住まいとお金の知恵袋 一覧(公開日順)

  • 買取再販ローンとは?

    買取再販ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

    「買取再販ローン」という言葉を聞いたことはないでしょうか。買取再販ローンは不動産担保ローンのひとつで、利用者が特定の不動産事業者に限定されているのが特徴です。特定の要件を満たす不動産事業者であれば、通常の不動産担保ローンより買取再販ローンを利用するほうが、より有利な条件で融資を受けられる可能性があります。この記事では、買取再販ローンの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。 買取再販ローンとは 買取再販ローンとは、住宅買取再販(中古住宅を買い取ってリフォーム後に再販)を行う不動産事業者(買取再販事業者)向けの不動産担保ローンです。不動産事業者が中古住宅を買い取る際に、その住宅を担保にすることで、住宅の買取資金とリフォーム資金の一括融資が受けられます。買取再販ローンを利用することで、中古住宅の仕入資金やリフォーム工事費用などをまとめて資金調達できます。 買取再販ローンの仕組み 住宅買取再販の一般的な流れは以下のとおりです。 1. 買取再販事業者は中古住宅を買い取る 2. 金融機関は買取再販事業者に住宅取得資金とリフォーム資金を融資 3. 金融機関は住宅金融支援機構と住宅融資保険契約を締結 4. 買取再販事業者は買い取った中古住宅をリフォームして売却(ローン返済) ※1~3は同時進行 住宅ローンの「フラット35」を提供している住宅金融支援機構では、中古住宅の流通およびリフォーム市場の活性化に取り組んでいます。その取り組みの一環として、平成28年度から買取再販事業者向けのローンを、住宅融資保険の付保対象に追加しました。 住宅融資保険とは、民間金融機関のローンについて、ローン利用者から返済が予定どおり行われず、債務不履行となった場合に、住宅金融支援機構が民間金融機関の損害を補填する保険のことです。買取再販ローンが住宅融資保険の対象になったことで、民間金融機関は買取再販を行う不動産事業者に対して融資しやすくなりました。買取再販ローンを利用すれば、不動産事業者は、買取再販に必要な資金をまとめて調達することが可能です。また、買取再販事業者が中古住宅をリフォームして売却する際に、住宅購入者がフラット35を利用する場合は、住宅の性能が一定の要件に該当する場合は金利引き下げが適用されます。 買取再販ローンのメリット 買取再販ローンのメリットは以下2つです。 ● 魅力的な金利で融資を受けられる ● 買取再販に必要な資金が一括融資される 買取再販ローンは、魅力的な金利で融資を受けられます。金融機関によって適用金利は異なりますが、年率2%前後の金利が適用されることが多いです。一般的な不動産担保ローンに比べて低金利で資金調達できるので、返済時の金利負担を軽減できます。 また、買取再販ローンでは、買取再販に必要な資金が一括融資されるのもメリットのひとつです。買取再販ローンを利用すれば、中古住宅の仕入資金やリフォーム工事費用などをまとめて調達できます。事務取扱手数料などは準備しなくてはなりませんが、必要資金のほとんどを融資でまかなうことができます。 買取再販ローンのデメリット 買取再販ローンは金利が比較的低く、必要資金が一括融資される一方で、以下のようなデメリットもあります。 ● 融資実行までに時間がかかる ● 利用者が特定の不動産事業者に限定される 買取再販ローンは、融資実行までに時間がかかります。買取再販ローンでは金融機関の審査に加えて、住宅金融支援機構の審査も追加されます。必要書類をすべて準備してから最短でも10営業日程度はかかるので、スケジュールに余裕をもって手続きをすることが大切です。 買取再販ローンは、利用者が特定の不動産事業者に限定されるのもデメリットです。買取再販ローンの対象になるには、「住宅関連事業の業歴が法人で1年以上」「宅地建物取引業免許の所有」といった条件を満たさなくてはなりません。また、融資金額や担保物件の要件についても、通常の不動産担保ローンに比べて細かく設定されています。たとえば、融資金額については、1事業者あたりの上限額が設定されており、他の金融機関で住宅融資保険付の借入残高がある場合は、その残高も合わせて融資金額が設定されます。また、担保物件については「リフォームが必要な中古住宅」「リフォーム工事後において新耐震基準を満たす」「住宅融資保険の付保承認が必要」といった要件があります。これらの条件・要件を満たさないと、買取再販ローンは利用できません。 まとめ 買取再販ローンは、融資実行まで時間がかかるデメリットがあります。また、利用者が特定の不動産事業者に限定されるので、特定の要件を満たさなければローンを利用することはできません。しかし、これらのデメリットを考慮しても、低金利で中古住宅の仕入資金やリフォーム工事費用をまとめて調達できるのは大きな魅力です。不動産事業を営んでいて、買取再販ローンの要件をクリアできる可能性があるなら、まずは金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。 仮審査( 不動産事業者専用 ) ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 物件の仕入れは資金確保とネットワークが重要?! ーー不動産事業者インタビューvol.1(1) ひとくちに不動産業といっても、さまざまな事業分野があります。その中でも、不動産の物件の仕入れというのは、もっとも基本的かつ重要な業務といえるでしょう。どうすれば優良な物件を入手することができ...記事を読む

  • 不動産担保ローンとリースバック、事業資金調達の際はどう使い分ける?

    【FP相談事例】退職後に家族を応援するための資金を調達したい

    自分だけでなく、家族がやりたいことを実現するために、急にまとまった資金が必要になることはよくあることでしょう。そんな時、先に住宅ローンの完済などへ充当してしまって手持ち資金が少なく、悩む方も多くみかけます。 この記事では、退職金で住宅ローンを完済した後に、家族を応援するために資金を捻出したいという66歳のFさんの相談事例をご紹介します。 [ご相談者 Fさん] 66歳男性 退職後アルバイト。配偶者を亡くし、一人娘(独身)が近所に住む。 自宅はマンション。昨年、退職金で住宅ローンを完済したので、手元の預貯金が少ない。 娘が知人のカフェを引き継ぎ、室内を一部リニューアルしたいと資金の相談を持ちかけてきた。5~6年後には返してくれるようだが、今、資金の余裕がなくどうしたらいいか? (1)自宅に住むのは変わらずお金を生み出す更なる方法 >不動産担保ローンの概要についてはこちら >リースバックの概要についてはこちら Fさん: 昨年、退職金で住宅ローンを完済したので、手元の預貯金はかなり減ってしまいました。それでも、アルバイトをしながら、自分の老後のことは何とかできるようにと思ってがんばっています。 FP吹田:住宅ローンを完済されたのですね。アルバイトなどお仕事をされて収入を得続けられることは、経済面だけでなく、人との関わりや生きがいなどにもつながっていく大切なことだと思います。 Fさん: はい、家にじっとしているよりは、よほど充実しています。実は、一人娘がいるのですが、知人から譲り受けたカフェのリニューアル資金を貸してもらえないかと相談を持ちかけられました。5年前に亡くなった妻とともに可愛いがってきた娘なので、なんとか援助したいのですが、手元の資金は少なく、悩んでいます。 FP吹田:なるほど。お嬢様からはどのくらいの資金で、返済についても何かおっしゃっていましたか? Fさん: はい、500万円~600万円くらいの予算らしく、毎年100万円くらいずつ返すと言われています。実は、娘は証券会社に勤めていた経験もあるので、お金の管理はちゃんとできる方だと思います。 FP吹田:しっかりしているお嬢様ですね。金融機関にお勤めでしたら、銀行からの借入は、審査が厳しく、無担保だと金利が高いのもご存じなのでしょうね。Fさんは、援助して応援したいと思っていらっしゃるのですよね。 Fさん: はい、そうです。今、担保とおっしゃいましたが、せっかく住宅ローンを完済したのだし、自宅を担保にしても住み続けながらお金を捻出する方法ってあるのでしょうか? FP吹田:はい、いくつかあります。実は、先日、不動産を担保に年金形式で分割借入をしていくリバースモーゲージに関するご相談もあったのですが(詳細はこちらの記事参照「不動産担保ローンとリバースモーゲージ、違いを知って賢く使い分けよう!」)Fさんはまとまった資金なので、他の方法がいいでしょう。ご自宅に住み続けながら、ご自宅を活用して資金を生みだす方法として、不動産担保ローンとリースバックという方法があります。 (2)不動産担保ローンとリースバックの違いは? Fさん: 不動産担保ローンはイメージがわきますが、リースバックって何ですか? FP吹田:リースバックというのは、不動産の売却と賃貸の組み合わせで、不動産業者に自宅などの不動産を売却するのですが、そのまま賃貸するというものです。一方、イメージしやすいとおっしゃった不動産担保ローンは、不動産を担保にまとまったお金を借りることです。両方とも特に引越しなども不要で住み続けられるという点は似ていますね。 Fさん: では、違うのはどんなことでしょうか? FP吹田:決定的に違うのは、所有権です。不動産担保ローンは、抵当権を設定はしますが、所有権は自分や家族など現状と変わりません、一方、リースバックは、売却をするので、所有権は一旦買い取った不動産業者に移ります。その不動産業者と、そのまま賃貸契約をするわけです。 Fさん: 引越しなどはしなくても、権利が変わっているんですね。所有権にこだわるかどうかが一つ目の鍵ですね。 FP吹田:所有権を手放すということは、精神的に寂しく感じる方もいらっしゃいますが、維持費の負担、例えば固定資産税の納税義務や地震や災害での修復などの重荷から解放されるとも言えます。 Fさん: 確かにそうですね。他に、返済などの今後については、どのような違いが出ますでしょうか? FP吹田:リースバックは、家賃を支払い、将来、資金ができたら買い戻すこともできます。一方、不動産担保ローンは、借入期間中は借入元本と利息の返済をしていきます。 Fさん: なるほど。今の自分だとリースバックで家賃を払ったり、将来買い戻したりするのは資金的に難しそうです。でも、ローンだと、昨年終わったはずが、また始まるわけですね。 FP吹田:とはいえ、不動産担保ローンの実際の負担は、予算では500万円~600万円という借入金額ですし、何年間借りるかという返済期間によって全然変わってきますよ。それに、不動産担保ローンはFさんのお嬢様が借りる形にする方法もありますよ。 (3)利用者の生活スタイルや性格・志向によって使い分けできる Fさん:え?私がローンを組まなくても、娘の名前で不動産担保ローンを契約できるのですか!それなら、娘が借入希望額や返済期間を決められるので、スッキリするような気がします。たぶん私への負い目を感じることも少なくてすむでしょうし。 FP吹田:そうですね。以下に比較一覧を作成しましたが、基本的にローンが嫌いな方、所有権が変わっても平気な方、物件も共有名義などでなく自分で決められるという方は、リースバックを好まれる傾向が強いようです。 Fさん: なるほど。所有権の変更で、ふと思い出したのですが、うちは小規模なマンションなので、管理組合の理事がよく回ってきます。来年くらいに順番だからお願いねと打診があったのを思い出しました。これは所有権の有無によって、理事を受けれるかどうか影響も出てきますよね。みんなからあれ?って思われてしまいそうで、ちょっと心配です。 FP吹田:マンション内でコミュニティができていて、皆さんよくお話しされる関係なのですね。理事の人事を巡って詮索されたくない場合は、所有権が変わらない状態で、担保評価の範囲内で借入をして返済をしていく不動産担保ローンのほうが、使いやすいかもしれませんね。お嬢様なら、返済計画もしっかり考えていそうでしょうし、お話しされてはいかがでしょうか? Fさん:  わかりました。話してみます。それぞれの仕組みや特徴の違いがわかったので、私も娘も納得できると思います。 不動産担保ローンとリースバックの主な特徴 不動産担保ローンリースバック 仕組み不動産を担保にした借入れ不動産の売却と賃貸の組み合わせ 所有権の変更なしあり 月々の負担額借入元本返済と利息家賃 取引後返済できれば、不動産はそのまま。返済できない場合は、担保不動産を売却。そのまま賃貸として住み続けられる。後で買い戻すことも可能。 資金使途の制限少ないなし 契約当事者所有者本人のほか、家族でも可能。所有&居住者(共有していれば名義人全員) まとめ 住み続けながら資金を捻出する方法として、 不動産担保ローンが向いているタイプは? ・返済計画がしっかりできている方 ・所有権が変わるのが気になる方(近所付き合いやマンション管理組合の理事など) ・本人や家族が不動産を持ち、ローンへの抵抗が少ない方 リースバックが向いているタイプは? ・借金が嫌いな方 ・所有権を手放しても平気な方(固定資産税や維持費など負担が軽くていいなど) ・不動産が共有名義でなく、自分で意思決定しやすい方 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス リースバックならSBIスマイル リースバックの商品詳細はこちら もっと詳しく知りたい方はこちら SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定も無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、所有している資産を第三者に売却し、リース契約を締結することで、それまでと同じ資産を利用し続けることを可能にする取引手法を指します。住宅においては、自宅を売却して現金を得て、...記事を読む リースバックと不動産担保ローンの違いを徹底比較! リースバックと不動産担保ローンは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適...記事を読む

  • 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは?

    不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは?

    不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くなりました。実際に、2020年以降は、都市圏での人口の減少、地方の過疎化など、多くの懸念点が指摘されています。 しかし、30年後を見据えて、どのエリアのどういった物件の価値が下がらないのかは見当もつかないはずです。 そこで、今回は、不動産のプロ104人に、30年後に価値が上がる物件やエリア、30年後に価値が下がる物件やエリア、また、最近人気のタワーマンションの価値に関してアンケート調査を実施しました。 第2弾として30年後に価値が下がらない物件について焦点を当てたアンケート結果を紹介します。 【回答者】不動産会社に勤務する代表者、物件仕入れ担当者、営業担当者 104名 【回答期間】2019年9月24日~2019年10月8日 【回答者の不動産業務経験年数】 3年未満 6.7% 5年未満 3.8% 10年未満 17.3% 20年未満 26.0% 30年未満 26.0% 30年以上 20.2% ※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。 不動産価値が落ちにくい物件種別 設問:築年数や広さが同等の場合、下記の物件種別の中ではどの物件の価値が落ちにくいと考えますか? 不動産査定のプロたちが選んだのは、1位が「一戸建て:33.7%」、2位が「タワーマンション:22.1%」、僅差で3位が「大規模マンション:21.2%」となりました。 戸建ての価値が下がらない理由を見てみると下記のコメントがありました。 □ 土地の価値が下がりにくいと考えるため。 □ 基本的には、土地の相場で判断しているため、あまり建物の築年数は関係ない。弊社の考えは建物に付加価値をみていないので、築20年も築30年も建物の価値は評価していない。 □ 近年の物件価格の推移をみる限り、マンション価格は長く上昇傾向にあるが、戸建て価格は一定の水準をキープしている。相場のピークアウトが見られる現在、先に価格が下落するのは、相場の上がっているマンション系が先と考えている。 □ 土地の価格は下がっていないため。相対的にマンションはタワマンにみられる外国人投資家の過剰投資の反動での冷え込みにより、マンション全体が引っ張られる形で調整される状況にある。 □ 建物そのものの価値が経過年数とともに評価0になるため、土地価格のみの評価になる。故に、2020年以後、今後の日本経済情勢・金融政策・土地税制・その他金利等を考慮し日本経済の成長などを考えた場合に、土地そのものが大きく上昇カーブをすることは考え辛く、現在乱立されているホテル・オフィスビル・収益用不動産(マンション・アパート)の需要供給のバランスが大きく崩れると思う。よって、土地そのものは下落傾向ではないかと予想する。都心中心部からドーナツ型に下落していくのではないかと予想している。但し、都心中心部の下落率は少ないと思うが、郊外に関しては、供給のだぶつきにより下落率はそれなりになると思う。 □ 土地そのものは変化しないことと、建物は古くなると目減りするため。 タワーマンションの価値が下がらない理由を見てみると下記のコメントがありました。 □ 人気エリアに立地していることが多いため。 □ 東京都港区に限る。 □ タワマンはその立地も評価されるため。 □ 新規で建てることが難しく絶対数に限りがあるため。 □ 敷地の持分が少なく、資産価値的にも、立地が良い場所に多いので。 □ 購入者が日本人だけに限らず外国人にも需要があるから。 □ 自然災害などで土地離れ傾向にあることと、若い世代が土地への執着がないこと。 マンションも規模が小さいと設備不足や計画段階での立地などで、自然災害など受けやすいと思われるし、価格帯が低い案件は好不況に左右されやすいため。タワーマンションを購入する客層はそれなりの富裕層であることやコミュニティがあることなどから価格が落ちにくいのではと考えている。実際に自分のマンションでそう感じるから。(購入後20年経過) 大規模マンションの価値が下がらない理由を見てみると下記のコメントがありました。 □ もっとも安定感があるため。世帯数が多いので管理費、修繕費も相対的に安くなり売りものが出てもすぐ売れるため。 □ 管理費修繕費の増額があまりないため。 □ 戸数が多くて、管理がしっかりしていると思うため。 □ 一戸建てについては、中古の評価基準が確立されていないので、マンションの方が資産の評価がしやすいと考えている。マンションに限定して考査した場合、共用部の充実度や長期修繕計画の財務面の有利性からすると、大規模マンションは評価しやすいと思います。(但し駅距離を徒歩10分以内が条件)タワーマンションも大規模の分類になりますが、低層部と高層部の新築時の価格乖離や長期修繕のコストからするとマイナス面もあると考えている。 □ 修繕計画上、資金面(積立金)で優位性があるため。 □ 修繕費の上がり具合が滑らかであることから。 □ 管理費・積立金が潤沢で、管理組合も正常に機能していると思うから。 【考察】 価値の落ちない物件として一戸建てが一番にあがったのは、建物よりも土地の評価が落ちないと考えられていること、マンションの価値が長年上昇傾向にあるがそろそろ下落する可能性が高いと考えている方が多くいることが要因と考えられます。 また、タワーマンションや大規模マンションは管理体制の面での安定感が、下落しないと考えられている要因のようです。 不動産価値を左右するポイント 設問:不動産物件の30年後を見据えた場合に、価値を左右する重要なポイントを重要度合いの高いものから3つまで選んでください。 30年後の不動産の価値を左右するのは、「最寄駅からの距離や公共交通機関の利便性:32.7%」と他を引き離して一番多く、次いで「日常的な買い物施設、飲食店などへのアクセスの良さ:12.9%」、「築年数や建物のグレード:11.9%」「地震・台風などの自然災害に対する安全性:10.5%」となりました。 利便性の良い物件の価値が高くなるのは理解できますが、「地震・台風などの自然災害に対する安全性」が上位に入ったのは、最近の災害の多さを物語っているのではないでしょうか。 不動産価値が下落する要因 設問:不動産物件の30年後を見据えた場合に、不動産価値が下落する要因として最も影響度が高いと思うものを3つまで選んでください。 30年後に物件の価値が落ちる要因としては、「エリア周辺の過疎化:22.1%」、次いで「自然災害の発生:19.0%」、「近隣に嫌悪施設(高速道路、火葬場、刑務所等)の建設が予定:15.2%」となりました。 ここでも自然災害の要因が上位にきています。また、2020年以降に実施される国際的なスポーツイベントの終了についてはそれほど影響しないと考えている方が多いようです。 【考察】 30年後に価値が上がると思われる要因としては、都心での再開発、新駅、ターミナル駅化と回答する方が多く、やはり立地と利便性が価値を大きく左右するようです。また、昨今の自然災害の被害も影響して、安全性確保も価値を上げる要因となっています。 逆に下がる条件としては、過疎化が一番多い回答となりました。また、不動産の価値が上がる要因とは逆に、自然災害が発生しやすいエリアでの不動産価値は低くなると考えられています。 事故物件でも価値が下がらない 事故物件でも価値が下がらないケースを聞いたところ、以下のような回答がありました。 □ 人気がある駅で、単身間取りであればニーズ高いのでそれほど下がらないと思う。 □ 駅近、近隣施設の利便性、良好な管理があれば問題ない。 □ 自殺等心理的瑕疵は難しいが、自然死等は価格的影響がないケースが多い。 □ 立地が良ければ比較的価値が下がらないと思う。 □ 屋上からの飛び降りのケースは、マンションではよくあることだし心理的にそんなに気にならないため、価値が下がらないケースが多い。 全体的に、利便性が良ければ、比較的価値が下がらないと考えている方が多く、やはり、不動産物件は、利便性が一番重要なポイントと言えそうです。 まとめ 今回は、30年後に価値の落ちない物件に焦点を当てて調査したところ、土地の価値が評価される一戸建てが最も価値が下がらない物件だという見解が多い結果となりましたが、タワーマンションや大規模マンションのように管理が行き届いている物件も評価されていました。 逆に価値が下がる要因としては、「エリア周辺の過疎化」や「自然災害の発生」が挙げられ、2020年以降開催される大きなイベントの終了に関しては、それほど影響しないと考えられているようです。 今後、不動産物件の購入を予定されている方は、参考にしてみてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産のプロが選ぶタワーマンションの価値が上がる場所とは? タワーマンションに関する調査を実施 東京近郊のタワーマンションで一番価値が上がるエリアは? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳に...記事を読む 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント...記事を読む

  • 不動産担保ローンと住宅ローンの違いとは

    不動産担保ローンと住宅ローンの違いとは

    自宅を購入するとき、住宅ローンを利用する人が多いでしょう。しかし、外国人や自営業の人など、民間の金融機関の住宅ローンを申し込んだものの、審査に落ちた人もいるかもしれません。そのような時に、不動産担保ローンなら利用できる可能性があります。 この記事では、不動産担保ローンと住宅ローンの違いを解説します。 不動産担保ローンとは 不動産担保ローンとは、不動産を担保にして、お金を借り入れることができる商品です。所有している不動産を担保にすることで、さまざまな資金使途に利用できます。また、自身が所有していない不動産を担保にした、不動産購入資金のための担保とすることも可能です。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンよりも住宅ローンの方がよく知られていますが、住宅ローンも不動産を担保に融資を受けるローン商品であり、不動産担保ローンの一種です。つまり、購入予定の不動産を担保にした、不動産購入に係る資金使途のみに利用される不動産担保ローンを住宅ローンと言います。 不動産担保ローンと住宅ローンの違い ここでは、「不動産担保ローン」として提供されている商品と、「住宅ローン」として提供されている商品の違いを解説します。これらの商品は、主に以下のような項目で異なります。 資金使途 担保不動産 金利 その他 資金使途 前述のとおり、住宅ローンはあくまで不動産購入に係る土地や建物の購入や建築、改築などに資金使途が限定されています。一方で、不動産担保ローンは、生活資金や納税資金、事業資金にも利用できるフリーローンです。これらの特徴から、不動産担保ローンは個人に限らず、法人でも利用できます。 担保不動産 住宅ローンは購入する不動産を担保に借り入れを行うのが一般的です。一方で、不動産担保ローンは購入する不動産の他、自身が所有する不動産や親族所有の不動産でも担保にすることができます。担保不動産は金融機関によって異なるため、詳細は問い合わせ時に確認するようにしましょう。 金利 2023年12月現在、一般的な住宅ローンで最も低い水準の金利は、0.30%程度から提供されています。一方で、不動産担保ローンは住宅ローンに比べると金利が高く、下限で2.00%前後から上限7.00%程度まで幅広く提供されています。この理由は、資金使途が自由である点からも、住宅ローンというより無担保ローンに性質が近く、金融機関にとってのリスクが高いのも一因です。 その他 上記で挙げた項目以外にも、借入限度額や返済期間、団体信用生命保険の有無なども異なります。あくまで一般的な商品による違いであるため、取扱金融機関によってはその限りではありません。詳細は、金融機関に問い合わせてみましょう。 住宅ローンではなく不動産担保ローンを利用する場面 前述のとおり、自宅購入のためにローンを利用する場合は、住宅ローンを利用したほうがいいでしょう。一方で、以下のような場合には不動産担保ローンを検討してみるといいかもしれません。 自宅購入以外の目的で融資を受ける場合 自宅以外の不動産を担保に融資を受ける場合 住宅ローンの審査で落ちてしまった場合 自宅購入以外の目的で融資を受ける場合 不動産担保ローンを利用する主な目的に、生活資金や教育資金、事業資金の借り入れが挙げられます。そのほかにも、既存の借り入れの借り換えなども目的となるでしょう。前述のとおり、住宅ローンはあくまで住宅購入に関する使途に限定されるため、これらの目的に利用することはできません。一方で、不動産担保ローンでは、所有不動産を担保にして、融資を受けることができます。 自宅以外の不動産を担保に融資を受ける場合 住宅ローンでは、資金使途の他、担保とする不動産の制限もあります。例えば、親などの親族が所有する不動産や、投資用のアパートなどの不動産は、担保とすることが難しいでしょう。一方で、不動産担保ローンでは、金融機関によって詳細は異なるものの、担保として認められる可能性があります。 住宅ローンの審査で落ちてしまった場合 どうしても欲しい物件があっても、与信面や健康面の問題で住宅ローンの審査に落ちてしまうこともあるでしょう。不動産担保ローンでも、与信面の審査はありますが、物件の評価に応じて総合的に判断してくれることもあります。また、団体信用生命保険への加入不要な不動産担保ローンもあるので、利用できる可能性があります。 まとめ 不動産担保ローンを自己居住の不動産購入目的で利用しようとすると、民間の金融機関で提供されている住宅ローンよりも金利は高いでしょう。一方で、資金使途や担保不動産、審査による問題から、不動産担保ローンが有効な解決手段になるかもしれません。このような問題がある場合など、不動産担保ローンを検討するといいかもしれません。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローン返済中でも、不動産担保ローンで借り入れできる人とは? 不動産担保ローンは、住宅ローンの残高があったとしても該当する不動産を担保にして借り入れできる可能性があります。しかし、必ずしも借り入れできる訳ではありません。この記事では、住宅ローンの残高が...記事を読む

  • 不動産のプロが選ぶ資産価値が上昇するタワーマンションの条件とは?

    不動産のプロが選ぶタワーマンションの価値が上がる場所とは?

    タワーマンションに関する調査を実施 東京近郊のタワーマンションで一番価値が上がるエリアは? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くなりました。実際に、2020年以降は、都市圏での人口の減少、地方の過疎化など、多くの懸念点が指摘されています。 しかし、30年後を見据えて、どのエリアのどういった物件の価値が下がらないのかは見当もつかないはずです。 そこで、今回は、不動産のプロ104人に、30年後に価値が上がる物件やエリア、30年後に価値が下がる物件やエリア、また、最近人気のタワーマンションの価値に関してアンケート調査を実施しました。 第1弾としてタワーマンションに焦点を当てたアンケート結果を紹介します。 【回答者】不動産会社に勤務する代表者、物件仕入れ担当者、営業担当者 104名 【回答期間】2019年9月24日~2019年10月8日 【回答者の不動産業務経験年数】 3年未満 6.7% 5年未満 3.8% 10年未満 17.3% 20年未満 26.0% 30年未満 26.0% 30年以上 20.2% ※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。 ※今回の記事では高さ150メートル以上のマンションをタワーマンションとしています。 資産価値が下がらない立地条件 設問:タワーマンションで仮に最寄り駅から都心までの距離が同じ物件の場合、30年後に資産価値が最も下がらないと思う立地条件を3つ選んでください。 30年後にタワーマンションの価値が下がらない立地条件としては、「通勤・通学に便利なターミナル駅の近く:22.1%」、次いで「駅前が賑やかでショッピングモールやスーパーなどがあるエリア20.2%」、「駅前の再開発が最近行われたか10年以内に再開発が予定されているエリア:15.0%」となりました。 【考察】 不動産物件の価値は、その立地で決まると言われています。駅に近く、通勤や通学に便利なところ、また、駅が栄えていて、コンビニ、スーパーなどがあるところは、タワーマンションでなくとも価値が下がらないと言われています。今回のアンケートでもその考え方は同じようです。 ただ、「売主のブランド・実績」が4番目に来ているのは、タワーマンション特有の結果と言えるのではないでしょうか。 資産価値の上昇が期待できるエリア 設問:近隣にタワーマンションが建っている駅の中で、そのマンションの価値が上がると思う駅を3つ選んでください。 今後、タワーマンションの価値が上がると思う駅では、他を引き離して、1位が「中目黒:13.8%」、2位が「六本木:12.2%」となり、次いで、「青山一丁目:7.1%」「高輪台:6.7%」「池袋:6.1%」となりました。 1位、2位の中目黒、六本木は、一般の方のアンケートにもたびたび登場する駅で、根強い人気があるようです。また、高輪台が上位に入ったのは、やはり高輪ゲートウェイ駅の影響が大きいと言えます。 マンションの価値が上がるエリアとされた理由は、以下のようなコメントが挙げられていました。 □ 土地のブランドが高いため。(勝どき、高輪台、二子玉川) □ 今後の再開発による効果が出てきそうだと考えられるため。(東池袋、池袋、錦糸町) □ 高輪ゲートウェイ駅の影響があるから。(浜松町、田町、高輪台) □ 東京新都心として発展する要素があることと世界的なブランドであるため。(汐留、田町、青山一丁目) □ 日比谷線の新駅に近いため。(中目黒、六本木、神谷町) □ 中目黒はそもそもの立地的人気が下支えとしてあるため。錦糸町はホテル街や繁華街も新しい風が入ってきていて、治安が良くなってきているため。田町は新駅「高輪ゲートウェイ」ができ、人の流れが期待できるため。(中目黒、錦糸町、田町) □ 候補となった様々な街に比べ、新宿の安定度は群を抜くと思う。特に、西新宿から西新宿五丁目方面は、住環境も好ましく、日本人だけでなく外国人の目にも優良な街と思われるはず。(新宿御苑前、西新宿、西新宿五丁目) □ 渋谷区、港区、目黒区のタワーマンションは、どの時代も購入したいと考える方が多いため。(中目黒、青山一丁目、六本木) □ 東急東横線、田園都市線は人気沿線のため。(中目黒、六本木、二子玉川) □ 住民(居住者)の民度が重要で、これらの駅近辺の民度が高いと思われるため。(中目黒、高輪台、二子玉川) 反対に、価値が上がるエリアとされなかった理由は、以下のようなコメントが挙げられていました。 □ ブランド力が低いため。(市川、千葉中央、川口元郷) □ 都心から遠いため。(千葉中央、川口元郷、市川) □ 水害の恐れがあるため。(勝どき、豊洲、辰巳) □ 埋め立て地だから。(新豊洲、辰巳、千葉中央) □ 供給過多。(月島、武蔵小杉、東雲) □ 日暮里は外国人を相手に大きくなってきている町で、交通も通過点としては有名だが、駅周辺の開発があまりされていなく、大きく発展するイメージがないため。 豊洲は大きなイベントの恩恵を受け、しばらくは良いと思うが、その分、下落率が高いような気がする。千葉中央は都内への通勤圏としては、割安感があるが、千葉は東京寄りのみが発展していて、それ以外はそれほど良くなるとは思えないため。(日暮里、豊洲、千葉中央) □ 湾岸エリアの自然災害か、中国のバブル崩壊での大量放出による極端な価格崩壊が予想されるため。(豊洲、辰巳、東雲) 【考察】 タワーマンションの価値が上がると考えられているのは、やはり通常の物件でも人気のある中目黒や六本木が上位となりました。 その他の特徴としては、高輪ゲートウェイやそこに近いエリアが価値を上げると考えられているようですが、JR山手線の品川から浜松町にかけてのエリアは、新幹線や空港からの乗り入れもあり、その利便性の高さは突出しているのではないでしょうか。 興味深いのは、武蔵小杉や豊洲エリアで、価値が下がると考える方も多いようですが、反対に価値が上がると考えている方も少なくないようです。 今後購入すべきエリア 設問:山手線の駅の中で、今後タワーマンションが建設された場合にそのマンションの価値が上がると思う駅を3つ選んでください。 今後タワーマンションが建設された場合、価値が上がると思う駅では、1位が「高輪ゲートウェイ:11.2%」「渋谷:10.9%」、次いで「恵比寿:8.7%」「東京:8.3%」となりました。 理由としては以下のコメントがありました。 □ 再開発が進んでいるため。(渋谷、品川、高輪ゲートウェイ) □ 飛行機、リニアモーターカーのアクセスが良いため。(田町、品川、高輪ゲートウェイ) □ 渋谷は、ビジネスと商業の鉄板のエリアであり、駅近にタワーマンションないため、駅近にタワーマンションが出来れば100%値上がりすると思う。上野は、海外からのインバウンドが上野周辺にホテル含め非常に多く、認知度も大分上がってきており、千葉方面(TDL)へのアクセスが良いため。高輪ゲートウェイは、言うまでもなく新駅周辺は価値が高くなるため。(渋谷、上野、高輪ゲートウェイ) □ オフィス機能が集積していて、交通アクセスが良い駅だから。(渋谷、東京、浜松町) □ 現時点でタワーマンションが少なく潜在ニーズがあるように思う。(五反田、目黒、恵比寿) 【考察】 この結果はタワーマンションに限らない結果となりました。新駅および、従来より人気のある渋谷、恵比寿は、タワーマンションでなくとも価値が落ちないエリアとして、よくメディアなどにも登場します。 また、駒込、日暮里、田端、巣鴨などは、人気のあまりないエリアとして、こちらもメディアなどにもたびたび登場します。 タワーマンションに限らず、不動産物件の価値が上がる駅とそうでない駅として、今後もあまり変化しないと考えられます。 まとめ 今回は、タワーマンションに焦点をあてて調査しましたが、タワーマンションだから価値がそれほど下がらないということではなさそうです。 特徴としては、新駅、商業の中心エリア、利便性の高いエリアは、今後も価値が上がり、ブランド力が低いエリア、自然災害に弱いエリア、マンションの供給が過剰なエリアは、東京近郊のタワーマンションでも下がる可能性があると考えられているようです。 今後、不動産物件の購入を予定されている方は、参考にしてみてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...記事を読む 不動産価値の高め方とは?立地条件と不動産価値の関係 不動産の価格は価値と連動するため、高く売るためには価値を高めることが大切です。 それでは、所有する不動産をできるだけ高く売るために、オーナーは何を行えば良いのでしょうか。 不動産価値を高める...記事を読む

  • 事業資金の種類は?どこで借りられるの?

    事業資金の種類とそれぞれの特徴を紹介

    事業資金は商売をする上で必要になる資金ですが、何に使うかによって呼び方が異なります。融資を受ける際には基本的に「どんなことに、いくら資金が必要なのか」を明確にさせなければ融資を受けられません。 この記事では、商売をする上で必ず知っておきたい事業資金の種類や考え方について紹介していきます。 運転資金とは? 運転資金は、日々の事業を続けていくために必要となるお金です。営業活動をする上で、支払の立替が発生することにより不足する資金のことを指します。計算式は以下のとおりです。 (売上債権+棚卸資産)−(買掛債務)= 運転資金 一般的な商売では、商品や材料を仕入するために、先に仕入先に支払いを行います。その後、在庫として売上先に納入まで管理する期間があり、商品を売上先へ渡し、売掛金を回収するという流れになります。そのため、売上があって黒字だとしても、手元に現金がなく、資金繰りが厳しい期間が発生してしまうのです。 分かりやすくするために具体的に数字を入れて考えてみましょう。売上債権が100万円、棚卸資産が120万円、買掛債務が80万円とします。上記の数式に当てはめると、運転資金は140万円となり、この分を穴埋めする余裕資金がない場合は資金調達が必要になるのです。また、運転資金の返済に当てる原資は以下の計算式で考えます。 税引き後利益 + 減価償却費 - 社外流出(配当金など)= 返済原資 決算が黒字で返済原資の範囲内の運転資金であれば、売掛金を現金化すれば融資分を回収できるという仮定の上、金融機関としても融資はしやすくなります。 ただし、万が一取引先から売掛金を回収できなくなってしまったり、棚卸資産が不良在庫だったりすると、金融機関への運転資金の返済ができなくなってしまいます。そのため、普段から取引先と密に連絡を取り合い、売上が回収できなくなる前兆はないか、在庫の品質は保たれているかなど確認することが大切です。 設備資金とは? 設備資金は、事業に必要な機械・備品の導入費用等です。新しく工場などを建てる、機械を買うなどという資金で、スポット的に必要になる資金のことを指します。設備投資の資金は、大きな金額になることが多いので、金融機関としては、その設備を導入するメリット、本当に需要があるものなのか、収益性が改善するのか、売上が増加するのか、コストが削減できるのかなどを細かく検証していきます。 なぜなら、設備資金の返済原資は、基本的にそれを稼働させることにより得られる利益になるので、金融機関としては利益を生み出せないようなものに対しては融資できないからです。 特に銀行などで資金調達をする場合は、審査も厳しくなります。見積書や請求書、仕様書等の設備投資の内容と金額が分かる資料や事業計画書などを提出する必要もあります。そのため、資金調達ができるまでに時間がかかる場合もあり、審査した上で融資が否決される場合もあります。 季節資金とは? 季節資金とは運転資金の一種で、季節性のある商品を扱う商売をしている場合に発生する資金需要です。たとえば、スキー板を販売している会社であれば、一般的に秋〜冬にかけて商品の販売が増えることが予想できます。 このような場合、他の季節に比べて、秋〜冬の間に商売が増えると、資金需要も大きくなります。このように毎年のある一定期間だけ資金需要ができる商売をしている場合、季節資金として金融機関から借り入れを行う場合もあります。 賞与資金とは? 賞与資金とは、企業が社員に賞与を支払うための資金です。一般的に賞与は給料の◯ヶ月分というまとまった額を支払うことになるため、あらかじめ賞与分に使う資産として利益を用意しておく必要があります。 しかし、更なる業績アップを目指して、利益を他の投資に使ったり、運転資金に使ってしまったりすると、賞与として支払うための資金が手薄になってしまうこともあります。 開業資金とは? 会社を新しく作るときには、登記費用やオフィスを借りる場合の敷金や礼金などの初期費用、オフィスの備品や車両費、人件費などのお金が必要になります。十分な資本金があったり、補助金・助成金を用意したりできる場合は、そこから資金を捻出することができますが、それだけでは足りない場合は金融機関などから借入を行い開業資金に充てます。 関連記事はこちら「小さい飲食店」の開業資金に不動産担保ローンの活用も まとめ お金を借りようと考えたときに真っ先に頭に浮かぶのは銀行だという人も多いのではないでしょうか。しかし、銀行でお金を借りるのは審査が厳しい上、結果が出るまでに1ヶ月ほどかかってしまう場合もあります。しかも、創業したばかりの会社や、借入実績がない会社、赤字決算の会社の場合は融資ができないと断られてしまう場合もあります。 資金調達を急いでいるならば、スピーディーに審査をしてくれるビジネスローンや不動産担保ローンを検討してみるのも一つの手です。ビジネスローンや不動産担保ローンは、資金使途が自由なのも特徴で「とにかくお金が必要」という時も対応してもらえる場合もあります。 特に不動産担保ローンは、自分や家族などが所有している不動産を担保にできる場合もあります。不動産を所有しており、急ぎで事業資金の融資が必要な人は是非一度相談してみてはいかがでしょうか。 無料相談してみる SBIエステートファイナンスが不動産担保ローンの疑問にお答えします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 【FP相談】事業資金の融資でおすすめの方法とは? 企業の働き方改革や副業の解禁など、今は会社員として給与収入のみの人も、独立開業を考えている人もいるでしょう。とはいえ、開業を考えるとき、気になるのは資金面ではないでしょうか? この記事では、...記事を読む

    2019.10.29資金調達
  • 事業資金の融資でおすすめの方法とは?

    【FP相談】事業資金の融資でおすすめの方法とは?

    企業の働き方改革や副業の解禁など、今は会社員として給与収入のみの人も、独立開業を考えている人もいるでしょう。とはいえ、開業を考えるとき、気になるのは資金面ではないでしょうか? この記事では、今まで会社員として勤めてきたが、開業を考えている45歳のKさんの事例をご紹介します。Kさんは、犬のしつけ教室を開いて、将来的にはトレーナーの育成やペットフードの販売なども展開していきたいと考えているようです。 [ご相談者 Kさん] 45歳男性 現在は会社員。配偶者あり、子なし。 無類の犬好きで、大型犬・小型犬含めて3頭を飼っている。 自宅は近くに山もある郊外の一軒家。実家もそばにあって、犬を走らせる庭もある。 今後、自分のライフワークとして、犬のしつけ事業を展開したい。 銀行の事業融資は黒字で実績がある法人が前提 Kさん: 毎日の通勤を負担に感じるようになり、このまま身体が疲弊するくらいなら、いつかやりたいと思っていた事業を始めようと思うようになりました。と考えてはいるものの、一番心配なのは、事業を始めるにあたっての資金面です。預貯金は生活費として残したいので、事業資金を調達できるところがあればと思っています。銀行からの融資はどうなのでしょうか? FP吹田:そうですね。銀行の融資の審査基準は各行様々ですが、一般的に決算2期分など数年間の決算書をもとにしており、黒字であることが前提になっています。その上で、収益性、成長性、安全性、などを審査されるようです。 Kさん: やはりそうですか。赤字決算では厳しいと聞いたことがありますが、開業はもっとハードルが高いですね。他に何か候補はあるのでしょうか? 日本政策金融公庫を検討しよう FP吹田:日本政策金融公庫は一般の金融機関を補完する役目として位置づけられています。日本の中小企業・小規模事業者等を支援する公的機関なので、金利も安定的に固定金利が基本です。 Kさん: 公的機関と聞くと、安心できますね。私のような「開業資金」という用途でも借りられるのでしょうか? FP吹田:日本政策金融公庫にも、いくつかの融資の種類があります。今回のご相談では、その中でも「新創業融資」と「新規開業資金」の融資が該当しますね。新創業融資は、Kさんのように新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象です。新規開業資金は、新規事業を始める方や事業開始後7年以内の方が対象です。ただし、どちらも事業に関して、一定要件を満たすことが求められています。 Kさん: 「一定要件」とはどのようなことでしょうか? FP吹田:日本政策金融公庫のホームページでは、「雇用創出等の条件」と「自己資金要件」という表現が明記されています。また、自己資金は1割以上必要とされていますが、実際は3割程度が目安になっているようです。 Kさん: なるほど。人を雇用できるかという観点も必要なのですね。上限としては、どのくらいの額まで融資を受けられるのでしょうか? FP吹田:融資限度額は上限数千万円とされていますが、実際は、300万円から1000万円台くらいと言われています。より多くの金額を借り入れるためには、コンサルタントを通じて申し込むようです。 Kさん: コンサルタントに頼むのですか? FP吹田:創業時に無担保融資で1,000万円を上回る借り入れを行うことは、現実的には難しいと言われています。特に日本政策金融公庫の創業融資が通る確率は1~2割と言う意見もあります。そのため、審査が通りやすい事業計画書の作成や、面接のコツなど、コンサルタントに依頼する方もいるようです。 Kさん: なるほど…。コンサルタントに依頼したら、報酬も支払うでしょうし、簡単にはいかなそうですね。他に資金調達できる手段はないのでしょうか? 不動産担保ローンも事業資金の選択肢のひとつ FP吹田:不動産を所有している方であれば、不動産を担保にして融資をしてもらう方法があります。 Kさん: 不動産を担保にですか?それは自分の不動産でないといけないのでしょうか? FP吹田:いえ、本人が所有している不動産でなく、ご両親などの親族様名義の不動産でも可能です。 Kさん: それなら可能性があるかもしれません。私のように法人格をもっていなくても大丈夫でしょうか? FP吹田:はい、法人だけでなく個人事業主でも対象となります。不動産という担保があるので、返済能力についての審査が通れば、銀行や日本政策金融公庫よりも可能性があるかもしれませんね。 Kさん: なるほど。受けられる融資額はどのように決まるのでしょうか。 FP吹田: 不動産担保ローンの融資可能額は、担保物件の評価額の7~8割程度と言われています。ただし、返済比率なども審査された上でですが。 Kさん: 私の自宅だけでなく、実家の土地もあるので、両親に相談のうえ検討してみようと思います。ちなみに費用はどれくらいかかるのでしょうか? FP吹田:不動産担保ローンでは、融資の際に抵当権設定登記を行うので、抵当権設定費用や収入印紙、更に不動産調査費用などの事務手数料がかかります。実際にかかる費用は、借りる金融機関や金額次第になると思いますが数万円から数十万円になると思います。 Kさん: なるほど。「コンサルタントに頼む」よりはちょっと気楽になりました。 FP吹田:気楽と言っても、不動産担保ローンでも事業計画を審査されるので、ご自身で綿密に計画することが大事ですよ。ここまで話に挙がってきた、民間の銀行や日本政策金融公庫、そして不動産担保ローンを提供する金融機関の特徴や違いを一覧にしたので、参考にしてください。 事業資金の調達に使える手段(これから事業を始める場合) 不動産担保ローン日本政策金融公庫の融資銀行の事業用融資 特徴不動産を担保にし、使途も比較的自由一般の金融機関を補完することを目的とする事業の実績や返済能力を審査し、融資を行う 申込者の要件個人・法人個人・法人一定以上の業歴や債務超過でない法人 自己資金不動産評価による平均は3割程度一定以上必要 担保家族や本人名義の不動原則不要場合によって本人名義の不動産 保証人代表者の保証は必要原則不要代表者の保証は必要 借入上限額物件評価額の7~8割程度新創業融資の上限:3,000万円新規開業融資の上限:7,200万円平均300万~1,000万円台 ※2019年10月時点で筆者作成 まとめ ここまでの内容を振り返ると、新規開業という時点で、銀行からの融資は難しいことがわかりました。そうすると、日本政策金融公庫か民間の不動産担保ローンが選択肢となります。上図を参考にしながら、ご自身の状況の中で良い方法を選択するようにしましょう。 事業資金の種類とそれぞれの特徴を紹介 事業資金は商売をする上で必要になる資金ですが、何に使うかによって呼び方が異なります。融資を受ける際には基本的に「どんなことに、いくら資金が必要なのか」を明確にさせなければ融資を受けられません...記事を読む 無料相談してみる SBIエステートファイナンスが不動産担保ローンの疑問にお答えします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など

  • 不動産担保ローンとカードローンの違いとは

    不動産担保ローンとカードローンの違いとは

    不動産担保ローンとカードローンは、資金が必要な際に利用できるローンという点では同じですが、特徴やメリット、デメリットは異なります。それぞれの違いを理解し、不動産担保ローンとカードローンを適切に使い分けることが大切です。 この記事では、不動産担保ローンとカードローンの違いについて解説します。なお、カードローンには不動産担保ローンのカード型もありますが、この記事でのカードローンは一般的な無担保カードローンと定義します。 不動産担保ローンとカードローンの概要 不動産担保ローンの概要 不動産担保ローンとは、不動産を担保に資金を借りる有担保ローンです。資金使途は原則自由であり、様々な用途で利用することができます。詳しくは、以下の記事で解説しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 カードローンの概要 カードローンとは、利用限度額の範囲なら、銀行やコンビニのATMやインターネットを利用して、何度でも自由に借入や返済ができる無担保ローンのことです。銀行や消費者金融が提供しており、入会金や年会費は必要ありません。資金の利用目的は原則自由で、旅行やレジャー、冠婚葬祭、美容代など、さまざまな用途に利用できます。 ただし、サービスによっては、事業性資金には利用できないこともあります。契約できる年齢には制限があり、20歳以上の方が対象です。また、高齢者の年齢制限は、60代後半までが上限となることがほとんどです。カードローンの中には、初めて利用する方を対象に無利息期間を設定しているサービスもあります。 カードローンのメリット カードローンを利用するメリットとして、以下のものが挙げられます。 審査が早い カードローンは審査が早く、短時間で資金調達が可能です。カードローンは無担保なので、担保について審査する時間を省略できるからです。中には「最短30分で審査結果を回答できる」とうたっているカードローンもあります。申し込みはインターネットで完結するので、店舗に訪問して手続きする必要もありません。 保証人不要 ローンを利用する場合は、保証人が必要なケースもあります。家族や友人に保証人をお願いすることを心苦しいと感じる方は多いのではないでしょうか。また、保証人が思うように見つからないと、保証人を探すのに大変な労力がかかります。カードローンは保証人不要で利用でき、限度額の範囲内であれば何度でも自由に借入や返済が可能です。 ATMやインターネットで借入・返済できる ATMやインターネットで借入や返済できるのも、カードローンのメリットのひとつです。急にお金が必要になった場合でも、近くの銀行やコンビニATMですぐに借りることができます。時間帯によっては、ATM手数料0円で利用可能です。また、スマホやパソコンから手続きすれば、登録口座に振込してもらえます。 カードローンのデメリット カードローンは先ほど紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。 金利が高い カードローンの金利は一般的に4%~15%で、さらに高い金利が適用されることもあります。カードローンは担保という保証がないため、利用者が返済できなくなった場合のリスクに備えて金利は高めに設定されています。借入金利が高いと利息の負担額が大きくなり、返済総額が増えてしまいます。 返済期間が長期化しやすい カードローンは、返済期間が長期化しやすいのもデメリットです。ほとんどのカードローンは、「定額(定率)リボルビング方式」と呼ばれる返済方式を採用しており、借入残高に応じて決めた固定金額または借入残高の一定割合を毎月返済していきます。リボルビング方式は、毎月の返済額は少額で済みますが、返済額に占める利息の割合が大きいのが特徴です。元本の返済がなかなか進まないため、返済期間が長期化しやすくなります。 不動産担保ローンとカードローンの違い カードローンと比較した不動産担保ローンのメリット 不動産担保ローンは、カードローンよりも低金利で借入できます。カードローン金利は一般的に4%~15%ですが、不動産担保ローンは一般的に2%~10%程度です。 また、カードローンの限度額は最大1,000万円程度ですが、不動産担保ローンなら、担保とする不動産の価値によっては1億円以上の資金を借りることも可能です。さらに不動産担保ローンは返済期間を10年~30年と長期に設定することができ、カードローンに比べて長期間の借入がしやすいメリットもあります。 カードローンと比較した不動産担保ローンのデメリット 不動産担保ローンは、担保となる不動産の価値を評価する必要があるため、融資に時間がかかります。カードローンのように短時間で審査終了、即日融資というわけにはいきません。 また、カードローンは通常、手数料は発生しませんが、不動産担保ローンでは事務手数料、不動産鑑定費用、抵当権の登記費用などがかかります。借りたお金を返済できなくなると、担保にした不動産を処分されてしまうのもデメリットです。 不動産担保ローンとカードローンをどう使い分ける? 不動産担保ローンを検討した方がいい場合 担保にできる不動産を保有していることが前提ですが、まとまった資金を低金利で調達したい場合は不動産担保ローンを検討するといいでしょう。カードローンと比較して金利が低く、返済期間を長く設定できるため、月々の返済額も安く済みます。事業の運転資金や開業資金など、まとまったお金を借りて長期に渡って返済していきたい場合は、不動産担保ローンが向いているといえます。 カードローンを検討した方がいい場合 カードローンは急に資金が必要な場合や必要な金額が少額な場合は、即日融資が可能で借入時の手数料がかからないカードローンを検討するといいでしょう。ただし、不動産担保ローンと比較して高金利なので、返済が長期化しないように注意が必要です。医療費や冠婚葬祭費用など、急に必要となった費用を一時的に借りて短期間で返済する場合は、カードローンが向いているといえます。 まとめ カードローンは気軽に利用できますが、金利が高いので、長期間にわたって利用すると利息の負担額が大きくなってしまいます。カードローンはどうしても資金が必要なときに短期間だけ利用し、なるべく早く返済することを心掛けましょう。 一方で、担保にできる不動産を保有している人がまとまった資金を低金利で調達したい場合は、不動産担保ローンがおすすめです。不動産担保ローンとカードローンそれぞれのメリットとデメリットを比較し、ご自身の状況に合わせてどちらを利用するか判断しましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 【不動産担保ローンの即日融資】できるだけ早く資金調達するには? 不動産担保ローンを提供している金融機関の中には、即日融資に対応しているところもあります。持ち家の人で至急まとまった資金が必要になれば、不動産担保ローンで即日融資を受けることを考えるかもしれま...記事を読む

  • 住宅ローン返済中でも、不動産担保ローンで借り入れできる人とは?

    住宅ローン返済中でも、不動産担保ローンで借り入れできる人とは?

    不動産担保ローンは、住宅ローンの残高があったとしても該当する不動産を担保にして借り入れできる可能性があります。しかし、必ずしも借り入れできる訳ではありません。この記事では、住宅ローンの残高があったとしても借り入れできる人とできない人の差が何かを解説します。 不動産担保ローンの借入可能額は不動産評価額で決定する まずは、不動産担保ローンの借入可能額がどのように計算されるのかを紹介します。 不動産は購入時点で、その購入額と評価額は10%以上乖離するともいわれています。たとえば、5,000万円の物件を購入したとすると、購入した直後であってもその評価額は4,500万円程度とみなされてしまうのです。つまり、物件を購入してすぐの住宅ローンの残高は、頭金を多めに支払っていない限り、不動産評価額より大きくなります。 また、不動産担保ローンの借入可能額は不動産評価額の60%~80%程度とされています。それはなぜでしょうか。例えば、金利1%で返済期間が35年の住宅ローンの場合、借り入れ当初の住宅ローン残高が30%減るのは約12年程度必要です。 万が一融資の返済が滞り、金融機関が担保不動産を現金化できなければ、その間に不動産価格が減少してしまうという恐れもあるのです。不動産担保ローンでは、このようなリスクに備えるために、あらかじめ融資限度額を不動産評価額の60%~80%に設定しています。 住宅ローンの残高が残っている場合、住宅ローンを融資している金融機関が第一抵当権を設定しています。万が一お金を返せなくなった時に、金融機関はその抵当権を行使することで、担保としている不動産を売却し融資の残額を回収します。 住宅ローンの返済が進んでいて、住宅ローンの残高を上回る借入可能額があり、第二抵当権を設定する担保余力があれば、不動産担保ローンとして新たに借り入れができます。ただし、不動産担保ローンでは不動産の評価と信用力の大きく分けて二つの審査対象があるため、必ずしも借入可能額まで借り入れできるわけではないことは理解しておきましょう。 関連記事はこちら不動産担保ローンの審査基準と審査通過のためのポイント 住宅ローンの残高があっても借り入れできる人 住宅ローンの残高があっても借り入れできる人の例は下記のような人です。 頭金を入れて不動産を買った人 頭金を入れて物件を購入した場合、その金額が大きければ住宅ローンの残高が不動産担保ローンの借入可能額に比べて少なくなる可能性があります。たとえば、5,000万円の物件を購入する際に、2,500万円を頭金として支払えば、住宅購入時点で住宅ローンの残高は2,500万円です。不動産購入直後の不動産評価額を90%の4,500万円、借入可能額を不動産評価額の80%とすると3,600万円となり、住宅ローンの残高2,500万円を差し引いた1,100万円分の担保余力が生まれます。 この担保余力は、万が一返済できなくなり住宅ローンの第一抵当権を行使された後でも現金が残るので、この範囲であれば金融機関としても安心して融資することができます。 このように頭金を入れて物件を購入すると、借入可能額に比べて住宅ローンの残高が減っているので、不動産担保ローンを借り入れできる可能性が高まります。 住宅ローンの繰り上げ返済をしている人 繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に借入金を返済することをいいます。住宅ローンの繰り上げ返済をすることで、支払利息の減少や、返済期間の短縮などのメリットがあります。 住宅購入直後は、実際の購入代金が不動産評価額を上回り、担保余力がなかったとしても、住宅ローンを繰り上げ返済することにより、住宅ローンの残高が借入可能額を下回るようになれば、不動産担保ローンを借り入れできるようになります。 不動産価格が大きく下落した時期に物件を購入した人 最近ではリーマンショックの後に不動産価格が大きく下落しました。このような時期に割安な価格で不動産を購入していれば、景気の回復に伴い不動産価格が上昇したときに、不動産評価額が購入時に比べて高くなることもあります。借入可能額と住宅ローンの残高の差額が担保余力となり、十分な余力があれば不動産担保ローンを借り入れできます。また、価格が大き上昇していれば、購入時の不動産価格を超えて借り入れできる場合もあります。 住宅ローンの返済期間が短く、残高の減りが早い人 金利1%の35年の住宅ローンであった場合、当初残高が30%減るのは約12年程度必要でしたが、返済期間を20年に設定していた場合は7年程度で減ります。同じ金額を借り入れたとしても、毎月の元本返済額の違いにより、残高の減り方が異なります。このように、住宅ローンで同じ金額を借り入れたとしても、返済期間が短く、残高の減りが早ければ、不動産評価を住宅ローンの残高が早い段階で下回り、不動産担保ローンを借り入れられる可能性があります。 まとめ 住宅ローンの残高があったとしても、不動産担保ローンを借り入れできる例を紹介してきました。住宅ローンの残高や不動産評価次第で不動産担保ローンを新たに借り入れできる可能性があります。住宅ローンの残高があったとしても資金不足で困っているなら、一度相談してみてはいかがでしょうか。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産担保ローンの「仮審査」とは? 不動産担保ローンを提供している金融機関のホームページには、よく「仮審査」や「事前審査」という言葉が使われています(以後この記事では「仮審査」と呼称します)。住宅ローンを利用したことがある人な...記事を読む

  • 【FP解説】不動産担保ローンとリバースモーゲージの違いとは?

    【FP解説】不動産担保ローンとリバースモーゲージの違いとは?

    「預貯金が十分にはなく、まとまったお金が用意できない」といった悩みを持つことがあるかもしれません。そんな時、持ち家であれば、不動産を活かしてお金を捻出できないか?と思う人もいるのではないでしょうか?例えば、親の介護施設などの費用を捻出する際に、実家の資産価値を活かせないか相談にくる人もいます。 この記事では、1人暮らしの親の介護に関わる費用に悩む62歳男性の事例をご紹介します。 [ ご相談者 Hさん ] 62歳男性 会社員(配偶者あり) 子は独立 1人暮らしの母親(88歳)の足腰が弱くなり、車椅子が必要になったことで(要介護3)、介護施設の入居を考えている。 Hさんには弟がいるが、海外にいるので介護面でほとんど協力は得られない。 (1)リバースモーゲージの特徴と注意点 Hさん: 先日、母が米寿を迎えたのですが、最近足腰が弱まっていたからか転倒し、車椅子が必要になってしまいました。実家は昔ながらの二階建ての一軒家でバリアフリーではなく、介護施設の方が安心かと探しています。ただ、両親も自分も、自由に使える現預金があまり手元にないので、その費用をどう捻出しようかと考えています。調べていたら「リバースモーゲージ」を知ったのですが、どうなんでしょうか? FP吹田:リバースモーゲージは、自宅を担保にして融資を受けられる商品です。資金使途は生活費などにも利用でき、介護施設の入居費用にも使えますね。Hさんのケースであれば、お母様所有のご実家を担保に年金形式でお金を借りられます。ちなみに、リバースモーゲージを考えられた理由はなぜでしょうか? Hさん: 家を売るような話は、到底母に言えないですし、まずは今の住まいを維持した状態で、資金を捻出できる方法はないかと調べていたからです。 FP吹田:なるほど。リバースモーゲージは、ご実家を担保にはしますが、所有権を手放すわけではないので、今回のケースでは選択肢の一つになりそうですね。なお、年金形式で融資を受けられる目安は、担保評価額の約半分程度までが一般的と言われています。 Hさん: え?担保評価額の半分程度なのですか?もっと多いかと思ってました。 FP吹田:リバースモーゲージは、そもそも高齢者向けの商品である上に、死ぬまで利息のみの返済で長期間の融資になるので、評価目一杯の融資は難しく、担保評価に対して保守的にならざるを得ません。しかも、担保評価額は毎年見直されるので、評価額の減少で利用可能額が下がることもあり得ます。その場合、利用可能額を超えてしまった分は一括返済となるので注意が必要です。 Hさん: なるほど。うちは一戸建てとはいえ、そんなに評価額は高くないかもしれないですね。弟は海外にいるので、あまり相談できないですし。 FP吹田:推定相続人はHさんと弟さんのお2人ですか?というのも、リバースモーゲージは、ご実家の所有者であるお母様がお亡くなりになられた後に、売却して一括返済するというのが一般的なので、相続人全員の同意も必要になるのです。 Hさん: そうでしたか。母に万一の際の相続人は僕たち兄弟2人です。リバースモーゲージは、毎月の負担が利息だけと知っていいなと思ったのですが、実際は、借入可能額や相続人同意の件など、ちょっと厳しいかもしれません。他に売却せずにできる方法は何があるでしょうか? (2)不動産担保ローンの特徴とデメリットの解消法 FP吹田:不動産を担保に融資を受けるという点で、共通している不動産担保ローンという選択肢もあります。リバースモーゲージと不動産担保ローンの特徴を一覧にしたので、こちらを見てみましょう。 不動産担保ローンとリバースモーゲージの主な特徴 不動産担保ローンリバースモーゲージ 仕組み一括借入れと返済融資上限枠内の分割借入れ(年金形式) 担保不動産不動産 借入可能目安物件の評価額の6割~8割程度物件の評価額(毎年見直し)の5割程度 所有権の変更なしなし 最終形返済できれば、不動産はそのまま。返済できない場合は、担保不動産を売却。死亡時に不動産を売却して元本一括返済(一部例外あり) 月々の負担元本と利息毎月利息分のみ負担 金利変動金利、固定金利変動金利が多い 相続人の同意不要必要 年齢・所得・資金使途の制限少ないある(高齢者向け) Hさん: 不動産担保ローンだと、担保物件の評価額の6割~8割程度までみてもらえるのですね。 FP吹田:はい、個別事情による部分もありますが、一般的には6割~8割程度と言われており、担保物件についても一戸建てのみでなく、マンションや借地権付建物含め、利用できる対象も幅広いと言えます。 Hさん: なるほど。毎月の返済は、元本と利息ですよね。そこがちょっと不安だったりします。 FP吹田:確かに、毎月の返済が重荷になることを心配される方も多いでしょう。その場合の対策として、返済期間が最長で25年程度まで可能なところを利用し、例えば、お母様の寿命を全うできるような期間にすれば、最後に売却して清算ということもしやすいのではないでしょうか? Hさん: なるほど。期間を長めに設計してもらうのですね。入居金が1,000万円くらいとして、仮に1,300万円くらい借りるとどの程度の負担になるのでしょうか? FP吹田:そうですね、金利4%、返済期間25年の元利均等返済方式で計算すると、毎月約6.8万円(初回の内訳は利息分が約4.33万円、元本返済分が約2.52万円)になります。元利均等返済方式なので、徐々に利息の割合が減っていき、元金と同等になるのが7~8年経過(93回目)のようです。 Hさん: そうか、はじめのうちは金利負担の割合が大きいから、仮にリバースモーゲージで利息のみ返済の場合と比べても、2倍に膨らむわけではないのですね。あとは、返済負担を考慮して余裕をもって借入金額を設計してもらえたら有難いですね。母もどこまで長生きするかわかりませんが、この方法なら、海外の弟には手続きなど煩わせることなくできるので、検討してみます。もちろん、弟に一報は入れておきますが。 FP吹田:そうですね。不動産担保ローンは、資金使途も介護などにとどまらず、事業資金、生活資金など幅広く利用できるので、柔軟性は高いといえます。最後にリバースモーゲージと不動産担保ローンそれぞれのメリットとデメリットを整理しておきますので、ご参考ください。 まとめ リバースモーゲージの主なメリット・デメリットは? <メリット> ・高齢でも借りられる ・毎月の返済負担が小さい <デメリット> ・担保評価額の5割程度が借入可能額の上限 ・生きている限り返済が終わらない ・手続きに相続人全員の同意が必要 不動産担保ローンの主なメリット・デメリットは? <メリット> ・年齢や所得制限があまりない ・担保評価額の6割~8割程度が借入可能額の上限 ・相続人の同意は必要ない <デメリット> ・完済時年齢が設定されている ・毎月の返済負担が大きい 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など 住宅ローン返済中でも、不動産担保ローンで借り入れできる人とは? 不動産担保ローンは、住宅ローンの残高があったとしても該当する不動産を担保にして借り入れできる可能性があります。しかし、必ずしも借り入れできる訳ではありません。この記事では、住宅ローンの残高が...記事を読む