外国人でも住宅ローンを借りることはできる?

「外国人でも住宅ローンを借りることはできるの?」「外国人が住宅ローンを借りるには、どんな条件があるのか?」グローバル化が進み、日本で家を持つ外国人の方も増えています。この記事を読んでいる中にも、こうした疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、外国人でも住宅ローンを借りることができるのか、外国人男性の悩みを基に解説していきます。

[ご相談者Gさん]

  • 35歳アメリカ人男性。世界展開する外資系企業に勤務。
  • 日本支社への転勤で、5年前から日本に住んでいる。学生時代にも日本に留学するなど大の日本好き。
  • 日本人の妻とは現勤務先で出会い結婚、子供は2歳の男の子が1人。日本国内の家を買い、永住したいと考えている。

外国人が住宅ローンを組む条件とは?

Gさん:気づけば日本に来て5年になりました。日本人の妻と出会い、子供にも恵まれたこの日本に永住したいと考えています。そこで、自宅を手に入れるために住宅ローンの検討を始めたばかりです。でも外国人が住宅ローンを組むには、いろいろとハードルがあるとわかってきました。他にも調べれば調べるほど、不安要素ばかり出てきます。外国人は住宅ローンを借りることができないのでしょうか?

FP加藤: いえ、そんなことはありません。外国人の方でも住宅ローンを借りることはできますよ。でも気をつけたいポイントや、住宅ローンを組むための条件はありますね。

Gさん:外国人が住宅ローンを組むための条件? それはどのような条件か、ぜひ教えてください。

FP加藤:はい、わかりました。外国人の方が住宅ローンを組むのも、最近では珍しいことではなくなっています。とはいえ、日本人が住宅ローンを組むケースに比べると、下記のような条件をクリアする必要があります。

<外国人が住宅ローンを組む条件例>

  • 永住権を取得する
  • 日本人の配偶者が連帯保証人になる

永住権を取得する

FP加藤:住宅ローンは何十年という長い時間で返していくものです。また、自分が住む家を買うためにローンを借りたわけですから、そこから居なくなることは原則として想定されていません。そこで外国人がローンを借りる場合、永住権(※)を持つことが一つの条件になっている銀行が多いようです。

(※永住権とは、外国人が期間の制限なく永住できる権利のことです。また「永住許可」と呼ばれ永住者への在留資格変更を法務大臣から許可された場合も含みます。加えて、永住権を持つ、または永住許可を受けた外国人のことを一般に「永住者」と呼びます。)

Gさん:なるほど、だから永住権が必要になるのですね。

日本人の配偶者が連帯保証人になる

FP加藤:日本に住み続けたい外国人の方でも永住権を取得できていない人はいますよね。実は、永住権がなくても住宅ローンを借りることができる場合があるのですよ。

Gさん:本当ですか!ぜひ詳しく教えてください。

FP加藤:それは「日本人の配偶者が連帯保証人になる」というケースです。

Gさん:なぜ日本人の配偶者が保証人になると条件がクリアできるのですか?

FP加藤:そうですね、はっきりとした根拠を明かしている金融機関は無いのですが、融資の連帯保証人になるにはかなりの覚悟が必要ですし、ローンを借りた人と同等の責任や義務があるのです。

Gさん:なるほど。

FP加藤:ここまで外国人が住宅ローンを借りる条件として「永住権」「日本人の配偶者が連帯保証人」の2つを説明してきましたが、ここで共通しているのはローンを借りた人がこれからも日本に住み続けることはできるのか?住み続ける意思はあるのか?という点だということは、ぜひ覚えておいてください。

外国人の住宅ローン審査でチェックされるポイントは?

Gさん:外国人が住宅ローンを組むには、クリアしなければならない条件があることはわかりました。そうなると、住宅ローンの審査でも、外国人だから特にチェックされることもあるのでしょうか?

FP加藤: そうですね。確かに外国人の方が申し込んだ場合に、特にチェックされるポイントはいくつかありますが、特に重要なものは、「今後も日本に住み続けるのか?」「日本語での意思疎通は可能か?」です。

日本に住み続けるのか?

FP加藤:ここまでの説明に重なるのですが、外国人でも住宅ローンを借り入れできるのは、日本で自宅をかまえて長く住むという前提があるからです。その一方で、外国人だからといって、年収や勤続年数などが特別に厳しく審査されるとは限りません。この点は日本人が住宅ローン審査を受ける場合と同じレベルの個別審査で、外国人だからと言って一様にハードルが高くはならないのが原則です。

Gさん:そうなのですか? 自分は外国人にはいろいろクリアする条件があるので、やはり厳しく審査されるのかと思っていました。

FP加藤:そもそも返済が遅れる可能性は一般の日本人も同じですので、外国人だけ厳しい目で見ることはありません。しかし、たとえば母国の政情が不安定になるなど想定外の理由で帰国する人もいますので、外国人の方が住宅ローンを借りる場合には「日本に住み続けるか?住み続ける意思はあるのか?」が審査でチェックされる大きなポイントになります。永住権や日本人の配偶者が連帯保証人になることを条件にしている金融機関が多いのにはこういった理由が影響しています。

日本語での意思疎通は可能か?

FP加藤: ローンを申し込んでから契約するには、さまざまな注意事項や契約条件などの説明を聞き、理解する必要があります。ここで日本語での意思疎通ができないと、ローン申し込みは難しくなります。

Gさん:それはなぜですか?

FP加藤:たとえば日本人の配偶者が隣にいて通訳することも可能ですが、融資の申し込みや契約は「本人の意思確認」ができることが大前提なので、人を介してやり取りすることはできないのが原則だからです。ちなみに金融機関の中には、英文での書類作成を認めているところもあるようです。

永住権がない場合にはどうする?

Gさん:申し込みやすい金融機関でも、永住権が必要なところは多いですね。でも、自分は日本に来てまだ5年ですし、永住権を持てるかわからないので不安になりますね。永住権が無いと、住宅ローンを借りるのは無理なのでしょうか?

FP加藤:そうですね、 Gさんが不安になる気持ちはよくわかります。ではここで一度、Gさんが永住権を手に入れるにはどうすればいいか?をおさらいしてみましょう。それと、永住権が無い外国人の方でも申し込み可能な金融機関が、数は少ないですがありますので、こちらも条件などを説明しますね。

永住権の取得方法

FP加藤:永住許可を取得するには、以下のような基準をクリアする必要があります。

<永住権の取得方法>

  • 原則として日本に10年以上在留している
  • 公的な支援や扶助を受けなくても、資産や技能で安定した生活ができる
  • 罰金や懲役刑などを受けていない
  • 納税や年金、健康保険料などを納めている
  • 出入国管理などの法律で定められた届出をしている
  • なお在留期間や他の基準も、日本人の配偶者がいるなどの場合には特例で免除されるケースもあるようです。

参考)出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)」

永住権なしで住宅ローンを組むには?

Gさん:永住権を持つために必要なポイントをわかりやすく説明していただき、ありがとうございます。では、永住権がなくても住宅ローンを組むにはどうすればいいんですか?

FP加藤:一定の自己資金が用意できるケースや購入物件が主要都市圏に限定されるなど、一般的な住宅ローンに比べ条件は厳しくなっていますが、利用可能な金融機関もいくつかあります。専門家や各金融機関にご相談ください。

まとめ

外国人でも住宅ローンを借りることができます。条件はいくつかありますが、特別に厳しいものとは言えません。条件はいくつかありますが、日本に長く住み、これからもずっと住み続けたい意思があることが大前提です。この記事が、住宅ローンを検討している外国人の方の参考になれば幸いです。


執筆者紹介

加藤 隆二(Ryuji Kato)
勤続30年の銀行員でマネーライター、 ファイナンシャルプランニング技能士2級。銀行員として事業資金調達から、住宅ローン、カードローンなど借入全般に従事。

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