのに対し、あるノンバンクでは2.5%前後となっています。 金利以外にも不動産担保ローンは以下のような手数料がかかります。 事務手数料 繰上返済手数料(解約料) 印紙代 登記費用 手数料については、銀行とノンバンクの違いというよりは、金融機関によって異なります。銀行、ノンバンクにかかわらず、金利と手数料の両方を考慮して、支払う費用面で有利なローンを選ぶことが大切です。無事に返済を終えるには繰り上げ返済を活用することも重要なので、繰り上げ返済の条件や手数料も確認しておきましょう。 融資金額 不動産担保ローンの最低融資金額~融資限度額の幅も、銀行とノンバンクというよりは、金融機関によって異なります。また、希望する金額の融資を受けることが出来るかどうかは、あくまで担保不動産の評価や担保掛目、申込人の与信によって変わります。担保掛目とは、担保不動産の評価額に対して金融機関が設定する比率のことで、担保掛目が大きいほど借りられる金額は大きくなります。一般的に担保掛目は評価額の70%~80%程度に設定されていますが、一部のノンバンクでは80%を超えるところもあります。 金融機関選びは、自分が希望する金額が融資可能額の範囲内にあるかどうかを前提として、担保不動産の評価と掛け目がポイントになります。銀行、ノンバンクにかかわらず、希望する金額を借りられるかどうかを重視するといいでしょう。 融資までの日数 不動産担保ローンでは、銀行よりノンバンクのほうが、融資までの日数が早いことが多いです。あくまでも目安ですが、ノンバンクは最短数日から2週間程度で融資が実行されるのに対し、銀行は2週間から1か月程度かかります。銀行は担保不動産の評価はもちろん、与信も厳しく審査される上、保証会社の保証が入ることが多いため、ノンバンクに比べて日数がかかります。そのため、少しでも早く資金を調達したい場合は、銀行よりノンバンクを利用したほうがいいかもしれません。 そもそも不動産担保ローンは、担保不動産の調査が必要になるため、無担保ローンに比べると融資実行までに時間がかかります。多くの金融機関が「最短〇日」といった表記をしていますが、資金計画の際は保守的に「早くても1週間はかかる」と考えておくといいでしょう。 審査基準(与信と担保不動産) 不動産担保ローンの審査基準については、銀行よりノンバンクのほうが柔軟なことが多く、与信面では、過去に銀行で断られた場合や返済の延滞歴がある場合でも、ノンバンクに相談すれば融資してもらえる可能性があります。 また、担保不動産では「借地権がついている」「建ぺい率や容積率がオーバーしている」など、いわゆる「既存不適格」物件の場合、銀行では断られることがほとんどです。しかし、ノンバンクによっては「借地権者の承諾書を取得する」「担保掛目を下げる」といった対応で担保の適格性を確保することで、融資してもらえる可能性があります。 さらに、不動産担保ローンの資金使途は原則自由ですが、一部の銀行では開業資金や納税資金などが認められないケースもあります。一方、ノンバンクは基本的にこのような制限はなく、開業資金や納税資金にも利用できます。そのため、不動産担保ローンで調達する資金の用途によっては、銀行よりノンバンクのほうがいいかもしれません。 まとめ ここまで説明してきたように、不動産担保ローンは、銀行とノンバンクでそれぞれ特徴に違いがあります。銀行は金利が比較的低く設定されていますが、融資基準が厳しい場合や、融資実行までに時間がかかることがあます。それに対して、ノンバンクは銀行より金利は高くなる傾向がありますが、融資基準が柔軟で、融資実行までの日数も短いのが特徴です。 これらのことから、なんとなく銀行の方が安心という理由のみで銀行に決めるのではなく、自身の担保不動産の状況や資金使途、金利や手数料などの融資条件を踏まえた上で、どこの金融機関が良いのかを総合的に判断する必要があります。まずは、銀行とノンバンクのどちらかに絞るのではなく、複数の金融機関に相談し、自分に合ったローンを利用することが大切です。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンとは、不動産を担保とするローン商品のことです。不動産を担保にすることで、無担保ローンと比べてまとまった金額を低金利で借り入れることが可能です。一方で、万が一返済ができなくなっ...記事を読む

  • リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

    リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

    リースバックとは、所有している資産を第三者に売却し、リース契約を締結することで、それまでと同じ資産を利用し続けることを可能にする取引手法を指します。住宅においては、自宅を売却して現金を得て、売却後は賃料を支払うことで、住んでいた住宅に引き続き住むことができるサービスです。 この記事では、リースバックの仕組みやメリット・デメリットを解説します。 リースバックの概要と仕組み リースバックは「セール・リースバック」や「セール・アンド・リースバック」とも称される取引手法です。近年は、不動産事業者によるリースバックサービスの取扱いが増加しており、「リースバック」という言葉単体で、住宅におけるリースバックを指すことが一般的になりつつあります。 住宅におけるリースバックは、リースバック運営会社とリースバックを利用したい個人間で、不動産の売買契約および賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることが可能になります。 リースバックは、住み替えや老後資金の確保、円滑な相続等を目的として、住宅利活用の新たな選択肢として注目されています。一方で、リースバックは認知度が未だ低いことや、一連の取引の複雑さから、消費者の理解が不十分なまま契約が締結されるなどのトラブルも見られます。 リースバックとリバースモーゲージとの違い リースバックは、自宅に住み続けながら老後資金を受け取れるという点で、リバースモーゲージとも比較されるサービスです。一方で、リースバックが不動産取引であることに対して、リバースモーゲージはローン商品であるため、根本的には異なるサービスです。主な違いは下表のとおりです。 リースバックとリバースモーゲージとの違い 種類 リースバック リバースモーゲージ 契約の形態不動産売却契約不動産賃貸借契約金銭消費貸借契約 年齢制限なしあり 借り入れの有無なしあり 転居の要否なしなし 所有権の移転ありなし 資金使途自由原則、生活資金 ※筆者作成 関連記事はこちらリースバックとリバースモーゲージの違いを徹底比較! リースバックのメリット リースバックには、以下のようなメリットがあります。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 通常の不動産売却では、まとまった資金を得られる一方で、引っ越しの手間や費用が発生します。また、高齢になると、新居の購入や賃貸借契約の締結が難しくなるケースも少なくありません。リースバックでは、売却した自宅にそのまま住み続けられるため、まとまった資金を得ながらも、慣れ親しんだ自宅に住み続けられます。 月々の支出が定額化される 自宅を所有していると、定常的に発生する管理費や固定資産税、火災保険や地震保険など、さまざまな費用が発生します。リースバックでは、所有者がリースバック運営会社となるため、住居費用は毎月一定の家賃(リース料)に一本化されます。 家を所有することで発生するリスクがなくなる 自宅を所有していると、突発的な災害等で不動産価格の下落や建物の損壊などのリスクを抱えます。特に、戸建ての場合はマンションに比べて不動産価格の下落や災害による影響を受けやすいです。また、住宅ローンが変動金利の場合は、金利上昇で返済額が増加するかもしれません。リースバックでは、所有者がリースバック運営会社となるため、これらの家を所有することで発生するリスクはなくなります。 リースバックのデメリット 一方で、リースバックには、以下のようなデメリットもあります。 売却価格が市場価格よりも安くなる リースバックは、基本的に自宅の売却価格が市場価格よりも安くなります。個人に売却する不動産仲介とは異なり、不動産業者が直接買い取りをするため、市場価格よりも安く買い取るためです。また、リースバック運営会社は買い取った不動産を所有するリスクやコストを維持する点で、リースバックではない直接買取よりも安くなることも珍しくありません。 リフォームや建て替えが自由にできなくなる 持ち家の場合、マンションなどの規約が定められている場合を除き、自由にリフォームや建て替えができます。しかし、リースバックを利用すると、不動産の所有者はリースバック運営会社になるため、リフォームや建て替えをしたいと思っても、運営会社の許可が必要です。 ずっと住み続けられるとは限らない リースバックは、自宅に引き続き住むことができるサービスですが、期間は必ずしも希望通りとは限りません。リースバックにおける賃貸借契約が普通賃貸借契約であれば、原則住み続けることができます。 一方で、定期借家契約の場合、ずっと住み続けられる保証はありません。貸主と借主の合意があれば再契約は可能ですが、あらかじめ、「必ず再契約をする」などの契約を結ぶことはできません。当初の賃貸借契約の期間を越えて家に住み続けたい場合は、定期借家契約ではなく、普通借家契約が締結できる運営会社を選ぶと安心です。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? リースバック利用の流れ リースバック利用の流れは、以下のとおりです。 相談・仮査定 仮査定(売却価格・家賃)の提示 物件の調査及び査定 契約条件(売却価格・家賃)の提示 契約の締結 売買決済・賃貸開始 リースバックの利用を検討するのなら、まずはリースバック運営会社に仮査定を依頼しましょう。仮査定では、固定資産税額や管理費、共益費を聞かれることもあるので、あらかじめ準備しておきましょう。運営会社によっては、最短で当日中に概算の売買価格と家賃を提示してもらえます。 仮査定の結果を受けて手続きを進める場合には、物件の本調査に進みます。本調査では、リースバック運営会社の担当者や査定会社などが、物件に訪問し図面との違いがないかなどを確認します。この結果を基に、取り扱いの可否や契約書上の売買価格と家賃を決定します。なお、本調査で瑕疵等が見つかれば、リースバックを利用できない場合もあります。 本調査が問題なく完了したら、確定した売買価格と家賃を中心とした契約条件を提示されます。内容に問題がなければ売買契約、賃貸借契約等の手続きを行い、売買決済、賃貸が開始されます。 関連記事はこちらリースバックの契約までの流れと必要書類、注意点を解説 リースバックの活用事例 リースバックでは、以下のような活用事例があります。 老後資金の確保 老後資金が不足したとしても、自宅を売却して引っ越すことは避けたいと思う人も多いでしょう。一方で、ローンを利用しようとしても、年齢などを理由に金融機関から断られることも珍しくありません。リースバックであれば、年齢を理由に断られることもなく、自宅に住み続けられます。 住み替え資金の確保 リースバックは、長く住み続けるだけでなく、住み替えの際にも活用できます。リースバックで自宅を売却すれば、新居の頭金や手付金に充てられるほか、ローンの返済資金にも利用出来ます。また、新居に住み替えるまでは、今までの家に住み続けられるので、仮住まいを探す必要もありません。 月々の返済負担の軽減 住宅ローンの支払いがある人は、リースバックを利用することで、月々の支払額を減らせる可能性があります。住宅ローンによっては、月々の支払金額が上がる商品もあるほか、収入の減少などで毎月の支払いが厳しくなることもあるでしょう。リースバックの家賃が住宅ローンの返済額より低くなれば、月々の支払額が減り、資金繰りが楽になるでしょう。 住宅ローンの完済 住宅ローンの返済が滞って金融機関に残債の一括返済を求められた場合、任意売却や競売を選択すると、自宅を失うことになります。しかし、リースバックを利用し、その資金で住宅ローンを完済することができれば、同じ家に住み続けることができます。 関連記事はこちらリースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックのよくあるご質問 リースバックのよくあるご質問とその回答は、以下のとおりです。 住宅ローンが残っていてもリースバックを利用できますか? 住宅ローンが残っていても、リースバックを利用することは可能です。ただし、売却時に対象不動産に設定されている抵当権を抹消する必要があります。 家賃の支払いを安く抑えたいのですが、可能ですか? リースバックの家賃は、売却価格を基準に算出されますので、売却価格を抑えることで、家賃を下げられる可能性があります。 手元資金がほとんどないのですが、費用はかかりますか? リースバックは、不動産の売買代金から費用を清算することができるので、手元資金は不要です。諸費用については、運営会社にあらかじめ確認しておきましょう。 高齢で年金受給者なのですが、リースバックを利用できますか? 高齢者や年金受給者であっても、リースバックを利用できます。リースバックは、融資商品ではないので、年齢制限や収入の基準を設けられていないことが多いです。 関連記事はこちらリースバックのよくあるご相談7選 まとめ リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるので、「老後資金を確保したい」「住宅ローンの返済負担を減らしたい」という場合に活用できます。ただし、売却価格は市場価格より安くなり、ずっと住み続けられる保証はありません。契約してから後悔しないように、メリットやデメリットをよく理解したうえで、リースバックを利用するか検討しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "住宅ローンが残っていてもリースバックを利用できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "住宅ローンが残っていても、リースバックを利用することは可能です。ただし、売却時に対象不動産に設定されている抵当権を抹消する必要があります。" } }, { "@type": "Question", "name": "家賃の支払いを安く抑えたいのですが、可能ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"リースバックの家賃は、売却価格を基準に算出されますので、売却価格を抑えることで、家賃を下げられる可能性があります。" } }, { "@type": "Question", "name": "手元資金がほとんどないのですが、費用はかかりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"リースバックは、不動産の売買代金から費用を清算することができるので、手元資金は不要です。諸費用については、運営会社にあらかじめ確認しておきましょう。" } }, { "@type": "Question", "name": "高齢で年金受給者なのですが、リースバックを利用できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"高齢者や年金受給者であっても、リースバックを利用できます。リースバックは、融資商品ではないので、年齢制限や収入の基準を設けられていないことが多いです。" }} ] } ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • リースバックを比較する5つのポイント

    リースバックを比較する5つのポイント

    リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。近年リースバックの需要は増加傾向にあり、リースバックを取り扱う運営会社も増えています。 こうした状況下で、どのように運営会社を選べばいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。この記事では、リースバックを比較する5つのポイントについて解説します。 複数の運営会社を比較した方がいい理由 上述のとおり、リースバックを取り扱う運営会社は増えています。そして、同じリースバックでも、運営会社によって売買価格や家賃などの諸条件やサービス内容に違いがあります。 仮に1社しか選ばずに契約を進めてしまうと、例えばその会社が提示した売買価格があまりにも安くても、気づくことができない恐れがあります。また、複数の運営会社を比較したうえでより条件の良い運営会社を選ぶ方が、例え手間がかかっても損をするリスクを抑えられるので、必ず比較検討を行うべきです。 もしリースバックを前向きに検討しているのであれば、自分が何を重要視するのかをはっきりさせて比較することが大切です。これから解説する5つのポイントはどれも重要ですが、その中でも特にどのポイントを重要視するのかも併せて考えてみてください。 リースバックを比較するポイント1:売買価格 リースバックでは、運営会社によって、不動産の評価方法に違いがあるため、売買価格は変わってきます。また、運営会社が売主の家賃滞納リスク、買い戻しに応じるために自由に売買できない制約を抱えていることも、売買価格に影響を与えます。あくまで目安ですが、一般的なリースバックの売買価格は市場価格の70%前後です。 リースバックで自宅を売却するときは、なるべく高い価格で売却できる方が良いと考えがちですが、売買価格は家賃とトレードオフの関係にあり、売買価格が下がれば家賃も下がります。そのため、売買価格だけで決定するのではなく、その他の条件を踏まえた上で総合的に判断することが大切です。 また、売買価格のほかに、以下の手数料にも注目する必要があります。 仲介手数料 事務手数料 抵当権の抹消手数料 リースバックの多くは仲介手数料がかかりますが、運営会社が買主になることで仲介手数料が発生しない場合もあります。事務手数料を無料にしている運営会社もある一方で、30~50万円程度の事務手数料を請求している運営会社もあります。また、住宅ローンが残っている場合は、抵当権の抹消費用を請求されるので、金額が適正かどうかも確認する必要があります。 リースバックでは、自宅を少しでも高く売却し、安い家賃で借りることが理想です。しかし、売買価格や家賃だけに注目するのではなく、手数料などの他の比較ポイントも含めて総合的に判断しましょう。 リースバックを比較するポイント2:家賃 リースバックでは、自宅の売却後に家賃を支払うことになりますが、運営会社によって家賃も変わります。また、売買価格でも述べましたが、一般的に売買価格と家賃はトレードオフの関係にあり、売買価格が下がれば家賃も下がります。 運営会社によっては「家賃を何か月か猶予する」「売買代金の一部を預け入れすれば家賃が下がる」と提案されるケースもあるかもしれません。しかし、それは単に売買価格を低く見積もっているだけです。家賃は安ければいいわけではなく、売買価格も含めて比較することが大切です。 また、リースバックで売却した自宅を借りる際は、敷金や礼金、更新料、家賃保証会社への保証料も必要になります。これらの費用は無料の会社もあれば、有料の会社もあるので、家賃も含めてしっかりと比較しましょう。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!賃料相場よりも高い? リースバックを比較するポイント3:賃貸契約期間 リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットです。しかし、リースバックの多くは賃貸契約期間が3年などに定められている「定期借家契約」になります。ほとんどの運営会社は「再契約することでそのまま住み続けることは可能」と謳っていますが、運営会社の事情で再契約されないことも考えられます。 そのため、貸主からの解約申し入れには正当事由が必要である「普通借家契約」のほうがより良い契約といえるでしょう。定期借家契約でリースバックを利用する場合は、運営会社の都合で再契約ができずに契約が終了することも想定し、状況に応じて引っ越しする覚悟が必要です。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? リースバックを比較するポイント4:買い戻し条件(価格、期間) リースバックは、売却した自宅の買い戻しができることも特徴のひとつです。将来的に自宅を買い戻すことを想定して、リースバックを検討する人もいるのではないでしょうか。しかし、リースバックで自宅を買い戻すときの価格は、売却時よりも高くなることが多いです。 また、買い戻し条件も運営会社によって異なるため、予定どおり買い戻せるかはわかりません。予め価格や賃貸契約期間などの条件が決まっていて、それらが書面化されていれば、買い戻しについてのトラブルを避けられます。買い戻し価格を提示してくれる会社が複数ある場合は、より安い価格で買い戻しができる会社を選ぶといいでしょう。運営会社によっては、買い戻し条件が曖昧なところもあるので注意が必要です。 関連記事はこちらリースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説 リースバックを比較するポイント5:運営会社の信頼性 リースバックを利用する際は、運営会社の信頼性も重要なポイントです。実績や業績などを比較して、倒産リスクが低い会社を選びましょう。家賃を低くするために売買代金の一部を預け入れしている状態で運営会社が破産した場合には、その預けている売買代金の一部は戻ってこない恐れがあります。 また、管理業務の体制やサービスついても、内容を調べて比較しておきましょう。中には専用窓口を設置して、高齢者を対象にした見守りサービスや家事代行サービス、宅食サービスなどを提供している会社もあります。 まとめ リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるので、老後資金の不足など、まとまった現金が必要な場合に活用できます。ただし、運営会社によって売買価格や家賃、手数料だけでなく、賃貸契約期間や買い戻し条件も異なります。 リースバックを検討する際は、自身の状況をきちんと整理し、必ず複数の会社から見積もりを取るなど、比較検討したうえで利用するサービスを決めることが大切です。自宅を売却した後も安心して同じ家に住み続けられるように、この記事で紹介した5つの比較ポイントを参考にリースバックの運営会社を比較してみてください。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ること...記事を読む

  • 住宅ローンがある自宅を賃貸に出せる?

    住宅ローンが残っていても自宅を賃貸に出せる?

    住宅ローンを借りて自宅を購入した後、急な転勤などで、住み替えが必要になった場合、いずれは元の自宅に戻りたいと考え、自宅を賃貸に出せないか検討することもあるかもしれません。この記事では、住宅ローンの残債がある自宅を賃貸に出したい時、どのように対処すればいいかについて解説します。 住宅ローンが残っている自宅は原則賃貸に出せない 結論から言うと、住宅ローンを借りたまま自宅を賃貸に出すことは原則できません。なぜなら、住宅ローンの資金使途は「自己居住用の不動産」の購入に限定されており、賃貸に出した時点で「自己居住用」ではなくなってしまうためです。 仮に、住宅ローンを借りている金融機関に無断で自宅を賃貸に出し、それが発覚した場合、住宅ローンの一括返済を求められる恐れがあります。 まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しよう 住宅ローン返済中の自宅を賃貸に出したい場合には、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しましょう。金融機関がやむを得ないと判断すれば、自宅を賃貸に出すことを許可してくれる可能性もあります。 もちろん、賃貸に出すことを認められないことも往々にしてあるので、その時には、不動産投資ローンへの借り換えを検討するといいでしょう。 不動産投資ローンへの借り換えは慎重に 上述のとおり、住宅ローンの資金使途は、自己居住用の不動産の購入に限定されています。そのため、「不動産投資ローン」に借り換えることで、自宅を賃貸に出せるようになります。一方で、不動産投資ローンへの借り換えは、金利の上昇や総返済額の増加などのデメリットもあります。 一般的に、住宅ローンは不動産投資ローンよりも金利が低いので、借り換えによって金利は上昇し、総返済額が増加します。一方で、自宅を賃貸に出すと家賃収入が得られるため、安定した家賃収入が見込める物件であれば、家賃収入だけでローンを返済できるかもしれません。また、借り換えに際して、返済期間を延ばせば、毎月の返済額を減らすことができる可能性もあります。 なお、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に借り換えの相談をすると、キャッシュフローの改善を含めた提案をしてもらえるかもしれません。まずは、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に相談して、提示された条件をもとに、借り換えをするかどうか判断するといいでしょう。 住宅ローンから不動産投資ローンへの借り換えイメージ ここでは、住宅ローンから不動産投資ローンへの借り換えイメージを紹介します。サラリーマンのCさんは、勤務している会社から海外赴任の内示を受け取りました。住宅ローンが残っている自宅を賃貸に出し、海外赴任が終わったタイミングで、住み慣れた自宅に戻ることを考えていました。 Cさんはまず、住宅ローンを借りている金融機関に相談をしましたが、賃貸に出すことを認められませんでした。そのため、住宅ローンが残っている自宅を担保にして、不動産投資ローンへの借り換えを行いました。その結果、借り換え前と借り換え後の状況は下表のようになりました。 借り換え前 借り換え後 ローン残高 2,500万円 2,560万円* 返済期間 20年 20年 金利 1.50% 6.00% 月々の返済額 12万円 18.3万円 家賃収入 0万円 18.7万円 ※借り換えに際して、2,500万円に諸費用として2.20%を上乗せしています。 借り換えによって金利は1.5%から6.0%に上がり、月々の返済額が6.3万円増加しました。一方で、自宅を賃貸に出すことで、月々18.7万円の収入が得られるようになりました。そのため、月々の負担なく不動産投資ローンの残債を減らしていくことに成功しました。 実際に借り換えを行う場合は、不動産投資ローンを取り扱う金融機関に申し込みを行いましょう。審査に通過したら、住宅ローンを借りている金融機関に、返済可能日などを確認のうえ、契約手続きを進めます。手続きの流れの詳細は、以下の記事で詳しく紹介しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンへの借り換えを分かりやすく解説 まとめ 住宅ローンのある自宅を賃貸に出したい場合は、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談してみましょう。そして、賃貸に出すことが認められなければ、不動産投資ローンへの借り換えを検討するといいでしょう。ただし、不動産投資ローンへ借り換えるためには、審査に通過する必要があるため、自身の希望だけでなく、借り換えがそもそもできるのかなどを確認してみましょう。 無料相談してみる SBIエステートファイナンスが不動産担保ローンの疑問にお答えします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説 持ち家に住んでいても、住み替えなどを理由に自宅の売却を検討することがあるでしょう。不動産を売却したことがないと、どのように手続きを進めればよいかわからないかもしれません。また、どうせ自宅を売...記事を読む

  • 不動産担保ローンで即日融資を狙うならまずはカードローンを借りた方がいい4つの理由

    【不動産担保ローンの即日融資】できるだけ早く資金調達するには?

    不動産担保ローンを提供している金融機関の中には、即日融資に対応しているところもあります。持ち家の人で至急まとまった資金が必要になれば、不動産担保ローンで即日融資を受けることを考えるかもしれません。しかし、不動産担保ローンは即日融資を受けるのがそもそも難しく、受ける場合にも注意すべき点があります。 この記事では、不動産担保ローンの即日融資について解説します。 不動産担保ローンで即日融資を受けるのが難しい理由 不動産担保ローンで即日融資を受けるのが難しい理由は、主に担保不動産を評価するための時間が必要だからです。戸建てなどの個別要因の高い担保不動産の場合、正確に評価をするには、現地調査や役所調査などに数日かかります。 また、物件や与信の審査にあたって、さまざまな書類を準備しなければならないため、即日融資は難しいです。これらのことから即日融資を受けるためには、査定が比較的しやすい流通性の高いマンションであり、かつ必要書類を不備なく揃えておくなど、金融機関側の審査が円滑に進むように準備しなければなりません。 関連記事はこちら不動産担保ローンの審査基準と審査通過のためのポイント 不動産担保ローンで即日融資を受ける際の注意点 不動産担保ローンで即日融資を受ける場合は、以下の点に注意しておきましょう。 担保不動産の価値が過小評価される場合がある 上述のとおり、担保不動産の価値を正確に審査するには、時間を要します。そのため、即日融資に対応するには、担保不動産を保守的に評価せざるを得なくなり、金利や融資可能額などの条件面で不利になる恐れがあります。 対応金融機関が少ない 不動産担保ローンで即日融資に対応している金融機関の数は多くありません。本来、不動産担保ローンで資金調達をする場合、複数の金融機関に相談して提案された内容を比較、検討したうえで、信頼性の高い金融機関でローンを借りることが大切です。しかし、対応できる金融機関が少ない上、検討期間も短いため比較することが困難です。 また、そもそも貸金業者として行政に登録されている金融機関であるかを確認することも大切です。行政に登録されていない、いわゆるヤミ金からは絶対に融資を受けてはいけません。行政に登録されているかどうかは、金融庁が提供している「登録貸金業者情報検索入力ページ」から確認できます。 融資条件を冷静に判断する たとえ至急まとまった資金が必要な状況だとしても、金融機関から提示された金利や手数料の条件をすぐ鵜呑みにして、そのまま融資を受けないようにしましょう。 無理なく返済を続けるのが難しいにもかかわらず融資を受けてしまうと、後々生活が苦しくなってしまいます。また、不動産担保ローンの返済が滞ってしまうと、最悪の場合担保不動産を手放さなければならなくなります。 そうならないためにも、提示された金利や手数料と自分の収入を比較し、無理なく返済を続けられることを確認のうえ、即日融資を受けるようにしましょう。 カードローンをつなぎとして利用するという選択肢 もし不動産担保ローンで即日融資を狙うなら、カードローンをつなぎとして利用し、後から不動産担保ローンに借り換えるのも選択肢のひとつです。 まずはカードローンを借りた方がいい3つの理由 ここでは、不動産担保ローンで即日融資を狙うときに、まずはつなぎとしてカードローンを借りた方がいい理由を3つ紹介します。 カードローンであれば、即日融資を受けられる 上述のとおり、不動産担保ローンは、担保不動産を評価するための時間が必要です。一方で、無担保で借りられるカードローンなら審査は早く、即日融資も可能です。カードローンを利用すれば、不動産担保ローンの融資実行までに必要な資金をすぐに準備できます。 カードローンは融資事務手数料・繰上返済手数料がかからない カードローンは金利が高く、返済額に占める利息の割合が大きいため、長期の借り入れには向きません。しかし、カードローンは融資事務手数料や繰り上げ返済手数料がかからないので、短期間の利用には適しています。 不動産担保ローンを検討する猶予がうまれる 即日融資可能な不動産担保ローンだと、提供している金融機関も少なく、検討時間も短くなります。ひとまず、カードローンを利用することで、即日融資に対応していなくとも、良い条件を提示してくれる金融機関が見つかるかもしれません。 カードローンを借りると審査が不利になる? カードローンを借りると、不動産担保ローンの審査が不利になるか気になるのではないでしょうか。しかし、カードローンを借りたからといって、審査が不利になることはほとんどありません。 ただし、カードローンを利用した理由について、金融機関にしっかりと説明する必要があります。不動産担保ローンの相談をするときに、カードローンを借りた経緯や必要性について説明できるように準備しておきましょう。また、基本的には不動産担保ローンの借り入れと同時にカードローンの返済を求められます。 カードローンをつなぎとして利用する場合の注意点 カードローンをつなぎとして利用する場合は、融資額に注意しましょう。不動産担保ローンの融資限度額以上をカードローンで借りると、カードローンから不動産担保ローンへの借り換えができなくなるからです。 不動産担保ローンでは、担保不動産の市場販売価格の6割~8割程度が、融資額の上限の目途になります。たとえば、担保とする不動産の市場販売価格が2,000万円であれば、1,200万円~1,600万円が融資額の上限です。 ただし、実際の融資額は担保不動産だけでなく、債務者の属性も含めて総合的に審査したうえで決定されます。そのため、カードローンの借り入れは、保守的にみて不動産の市場販売価格の5割ぐらいまで(先程の例なら1,000万円まで)に抑えた方がよいでしょう。 まとめ 不動産担保ローンは不動産の担保評価に時間がかかるため、基本的に即日融資は難しいです。無理をして即日融資を受けようとすると、思わぬリスクを抱えることもあります。まとまった資金が急に必要になった場合、まずはつなぎとしてカードローンを利用し、その後に不動産担保ローンへ借り換えるといった資金調達も検討してみましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産担保ローンへの借り換えを分かりやすく解説 現在、銀行などの金融機関から借りているローンについて、「毎月の返済額を減らしたい」「資金繰りが厳しい」といった悩みをかかえていないでしょうか。このような悩みがある場合、不動産担保ローンへの借...記事を読む

  • 急な医療・介護費用の資金調達!リースバックでもしもに備える!

    急な医療・介護費用の資金調達!リースバックでもしもに備える!

    親の医療費や介護費用が、ご自身の家族の教育費などと重なって、ダブルパンチになる世代が増えています。高齢の親の入院など急な連絡をもらっても慌てずに対処できるよう、お金の調達の選択肢を増やしておくことはとても重要でしょう。 この記事では、急な入院や介護費用を心配するアラフィフ世代からみた、親の医療費や介護費用、その長期化を視野にいれた資金調達の手段についてご紹介します。 [ご相談者 Kさん] 51歳 男性。妻と子供3人。子は大学2年生、高校3年生、高校1年生 父は既に他界していて、82歳の母が地方の実家で一人暮らし。 母が転んで骨折し、入院。どうやら介護も必要な様子。 自分はこれから教育費がピークを控えているので、母の医療費や介護の費用などは、母の財産で捻出できたらと思っている。 (1)母入院の急な連絡、医療費や介護費用含めたお金が心配 Kさん:先日、母が入院したと連絡があり、ビックリしました。転んで骨折したらしいのですが、歳も歳なので、介護が必要になりそうで、お金もどうなるかとても不安です。 FP吹田:それはお母様も、付き添う人も大変ですね。入院期間はどのくらいかかりそうなのですか? Kさん:3~4カ月はかかるらしいです。まず医療費が気になりますね。自分も姉も、ちょうど子供の大学などお金がかかるピークなんですよ。 FP吹田:皆さんお子さんの教育費とダブルで気がかりなのですね。お母様の医療費は、後期高齢者医療制度で、健康保険の適用範囲内なら高額療養費制度を利用することで1カ月一定額までの負担になるようになっています。お母様が年金収入のみとして、課税所得145万円未満の一般世帯なら、入院と外来で1カ月に57,600円が上限と言われています。 Kさん:1か月に約6万円ですか。介護の費用がかかり始めたら、更にですよね。 FP吹田:はい、医療と介護と両方お金がかかることに対しては、高額介護合算療養費という制度で上限が設定されています。詳細は自治体に確認していただくことになりますが、東京都の場合、後期高齢者医療制度+介護保険制度を合わせて、所得が一般世帯なら自己負担も年額56万円までとなっています。 Kさん:なるほど。医療と介護を合わせた上限ですね。母の住む市町村に問い合わせてみます。ただ、実際には、移動や付き添う交通費もかかるし、母のことがいつまで続くのか、先が見えないんですよね。公的な貸付制度ってなかったでしょうか? FP吹田:はい、先ほどの高額療養費の範囲内で貸付を受けられる高額医療費貸付というのものもあるのですが、これは「貸付」といっても、実際は、借りるお金が高額療養費の申請後に還付されるだけで、戻ってくる分の先払いにすぎません。自己負担上限までの負担は実際、変わらないのですよ。お母様ご自身の預貯金などは、おありなのでしょうか? Kさん:それが、不動産はあっても、年金が少なくて、預貯金はあまりないのです。母のリハビリとかが長びいても安心できるような資金調達とか何かないでしょうか? (2)自宅を相続後、売却するつもりならリースバックを考えて FP吹田:そうでしたか。不動産はおありなのですね。 Kさん:はい、父からの相続で不動産はみな母が引き継いだのです。地方なので、自分も姉も、その土地があっても今の子育て環境では活かせないと話しまして。 FP吹田:お子さんの受験などを考えると、実家に戻ることもないということですね。 Kさん:はい、おそらく、自分も姉も、実家に戻ることはなく、いずれ母が亡くなったら、売却を考えることになるかと思います。 FP吹田:なるほど、亡くなられた後に売却されることをお考えでしたら、ご自宅などの不動産のリースバックという方法を検討されてはいかがでしょうか? Kさん:リースバックですか? FP吹田:はい。不動産業者に不動産を売却するけれども、そのまま借りるという仕組みで、ご自宅などお母様の住む環境は全く変えずに、不動産を活用して資金を捻出できる方法の一つです。 Kさん:なるほど。名義は変わるけれども、実態は変わらないから、母に負担はかからないのですね。いずれ売却する不動産なら、時期が早まるだけだから、問題なさそうですね。 FP吹田:はい。所有権を手放すので、中には淋しく感じる方もいらっしゃいますが、相続後に売却すると思っていらっしゃるなら、逆に、今後の固定資産税などの納税義務や地震や災害での修復などの重荷から早めに解放されるとも言えます。念のため、メリット・デメリットを以下の表にまとめてみました。 (3)リースバックのメリット・デメリットとは 【表】リースバックや高額医療費貸付のメリット・デメリット リースバック 高額医療費貸付(国保) 仕組み 不動産の売却と賃貸の組み合わせ 高額療養費支給見込み額の9割相当額の貸付 メリット ・買主を探す必要がなく、現金化までの期間が比較的に短い ・引越す必要がなく、環境が変わらない ・資金使途が自由 ・高額療養費制度の申請後に清算され、長期の借金ではない ・無利子 ・保証人不要 デメリット ・売却価格が周辺相場よりも安くなりがち ・毎月のリース料(家賃)が発生する ・資金使途が医療費のみ ・貸付限度額がある Kさん:なるほど。資金使途が自由なら、医療費や介護費用と、万一の葬儀関係費用も含めて賄えたら、一気に不安が消えるような気がします。 FP吹田:そうですね。特に介護費用については、介護保険適用外の出費もありうるので、予算が大きく変わる可能性があります。その意味で、自由に使えるお金があるというのは安心感につながるでしょう。リースバックは、通常の不動産売却に比べると、買主とのやりとりなどの時間がかからなくて迅速な一方、売却価格が低めになりがちなど一長一短ですが…。 Kさん:それはやむを得ないですね。こちらも急いで資金を確保したいので。 FP吹田:それをご理解の上なら、問題ないでしょう。仮に亡くなられてからでは、お母様の資産を動かすのは、遺産分割協議を終えてからでないとできません。ですから、意思決定できるお元気なうちにお母様にも相談をされたほうが良さそうですね。 Kさん:幸い、母はまだ認知症の症状は出ていませんし、お金のことは心配しているはずなので、姉とともに相談してみます。特に、子供の教育費にしわ寄せがいかないように対策がとれるのなら、前向きに検討できると思います。 FP吹田:お母様やお姉様、皆さんにとって、一番不安や負担がない方法として、ご相談してみてくださいね。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 まとめ 医療・介護費用を捻出したい場合の選択肢は以下のとおりです。 国保の高額医療費貸付 無利子だが、高額療養費支給見込み額の9割相当以内で、還付される分の先払いにすぎない。高額療養費制度の自己負担額そのものは払うことには変わらない。 リースバックの可能性は? 不動産業者に売却するので、比較的短期間で資金を捻出できる。 資金使途も制限がないので、介護費用などの予算変動にも対応できる。 所有権は手放すが、実質的な環境は変わらないので、家族で協力しやすい。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • 住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは?

    住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは?

    50代になると、子どもの教育費もピークを迎えます。また、親も70代を超え、入院したり、介護が必要になったりすることも。あるいは、不動産投資や事業を始める資金が必要になるケースもあるかもしれません。何らかの理由でまとまった資金が必要になったとき、持ち家があれば資金を工面できる場合があります。どのような活用法が可能か、考えてみましょう。 仲介会社を利用して売却する 持ち家がある世帯で、資金を作り出す方法としてまず考えられるのは、持ち家を売却して現金化する方法でしょう。ご主人に先立たれ、広すぎる家を売却してUR賃貸住宅など入り、売却資金はいずれ介護が必要になったときの資金として温存する、といった方もいました。 住宅の売却で動きが出やすいのは、通常だと、転勤などの節目となる春(1~3月頃)、秋(9~11月頃)ではないでしょうか。買い手が見つかって売買が終了するまでは、通常だと2カ月~6カ月程度かかりますが、売り出すタイミングによっては時間がかかることも知っておきましょう。実勢価格(時価)が5,000万円程度の物件の場合、5,000万円程度の資金を取り出すことができます。ニーズさえあれば、物件の場所は問われません。 実際に住宅を売却する際には、売却を依頼した不動産会社が物件情報を「レインズ(不動産情報ネットワーク)」と呼ばれる専用サイトに登録します。そのため、依頼する不動産会社の規模による優劣は特にないといわれます。査定を依頼して、高額査定を出してきても、それで売れるとは限りません。最後は担当者の人柄や経験、仕事ぶりで満足度が変わるように思います。 売却時には、次のようなコストがかかります。 仲介手数料:不動産売却価格の3%+6万円+消費税 印紙税:不動産売買契約書に収入印紙を貼り、割印。1,000万円超5,000万円以下で1万円など。 登記費用:住宅ローンが残っていて「抵当権抹消登記」を行う場合は登記費用がかかります(登録免許税と司法書士の報酬) ハウスクリーニング費:広さや依頼する人数により5万~15万円程度。自分で行えば無料。 引越費用:業者や荷物の量、移動距離、サービス内容で異なります。数万円~数十万円まであります。 なお、売却後は家がなくなりますが50代であれば新たに住宅ローンを借りて今後の生活に合わせた家を購入する、賃貸住宅を借りるなどの選択を取ることが可能となりますので、売却する際には併せて考えておく必要があります。 <持ち家を売却(仲介)>のポイント 仲介で個人に売却して現金化 物件の場所は問わない 入手できる金額は5,000万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却のためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 納得できる価格で売却しようと考える場合、時間がかかる 不動産会社へ売却する 持ち家を売却して現金化する際、仲介で個人間の売買を行うには時間がかかりすぎる場合には、不動産会社に買い取りを依頼する方法もあります。仲介で売却する場合と異なり、時期などに関係なく、しかもスピーディに売却することができます。ニーズさえあれば、物件の場所は問われません。 ただし、不動産会社が買い取る際には、市場価格の6~8割程度になります。時価5,000万円の物件の場合、3,500万円前後の売却額となる可能性が高いでしょう。不動産会社は、買い取った物件をリフォームやリノベーションをして付加価値をつけて再販して利益を得ているためです。 一方で、相手が不動産会社のため、売却時にかかるコストのうち、仲介ではないため仲介手数料がかからず、不動産取得税や登録免許税は不動産会社の負担になり、登記費用も不動産会社の負担になります。また、リフォームなどを行うことから、ハウスクリーニングもせずに売却できるといったメリットもあります。 仲介で売却する際と同じく、売却後は家がなくなりますので新たな家を購入する、賃貸住宅を借りるなど考えておく必要があります。 <持ち家を売却(不動産会社)>のポイント 不動産会社の買い取りで現金化 物件の場所は問わない 入手できる金額は3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却のためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 スピーディな売却が可能 賃貸に出し、毎月一定の収入を得る 自宅を賃貸に出すことで、収入を得ることもできます。全国どこでも可能ではありますが、立地や不動産のタイプなどが、賃貸ニーズに合っていることが大前提です。 入手できる資金は、表面利回り4~5%と仮定した場合、年200万円~250万円。仮に同条件で20年借り手がついたとすると、4,000万円~5,000万円になり、しかもその時点の住宅の評価額分の価値が残ります。 自宅を賃貸に出すには、まずは自分たちが住む場所を確保して引越さなくてはなりません。また、貸出しができるようにリフォームをしたり、ハウスクリーニングを行ったりする必要があり、実際に家賃収入が発生するまでには、最低でも1カ月~3カ月以上(賃借人が見つからないと長期化する場合も)はかかります。そのため、ある程度の資金的ゆとりや時間的ゆとりが必要です。 <賃貸に出す>場合のポイント 自宅を賃貸に出すことで資金を作る 場所は限定されないものの、賃貸ニーズがあることが大前提 入手できる資金は表面利回り4~5%と仮定した場合、年200万円~250万円 賃貸に出すためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 家賃収入が発生するまでには、最低でも1カ月~3カ月以上かかる(賃借人が見つからないと長期化する場合も) 不動産担保ローンでまとまったお金を借りる 不動産担保ローンとは、不動産を担保にして借りるローンのことです。実際には、担保となる不動産に抵当権を設定して借り入れをします。土地や一戸建て、マンション等が対象ですが、物件の立地は流動性の高い主要都市に限られる金融機関が多いようです。。 通常は本人名義の不動産が対象ですが、金融機関によっては配偶者や親名義の不動産でも担保にできるところもあります。使途が限定されないフリーローンですが、事業資金としては使えないことが多いようです。 不動産担保ローンの特徴としては、次のような点が挙げられます。 無担保のカードローンに比べ低金利で利用できる 借入限度額が大きい(時価5,000万円の場合、約3,500万円の借入が可能) 最長35年など長期で借りることもできる 一方で、次のような点に注意が必要なことも押さえておきましょう。 不動産の評価や審査に時間がかかり、融資実行まで1週間~1カ月程度かかる 不動産を担保とするため、事務手数料や不動産鑑定費用、印紙代、抵当権・根抵当権の登記費用などがかかる 返済不能になると担保不動産が処分される 完済時の年齢が70歳までなどと上限を設けている金融機関もある <不動産担保ローン>のポイント 所有する不動産を担保にお金を借りる 物件の場所は主要都市に限られる 入手できる金額は3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 融資実行まで1週間~1カ月程度かかる 完済時の年齢が70歳までなどと上限を設けている金融機関もある リースバックで持ち家を売却し、賃貸する 「リースバック」とは、自宅をリースバック専門の不動産会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組みです。売却代金は一時金で受け取ることができ、使途に制限はありません。物件の立地は流動性の高い主要都市に限られ、リースバック会社によっては、最低物件価額が設定されている場合もあります。借地は対象外の不動産会社もありますので注意が必要です。 売却代金を受取るのは、2週間~1カ月程度と早めです。しかも、引越さずにこれまでの住まいに住み続けられる点は、突発的な事態に見舞われている状況下では大きなメリットと言えそうです。ただし、リースバックでは自宅を売却するため、所有権はなくなります。 売却価額は相場よりも低めで、時価5,000万円の物件の場合で最高3,500万円程度です。物件は買い戻すこともできますが、その際は通常、売却価額よりも高めになります。また、毎月の家賃(リース料)には、固定資産税や火災保険・地震保険料、マンションなら管理費・修繕積立金も含まれ、やや高めの水準になる場合も。 対象となる人の年齢条件が「50歳以上」などと設定されていたり、全く設定がなかったりと、リースバック会社によって細部が異なりますので、確認して利用しましょう。職業や年収などの条件は厳しくなく、年金収入のみの人でも利用できます。 <リースバック>のポイント 自宅をリースバック会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組み 物件の場所は主要都市に限られる 入手できる金額は最高3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却代金を受取るのは2週間~1カ月程度かかる リバースモーゲージでお金を借りる 自宅に住み続けながら、自宅を担保にして一時金や月々の生活費を借りる仕組みが「リバースモーゲージ」です。一部の金融機関で扱っています。利用できる年齢は55~65歳以上などと高めです。何かの事情で資金不足になった人のほか、住宅ローン残債の返済から解放されたい人、夫婦の一方が入院したときに入院費用や生活費の不足分などを補うといったときにも利用できます。 借り入れには、毎月(または毎年)一定額の融資を受ける「年金型」、一時金としてまとまった金額を一括で借りる「一括融資型」、必要なタイミングで借りる「枠内自由引出型」があり、金融機関によって異なります。 リバースモーゲージは、金融機関によって、エリアや不動産の種類、最低評価額が決められていることがあります。エリアは首都圏中心と限定されていることが多く、不動産の種類も一定評価額以上の戸建てが中心であることが多くなっています。他にも、相続人全員の同意がないと利用できないなど、借入要件が厳しめです。 なお、リバースモーゲージを利用するには、1週間~1カ月程度かかります。時価5,000万円の不動産だった場合で、最高3,000万円程度までの借入ができます。実際には、「年100万円」「毎月8万円」などといった借り方もあります。利息だけを毎月返済するのか、借入期間は全く返済せずに満期や亡くなったときに住宅を売却して返済するのかなど、契約で異なります。 また、相続人全員の同意が必要であったり、連帯保証人を求められたりすることもあります。「55歳以上」など年齢制限があり、それより低いと利用できません。 あらかじめ設定した契約期間が満了したり、利用者が亡くなったりしたときに、自宅を売却して返済します。返済後に残金があれば遺族に支払われますが、逆に、売却しても残債が残る場合は遺族に請求がいく場合があります(リコースタイプ)。最近は、残債があっても請求されないノンリコースタイプも増えています。 <リバースモーゲージ>のポイント 自宅に住み続けながら、自宅を担保に一時金や月々の生活費を借りる仕組み 物件の場所は首都圏等に限られる 入手できる金額は合計で最高3,000万円程度(時価5,000万円の物件の場合) リバースモーゲージで資金を入手するには1週間~1カ月程度かかる 利息だけを毎月返済するタイプもある 設定した満期や亡くなったときに住宅を売却して返済する まとめ 以上、自宅を活用して資金を生み出す方法と目安額、それぞれの概要などを見てきましたが、それを整理したのが下表です。 どの方法が自分に合っているのかは、どれくらいの資金が必要で、どれくらい急いでいるのかなどによっても異なります。また、物件の状況(築年数、所在地、戸建てなのかマンションなのか)によって、一部の方法に利用が限られる場合もあります。 さらに、借り入れの場合は、実際に適用される金利も1つの判断材料となるかもしれませんし、自身の収入状況によっては利用できない場合もあります。 まずは各サービスを提供する会社に問い合わせをした上で、希望する方法が選択肢として選べるのか、手にできる資金の金額はいくらなのか、下記のような比較表を作成し、どの方法がご自身の状況に最適なのかを見極めることをお勧めいたします。 表 自宅を活用して資金を生み出す方法 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス リースバックならSBIスマイル お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックと不動産担保ローンの違いを徹底比較! リースバックと不動産担保ローンは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適...記事を読む 【FP解説】不動産担保ローンとリバースモーゲージの違いとは? 「預貯金が十分にはなく、まとまったお金が用意できない」といった悩みを持つことがあるかもしれません。そんな時、持ち家であれば、不動産を活かしてお金を捻出できないか?と思う人もいるのではないでし...記事を読む

  • 急な葬儀費用にローンを使う場合の選択肢と不動産担保ローン

    急な葬儀費用にローンを使う場合の選択肢とは

    急に親の体調が悪化して、いろいろな準備もままならないままに葬儀に突入する話はよく聞きます。そんな折、葬儀費用を捻出するのにいくつかの方法がありますが、それらを知らずに慌てて行動してしまうと、後で悔やまれることになりかねません。 この記事では、急な葬儀費用でも対処できる方法と、ローンを利用する場合の選択肢についてご紹介します。 [ご相談者 Aさん] 52歳男性。離婚して一人で生活。子供はいない。 親の体調が思わしくなく、2年前より地元にUターンをし、副業として家業の手伝いをすることになった。 その際、一人っ子なので、実家と貸家を生前贈与してもらって、相続時精算課税制度を適用した。 (1)喪主として、葬儀準備で200万円程度が必要に Aさん:一昨年から地元にUターンして暮らし始め、家業の手伝いをしてきましたが、先日、父が他界しまして・・・。 FP吹田:それはご愁傷様です。Uターンされた際は、ご実家には、お父様の他、お母様もいらっしゃったのですか? Aさん:いえ、母は3年前に亡くなりまして、それで父も一気に体力が低下したようでした。一人っ子の自分が喪主になるのですが、葬儀費用を調べたら、どうやら200万円程度はかかりそうです。 FP吹田:喪主として、悲しみも大きい一方で、ご葬儀の準備も、資金面含めて大変ですよね。ご葬儀はいつ頃の予定ですか? Aさん:火葬場が混んでいるらしく、10日後になります。多少は香典があるとはいえ、それまでに葬儀費用をどうやって揃えたらいいか、それが気がかりです。実は、父の銀行預金口座が凍結されてしまいました。 FP吹田:なるほど。ご葬儀は10日後なのですね。銀行口座が凍結されているとのことですが、本来、亡くなられた方の銀行口座のお金を引き出すのは、遺産分割協議が成立して相続手続をしてからになってしまいます。ただ、2019年7月以降、遺産分割協議が成立する前でも、仮払いができるようになりましたが…。 Aさん:仮払いですか。うちはやったほうがいいでしょうか? FP吹田:まず、仮払いには3つの方法があり、次の(2)が比較的取り組みやすいと言われています。 (1)相続人全員の同意書を金融機関の窓口に提出して申請する (2)他の相続人の同意なく金融機関の窓口で申請する (3)家庭裁判所に申し立てる Aさん:なるほど。残高は全額を仮払いできるのですか? FP吹田:(1)のように同意書があれば、全額引き出せますが、(2)で同意書がない場合は、一定の上限額が設けられています。その上限は、法務省令で、一つの金融機関から仮払いを受けられる金額の上限150万円の範囲内で計算された額になっています。なので、一つの銀行では、おっしゃる葬儀費用全額を賄いきれるとは言えないようですね。 Aさん:上限額があるのですね。うちは、一つの金融機関しかないし、半年前からの医療費でかなり使ってしまって残高が少なく、実は入院費の支払いも残っています。やはり仮払い手続きをしても解決しないような気がしてきました。それに、恥ずかしながら、自分の生活で精一杯で、手元資金があまりないので、あとは、カードローンとかくらいしかないでしょうか? (2)ローンという選択肢でも、しっかり情報の比較を FP吹田:そうですか。カードローンは確かに即日融資されるなど、手っ取り早いかもしれません。しかし、何より金利が高いのと、毎月返済額と返済日の設定のみで、具体的な返済期限が設定されていないので、計画的にしないとずるずると延びてしまい、今後の負担が心配です。何か不動産はお持ちでしょうか? Aさん:えっと、父から生前贈与された実家と貸家があります。 FP吹田:なるほど、亡くなられたお父様の財産を相続されていてよかったですね。生前贈与されたAさんご自身の不動産を担保に借入をされる方法があるかと思います。不動産担保ローンと一般的なカードローンの特徴をこちらに一覧にしてみましたので、ご参考ください。 【表】不動産担保ローンとカードローンの違い 不動産担保ローン カードローン(無担保型) 担保不動産なし 金利低め(1ケタ台が多い)高め(2ケタ台も多い) 借入期間長期可能設定なし※1 融資までの時間1週間程度即日可能 対象者所有者本人のほか、家族でも可能本人 保証原則不要※2不要 ※1 基本的に毎月返済額と返済日のみ設定します。 ※2 担保提供者など保証人を必要とする場合もあります。 Aさん:そうか、自分の名義になった不動産なら、不動産担保ローンがいけるかも。金利が低めになることが何よりホッとします。 (3)手続きなど余裕をもって、複数を使い分けする方法も FP吹田:気になるのはスケジュールですね。不動産担保ローンは、審査があるので、融資されるまで数日から1週間程度の時間がかかります。なので、早めに行動されるのがよいかと思います。 Aさん:確かにギリギリだと不安ですね。 FP吹田:間に合うか気になるようでしたら、例えばですが、つなぎ的にカードローンを使う方法もありかと思います。その場合は、不動産担保ローンがOKになったら、すぐにカードローンから借り換えをすれば、カードローンの金利負担も抑えられ、ずるずると完済が延びるリスクも避けられるでしょう。 Aさん:なるほど。その手がありましたか。では、自分名義の不動産を担保にして、不動産担保ローンに申し込んで、状況に応じて、いざというときにカードローンをつなぎに使うというプランで進めてみます。 FP吹田:そうですね。なお、不動産担保ローンを組む際は、必要な借入金額をどのくらいの期間で返済していくか、将来の暮らし方を踏まえて考えていくことが大事です。 Aさん:といいますと? FP吹田:Aさんは、一人っ子でいらっしゃるとのことですが、今後も、思い出のご実家でずっと暮らすご予定でしょうか?それとも、遺産相続手続きがすべて終わって、落ち着かれたら、別のエリアなどに拠点を移す可能性もあるのでしょうか?それによって、不動産を売却される選択肢も出てくるかもしれないと思いまして。 Aさん:確かに、落ち着いたら、不動産を売却するかもしれません。自分ひとりでは、この広い土地のメンテや家業を全部できませんから。もし、売却するのなら、その代金で不動産担保ローンもすぐに清算できそうですが、不動産担保ローンは、どのくらいの期間で考えておいたらよいでしょうか? FP吹田:例えばですが、このようなシミュレーションページがあります(シミュレーションページはこちら)。ここで、借入300万円、金利年率6.5%、返済期間を10年として試算すると、毎月返済額が34,065円ほどになりです。Aさんは今52歳でいらっしゃるので、10年以内には何らかの方向性がみえてくるのではないでしょうか?5年経過時点でも、方向性がわかれば、不動産の売却などで繰上返済をしてもよいと思いますし、月3万円程度であれば、無理なく、今後の生活設計の変更にも対応できるのではないでしょうか? Aさん:なるほど。とってもイメージしやすくなりました。5年はあっという間かもしれず、期間10年くらいまでなら、自分も何かを決断できるかと思います。 まとめ 葬儀費用を捻出したい場合の選択肢 〇親の金融機関口座からの仮払い ・相続人全員の同意書がなくても、金融機関の窓口申請で仮払いできるが、150万円の範囲内で一定の計算額が上限。 ○カードローンの可能性は? ・即日融資されるが、金利が高い。 〇不動産担保ローンの可能性は? ・不動産を担保にするので金利が低め。 ・審査に時間がかかるので、カードローンをつなぎ的に活用して不動産担保ローンに借り換える方法もある。 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 社会人の留学費用調達に教育ローンと不動産担保ローンを比較 大学を卒業して社会人になった後で、もう一度学ぶために留学を考える人もいるかもしれません。教育資金を捻出するために、学生であれば、日本政策金融公庫の国の教育ローンや奨学金を候補にすることもでき...記事を読む 【FP相談事例】国際結婚の婚活・結婚・住まいの費用に困ったら まじめに仕事に専念してきて、結婚のタイミングを逃してしまった男性も多いのではないでしょうか?いざ落ち着いて、結婚を考えようと思ったら、女性とはなかなかご縁がなく、子供などは絶望的と悩む声も実...記事を読む

  • 不動産担保ローンの借り換えを分かりやすく解説

    不動産担保ローンへの借り換えを分かりやすく解説

    現在、銀行などの金融機関から借りているローンについて、「毎月の返済額を減らしたい」「資金繰りが厳しい」といった悩みをかかえていないでしょうか。このような悩みがある場合、不動産担保ローンへの借り換えを検討するのがおすすめです。 この記事では、不動産担保ローンへの借り換えのメリットとデメリット、借り換えを考える場面について解説します。 不動産担保ローンへの借り換えのメリット 不動産担保ローンへの借り換えのメリットは、以下の2点です。 総返済額を減らせる 新たな不動産担保ローンへの借り換えは、ローンの総返済額を減らせるのがメリットです。借り換えによって金利が下がれば、ローン残高は変わらなくても総返済額を減らすことが可能です。借り換える際の諸費用を考慮しても、金利や返済期間などの条件によっては総返済額を減らせます。担保とする不動産や債務者の属性に対する評価は金融機関によって異なるので、ローンを借り換えることで融資条件の改善が期待できます。 毎月の返済額を減らせる(資金繰りが楽になる) 不動産担保ローンの借り換えは、毎月の返済額を減らせるのもメリットのひとつです。借り換えによって融資条件が改善されれば、毎月の返済額と総返済額の両方を減らせます。また、総返済額はそれほど変わらなくても返済期間が長くなれば、毎月の返済額が減ってキャッシュフローが改善し、資金繰りが楽になります。 不動産担保ローンへの借り換えのデメリット 不動産担保ローンへの借り換えのデメリットは、借り換え時に余分な諸費用がかかることです。具体的には、現在のローンの繰上げ返済手数料と、新たに加入する不動産担保ローンの事務手数料です。不動産担保ローンへの借り換えを検討する際には、これらの諸費用を考慮しても返済負担を軽減できるのかを確認しておきましょう。 なお、繰上げ返済手数料は新しい不動産担保ローンで準備でき、事務手数料も融資金額から差し引かれるので、諸費用を別途用意する必要はありません。 不動産担保ローンへの借り換え手続きの流れ 不動産担保ローンの借り換えの手続きの流れは以下のとおりです。 借換元・借換先との相談と日程調整 1.金融機関にローン借り換えの相談をする(仮審査) 2.本申し込みを行い、審査結果を待つ 3.審査通過後、借換元の金融機関に連絡して、返済可能日と返済総額を確認する 4.借換先と契約日を調整する まずは金融機関に不動産担保ローンの借り換えについて相談し、仮審査に申し込みましょう。仮審査の回答が出たら本申し込みを行い、審査通過後に借換元の金融機関に連絡して返済可能日と返済総額を確認します。借換先の融資金額や金利、手数料、返済総額などの条件が決定したら、現在の契約内容と比較し、確認したうえで借換先と契約手続きに進みましょう。 契約・借り換えの実行と実行後の手続き 5.借換先と契約手続きを行う 6.契約日当日に借換先から借換元に返済総額が振り込まれる 7.借換元から抵当権抹消に必要な書類を受領する 8.借換元の抵当権を抹消する 9.借換先の抵当権を設定する 10.新しい不動産担保ローンの返済が開始される 上記5~9は同日中に行われ、7~9は通常、借換先から紹介された司法書士に委託して手続きを進めます。一連の手続きが終了したら、新たな不動産担保ローンの返済が開始されます。 不動産担保ローンの借り換えイメージを紹介 ここでは、不動産担保ローンの借り換えを行い、総返済額と毎月の返済額が減った場合のイメージをひとつ紹介します。 A法人(仕入れ販売業)は、資金繰りに行き詰まった際に銀行から不動産担保ローンを借りましたが、金利が高かったため、キャッシュフローの改善を目的に不動産担保ローンの借り換えを行いました。担保とする不動産は、法人代表者所有の自宅(区分マンション)です。不動産担保ローンの借り換え前と借り換え後の状況は以下のとおりです。 〇不動産担保ローンの借り換え前と借り換え後の状況 借り換え前 借り換え後 ローン残高2,230万円2,300万円(手数料等含む) 返済期間20年20年 金利8.00%6.00% 月々の返済額18.6万円16.4万円 総返済額4,476万円3,954万円 ローン残高は2,230万円から2,300万円に増えていますが、金利が8.00%から6.00%に下がったことで、月々の返済額と総返済額の両方の引き下げに成功しました。このように、ローン残高は変わらなくても、ローンの借り換えによって金利などの融資条件が改善されれば、返済負担を軽減することができます。 不動産担保ローンによる借り換えを考える場面 不動産担保ローンによる借り換えは、以下のような場面で検討するといいでしょう。 毎月の返済が苦しいとき 毎月の返済が苦しいときは、ローンを借り換えることで毎月の返済額を減らすことができます。利用中のローンが不動産担保ローンであるときはもちろん、条件によっては無担保ローンや住宅ローンから不動産担保ローンへの借り換えであっても、返済負担の軽減が期待できます。 収入や売上が拡大し、返済能力が高まったとき 収入や売上が拡大して返済能力が高まったときは、金融機関からの評価も高くなります。不動産担保ローンによる借り換えを行うことで、好条件でまとまった資金を調達できる可能性があります。 返済中に金利以外の手数料を請求されたとき 現在のローンで繰上げ返済や条件変更などを行う場合、金融機関によっては金利以外に繰上げ返済手数料や条件変更手数料などを請求されます。このような場面では、不動産担保ローンによる借り換えを行うことで、今までより好条件で融資を受けられるかもしれません。 不動産を相続した、譲渡されたとき 相続や譲渡によって不動産を取得した場合、その不動産を担保に金融機関から不動産担保ローンを借りることができます。現在のローンを借り換えることで、毎月の返済額や総返済額の軽減が期待できます。 担保不動産の価格が上昇したとき 不動産価格が上昇すると担保不動産の価格も上昇し、不動産担保ローンで調達できる金額が増えます。金融機関によって担保評価額は異なるため、不動産担保ローンを借り換えることで調達できる資金が増える可能性があります。 まとめ 不動産担保ローンの借り換えは、毎月の返済額や総返済額を減らせる可能性があります。また、不動産担保ローンからだけでなく、無担保ローンや住宅ローンからの借り換えであっても、返済負担の軽減や資金繰りの改善が期待出来る場合があります。毎月のローン返済や資金繰りで困っているなら、不動産担保ローンへの借り換えを検討してみましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産担保ローンを比較する5つのポイント 不動産担保ローンは銀行やノンバンクなど、多くの金融機関が商品を提供しています。そのため、初めて不動産担保ローンを利用する場合、どのようなポイントを比較すればいいのかわからないかもしれません。...記事を読む

  • 団塊の世代111人に聞いた住宅事情。50代で住宅ローンを払い終えた人は6割超!それでも老後資金は6割超が不十分⁉

    50代で住宅ローンを払い終えていても老後資金は不十分⁉

    団塊の世代に対して調査を実施 団塊の世代に聞いた住宅事情と老後資金~団塊の世代に対してアンケート調査を実施~ 団塊の世代とは、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれた世代で、この時代は第一次ベビーブームが起きた時期であり、日本経済においては、第二次世界大戦後の高度経済成長、バブル景気を経験している世代でもあります。 年齢で言うと、70~72歳(2019年12月現在)にあたる方々になりますが、彼らが活躍した時代と現代では、産業や技術の進歩だけではなく、価値観も大きな違いがあります。 そこで、この記事では、持ち家に住む団塊の世代の方々の住宅事情や老後に関してのアンケート調査を実施しました。 以下、アンケート結果は、「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の2つのテーマに分けて紹介します。 【回答者】持ち家に住む団塊の世代(70~72歳、2019年12月24日時点) 111名 【回答期間】2019年12月24日~2019年12月25日 ※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。 【回答者の居住地】 2つのテーマのアンケート結果を紹介する前に、団塊の世代の方が、何歳まで生きていたいかを聞いてみました。 設問:人生100年時代と言われていますが、あなた自身は何歳まで生きたいと思いますか? 「85歳まで」が一番多く22.4%、次いで「80歳まで」が20.6%、「90歳まで」が17.8%、という結果になりました。 「あまり生きたいと思わない」「75歳まで」を合わせると13.1%、一方で「100歳まで」「それ以上」を合わせると17.8%となっています。このことから、比較的長生きしたいと思っている方は多いと言えるのではないでしょうか。 それでは、最初のテーマである「団塊の世代の住宅事情」について紹介します。 団塊の世代の住宅事情 設問:あなたの住んでいる物件の種類を教えてください。 「戸建て」が73.8%、次いで「大規模マンション(200戸以上)」が10.3%、「中規模マンション(50~200戸未満)」が8.4%、「小規模マンション(50戸未満)」が6.5%となりました。 タワーマンション(高さ150m以上のもの)に関しては、1970年代頃(団塊の世代が20代半ば~後半)から建設が始まったこともあり、今回のアンケート調査では、タワーマンションを購入された方はいませんでした。 設問:あなたが今住んでいる物件はいつ購入しましたか? 「30代」が25.2%、次いで「40代」が23.4%、「50代」が16.8%という結果になりました。 設問:あなたが今住んでいる物件のローンはいつ払い終えましたか? 「50代」が29.9%、次いで「60代」が24.3%、「現金で購入した」が21.5%となりました。 50代までに住宅ローンを払い終えた方が61.6%もいたことは、非常に興味深い結果と言えます。 人生100年時代と言われている一方で、2009年から住宅金融支援機構によって最長50年の住宅ローンが登場し、それを機に、多くの金融機関で40年以上の返済期間の住宅ローンが取り扱われるようになりました。このことを考えると団塊の世代で50代までにローンが完済している割合が6割超というのは、今よりも返済期間がかなり短かったと言えるでしょう。 また、比較材料はありませんが、現金で住宅を購入した方が、20%超もいることは、バブル景気を経験した世代の特徴かもしれません。 次からは、「団塊の世代の老後の資金」について紹介します。 団塊の世代の老後の資金 設問:今後、公的年金以外に、老後資金はどれくらい必要だと思いますか? 「1000~2000万円未満」が24.3%、次いで「わからない」が19.0%、「2000~3000万円未満」が15.0%という結果になりました。 この背景には、金融庁が2019年6月3日に公表した金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の内容が世間的に大きく取り上げられ、「老後資金2000万円」問題として話題になったこともあると考えられます。 次に、そうした資金への蓄えがあるかどうかを聞いてみました。 設問:あなたは前問で答えた老後資金に対して十分な備えがありますか? 「ない」と答えた方が6割超の61.7%、「ある」と答えた方が38.3%という結果になりました。 次に、「ある」と答えた方にどうやってその資金を蓄えたのか、「ない」と答えた方に今後どうやってその資金を確保しようと考えているかを聞いてみました。 設問:前問で「ある」と答えた方にお聞きします。どうやって備えましたか? 「預貯金」が80.6%、次いで「退職金」が64.5%、「保険」「株式」が38.7%と続きました。 「退職金」の割合が多いのは、日本固有の慣行である終身雇用がまだ残っている時期に退職を迎えた方が一定数いたからだと考えられます。 また、「株式」の割合が多いのはバブル期の株式投資ブームで、株式投資が身近な存在であり、経験者が多いことが想像できます。 設問:前問で「ない」と答えた方にお聞きします。どうやってその資金を確保しようと考えていますか? 「これからも働く」が圧倒的に多く60.0%、次いで「当てがない」が26.0%、「不動産の売却」が12.0%という結果になりました。 「これからも働く」という方が多いのは、現在、高齢者を積極的に採用する企業が脚光を浴びてメディアに頻繁に紹介されているなど、老後でも高齢者が働ける環境になっていることが要因のひとつではないでしょうか。 また、「当てがない」という方が2割以上いるという点は、非常に興味深いと言えます。 まとめ 今回は、団塊の世代に対して「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の2つのテーマについて調査しました。 住宅については、当時景気が良かったこともあり、今と比べて圧倒的に戸建て住宅に人気があったようです。また、住宅ローンが今と比べて短い期間で設定されていることもわかりました。住宅を現金で購入する方が2割もいたのは、この世代ならではのことだったのかもしれません。 また、老後の資金については、まだ確保できていない方が多く、「これからも働く」「当てがない」と考えている方が8割以上いることがわかりました。老後については考えるべきことがまだまだありそうです。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産のプロが選ぶタワーマンションの価値が上がる場所とは? タワーマンションに関する調査を実施 東京近郊のタワーマンションで一番価値が上がるエリアは? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳に...記事を読む 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...記事を読む

  • 国際結婚の婚活・結婚・住まいの費用に!不動産担保ローンと住宅ローンを比較

    【FP相談事例】国際結婚の婚活・結婚・住まいの費用に困ったら

    まじめに仕事に専念してきて、結婚のタイミングを逃してしまった男性も多いのではないでしょうか?いざ落ち着いて、結婚を考えようと思ったら、女性とはなかなかご縁がなく、子供などは絶望的と悩む声も実際よく聞きます。 この記事では、そんな悩みを払しょくすべく、稼業を継いで、国際結婚に前向きに行動する48歳の男性の例をご紹介します。 [ ご相談者 Kさん ] 48歳 男性。独身で、実家の印刷会社を継いだ。 一人息子で、自分の跡継ぎなど結婚への圧力が強く、婚活で苦戦していたが、年齢の差を嫌がることなく会ってくれる国際結婚に方針を変更。 結婚後は、実家の離れを少しリフォームして住む予定。 まずは、仲人さんとともに海外を往復して手続きをする費用やリフォーム費について相談したい。 子供が欲しい婚活で気になる年齢差、国際結婚は年齢関係なく可能性あり Kさん: 実家の稼業のことでいろいろあって、この歳になるまで忙しく、結婚を本気で考えてこなかったのですが、一人息子だし、やっぱり子供が欲しいと思って婚活をしています。 FP吹田:なるほど。実家の印刷業を継がれて、今は落ち着かれたのですね。お子さんを希望される結婚の場合、やはりお相手は、年下の方をお探しなのでしょうか? Kさん: はい。でも、この年齢まで仕事に専念してきたこともあり、なかなか良いご縁に恵まれませんでした。事業も小さな印刷会社ですし。そこで、仲人さんのご紹介で、国際結婚に切り替えました。タイやフィリピンなどですが、そちらの女性は年齢を気にせず、日本での生活を楽しみにしてくれるようなのです。 FP吹田:なるほど。日本は治安もよく、清潔だし、真面目で働き者だから日本人男性は人気があるというのは私も聞いたことがあります。今後、ご実家の事業も、仮に海外展開の可能性があれば、国際結婚がビジネスにも相乗効果をもたらすかもしれませんよね。 Kさん:  はい、印刷業だって今までの延長ではダメで、日本以外のルートや新技術にも目を向けているので、ちょうどいいかとは思っています。先日も、現地のお見合いで何より新鮮で、新しいエネルギーに感動し、国際結婚で幸せになりたいと本気で思ったほどです(照れながら)。あとはお金の問題ですね。 FP吹田:なるほど、気持ちの面では不安はなく、前向きそのものですね。お金についてはどのようなことが気になるのですか? 不動産担保ローンと住宅ローンの違いって? Kさん: 国際結婚は、現地でのお見合いや渡航費用の他、国ごとの手続きなどから、式などの結婚費用まで入れて全体として500万~600万円程度はかかると言われています。そのうち一部は納付済みですが、日本で暮らす際の環境整備として、住まいの一部をリフォームすることも考えないといけないと思っています。 FP吹田:住まいのほうは、どなたの名義になりますか? Kさん: 実家の離れで、まだ父親の名義です。いずれ自分が相続する予定ではありますが。リフォームの予算もまだわからず、国際結婚の諸費用と合わせて余裕を持たせて捻出できればと思っているのですが、これだと住宅ローンやリフォームローンは無理でしょうか? FP吹田:そうですね。住宅ローンやリフォームローンは資金使途がどうしても限定されるので厳しくなりそうです。住宅ローン・リフォームローンのほか、資金使途の制限が少ない不動産担保ローンの3つを比較してみましたので、ご覧ください。 不動産担保ローンと住宅ローン・リフォームローンの違い 不動産担保ローン 住宅ローン リフォームローン 担保 不動産 選択できる場合が多い 資金使途 制限が少ない 自宅の購入・増改築に限る 住宅の増改築・改装と付随費用に限る 対象者 所有者本人のほか、家族でも可能 購入・所有者本人で安定収入など信用がある人 所有者本人や家族で、安定収入など信用がある人 住宅ローン控除 なし※ あり なし ※購入を伴う場合は住宅ローン控除の対象となります。 Kさん: 不動産担保ローンですか。資金使途の制限が少なく、担保とする不動産が父の名義の不動産でもよいということですね。 FP吹田:はい、ご家族の所有の不動産も有効活用できるローンです。住宅ローンはいわゆる不動産担保ローンの一部で、担保がご自身名義の自宅に限定されていると思っていただくとよいかと思います。 Kさん: わかりました。さすがに借入が何千万もいくほどではないと思うので、借入期間も住宅ローンのように長期ではなく、短めに考えられると思います。 FP吹田:あと住宅ローンとの大きな違いとしては、不動産担保ローンは、所得税や住民税が軽減される住宅ローン控除が適用できない点が挙げられます。 Kさん: それは問題ありませんよ。おそらく借入は1千万円弱で期間も10年くらいで返せる程度と思うので、影響もないかと。 FP吹田:ご自身で優先順位をしっかりとお考えなのはさすがです。考えてみると、結婚も人生で最大の投資ですものね。 Kさん: はい、まさにそう思います。自分の人生がパートナーとともにいろいろチャレンジできるものになるなら、そこにはしっかり初期投資をしてよいと思っています。 FP吹田:それを聞けて良かったです。住まいのリフォームなど具体的なプランについては、お父様ともご相談されて決められると思うので、今の想いや将来のビジョンをぜひご家族と共有されるとよいと思います。 Kさん: わかりました。資金準備の選択肢があるとわかって、ホッとしました。不動産を担保にする場合は、当然、父にも協力を仰ぐことになるので、しっかり話すことにします。 FP吹田:はい、不動産担保ローンは、ご自身が所有していない物件を親族等から担保に提供してもらう場合は物上保証人になって頂く必要がありますし、場合によっては連帯保証人を求められることがあるので、最終的には取り扱い担当者にも確認してくださいね。 Kさん: はい、父親に迷惑をかけるようなことはしたくないので、しっかりと家族に相談して、担当者にも問い合わせてみます。 まとめ 国際結婚に伴う費用や住まいのリフォームをまとめて資金調達したい場合 住宅ローンやリフォームローンの可能性は? ・資金使途が住宅購入や改築に関するものに限定されてしまうため一般的に厳しい。 不動産担保ローンの可能性は? ・資金使途の制限が少なく、可能性大。 ・担保にできる不動産は家族所有まで幅広い。 ・ただし、住宅ローン控除は適用されない(購入を伴う場合は住宅ローン控除の対象となります)。 ・仮に返済できなくなった場合、担保とした不動産を失うことになるので、担保提供者などの保証人を必要とする場合があることに注意。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 不動産担保ローンと住宅ローンの違いとは 自宅を購入するとき、住宅ローンを利用する人が多いでしょう。しかし、外国人や自営業の人など、民間の金融機関の住宅ローンを申し込んだものの、審査に落ちた人もいるかもしれません。そのような時に、不...記事を読む 社会人の留学費用調達に教育ローンと不動産担保ローンを比較 大学を卒業して社会人になった後で、もう一度学ぶために留学を考える人もいるかもしれません。教育資金を捻出するために、学生であれば、日本政策金融公庫の国の教育ローンや奨学金を候補にすることもでき...記事を読む

  • 社会人の留学費用調達に教育ローンと不動産担保ローンを比較

    社会人の留学費用調達に教育ローンと不動産担保ローンを比較

    大学を卒業して社会人になった後で、もう一度学ぶために留学を考える人もいるかもしれません。教育資金を捻出するために、学生であれば、日本政策金融公庫の国の教育ローンや奨学金を候補にすることもできますが、一度社会人になったあとでは資金調達に悩む声をよく聞きます。   この記事では、転職を繰り返してやっと自分の道を見つけ、フランス料理のシェフを目指してフランスで学びたいと願っている29歳のSさんの事例をご紹介します。 [ご相談者Sさん] 29歳男性 転職を繰り返し、今は国内のレストランでアルバイト中。独身。 様々な職に就いたものの、料理の道に進むことに決めた。 現在は見習いだが、フランスへ留学して本格的にフランス料理を学びたい。 (1)社会人でアルバイトに対する教育ローンは狭き門 Sさん:この歳になって、やっと自分の進む道が決まり、フランス料理を習得するためにフランスに留学したいと思っています。ただ、調べてみたら授業料などで370万円かかることが分かりました。貯蓄では到底足りないので、どうしようかと思っています。また、まずは事前に語学学校にも行きたいとも思っています。 FP吹田:なるほど。今はアルバイト中とのことですが、雇用保険に加入されていますか?まず、語学学校の費用については、厚生労働省の指定教育機関なら、雇用保険の教育訓練給付制度を利用すれば、条件によって20%または50%程度の援助を受けられるかもしれません。 Sさん:教育訓練給付制度はアルバイトでも可能なんですか?今のレストランは1年くらい働いているので、まずは聞いてみようと思います。 FP吹田:仮にパートやアルバイトでも、31日以上の雇用見込みがあり、週20時間以上働いている人は対象になりますし、さかのぼって一定期間以上、雇用保険料を払っていれば、給付の要件を満たすことになるので、まずは確認してみてください。 Sさん:わかりました。フランスの留学費用は、この教育訓練給付は該当しないのでしょうか?あとは、教育ローンについても教えてほしいです。 FP吹田:ざっと調べたところ、教育訓練給付制度は日本国内の制度ですし、厚生労働省が指定した国内の教育施設や資格制度が対象のようです。また、教育ローンの多くは、親が子供の高校や大学、専門学校などの学費のために用意した融資で、社会人にとっては使いにくいようです。 Sさん:やはり狭き門ですね。自分でもちょっと調べて、挫折しました。他に何か良さそうな手だてはないでしょうか? (2)不動産担保ローンと教育ローンを比較すると? FP吹田:そうですね。ご両親やお祖父様、お祖母様はSさんを応援してくださっているのでしょうか? Sさん:はい、実は一人っ子で、両親は共働きだったので、同じ敷地にいるおばあちゃんに育てられました。おばあちゃんにとって孫は自分だけなんですよね。よく料理の話もしているので応援してくれると思います。 FP吹田:近くにいらっしゃって、大切なお孫さんとして応援してくださる関係性は素敵ですね。ところでお祖父様は不動産を所有してらっしゃいませんか? Sさん:おじいちゃんは所有していませんが、おばあちゃんが不動産を所有していると聞いています。 FP吹田:なるほど。もし、お祖母様がSさんを応援してくださる気持ちで、お祖母様所有の不動産を担保にローンを組むことに協力してくださるなら、フランス留学の資金も捻出できるかもしれません。不動産担保ローンは、親族の不動産も担保にできる金融機関もあるので、お祖母様の不動産を担保に、Sさんが契約してSさんが返済するというプランも可能かもしれません。 Sさん:なるほど。それなら、自分もおばあちゃんのためにも頑張れそうです。 FP吹田:しっかり夢を実現するモチベーションにもなりますよね。ここで、不動産担保ローンと教育ローンを比較してみたので、以下をご参考ください。 不動産担保ローンと教育ローンの主な特徴 不動産担保ローン 教育ローン 資金使途の制限少ないあり 債務者所有者本人のほか、家族でも可能留学する本人または保護者で安定収入がある人。本人が社会人の場合、無職だと厳しい。 借入限度物件の担保価値による500万円や1000万円など規程あり 借入(返済)期間短期(1年超)から長期(35年)まで様々3ヵ月から、最長15年・16年が多い 保証人原則不要(担保提供者など保証人を必要とする場合もある)原則不要(収入が少ない場合は、保証人が必要となる) Sさん:なるほど…。教育ローンに比べて、不動産担保ローンは、資金使途も広いのですね。あとは、教育ローンが、社会人で安定収入がないと厳しいというのは、自分の場合やっぱり厳しいなぁと思います。ところで不動産担保ローンを借りる場合、保証人は必要なのでしょうか? FP吹田:保証人が必要かどうかは金融機関によって異なります。しかし、Sさんのケースのように、ご家族の不動産を担保にする場合は、担保を提供される方に保証人を求めることが一般的なので、詳しくは金融機関に確認する必要があります。 Sさん:わかりました。あと、不動産担保ローンの場合、借入上限はだいたいどのくらいなのでしょうか? FP吹田:こちらも金融機関によって異なりますが、一般的に担保評価額の6~8割程度と言われています。その範囲内で、まずはSさんがフランスで必要になる金額を無理なく返済できる期間で設計してもらうのがよいのではないでしょうか? Sさん:はい、明るい光が見えてきました。まずは、今回の件をおばあちゃんや家族に相談してみようと思います。 FP吹田:そうですね。Sさんが大切な一人孫さんで、お祖母様とも仲良くしていらっしゃるのは、大切な財産ですね。 Sさん:やっぱり家族って有難いなぁと思います。両親・おばあちゃんにも感謝しながら、夢をあきらめずにチャレンジしようと思います。 まとめ 留学などでお金がかかる場合の資金調達として、教育ローンの主な特徴・注意点は? 基本的に親が子のためにローンを組む仕組み。但し、本人自身がローンを組むことも可能。 資金使途や借入限度、期間も金融機関の規定しだい。 債務者の収入が少ない場合、保証人が必要となるケースもある。 不動産担保ローンの主な特徴・注意点は? 担保にできる不動産は家族所有まで幅広く、本人が借りて返済するプランが可能。 借入限度額は、担保物件の評価額の8~7割程度まで可能で、資金使途も制約が少ない。 返済期間も長期の設計が可能。 もし、返済できなくなった場合、担保とした不動産を失うことになるので、担保提供者などの保証人を必要とする場合がある。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 不動産担保ローンとカードローンの違いとは 不動産担保ローンとカードローンは、資金が必要な際に利用できるローンという点では同じですが、特徴やメリット、デメリットは異なります。それぞれの違いを理解し、不動産担保ローンとカードローンを適切...記事を読む

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