住まいとお金の知恵袋 一覧(公開日順)

  • 任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点を解説

    任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点を解説

    住宅ローンの返済が困難になって自宅を売却せざるを得なくなった場合、任意売却をすることで競売を回避できます。任意売却なら自分の意志で自宅を売却できるため、市場価格に近い値段で売却できる可能性があります。しかし、任意売却でも競売でも、自宅の売却後には新たに住む家を探す必要があります。 そこで、任意売却にリースバックを利用すれば、住宅ローンの返済に充てる資金を確保しながら、そのまま自宅に住み続けることが可能です。この記事では、任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点について解説します。 任意売却とは 任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になったときに、債権者と債務者の間で合意し、担保不動産を売却することです。任意売却では通常の不動産売買と同じ方法で売却できるので、「経済的な事情を知られずに売却できる」「市場価格に近い値段で売却できる」といったメリットがあります。 関連記事はこちら住宅ローンが払えない!競売を回避する「任意売却」とは? 任意売却にリースバックを利用するメリット 任意売却にリースバックを利用するメリットは以下のとおりです。 売却後も自宅に住める 通常の不動産売却の場合は、売却後に自宅を手放すことになります。別に住む家を見つけて引っ越しが必要になるため、手続きに手間がかかり、引っ越し費用も用意しなくてはなりません。一方で、リースバックであれば、売却後も慣れ親しんだ自宅に住み続けることができます。引っ越しも不要のため、経済的にも利点があると言えるでしょう。 将来的に買い戻しができる リースバックで売却した不動産は、将来的に買い戻しができます。多くのリースバック運営会社では、買い戻しができる期間が定められています。任意売却後に仕事や経済状況が安定すれば、買い戻して再び自宅を所有することも可能です。 任意売却にリースバックを利用する注意点 任意売却にリースバックを利用する場合は、以下の点に注意が必要です。 売却価格が住宅ローンの残債を上回る必要がある 通常、リースバックの売却価格は単独で決まるものではなく、家賃とのバランスによって決まります。売却価格が安くなれば家賃も安くなる関係にあるため、通常はリースバック運営会社との調整が可能です。 しかし、任意売却では担保不動産を売却することで債務を返済しなければならないため、家賃を安くするために価格を下げようと思っても、金融機関(債権者)に認められなければ、リースバック運営会社が提示する売却価格で利用できるとは限りません。 売却価格が安くなる恐れがある リースバックでは、不動産の売却価格が市場価格の7割程度となるのが一般的です。そのため、仲介による不動産売却よりも売却価格が安くなる恐れがあります。また、リースバック運営会社は数が限られるため、通常の不動産買取業者への売却よりも価格が安くなる恐れもあります。 自宅に住み続けることにこだわりがなければ、仲介で売却するほうが自宅を高く売ることができるかもしれません。 リースバック以外の選択肢は? 住宅ローンの返済が困難になった自宅の所有権を手放したくない場合は、「親子間売買」という方法もあります。具体例として、親が住宅ローンを返済するのが難しくなったときに、そのまま住み続けるために親から子に自宅を売却するケースが挙げられます。 親子間売買の注意点は、売買価格と実勢価格の乖離が大きいと贈与とみなされて贈与税が発生する恐れがあることです。また、親子間売買は通常の不動産売買と同じ税金が発生し、譲渡益が生じる場合は所得税や住民税が課税されます。 関連記事はこちら不動産の親子間売買は難しい?デメリットと手続きについて解説 親子間売買で住宅ローンを組むのは難しい 親子間売買は金融機関の審査が厳しいので、住宅ローンを組むのが難しいです。加えて、不動産は高額であるため、購入資金を全額自己資金でまかなうのも現実的ではありません。 親子間売買の資金調達方法として、不動産担保ローンが挙げられます。不動産担保ローンは住宅ローンと比較して金利がやや高くなりますが、まとまった資金を長期間借りることができるので、選択肢のひとつとして検討してもよいでしょう。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 まとめ 住宅ローンの返済が厳しい場合は、任意売却としてリースバックを利用することで自宅に住み続けながら返済に充てる資金を確保することができます。一方で、通常の任意売却と比較して売却価格が安くなる恐れがあるのがデメリットです。 もし、リースバックを選択肢のひとつと考えるのであれば、まずはリースバックの仮査定を申し込み、売却価格の目安を把握しましょう。具体的な目安を知ることで、本当に自分がリースバックに向いているかどうかを判断しやすくなるのでおすすめです。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • 赤字決算でも資金調達はできる?お金がない時の解決方法は?

    赤字決算で法人税はどうなる?資金調達は可能?

    営利目的で事業を行う企業や個人事業主は、売上アップや経費削減に取り組むことで利益の確保(黒字決算)を目指します。しかし、不況の煽りを受けて資金繰りが厳しくなり、赤字決算となってしまうこともあるでしょう。 赤字決算には一部税制面でメリットがある場合もありますが、今まで融資を受けていた銀行から借り入れができなくなる恐れもあります。そこでこの記事では、赤字決算で資金繰りが厳しくなったときの資金調達方法を紹介します。 赤字決算とは 決算とは、企業の1年間の収益と費用を計算し、利益や損失をまとめた数字を「決算書」として確定させることです。企業(法人)は決算月までの1年間、個人事業主は1~12月の1年間で計算します。 収益が費用を上回り利益が出ることを「黒字決算」、費用が収益を上回り損失が生じることを「赤字決算」と言います。国税庁の統計情報によれば、2018年度は申告法人数(普通法人)の約66%が赤字となっています。 決算は、あくまでも一定期間の業績を表すものです。赤字になったからといって、すぐに倒産するわけではなく、資金があれば事業を継続することは可能です。ただし、赤字決算が続くと資金繰りが厳しくなり、倒産につながる恐れがあります。 出典)国税庁「2018年度 統計情報(法人税)」 赤字決算のメリット 赤字決算に悪いイメージを持つかもしれませんが、税制面においては以下のようなメリットがあります。 法人税がゼロになる 企業は、黒字決算で利益(課税所得)が出た場合は法人税を納めなくてはなりません。法人税額は課税所得に一定の税率を乗じて計算するため、利益が大きくなるほど法人税の負担は増えます。一方で、赤字決算の場合は課税所得が発生しないため、法人税はゼロになります。 赤字の繰り越しが可能(欠損金の繰越控除) 赤字決算によって生じた欠損金(税務上の損失)は、翌年度以降に繰り越すことが可能です。繰り越した欠損金は、翌年度以降に生じた課税所得(税務上の利益)と相殺できるため、法人税の節税につながります。 たとえば、今年度の決算が100万円の赤字の場合、その100万円を繰越欠損金として翌年度に繰り越します。翌年度が300万円の黒字であれば、通常は300万円に税率を乗じるところ、200万円(300万円-100万円)に税率を乗じて法人税額を計算するため、法人税の負担が軽減されます。 2018年4月1日以後に開始する事業年度で生じる欠損金は、最長10年間繰り越すことができます。欠損金の繰越控除を行うには、「欠損金が生じた年度に青色申告で確定申告書を提出していること」など、一定の条件を満たす必要があります。 出典)国税庁「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」 法人税の還付金を受け取れる(欠損金の繰り戻しによる還付) 「欠損金の繰り戻しによる還付」とは、赤字決算で欠損金が生じた場合に、その欠損金を前期に繰り戻して法人税額の還付を請求できる制度です。「還付事業年度から欠損事業年度まで、連続して青色申告で確定申告書を提出している」など、一定の条件を満たすと適用されます。 経営状況が悪化して赤字になり、少しでも手元資金を確保しておきたい場合は、本制度の利用を検討するといいでしょう。 出典)国税庁「No.5763 欠損金の繰戻しによる還付」 赤字決算のデメリット 赤字決算のデメリット・注意点は以下のとおりです。 融資を受けにくくなる 金融機関が企業に融資する際は、決算書をもとに与信面の審査を行います。赤字決算の場合、金融機関からの信用度が低下して、新たに融資を受けるのが難しくなるかもしれません。また、赤字決算が続くと、すでに融資を受けている借入金の返済を求められる可能性もあります。 赤字でも税金は発生する 決算が赤字でも税金は発生します。たとえば、「消費税」は消費者が負担して事業者が納税する仕組みのため、赤字でも納税が必要です。また、「法人住民税の均等割」は資本金等の額や従業員数などに応じて課税されるので、損益に関わらず税負担が生じます。 赤字決算でも資金調達する方法は? 赤字決算になり、与信面で銀行からの借り入れが難しい場合は、どのような方法で資金調達を行えばよいのでしょうか。ここでは、赤字決算でも資金調達が可能な方法を紹介します。   政府系金融機関からの借り入れ 政府系金融機関であれば、赤字決算でも借り入れが可能なケースもあります。 たとえば、日本政策金融公庫の「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」は、社会的・経済的環境の変化などの外的要因で、一時的に業況が悪化している事業者向けの融資制度です。一定の条件を満たせば融資を受けられる可能性があるので、まずは支店の窓口などに問い合わせてみるといいでしょう。 出典)日本政策金融公庫「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」 クラウドファンディング クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する方法です。赤字決算であっても、クラウドファンディングであれば支援を受けられるかもしれません。 クラウドファンディングは、資金のあり方や支援者への特典の有無によっていくつかの種類があるため、自社にあった方法を選択することが大切です。プロジェクトの内容によっては目標金額を達成できず、思うように資金が調達できないこともあります。 親戚からの借り入れ 赤字決算で資金調達が難しい場合は、親戚から事業資金を借りるのも一つの方法です。ただし、親戚からの借り入れは贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります。 親戚からの借り入れであっても借用書や契約書を作成し、その内容どおりに返済を行うことが大切です。また、無理な借り入れを行って返済が困難になると、トラブルに発展することもあるので注意しましょう。 ビジネスローン ビジネスローンは、主にノンバンクが取り扱っている事業者向けのローンです。無担保・無保証で申し込みできるローンもあるため、赤字決算でも融資を受けられる可能性があります。さらに不動産を担保にすると、借り入れできる可能性が高まるでしょう。 ただし、ビジネスローン(特に無担保・無保証の場合)は金利が高い傾向にあり、少額しか借りられないケースもあります。 リースバック リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。 リースバックの審査では、与信面よりも「不動産に問題がないか」「家賃を払うことができるか」といった点が重視されます。そのため、売却できる自宅があれば、赤字決算でも資金調達が可能です。 ただし、売却価格は市場価格より安くなるのが一般的です。また、定期借家契約の場合は運営会社の事情で再契約ができず、売却から数年で引っ越しを迫られるケースもあります。リースバックで長く住み続けたい場合は、普通借家契約が可能な運営会社を選びましょう。 >リースバックとは? まとめ 赤字決算は税制面でのメリットはあるものの、銀行から融資を受けるのが難しくなります。決算が赤字になると見込まれるときは、早めに資金調達について検討することが大切です。銀行から融資を受けることができない場合は、政府系金融機関やリースバックといった方法を検討してみましょう。 リースバックならSBIスマイル 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 【FP相談】事業資金の融資でおすすめの方法とは? 企業の働き方改革や副業の解禁など、今は会社員として給与収入のみの人も、独立開業を考えている人もいるでしょう。とはいえ、開業を考えるとき、気になるのは資金面ではないでしょうか? この記事では、...記事を読む

  • 相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介

    相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介

    相続時精算課税制度は、両親や祖父母から財産の贈与を受けるときに選択できる制度です。この制度を利用することで、贈与時の負担軽減につながる可能性があります。 ただし、相続時精算課税制度にはデメリットもあるため、制度の内容を理解した上で利用を検討することが大切です。この記事では、相続時精算課税制度の概要やメリット・デメリットを紹介します。 相続時精算課税制度の概要 相続時精算課税制度とは 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子または孫に財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。同一の贈与者からの贈与であれば、2,500万円まで贈与税は課税されず、限度額に達するまで何回でも控除でき、限度額を超えた部分については、一律20%の贈与税率が適用されます。 また、相続時には、相続時精算課税制度の贈与財産と他の相続財産と合計して相続税を計算します。贈与税を支払っている場合は、相続税から支払済の贈与税を差し引くことができます。 相続時精算課税制度利用の流れ 相続時精算課税制度を利用する子または孫は、最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要です。戸籍謄本などの一定の書類とともに、贈与税の申告書に添付して納税地の所轄税務署長に提出します。 出典)国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」 相続時精算課税制度のメリット 相続時精算課税制度のメリットと想定されるケースは以下のとおりです。 税金の支払いを先延ばしにできる 相続時精算課税制度で財産を贈与すれば、2,500万円までは贈与税がかかりません。また、制度を利用して相続が発生するまで贈与財産に対する税金の支払いを先延ばしにできます。あくまでも支払いの先延ばしであり、税金が免除されるわけではありません。 「生前贈与をしておきたいが、納税を先延ばしにしたい」という希望がある場合であれば、2,500万円までなら贈与税がかからないため、生前贈与を行いやすいでしょう。子どもがまとまったお金が必要なタイミングで生前贈与を行い、税金の支払いを先延ばしにすれば、財産を有効活用できるかもしれません。 収益性のある資産の生前贈与は相続税対策になる 相続時精算課税制度で収益を生み出す資産を生前贈与すると、相続税対策につながる可能性があります。たとえば、親が収益不動産を贈与せずに所有し続けると、収益不動産と生前得た家賃収入が相続税の課税対象となります。 しかし、相続時精算課税制度で収益不動産を子に生前贈与すれば、贈与後に生じる家賃収入は子に継承できるため、相続税の課税対象に含まれず、収益不動産のみが相続税の課税対象となります。そのため、相続時の収益不動産の時価が贈与時を下回らなければ、税金対策になります。* ただし、経年劣化によって贈与後に収益不動産の価値が下がると、価値減少分だけ相続税の負担が増えてしまうので、相続時精算課税制度の選択は慎重に判断する必要があるでしょう。 ※家賃収入に対する税金については勘案していません。 将来価値が上がる資産の贈与は相続税対策になる 相続時精算課税制度の贈与財産は、贈与時の時価が相続税評価額となります。そのため、将来価値が上がる資産を贈与すれば、「相続時の時価-贈与時の時価」について相続税の負担が軽減されます。「ほぼ確実に価値が上がる」と見込める資産がある場合は、相続税対策になります。 そのため、一時的に評価が下がっている自社株など「今後は確実に値上がりする」と判断できる資産がある場合にはメリットがあります。ただし、不動産などは基本的に経年劣化で資産価値が下がります。そもそも必ず値上がりするといえる資産は存在しないため、暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利かを判断するのは難しいでしょう。 相続時精算課税制度のデメリット 一方で、相続時精算課税制度には以下のデメリットもあります。 年110万円以下の贈与でも贈与税の申告が必要 暦年課税には基礎控除額が設定されており、贈与額が年110万円以下であれば贈与税はかかりません。また、贈与税の申告も不要です。しかし、相続時精算課税制度を選択すると、年110万円以下の贈与であっても、贈与を受けた翌年に贈与税の申告をしなくてはなりません。少額で複数回の贈与を受ける場合は、贈与税申告の手間がかかります。 一度選択すると暦年課税に戻すことはできない 相続時精算課税制度を選択すると、選択した年分以降は永久的に適用され、暦年課税に戻すことができなくなります。暦年課税では、年間110万円までの基礎控除額があるため、計画的に利用することで大きなメリットとなるケースもあるため、相続時精算課税制度の選択は慎重に判断する必要があるでしょう。 小規模宅地等の特例が利用できなくなる 小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす土地を相続した場合に、相続税評価額が最大80%減額される制度です。相続時精算課税制度を選択すると、小規模宅地等の特例を利用できなくなります。状況によっては、小規模宅地等の特例の適用を受けることで相続税対策になります。 出典)国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 令和5年度税制改正の内容 令和5年度税制改正によって、相続時精算課税制度も一部改正されます。改正内容は以下のとおりです。 ①年110万円の基礎控除の創設 相続時精算課税制度を選択した受贈者が、両親もしくは祖父母から2024年1月1日以降に贈与によって取得した財産に係るその年分の贈与税については、贈与税の課税価格から基礎控除額110万円が控除されるようになります。 ②相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例の創設 災害によって相続時精算課税制度を選択した受贈者が贈与によって取得した土地や建物が一定の被害を受けた場合、その災害による被災価額を控除する特例が創設されます。適用を受けるには、災害によって被害を受けた日が2024年1月1日以降であり、かつ贈与の日から贈与者の死亡に係る相続税の申告書の提出期限までの間である必要があります。 なお、贈与の日が2024年1月1日以前である場合でも、災害によって被害を受けた日が2024年1月1日以降であれば、本特例の適用対象となります。 出典)国税庁「令和5年度『相続税及び贈与税の税制改正のあらまし』」 相続時精算課税制度は選ぶべきでない? 税制改正前は、相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除がなかったため、基本的には暦年課税で少しずつ贈与をする方が税制メリットが大きい状況でした。しかし、今回の税制改正によって相続時精算課税制度でも同様に年110万円の基礎控除が適用されるようになったため、相続時精算課税制度を選択しやすい状況になったといえます。 ここでは、税制改正後に暦年課税と相続時精算課税制度のどちらを選ぶべきかについての考え方を紹介します。 贈与税の観点 相続時精算課税制度でも暦年課税でも、年110万円の基礎控除の範囲内であれば、贈与税がかかることはありません。しかし、年110万円の基礎控除の範囲を超えると、相続時精算課税制度はさらに合計2,500万円まで贈与税がかからないのに対し、暦年課税は超えた金額すべてに対して贈与税がかかります。 そのため、贈与税だけを考えると、基本的に相続時精算課税制度の方が納付金額が少なくなります。 相続税の観点 贈与時の年110万円の基礎控除分の金額について、相続時精算課税制度の場合は、相続財産に加算されることはありません。それに対して暦年課税の場合は、相続発生時から7年前までの贈与については、年110万円の基礎控除分の金額についても相続税の対象となります。 一方、贈与時の年110万円の基礎控除分を超えた金額については、相続時精算課税制度の場合、全て相続財産として加算されます。それに対して暦年課税の場合は、相続発生から8年より前の贈与は相続財産として扱われません。 そのため相続税については、贈与を行った期間がある程度長くなると、暦年課税の方が納付金額が少なくなります。 より詳細な試算が大切 相続時精算課税制度と暦年課税制度のどちらが税制メリットが大きいかを判断するためには、贈与税と相続税を併せて試算する必要があります。基本的には、贈与を行う期間が短く金額が小さければ相続時精算課税制度、贈与を行う期間が長く金額が大きければ暦年課税が、税制メリットが大きくなる傾向にあります。 ただし、相続開始日がいつになるかは予想することができず、必ずしも毎年一定の贈与を継続するとも限らないでしょう。ご自身の状況に合わせて、可能な限り詳細に試算してみることが大切です。より適切な判断を行うには、税理士などの専門家へ相談するといいでしょう。 まとめ 相続時精算課税制度を利用することで、納付する贈与税や相続税を抑えることができる可能性があります。ただし、一度選択すると暦年課税には戻せないので、相続時精算課税制度の選択は慎重に判断しなければなりません。相続時精算課税制度について理解を深め、相続時精算課税制度を利用すべきかどうか検討してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 終活とは?終活では何を準備すればいい? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際...記事を読む

    2021.01.27制度税金
  • 住宅ローン減税特例が延長!さらに床面積が40平米以上に緩和

    住宅ローン減税特例が延長!さらに床面積が40平米以上に緩和

    2020年12月21日に閣議決定された2021年度(令和3年度)税制改正の大綱において、住宅ローン減税及び住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の延長等が盛り込まれました。今回の措置は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図るために策定されたものです。 今後の国会で関連税制法が成立することが前提にはなりますが、マイホーム取得にかかる税負担を軽減できる可能性があります。マイホーム取得を検討しているのであれば、税制改正の内容を理解しておくことが大切です。 この記事では、住宅ローン減税の仕組みや緩和される適用要件について詳しく解説します。 そもそも住宅ローン減税とは 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、個人がマイホームの新築や取得、増改築等を行う場合、一定の要件を満たすと住宅ローン年末残高の1%が所得税から控除される制度です。所得税から控除しきれない場合は、住民税から控除することも可能です。 マイホームの取得で住宅ローン減税が適用されれば、住宅ローン金利の負担軽減が期待できます。なお、住宅ローン減税の適用を受けるには確定申告が必要ですが、会社員(給与所得者)の場合は、2年目以降は年末調整で控除の適用を受けられます。 出典)国税庁「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」 住宅ローン減税の控除期間13年の適用要件について 2019年10月に実施された消費税率の引き上げ(8%→10%)に伴い、住宅ローン減税の控除期間が従来の10年から13年に延長されました。控除期間の延長は、建物購入価格の消費税増税分の負担を軽減することが目的で、特別特定取得にあたる場合に適用されます。 特別特定取得とは、消費税率10%が適用される新築や中古住宅の取得を指し、その住宅に「2019年10月1日~2020年12月31日」の間に居住を開始した場合に適用されます。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響で入居が期限に遅れた場合は、一定の要件を満たした上で、2021年12月末までに入居すれば特別措置の対象となります。 控除額は、10年目までは「住宅ローン年末残高×1%(控除限度額50万円)」です。11~13年目は、「住宅ローン年末残高×1%」または「建物価格(消費税を除く)×2%÷3」のいずれか低い金額が控除額となります。 出典)国土交通省「消費税率引上げに伴う住宅取得に係る対応について」」 2021年度税制改正の概要 2021年度税制改正の概要は以下のとおりです。 住宅ローン減税 住宅ローン減税については、現行の特別特定取得における控除期間13年の措置について、契約期限と入居期限をともに1年延長することが盛り込まれました。 具体的には、契約期限(注文住宅は2020年10月~2021年9月、分譲住宅等は2020年12月~2021年11月)と入居期限(2021年1月~2022年12月)を満たす者に、現行の控除期間13年が適用されます。 また、上記の措置については、新たに床面積要件がこれまでの「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和されます。ただし、「40㎡以上50㎡未満」の住宅については、「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限が設けられている点に注意が必要です。 住宅ローン減税 改正概要 改正前 改正後 50㎡以上 (特別特定取得) 13年控除 *1 期限延長:13年控除 *1 50㎡以上 10年控除 *1 変更なし:10年控除 *1 40㎡以上50㎡未満 (特別特定取得) 対象外 拡充:13年控除 *2 40㎡以上50㎡未満 対象外 変更なし:対象外 ※1:「合計所得金額3,000万円以下」の所得制限あり ※2:「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限あり 住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置 住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置とは、父母や祖父母などの直系尊属から住宅の新築や取得、増改築等の資金として贈与を受けた場合に、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。 住宅取得等資金については、2021年4月~12月の住宅取得等に係る契約について、2020年度と同額の非課税限度額(最大1,500万円)を適用することが盛り込まれました。 また、2021年1月以後の贈与については、床面積要件がこれまでの「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和されます。ただし、「40㎡以上50㎡未満」の住宅については、住宅ローン減税の場合と同様に「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限が設けられています。 出典) ・国土交通省「住宅ローン減税等が延長されます!」 ・国土交通省「令和3年度住宅税制改正概要(住宅ローン減税・贈与税非課税措置)」 適用要件の緩和で今までと何が変わる? 2021年度税制改正において、住宅ローン減税や住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の適用要件が緩和されることで、40㎡台のマンションが値上がりする可能性があります。 40㎡台のマンションは、今まで住宅ローン減税の適用外であることがハードルとなっていました。しかし、適用要件が緩和されたことで、今後は購入を検討する人が増えると予想されます。 40㎡台の物件は、単身者やDINKs世帯(子供がいない共働き世帯)からすれば問題ない広さです。比較的価格が抑えられていることから購入しやすく、住宅ローン減税が適用されれば、購入のハードルはさらに下がるでしょう。 まとめ 住宅ローン減税の控除期間13年の措置が延長されるなど、2021年税制改正では個人の住宅取得を支援する内容が盛り込まれています。適用要件が緩和され、今までは対象外だった40㎡台の物件にも住宅ローン減税が適用されるのは重要なポイントです。 住宅ローン減税が適用されれば、長期的にはまとまった金額の節税が期待できます。マイホームの取得を検討しているなら、今回の税制措置をうまく活用しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 自営業の自宅購入で住宅ローンの審査に落ちた!次なる手段は? 住まいにこだわりを持って暮らす方はとても多いですよね。特に最近、働き方の多様化で増えているフリーランスなど自営業の中で、自宅や離れにアトリエなど仕事場を持ちたいと思っている方もよく見かけます...記事を読む

    2021.01.20制度税金
  • 住宅ローンの返済が厳しくなった人はどうすればいい?FPが解説

    住宅ローンが払えないときはどうすればいい?FPが解説

    コロナ禍による収入減で、住宅ローンの返済に苦しむ人も増えているようです。住宅ローンの返済が厳しくなったときにできることは何があるでしょう? また、2020年12月から「自然災害債務整理ガイドライン」にコロナ禍で失業・収入減となり返済が困難になった人に適用される特則が加わったことによる変更点についても知っておきましょう。 住宅ローンを払えないときは延滞前に金融機関に相談を コロナ禍の影響で、2020年冬のボーナスは減額や支給がない企業も増えました。特に、中小企業への影響は大きく、飲食・観光含むサービス業などではボーナスどころか、会社の存続すら危ぶまれるところもあるようです。 コロナ禍による収入減や、ボーナス減・不支給で、住宅ローンの返済に苦しむ人はどうしたらいいのでしょうか。選択できる方法を考えてみましょう。 まず、最初のステップで絶対にやってはいけないのは、住宅ローンの延滞です。家計が厳しい、住宅ローンの返済ができないという場合は、とにかく金融機関へ相談に行きましょう。この段階では他の方法はありません。 関連記事はこちら融資のリスケとは?メリットやデメリットを解説! 金融機関に相談して認められれば、返済期間を延ばしてもらう、しばらく利息だけの返済にしてもらうなどの方法が適用されます。ただし、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)などの状況によっては適用されない場合もあるので注意が必要です。 フラット35では次のような選択肢がありますが、適用を受けるには一定条件もあります。 <フラット35の返済方法の変更メニュー> 返済期間の延長(最長15年、完済時の年齢上限80歳) 最長3年間、元金の支払いを据置いて利息だけ支払う(返済期間は変わらず) ボーナス払いの見直し(ボーナス返済分を月払いに変更など) 機構団信特約料が別払いならその支払いの猶予も可 出典)住宅金融支援機構「新型コロナウイルス感染症の影響により機構の住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ」 民間の住宅ローンについては、金融機関によって対応が異なりますが、選択できる方法としては、次のようなもの挙げられます。ただし、現在の家計や返済負担率などの状況によっては、適用されないケースもありますので、個別に相談をして確認しましょう。 <民間の返済方法の変更メニュー> 返済期間の延長 返済猶予(一定期間、利息だけの支払いとする) ボーナス払いの見直し(ボーナス返済分を月払いに変更など) 金利タイプの変更(例:固定金利期間選択型→変動金利型) ※家計や返済負担率などの状況によっては、適用されないケースもある 例えば、残債2800万円の住宅ローン(詳細条件は下記のとおり)で、条件変更や返済猶予が受けられた場合、どれくらい軽減されるかを試算したものです。 <現在のローン> 残債2800万円 毎月返済額(ボーナス払い分)82,782円(191,016円) 残返済期間28年 全期間固定金利1.4% ボーナス払いなしに変更した場合 残債2800万円 毎月返済額100,780円 残返済期間28年 全期間固定金利1.4% ボーナス払いなし&変動金利0.5%に変更した場合 残債2800万円 毎月返済額89,321円 残返済期間28年 変動金利0.5% ボーナス払いなし&変動金利&返済期間を5年延長した場合 残債2800万円 毎月返済額76,716円 残返済期間33年 変動金利0.5% 住宅ローンの返済が苦しくなったときの最初の方法としては上記のようなものとなりますが、あくまでも一時しのぎにすぎません。これによって時間を稼いでいる間に、家計や収入の立て直しを図ることがマストです。それが難しい場合は、後述する売却などの手段を検討することになります。 関連記事はこちら自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説 住宅ローンを払えず延滞し続けるとどうなる? 最初の段階で延滞してはいけないと前述しましたが、もしも延滞してしまったらどうなるのかについても知っておきましょう(金融機関によっても異なる場合があるので、実際には借りている金融機関で確認を)。 延滞1カ月 延滞をしてしまうと、返済する予定だった住宅ローンの元金部分に遅延損害金が発生します(遅延日数分)。さらに、金融機関によっては金利優遇が受けられなくなることもあり、店頭金利の適用となって返済額が大きく増加する場合もあります。 延滞2~3カ月 金融機関から催告書や督促状が届き、延滞損害金の請求もあります。 延滞4~6カ月 金融機関から、「期限の利益の喪失」に関する通知が届き、住宅ローン債務の一括返済を求められます。保証会社を利用している住宅ローンでは、保証会社が金融機関に対して「代位弁済」し、以降は保証会社から請求されます。 *延滞3カ月超は信用情報機関に載り、一定期間、借入れやクレジットカードの使用などが制限される可能性もあります。 延滞7~12カ月 住んでいたマイホームは任意売却(残債がある状態で抵当権を解除しての売却)をしたり、競売にかけられたりします。 関連記事はこちら住宅ローンが払えない!競売を回避する「任意売却」とは? 競売や任意売却をしても住宅ローンが完済しきれずに残ってしまうと、その債務を返済しながらの生活になってしまいます(無担保ローンで高金利)。これを解消できるよう、後述する「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」がコロナ禍も対象とする特則もできました。 住宅ローンを払えないときの対処法は? コロナ禍で住宅ローンの返済が困難な状態にあり、返済猶予などをしても収入回復のメドが立たないという場合もあるでしょう。その場合は、傷が深くなる前に、売却など別の方法を検討する必要があります。 最も避けなくてはいけないことが、一時しのぎで高金利のカードローンやキャッシングなどに手を出す行為です。 どうしても、今後3カ月から半年以内に家計や収入の立て直しが難しいときは、家計のダメージが広がらないうちに住宅を手放すことを考えましょう。自主的な売却の方が競売よりも高く売れる可能性が高いです。ただし、有利に売却しようと考えたら、時間がかかります。不動産業者の直接買い取りだと早めに売れますが、価格は2~3割程度安くなります。 なお、自宅を売却してもそのまま住み続けたい場合にはリースバックという選択肢もあります。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 「自然災害債務整理ガイドライン」にコロナ禍が加わった 最後に1つ、重要な変更点を押さえておきましょう。 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に、新型コロナウイルス感染症の影響で失業や収入減となり住宅ローンの返済が困難になった人に適用される特則ができ、2020年12月1日から適用となりました。 この特則は、住宅ローンを借りている人が、債務免除を受けて、生活再建を行うことを目的としています。自己破産等の法的倒産手続きではなく、特定調整手続きを活用した債務整理による債務免除を行うことで、信用情報に登録されることもありません。 対象となるのは、2020年2月1日以前からの債務(住宅ローンやその他のローンが幅広く含まれる)に加え、2020年10月30日までに新型コロナ対応のために負担した債務です。 関連記事はこちらコロナで住宅ローンの返済がお困りの方へ、ローン減免制度を紹介! 特定調停手続で債務整理をした場合は、以下のようなメリットを受けながら、対象債務の減免が受けられます。 特別定額給付金などの差押禁止財産に加え、財産の一部を手元に残せる 信用情報登録機関に登録されないので、その後の借入の可能性を残せる 弁護士、不動産鑑定士など専門家の支援が無償で受けられる 一定の財産を残しつつローンの減額や免除を受けることができ、住宅を手放さずに、住宅ローン以外のローンだけを減免する方法もあるようです。 簡易裁判所の特定調停手続を行う必要がありますが、弁護士などの登録支援専門家が必要な書類の作成や債権者との協議などの手続を無償で支援してくれます。利用するには、最も借入残高が多い債権者から、制度利用の同意を得た上で弁護士などに手続支援を依頼します。こうした制度も上手に活用しましょう。 出典)自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについて リースバックの仮査定はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。 任意整理完済後は住宅ローンが借りれない!ではどうする? 借金の返済が出来なくなってしまった場合など、任意整理をすれば返済負担を軽減できる可能性があります。しかし、任意整理はどのように行うのか、任意整理をした場合に自宅などの所有資産がどうなるか気に...記事を読む

  • 不動産の親子間売買とは?デメリットや手続きについて解説

    不動産の親子間売買は難しい?デメリットと手続きについて解説

    不動産の親子間売買とは、文字どおり親子間で不動産を売買することです。自宅の親子間売買は、基本的には個人間の不動産売買と大きな違いはありません。しかし、税金の取り扱いやローンの組み方など、注意すべき点もあります。 この記事では、自宅の親子間売買の注意点や手続きの流れなどについて解説します。 自宅の親子間売買における注意点 売買に関する費用が発生する 自宅の親子間売買で発生する税金は、基本的には通常の不動産売買と同様です。 親から子に自宅を売却して譲渡益が発生した場合、売主である親に譲渡所得税がかかります。税率は不動産の所有期間によって異なり、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら短期譲渡所得として約39%、5年超なら長期譲渡所得として約20%です。 なお、通常のマイホーム売却で売主に適用される「3,000万円の特別控除」「特定居住用財産の買換え特例」は、親子間売買では適用されないので注意が必要です。 一方、買主である子には、契約時に不動産取得税や印紙税、登記手続き時に登録免許税などがかかります。また、自宅を購入後は毎年固定資産税の負担も生じます。 出典) ・国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 ・国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 贈与税が発生する恐れがある 売買価格と実勢価格の乖離が大きいと贈与とみなされ、贈与税が発生する恐れがあります。「類似物件の取引価格を調べる」「不動産会社や不動産鑑定士に査定を依頼する」などの対応を行った上で、適正価格で売買することが大切です。 贈与とみなされないか心配な場合は、売買価格に問題がないかを税理士などの専門家に確認するといいでしょう。 自宅の親子間売買の手続き 自宅の親子間売買を行うときの流れは以下のとおりです。 不動産に関する情報収集(登記簿謄本の取得、実勢価格の調査など) 売買価格の決定 売買契約書の作成 売買契約の締結 購入代金の支払い 登記手続き 売買契約書を作成するために、まずは売却する自宅について情報収集を行います。登記簿謄本を取得して、所有者や抵当権設定の有無などを確認しましょう。また、不動産会社に査定を依頼するなどして、自宅の実勢価格を調べます。 不動産の売買価格は売主と買主で自由に決められますが、実勢価格から乖離した著しく安い価格での取引は贈与とみなされることがあります。売却価格を決定したら、契約書を作成して売買契約の締結と購入代金の支払い、登記手続きを行いましょう。 一連の手続きは個人で行うことも可能ですが、不備があると契約や登記手続きに手間取るだけでなく、贈与とみなされる恐れもあります。不動産に知見のない個人の方では難しいことも多いので、必要に応じて税理士や司法書士、不動産会社などに相談しながら手続きを進めるといいでしょう。 住宅ローンは利用できない?購入代金を用意する方法 親子間売買で自宅を購入する場合は金融機関の審査が厳しくなるため、住宅ローンを組むことが難しい場合があります。住宅ローンを組めなかったからといって、現金購入という手段は現実的ではないでしょう。 そのような時に、不動産担保ローンであれば融資を受けられる可能性があります。不動産担保ローンは借入限度額が比較的大きく、長期にわたって借りられるという特長がありますが、住宅ローンと比較すると金利が高くなります。住宅ローンを組めない場合は不動産担保ローンも選択肢のひとつです。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 親子間売買ではなくリースバックという選択肢も 親子間売買の目的が「不動産を活用して資金を確保すること」であれば、「リースバック」という選択肢もあります。リースバックで自宅を売却することで、手元資金を確保しつつ、そのまま自宅に住み続けることができます。詳細は以下の記事で解説しています。 関連記事はこちら任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点を解説 まとめ 自宅の親子間売買は、通常の不動産売買と大きな違いはないものの、適正価格で売買を行わないと贈与とみなされる恐れがあります。また、親子間売買には住宅ローンを利用できない場合も多く、どのように購入のための資金を確保するかが大きな課題となります。 親子間売買の目的や、置かれている状況に応じて住宅ローンを利用できるかどうかは異なります。判断が難しい場合は、金融機関や専門家に相談してみるのも有効です。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 シニアが住み替える際の4つのポイント シニア世代は、子どもの独立や退職などをきっかけに生活環境が大きく変化します。今住んでいる家がライフスタイルに合わなくなると、将来を見据えて住み替えを検討することもあるでしょう。 この記事では...記事を読む

    2021.01.06自宅購入
  • 終活とは?いつから始める?老後資金が足りないと気づいたら?

    終活とは?終活では何を準備すればいい?

    昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際は家族や友人関係、医療・介護、財産など、生前のうちに確認し、準備しておくべきことはたくさんあります。 老後の不安を解消し、残りの人生を自分らしく生きるには、終活について理解しておくことが大切です。この記事では終活ですることや始めるタイミング、老後資金の準備について解説します。 終活とは 終活は週刊誌によって作られた言葉で、「人生の最期を迎えるための活動」といった意味に加え、「残りの人生をより前向きに自分らしく生きるための活動」という意味もあります。 終活が注目されるようになった背景には、高齢化によって老後破産や孤独死、認知症、相続トラブルなどの増加が社会問題化していることがあります。厚生労働省の簡易生命表(2019年)によれば、男性の平均寿命は81.41年、女性は87.45年です。また、90歳まで生存する人の割合は男性27.2%、女性51.1%となっています。 このような背景から「老後生活の不安を解消したい」「家族に負担をかけたくない」と考える人が増え、終活に取り組む人が増えていると考えられます。 出典)厚生労働省「2019年(令和元年)生命簡易表の概況」 終活はいつから準備する? 終活を始めるタイミングは人それぞれで正解はありません。「仕事を辞めて年金生活になった」「一定の年齢に達した」など、人生の転機を迎えたときや死を意識したタイミングで、少しずつ進めていくといいでしょう。 ただし、認知症を患うなど、意思表示ができなくなると始めるのは難しくなります。そのため、まだ元気なうちに、「少し早いかな」と思うぐらいのタイミングで始めるのがおすすめです。 終活では何を準備する? 終活では、現在の状況と将来するべきことを整理するために、エンディングノートを作成するといいでしょう。エンディングノートに法的な効力はなく、書き方のルールもないので、好きな方法で作成して構いません。エンディングノートでは、主に以下の内容について整理します。 自身や家族、友人のこと 自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や趣味などを書いておけば、誰が書いたものかが一目でわかります。スマホやインターネットなど、自身が契約しているサービスについても伝えておくと家族は助かるでしょう。また、家族や友人の連絡先、自身との関係なども書いておくと、必要に応じて連絡をとることができます。 医療や介護のこと 判断力が低下したり、意思表示ができなくなったりしたときのために、かかりつけ医や持病、飲んでいる薬、アレルギーなどについて書いておくといいでしょう。また、介護や延命治療に関する希望を伝えておくと、もしものときに家族が判断しやすくなります。 財産に関すること 老後生活が長くなるほど、財産を適切に管理することの重要性は高まります。収入や支出の項目・金額を整理して、老後の家計収支を把握しましょう。また、預貯金や不動産、金融資産など保有中の資産を一覧にしておくことも大切です。 葬儀やお墓のこと 最近では、葬儀やお墓に対する考え方が多様化しており、その様式もさまざまです。たとえば、葬儀は一般葬の他に、参列者が親族のみの家族葬や一日葬などもあります。また、お墓も代々受け継いでいく家族墓だけでなく、永大供養墓や散骨といった形もあります。そのため、葬儀やお墓についての希望、連絡先のリストなどを書いておくといいでしょう。 相続のこと 相続トラブルを避けるには、相続人や相続財産について整理する必要があります。また、預貯金や不動産といった資産だけでなく、借金などの負債も相続財産に含まれる点に注意が必要です。相続について希望がある場合は、遺言書の作成も検討しましょう。 終活をするメリット 終活をするメリットとしては下記のようなことが挙げられます。 万が一の備えになる 医療や介護に関する希望を家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておくことは万が一の際の備えになります。例えば、認知症になって判断力が低下したり、意識不明や重篤な状態に陥ってしまった場合に、延命治療や介護の希望などを伝えておくと、家族が判断をしやすくなります。 また、エンディングノートに自身のアレルギーや持病、常備薬を記載しておくことももしものときの備えになります。 相続をスムーズに進められる 財産の整理や相続の準備をしておくことで、残された家族が相続をスムーズに進められます。例えば、エンディングノートに保有している金融資産や不動産などをまとめて記載しておくと、残された家族が財産を把握しやすくなります。 また、相続について希望がある場合は、遺言書を作成しておくことも有効です。財産の整理や遺言書の作成をしておくことで相続をスムーズに進められるだけでなく、トラブルを回避することにもつながります。 葬儀やお墓の手配をスムーズに進められる 葬儀やお墓の希望について家族に伝えておくことで、手配をスムーズに進めることができます。自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。そこで、葬儀やお墓について希望を伝えておくことで、家族が段取りをしやすくなり、負担を軽減することができます。 また、事前に自身でお墓を用意しておいたり葬儀費用を準備しておくことも、残された家族の負担を軽減することができます。 自身の経済状況を把握できる エンディングノートに自身の財産等をまとめることで経済状況を把握できます。そして、自身の経済状況を把握することは、健全な家計収支の維持にもつながります。 自身の経済状況を把握し、今後の人生をどのように過ごすのか改めて見直すことは充実した老後生活を送るためにも大切です。 備忘録になる エンディングノートに保有している銀行口座や保険、株式をまとめておくと備忘録になります。また、各種暗証番号等を記載しておけるエンディングノートなどもあります。 このようにエンディングノートを備忘録として活用するのも一つの有効な方法であると言えます。 人生の振り返りができる 終活は自身の人生を振り返る良い機会でもあります。エンディングノートには様々な種類があり、中には自分史や思い出について記載できるものもあります。このようなことを改めて整理することで、今までの自身の人生を振り返ることができます。 今後の人生をより良く生きるためにこれまでの自身の人生を振り返ることもおすすめです。 生きがいや目標を発見できる 終活では、残された家族の負担を軽減することにフォーカスされることが多いです。しかし、自身の人生を振り返り、今後の人生をより良く自分らしく生きることができるようにするというのも終活を行う目的の一つです。 終活に際しては、これからのセカンドライフで何をしたいか、だれと会いたいかなどを整理してみるとよいでしょう。そうすることで、新たな生きがいや目標を発見することができるかもしれません。 出典)日本FP協会 「終活、何をしておくか」 終活をしなかった場合に生じる問題 終活をしなかった場合、下記のような問題が生じる可能性があります。 医療や介護に関する希望を把握できない 年を重ねるにつれて医療や介護が必要になる可能性が高くなります。万が一意識不明や重篤な状態に陥り意思表示が難しくなった場合に、延命治療や介護の希望がわからないと家族が判断をしにくくなります。 相続トラブルが発生する 終活によって自身の財産の整理や相続に関する希望を遺しておかなかった場合、相続トラブルが生じる可能性が高くなります。相続トラブルは遺産内容が不透明であることや遺産分割の割合に偏りがあることに起因するケースが多いです。 葬儀やお墓の準備に手間がかかる 自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。例えば、葬儀の日程や形式、寺院の選定、訃報を知らせるべき方の選定などです。これらのことを一から決めるのは非常に手間がかかります。 残された家族が財産を把握できない 自身の財産をまとめて記録しておかないと、残された家族が財産を把握しにくくなります。近年ではパソコンやスマートフォンなどに保存しているデジタルデータなど目に見えない財産も増えています。これらの財産は、家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておかないと把握できない可能性が高いです。 十分な老後資金が準備できているかを確認する 終活の中でも、優先的に取り組んでおきたいのが老後資金の問題です。残された家族のことを思えば、自身が亡くなった後のことについて考えるのは大切なことです。しかし、終活では、自身の老後生活に問題がないかを確認するのが、最優先で取り組むべき課題です。 現在の家計収支や資産状況を整理・把握して、十分な老後資金が準備できているかを確認しましょう。もし老後資金が不足するようなら、早急に対策をたてる必要があります。 終活に「リースバック」という選択肢も 老後資金が足りない場合、持ち家があるなら「リースバック」という選択肢があります。リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。 リースバックはローン商品ではなく、売却と賃貸が一体となった不動産取引であるため、利用にあたって年齢や収入の制限はありません。また、持ち家を売却すると、通常は別の住居を確保する必要がありますが、リースバックならそのまま住み続けることが可能です。 加えて、リースバックを利用して不動産を現金化すれば財産を分配しやすくなるため、相続トラブルを回避するための手段としても活用できます。 終活に関するよくある質問 終活をしている人はどのような理由で始めますか? インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。また、約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。 出典)PRTIMES「デジタル終活知っている?希望するお墓のカタチは?20~70代にきく終活に関する意識調査(マクロミル調べ)」 生前整理として残しておくべきものはどういうものですか? 生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。 終活として断捨離しておくと良いものはありますか? 不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。 終活をする上での注意点は何ですか? 終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。 出典)消費者庁 「第1部 第1章 第4節(4)高齢者が巻き込まれる詐欺的なトラブル」 《Appendix》エンディングノートの記載例 以下はエンディングノートに記載する内容の一例です。 自分自身や家族、友人のこと 自分自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や家族、友人についての記載例です。下記の内容以外にも自身で書きたいことがあれば記載しておくと誰が書いたのか分かりやすくなります。また、家族や友人については、自身の死後に連絡を希望するかまで記載をしておくと家族が判断をしやすくなるでしょう。 自分のこと 名前山田 太郎 生年月日1950年1月1日 住所〒〇〇〇ー〇〇〇〇東京都新宿区西新宿〇ー〇〇 本籍地〒〇〇〇ー〇〇〇〇東京都渋谷区道玄坂〇ー〇〇ー〇〇 血液型A型 趣味釣り読書 家族・友人のこと 氏名関係住所連絡先訃報について 山田 花子妻東京都新宿区〇〇・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせる 山田 次郎子東京都世田谷区〇〇・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせる 山田 二郎弟埼玉県〇〇市・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせない 佐藤 三郎友人福島県〇〇市・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせない 医療や介護のこと 医療や介護についての記載例です。持病については、常備薬やかかりつけの病院まで記載をしています。また、万が一の際に備えて延命治療や介護の希望についても記載をしておくと良いでしょう。 医療や介護のこと 持病高血圧 常備薬〇〇、〇〇〇〇 かかりつけの病院〇〇病院 〇〇科 担当医:〇〇 アレルギー卵、えび、かに、いか 延命治療希望しない 介護の希望自宅で家族に介護をしてもらいたい 財産のこと 財産についての記載例です。下記では、預貯金と株式について記載していますが、それ以外でも、資産を保有している場合は一覧にしてまとめておくと良いでしょう。 預貯金のこと 金融機関名〇〇銀行支店名〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇〇口座名義山田 太郎 口座種別普通備考 株式のこと 預入証券会社〇〇証券口座番号〇〇〇〇〇〇〇 名義人山田 太郎備考〇〇の株式を100株保有 葬儀やお墓のこと 葬儀やお墓についての記載例です。葬儀については、下記のような事項について記載をしておくと葬儀の準備がスムーズに進みやすいです。また、下記以外にも葬儀に参列してほしい人を表にしてまとめておいたり、納棺時の服装や棺に入れてほしいものなどを記載することもあります。 葬儀のこと 葬儀を希望する/しない希望する 葬儀会社・斎場株式会社〇〇住所:東京都新宿区〇ー〇〇 費用について準備している 葬儀の種類家族葬 宗教の希望仏教 遺影についてあり(机の引き出しの一番上) 戒名についてこだわりはありません お墓のこと お墓の有無先祖代々のお墓 埋葬方法の希望永代供養墓 お墓がある場合墓地・霊園の名称:〇〇霊園住所:東京都練馬区〇〇ー〇〇連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 相続のこと 下記は遺言書についての記載例です。遺言書がある場合は、保管している場所まで記載をしておくと良いでしょう。また、遺言書の有無以外にも、遺産分割や遺品の処分について希望がある場合は、記載をしておくことをおすすめします。 相続のこと 遺言書の有無有 遺言書の種類自筆証書遺言(机の一番下の引き出し) 遺言書の関係者弁護士:〇〇連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 まとめ 終活は、家族の負担を減らせるのはもちろん、残りの人生を自分らしく生きることにも役立ちます。終活ですることはたくさんありますが、最優先して取り組むべきことは財産整理です。家計収支や資産状況を整理した結果、持ち家があって老後資金が不足しそうな場合はリースバックの活用を検討しましょう。 リースバックならSBIスマイル もっと詳しく知りたい方はこちら SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定も無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、所有している資産を第三者に売却し、リース契約を締結することで、それまでと同じ資産を利用し続けることを可能にする取引手法を指します。住宅においては、自宅を売却して現金を得て、...記事を読む { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "終活をしている人はどのような理由で始めますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。その次に約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。" } }, { "@type": "Question", "name": "生前整理として残しておくべきものはどういうものですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。" } }, { "@type": "Question", "name": "終活として断捨離しておくと良いものはありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。" } }, { "@type": "Question", "name": "終活をする上での注意点はありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。 " }} ] }

  • コロナで住宅ローンの返済がお困りの方へ、ローン減免制度を紹介!

    コロナで住宅ローンの返済がお困りの方へ、ローン減免制度を紹介!

    新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した人を対象に、住宅ローンに加え、カードローン等のその他の債務を抱える方の返済負担を軽減する制度が新たに開始されました。新制度は自然災害による被災者向けの債務整理ガイドラインを改正し、新型コロナを対象に加えた特則で、2020年12月1日から適用されています。 住宅ローンの返済が困難になって自己破産を行う場合、通常は自宅を手放さなくてはなりません。しかし、新制度を利用すれば、自宅を手放すことなく債務の減額・免除を受けられる可能性があります。 この記事では、ローン減免の新制度の概要やポイント、申請の流れについて解説します。 ローン減免制度の概要 ローン減免の新制度は、新型コロナの影響で返済困難となった債務を抱える個人・個人事業主の生活や事業の再建を支援するための制度です。新制度を利用すれば、住宅ローンに加えてカードローンなどの債務を抱える個人・個人事業主は、住宅を手放すことなく、住宅ローン以外の債務の減額・免除を申し出ることができます。具体的には、新型コロナの影響で、以下のような状況にある場合に利用可能です。 失業または収入の減少によりローンが返済できない 住宅ローンに加えてカードローンなどの債務も増え、返済の見通しが立たない 事業を廃業して再スタートしたいが債務を返済できない 新制度では、以下の債務が減免の対象となります。 2020年2月1日以前に借りていた債務 2020年2月2日~10月30日に借りた新型コロナ対応関連の債務 2020年2月1日以前の債務は、住宅ローンやカードローン、事業性ローンなどが対象です。2020年2月2日以降の債務は、政府系金融機関や民間金融機関の新型コロナ関連の貸付が対象となります。 債務の減免を受けるには、一定の要件を満たすことや借入先の同意、簡易裁判所の特定調停手続きが必要です。一定の要件を満たしているかは、債務者の財産や新型コロナの影響前後の収入状況、信用情報などから総合的に判断されます。 ローン減免制度の3つのポイント ローン減免の新制度のポイントは以下3つです。 手続支援を無料で受けられる 新制度を利用する場合、弁護士などの「登録支援専門家」による手続支援を無料で受けられます。手続きには金融機関との協議や書類作成などが必要ですが、専門家から無料で支援してもらえるため、ローン返済が困難な人にとっては利用しやすいでしょう。 個人信用情報として登録されない 債務整理を行う場合、通常は個人信用情報に登録されるため、当面は借り入れが難しくなります。しかし、新制度なら個人信用情報に登録されないため、将来借り入れがしやすいメリットがあります。 財産の一部を手元に残せる 債務者の生活状況や個別事情によって異なりますが、財産の一部を手元に残すことも可能です。新制度を利用することで、通常の債務整理(自己破産など)より多くのお金を残せるかもしれません。 ローン減免制度の申請の流れ ローン減免の新制度を申請するときの流れは以下のとおりです。 借入先の金融機関に手続着手を申出 専門家による手続支援の開始 債務整理の申出 特定調停の申立 調停条項の確定(債務整理の成立) 新制度の利用を希望する場合、まずは最も多額のローンを借りている金融機関に手続着手の申出を行います。金融機関の同意を得られたら、地元弁護士会などを通じて登録支援専門家による手続支援を依頼しましょう。 その後は専門家の支援を受けながら、金融機関に債務整理の申出を行い、必要書類の作成や金融機関との協議を進めます。債務整理の対象にしようとするすべての金融機関から同意を得られた場合、簡易裁判所へ特定調停を申し立て、調停条項が確定すれば債務整理は成立します。 ローン減免制度の注意点 ローン減免の新制度を利用する際は、以下の点に注意する必要があります。 新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合は利用できない 過去に滞納などの契約違反があると利用できない可能性がある 特定調停の申立費用は債務者の負担となる 今回の新制度は、あくまでも新型コロナの影響での失業・収入減により、債務の返済が困難になった個人・個人事業主が支援の対象です。新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合、新制度は利用できません。 利用要件を満たすかどうかは、収入状況やローンの支払条件、家計の状況などから総合的に判断されます。そのため、過去に滞納などの契約違反がある場合は、金融機関から同意を得られない可能性があります。 また、専門家による手続支援は無料で受けられますが、特定調停の申立費用については債務者の負担となります。 まとめ 新型コロナの影響で住宅ローンやカードローンなどの返済に困っている場合、ローン減免の新制度を利用すれば、自宅を手放さずに済むかもしれません。また、新制度は個人信用情報に傷がつかないので、将来借り入れがしやすいメリットもあります。専門家による手続支援も無料で受けられるので、まずはローンを借りている金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 【FP相談事例】コロナウイルスの影響で住宅ローン返済に困ったら コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。住宅ローンそのものの見直しも考えられますが、長期的なローン負担を気にして、もっと迅速かつ身軽に...記事を読む

  • リースバックとリバースモーゲージの違いを徹底解説

    リースバックとリバースモーゲージの違いを徹底比較!

    近年、まとまった老後資金を確保する手段として「リースバック」や「リバースモーゲージ」が注目されています。もし、まとまった老後資金の確保を目的として利用を検討する場合には、リースバックとリバースモーゲージの違いをしっかりと理解しておくことが大切です。 この記事では、リースバックとリバースモーゲージの違いと、どちらが自分に向いているかを判断する基準について解説します。 リースバックとリバースモーゲージの概要 リースバックの概要 リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結して毎月家賃を払うことで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックは不動産取引であるため、基本的に年齢制限や年収基準、家族の同居制限はありません。また、賃借権は相続されるので、契約者にもしものことがあっても配偶者は住み続けられます。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リバースモーゲージの概要 リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみで、債務者の死亡後に相続人が自宅の売却もしくは現金一括で元本を返済します。一般的なローンとは異なり、毎月の支払いは利息のみなので、月々の返済額を抑えられるのがメリットです。 ただし、元金は据え置きなので、長生きするほど利息負担が増えるリスクがあります。また、自宅の売却代金よりローン残債の方が多かった場合、残った債務が相続人に引き継がれることがあります。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや仕組みを解説 リースバックとリバースモーゲージの共通点と違い リースバックとリバースモーゲージの共通点 まず、リースバックとリバースモーゲージの共通点は以下のとおりです。 不動産を活用した資金調達方法 不動産を売却する商品・サービス リースバックとリバースモーゲージは、自宅を活用して資金調達できるのは同じです。タイミングは異なりますが、どちらも最終的には自宅を売却するため、相続後に不動産が残らないのも共通点です。 リースバックとリバースモーゲージの違い リースバックとリバースモーゲージは不動産を活用して資金を調達できるという点から似ていると感じるかもしれませんが、リースバックは不動産売買+賃貸借契約、リバースモーゲージは不動産担保融資であり、その特徴や仕組みは大きく異なります。 具体的には、以下のような違いがあります。 所有権移転のタイミング 資金の受け取り方(売却と融資) 月々の支払い(家賃と利息) リースバックは、自宅を売却して賃貸に切り替えた時点で所有権は運営会社に移転します。それに対して、リバースモーゲージは債務者の死亡後、自宅を売却して元本を返済する仕組みなので、債務者が生きている間は自宅の所有権は移転しません。 また、リースバックは売却資金を受け取り、その後は毎月家賃を払うのに対し、リバースモーゲージは融資金を受け取り、毎月利息を払う点も異なります。 リバースモーゲージと比較したリースバックのメリット リバースモーゲージと比較したリースバックのメリットは以下の4つです。 誰でも利用できる リースバックは不動産売却なので、基本的に与信面で断られることはありません。また、年齢制限や年収基準がないので、持ち家があれば高齢者でも利用しやすいでしょう。 一方で、リバースモーゲージは自宅を担保とした融資であるため、金融審査があります。年齢制限や年収基準が設定されていることが多く、一定の収入がないと与信面で否決される可能性があります。 ローンを完済できる リースバックは不動産売却なので、住宅ローンが残っていても売却資金で完済できます。ただし、売却資金が住宅ローンの残債を上回る必要がある点には注意が必要です。 一方で、リバースモーゲージは融資なので、ローンが残っている状態がずっと続きます。毎月の支払いは利息のみですが、市場金利が上昇すれば、毎月の返済額が増えて支払いが困難になる可能性があります。 相続対策になる リースバックは自宅を売却して現金化するため、相続時に財産分与しやすいのがメリットです。特に複数の相続人がいる場合、自宅をどのように分けるかを考える必要がないので、相続問題を回避しやすくなります。 一方で、リバースモーゲージは、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みですが、売却資金がローン残債より少ない場合、残った債務は相続人に引き継がれます(リコース型の場合)。ノンリコース型なら債務が残っても相続人に返済義務は生じませんが、リコース型に比べて適用金利が高い傾向にあります。 持ち家の所有リスクを移転できる リースバックで自宅を売却すれば、持ち家の所有リスクを移転できます。そのため、自宅の維持管理のためのメンテナンスコストが不要である点や、突発的な地震や台風といった自然災害で住居に被害が出ても、修繕費用は運営会社が負担してくれるので安心です。 一方で、リバースモーゲージは、資金調達後も持ち家であることに変わりはないので、メンテナンスコストや建物に被害が出たときの修繕費用は自身で負担しなくてはなりません。住まいに関する資金も借り入れする事ができますが、借入金が膨らんでしまう点には注意が必要です。 リバースモーゲージと比較したリースバックのデメリット 一方で、リバースモーゲージと比較したリースバックのデメリットは以下の2つです。この2つのデメリットを考慮したうえで、どちらがいいかを判断しましょう。 所有権を手放すことになる リースバックを利用する場合は自宅を売却するので、所有権を手放すことになります。所有権を手放せばその家は自分のものではなくなり、自由にリフォームを行うこともできなくなります。 一方で、リバースモーゲージは資金調達後も持ち家であることに変わりはないので、自由にリフォームを行うことができます。 自宅を相場より安い金額で売却してしまう リースバックを利用した場合、自宅の売却価格は相場の7割程度となってしまいます。そのため、売却価格にだけ着目すると、リースバックは取引時点で損失を確定することになります。 一方で、リバースモーゲージの場合、リバースモーゲージを利用することが自宅の売却価格に影響を及ぼすことはありません。ただし、最終的に自宅を売却するまでに価値が下がり、結果的に損失が出る場合もあるので注意しましょう。 まとめ リースバックとリバースモーゲージを比較すると、利用しやすさや相続対策、所有リスクを移転できる点などはリースバックの方が優れています。しかし、自身の状況によっては必ずしもリースバックがいいとも限りません。 リースバックとリバースモーゲージのどちらを利用すべきか悩んでいる場合は、専門家や金融機関に相談するのも有効です。両者の違いを十分に理解したうえでどちらを利用すべきかを判断しましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックと不動産担保ローンの違いを徹底比較! リースバックと不動産担保ローンは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適...記事を読む

  • 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!?

    自宅購入はより安全で優れた不動産投資!?

    不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増やすことが出来る自宅購入も不動産投資の一種といえるでしょう。 不動産投資には空室リスクをはじめ、さまざまなデメリットが存在しますが、自宅購入ならこれらのデメリットをカバーできます。自宅購入で失敗を避けるには、不動産投資と同様に物件選びやローンの借り方に注意することが大切です。 この記事では、自宅購入が不動産投資より優れている理由や自宅購入の失敗例について解説します。 自宅購入が不動産投資より優れている5つの理由 自宅購入が不動産投資より優れている理由は以下の5つです。 空室リスクがない マンションやアパートといった収益不動産への投資では、入居者がいれば毎月家賃収入を得られますが、空室になってしまうと家賃は入ってきません。不動産投資では家賃収入でローンを返済していくこととなりますが、空室期間が長くなると自己資金の持ち出しが発生し、返済が困難になる可能性があります。 一方で自宅購入の場合は、自身が居住するため空室はありません。もちろん自身が居住するため家賃収入は得られませんが、ローンを完済すれば自宅は資産となります。そのまま住み続けられるのはもちろん、ある程度残債が減ることで「売却してまとまった現金を手に入れる」「自宅を担保にお金を借りる」など、資金調達手段として活用できるのも魅力です。 自らの努力で資産価値を維持できる 不動産投資の場合、たとえオーナーであっても、賃貸中は入居者の許可なく部屋に入ることはできません。入居者やその使い方によっては資産価値を低下させる恐れがありますが、賃貸中にオーナーができることは限られてしまいます。 一方で自宅購入であれば、自らの努力で資産価値を維持することが可能です。定期的にメンテナンスをしたり、必要に応じてリフォームをしたりすることで、建物を健全な状態に保てます。 ローンをより低金利で借りることができる 不動産投資ローンに比べると、住宅ローンは低金利で借りることができます。不動産は物件価格が高額なので、少しの金利差で総返済額は大きく変わります。 不動産投資ローンの場合、物件の担保評価や債務者の属性などによって適用金利は変わってきます。一般的に金利は2%以上になることが多く、住宅ローンのような低金利で借りることは難しいでしょう。 一方で住宅ローンの場合、変動金利なら0.5%未満で借りることも可能です。また、最長35年間固定金利で借りられる「フラット35」の適用金利は1.310%~2.060%(返済期間21~35年の場合:2020年11月現在)で、固定金利でも低金利で借りられます。 出典) ・価格.COM 住宅ローン商品一覧 ・【フラット35】 団信がより優れている 不動産の購入でローンを借りる場合、万一に備えて団体信用生命保険(団信)に加入するのが一般的です。そして、団信の保証内容は、不動産投資ローンより住宅ローンのほうが手厚い傾向にあります。 団信の仕組みとして、被保険者が死亡または所定の高度機能障害になったときに、ローン残高を保険金で一括返済するのは同じです。しかし、住宅ローンの場合は「がん保障特約」「疾病保障付き」など内容が充実しており、上乗せされる金利も比較的低くなっています。 税制面での優遇が非常に大きい 自宅購入は、不動産投資に比べて税制面での優遇も非常に大きいものがあります。具体的には、以下2つの税制優遇が受けられます。 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除) 売却時の3,000万円の特別控除 住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して自宅を購入した場合に当初10年間(2020年12月31日までに居住した場合は13年間)、住宅ローン年末残高の1%(控除限度額40万円)が所得税から控除される制度です。所得税の節税によって、金利負担を軽減できます。 また、自宅を売却したときは、所有期間にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。自宅を売却して利益が出たとしても、譲渡所得が3,000万円までは税金がかかりません。 出典) ・国税庁 所得税 No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除) ・国税庁 譲渡所得 No.3302 マイホームを売ったときの特例 自宅購入の3つの失敗例を紹介 このように、自宅購入は不動産投資にはないメリットがありますが、購入物件やローンの借り方によっては失敗してしまうこともあります。ここでは、自宅購入の失敗例を3つ紹介します。 必要以上の家を購入する たとえば、こだわりの注文住宅を建てるなど、必要以上の家を購入すると失敗しやすくなります。注文住宅は、あくまでも建てた人にとって利便性が高いだけで、一般に受け入れられるとは限りません。 そのため、建築に係るコストと市場評価との乖離が広がり、思うような価格で売却できなくなる恐れがあります。将来の売却を視野に入れるのであれば、必要以上の家を購入するのは避けたほうがいいでしょう。 今買える物件を買ってしまう 購入物件を十分に検討せず、今買える物件を買ってしまうのも失敗例のひとつです。たとえば、長期間売れ残っている物件は、需要が少ないと考えられます。このような物件は市場の流通性が低いので、なかなか買い手が見つからず、売却時に苦労する可能性があります。 そのため、購入したいと思った時に売り出している物件の中から選ぶのではなく、市場価値のある(=需要のある)不動産の売り出しを待つことが良いと言えるでしょう。 今借りれるローンを借りてしまう 住宅ローンは、金利によって数年後の残債が大きく変わります。転職直後など条件が悪くなりやすいときに高い金利で住宅ローンを借りると、毎月の返済額や総返済額が増えてしまいます。 今住宅ローンを借りれたとしても、状況によっては、もう少し待ったほうがより良い条件で借りれるケースもあります。住宅ローンを借りる際は、より有利な条件で借りられるタイミングを見極めることも大切です。 まとめ ここまで紹介したように、自宅購入は不動産投資にはないメリットがたくさんあります。もし賃貸暮らしのまま、不動産投資を始めようとしているのであれば、収益不動産を購入して家賃収入を得ることと、自宅を購入して家賃の支出を無くすことと、どちらがお得かを検討してみましょう。また、自宅を購入する方がより安全な投資になるかもしれないということを頭に入れておいてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンが残っていても自宅を賃貸に出せる? 住宅ローンを借りて自宅を購入した後、急な転勤などで、住み替えが必要になった場合、いずれは元の自宅に戻りたいと考え、自宅を賃貸に出せないか検討することもあるかもしれません。この記事では、住宅ロ...記事を読む